動画サイトから人気爆発!ネットラッパー“らっぷびと”がアニメイトTVに登場!待望のメジャー1stアルバム「RAP MUSIC」とアニメ&マンガについて熱く語った!
掲示板や動画サイトなど、ネット上で自らのパフォーマンスを披露する、ネットラップという方法を用いて、『さよなら絶望先生』や『涼宮ハルヒの憂鬱』などのアニソンのラップバージョンや、『ひぐらしのなく頃に』をモチーフにした曲などを発表して一躍脚光浴びた、“らっぷびと”が2月4日に「All Day,All Night」でメジャーデビューを果たした。そして3月11日には待望のメジャー1stアルバム『RAP MUSIC』をリリースする。
デビューシングルの「All Day,All Night」に、『ひぐらしのなく頃に』をモチーフにして作り、ファンからも好評だった「When They Cry」、得意のアニソンラップの名曲からも、大槻ケンヂと絶望少女達が歌っていた『さよなら絶望先生』のOP曲のラップバージョン「空想ルンバらっぷ」を収録。「空想ルンバらっぷ」は大槻ケンヂから許可も得ているお墨付き。他にも過去のインディーズやネット上で発表してきた曲の中から選りすぐりの曲と、今回新たに書き起こした新曲も入っており、ここまでの”らっぷびと”の音楽がわかる1枚だ。
日常生活や普段感じた率直な気持ちをさわやかに歌い、時にはアップビートで弾むライムなどは聴きやすく、アニメやゲーム関連の曲もあるのでヒップホップの入門編としてもいいかもしれない。今後の音楽シーンでも活躍が期待できる一人としてもチェックしておきたい。
“らっぷびと”はまだ21歳という若手ラッパーだが、自他共に認めるアニメ・マンガ通。「音楽のことはもちろんだが、あとはマンガとアニメの話もしたい」と語っていた通り、マニアックなネタが続出。その“通”ぶりにも焦点を当てながら、注目のアルバムなどのお話をうかがった。ネット時代に登場した”らっぷびと”のアニメ&マンガ&ゲーム愛にあふれる熱いトークをぜひご覧あれ。
●好きです!『かんなぎ』の“アニメ版”!
――まず当サイトの『アニメイトTV』を説明しますと、アニメイトというショップの……
らっぷびと:アニメイトさんはよく利用させていただいています。雑誌やコミック、CDとか。ポイントカードもほら(財布の中にあるポイントカードを取り出す)。
――すごいですね! ご利用いただきありがとうございます。まさに評判通り。プロフィールでも“好きな漫画”の項目が一番大きくて、30弱も作品数を書き込まれているというのは珍しいです(笑)
らっぷびと:あれでも絞り込んだんですけど。それに“好きなアニメ”についてはまだ書いてないし。
――どうしてそんなにマンガやアニメに詳しくなったんですか?
らっぷびと:小学生の頃から『週刊少年ジャンプ』などの“週刊少年”系が好きで読んでて、アニメも『新世紀エヴァンゲリオン』や、『ドラゴンボール』とか一般の人が見るような作品は見てました。中学時代に自分の中でヒップホップブームが先に来て、「フィギュアとか買う奴とかわけわかんねぇ」と思ってたらいつの間にか部屋に何体も並ぶようになり(笑)。原因としては高校時代、知り合いに『涼宮ハルヒの憂鬱』を勧められ、見たらどっぷりハマってしまったという。それから『ローゼンメイデン』や『苺ましまろ』など見るようになり、月イチで秋葉原に行くようになってしまいました。そしてコレクターのようにマンガも集めるようになり、今は3千冊ぐらいになり、入りきれず、押入れに詰め込んであります。今の僕の夢はマンガとアニメを見るだけの部屋がほしい。宝くじがあたったら……。
――これからヒットすればすぐに願いは叶いますよ ところで『ハルヒ』にハマったポイントは?
らっぷびと:話数をシャッフルしたり、逆回転で再生すると聞こえる長門さんのセリフとか、随所にこだわりや遊びがいっぱいあって衝撃的でした。「これは普通のアニメじゃない」って。だって1話を見た時、訳わかんなかった。でもあとあと見てみるとカメラワークが素人っぽくなってるところとか。小説も読みました。谷川流先生の文章も個性的で好きです。
――アニメ好きが高じると『機動戦士ガンダム』など昔のアニメ作品の掘り起こしを始める人も多いんですが、らっぷびとさんは掘り起こしされたりしましたか?
らっぷびと:したり、しなかったり……。昔、2クールとか1シーズンくらいしかやっていなかったアニメは知る機会も少なかったりしますが、『ガンダム』や『マクロス』のようにシリーズが続いていたりするものは、ハマってからオリジナルに戻ってチェックしたりしました。
●好きな制作会社はシャフトです!あの演出が好きです!
――今もアニメは結構ご覧になっているんですか?
らっぷびと:番組改編期にはインターネットで今期の新番組の一覧を引っ張ってきて、「何見ようかな」と考えたり、雑誌を見て調べたりして、チェックしています。
――今年のお気に入り新番組を教えてもらえますか?
らっぷびと:アルバム制作やプロモーションに追われて、今期はなかなか見られていないのですが、まず1話を見た時点で「おもしろいな」と思ったのは『ライドバック』。あとは好きな制作会社が作っている『まりあほりっく』ですね。僕はシャフトが大好きなので。『さよなら絶望先生』とか『ef』とか『ぽにぽに』とか『ひだまりスケッチ』とか……。あの演出が好きです。『まりあほりっく』もかなりキテて、「シャフトやってるな」と(笑)。
――なるほど(笑) シャフトの作品が好きな理由は?
らっぷびと:色使いとか演出の仕方が好きで。最初の頃は普通にアニメを見てたんですけど、「この演出の仕方見たことあるな」と感じたのがシャフトだったんです。すごく特徴があって、それにひかれて、シャフト制作の作品は見ようって。『ef』も見る前はあまり興味がなくて、シャフトだからという理由で見始めたらハマってしまって。シャフト以外だと悔しいんですけど京都アニメーションが好きで。
――京都アニメーションもクォリティの高い作品作りで定評がありますよね。でもなんで悔しいんですか?
らっぷびと:『ハンター×ハンター』の冨樫義博先生が悔しいけどおもしろいのと一緒です(笑)。京都アニメーションにはハズレなしでいつもすごいクォリティのものを作っていて。『CLANAD』で何回泣いたことか。あと京都アニメーションではないですが、『とらドラ!』も侮ってたんですけど、16話で泣いてしまって。認識を変えなきゃと。ラノベもこまめにチェックしないといけないですね。
――ラノベが原作アニメでは『灼眼のシャナ』もありますがご覧になりましたか?
らっぷびと:見ました。一期でハマって。OPのクォリティも高いし、最後に向かう展開もきれいで「まるで映画みたいだな」と思いました。ちなみに『ゼロの使い魔』も好きなんですけど、特に2期が。アレはヤバかったです。
――マンガで最近おもしろいなと思う作品は?
らっぷびと:『ハチワンダイバー』は将棋マンガなのに、バトルマンガみたいな。あとは復活がうれしい、『ハンター×ハンター』は僕の中でも王道です。
●きっかけはアニソン、電波ソングって自由ですね!
――しかしマンガやアニメにハマるスピードが速い気がします
らっぷびと:自分でもここまでとは。僕はアニメにハマった理由が女の子がかわいいとか、ストーリーがすごいとかじゃなく、「アニソンってすげぇ!」から入ったんです。アニメソングや電波ソングって自由だなって。いろいろなものが混ざっていて、クォリティも高い曲が多くて。そういう音楽ジャンルに触れるのが初めてだったのですごく衝撃を受けて。
――確かにアニソンは常に流行を取り入れたりしてるところはありますね
らっぷびと:流行を取り入れた曲もあれば、80年代ぐらいのJポップもあれば、アイドルソングみたいなのもあって。またいろいろなアーティストに出会えるきっかけにもなって、普段はこのジャンルの人は聴かないけど、アニメのOPやEDで知って聴くようになったという人も多いと思うし。そういうきっかけを作れる場としてもアニメっておもしろいなと。
――特にショックを受けたアニソンは?
らっぷびと:いろいろありますけど、純粋に「こんなカッコイイのがアニソンなんだ」と思ったのは『カウボーイビバップ』のBGM、OPも含めて。菅野よう子さんの曲はすごくかっこよかった。あとアーティスト的にこんな人達がいるのかと思ったのはALI PROJECTを聴いた時。ビックリしましたね。こんなメロディを付けられるのかって。最近だと僕もラップバージョンを作らせていただいた、『さよなら絶望先生』の“大槻ケンヂと絶望少女達”の「空想ルンバ」です。ぶっ飛んでて、すごい展開があって。「空想ルンバ」を最初に聴いた時、さすがにラップをのせるのは無理だとあきらめました(笑)。でもお話をいただいて「空想ルンバらっぷ」を作らせていただいて、いい経験になりました。『絶望先生』関係のアルバムとかもそうですけど、すごいですね。『絶望大殺界』に収録されている「豚のご飯」が大好きで、大槻ケンヂさんと木村カエレ役の小林ゆうさんが歌っているんですけど、小林さんが大声で「豚!」と4つ打ちに合わせて歌うというすさまじい曲で。今でも聴いた時のインパクトは忘れることができません。
●ネットラップに至る道、そのルーツとは
――そんならっぷびとさんですが、インターネット初のネットラップから活動を始めたんですよね。女性アーティストの方も同人やネットなどで知られ、メジャーデビューされるケースも多いですが、ヒップホップにもそういう流れがあるとは失礼な話かもしれませんが知りませんでした
らっぷびと:たぶんそれほど知られていなかったと思います。ネットラップという場所で素人として活動を始めて、たまたまアニソンとかをやって注目を浴びて、なぜかこの場所に立っているという……自分でも不思議な感じです。
――まず中学時代に音楽にハマって、ネットラップを始めたのは16歳の頃、高校生の時だったんですね。その頃はどんな音楽を聴いてたんですか?
らっぷびと:最初はJポップしか聴いてなかったんですけど、好きだったのはTHE BLUE HERBさんとか降神(ORIGAMI)さんとかで、KICK THE CAN CREW(キック・ザ・カンクルー)さんやRHYMESTER(ライムスター)さんがシーンに登場して、ジャパニーズ・ヒップホップに触れたんです。それで自分でもリリックを書いてみようかなって。
――ラップのどんなところにひかれたんですか?
らっぷびと:自由度が高いのがまずひとつで、ラップという歌唱法は割と誰にもできる気軽さがあって。そこに言葉遊びの楽しさというか、言葉ひとつに対していろいろな言い方ができて、歌詞を詰め込めるおもしろさに「こんな音楽のやり方があるんだ」と衝撃を受けて、ハマってしまいました。
――アニソンにハマったとおっしゃっていましたが、ご自身の音楽制作の中で参考にしたり、フィードバックできたことはありますか?
らっぷびと:自由に、楽しいことを素直にやっているなと感じるんです。アニソンしかり電波ソングしかり。聴いてて笑ってしまうような「好きなことやってるな」というはっちゃけ具合がすごく好きだったので、自分の中でも活かせている部分は多いと思います。
●そして話題となった「人として軸がぶれているらっぷ」
――2007年にアニメ『さよなら絶望先生』のOP曲「人として軸がぶれている」にラップをのせた「人として軸がぶれているらっぷ」をニコニコ動画にアップして一躍注目を集めたそうですが、この曲をラップバージョンにした経緯を教えてください
らっぷびと:らっぷびと、という名前で初めて手がけたのがアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』のED曲「ハレ晴れユカイ」のラップバージョンで、ニコ動ができる前に2ちゃんねるへ投下してたんです。スレッドを立てて「こんなのをやってみたけど、どう?」みたいな。2作目は挿入歌の「God knows…」、3作目はOP曲の「冒険でしょでしょ?」もラップバージョンを作って。まとめサイトに紹介されたりしたんですけど、ニコ動というおもしろいサイトがあることを知って、僕も投稿するようになって。それまで作った『ハルヒ』の曲を投下しつつ、その流れで2007年9月に「人として軸がぶれている」を投下したら、ものすごく注目を浴びたんです。
――「人として軸がぶれているらっぷ」はオリジナルを作った大槻ケンヂさんから許可も出てCD化もされたんですよね
らっぷびと:自分自身すごくビックリしました。勝手にやってたことだったから「訴えてやる!」とか言われるかと思っていたら、なぜか原作の久米田康治先生も何も言わずにマンガのセリフの中に「火ヲ貸セヨ」のフレーズを使ってもらったり。素直にうれしかったです。
――人気作品の楽曲だったので反響も大きかったでしょうね
らっぷびと:原作ファンの方からしたら、パチもんに見えていたかもしれないけど、その中でも気に入ってくださることがいたこともうれしくて。ニコ動で一時期、荒れた時も大槻さんの曲や原作のイメージとは違うから叩かれたわけでなく、ほとんどは「これはラップなのか?」という疑問の声でした。自分はそういう声には慣れていたので「また言われてるな」と思いましたけど。
――あとらっぷびとさんを語る上で欠かせないのが『ひぐらしのなく頃に』をモチーフにした「When They Cry」ですね
らっぷびと:実は「軸ぶれ」よりも早く完成していた曲で2006年10月にはできていました。「軸ぶれ」はアニメのOPを聴いて3日くらいで作ったんですけど(笑)。元々、『ひぐらしのなく頃に』のゲームが好きで2005年からずっとやっていました。そして最後の第8話をやってとてつもない感動の中、1曲作ったんです。当時は1日中ぼーっとしながらBGMを聴いてたほど好きだった作品なので曲にできてよかったです。
●知り合いのラッパーが勧めた『ひぐらし』
――『ひぐらし』を知っているということはゲームもかなりディープそうですが……
らっぷびと:至って普通でした。小学生の頃、遊んだのは『大乱闘スマッシュブラザース』をトーナメント方式でみんなでプレーしたり、『マリオカート』とか『マリオパーティ』とか『パワフルプロ野球』とかで。
――ではコンシューマーからPCゲームに入って『ひぐらし』へと……
らっぷびと:そっちもあまり詳しくなくて、興味半分でストーリー系の美少女ゲームをやろうと思ったくらいで。ある日、知り合いのラッパーに「ホラー系のゲームない? グロいのでもいいから」って聞いていたら、『ひぐらし』を勧められたんです。
――ひとことで言うと『ひぐらし』の魅力とは?
らっぷびと:壮大な演出とBGMです。マンガとか読んで「『ひぐらし』って怖い作品だよね」って言われるとショックですね。グサっときて。「そんな作品じゃないのに。最後は感動するんだよ」と伝えたくて。最後はボロ泣きしましたから。でも長い作品なので生半可な気持ちでやると大変そうだけど、あれは人生に残る作品なのでたくさんの人に触れてほしいですね。
――「When They Cry」が発表されたのが2008年2月ですが、どうしてそのタイミングになったんでしょうか?
らっぷびと:ニコ動に投下していたのはネタ系だったので、今度は完全オリジナル曲で認められたいと。そこで「When They Cry」を手直しして、動画も付けてアップしてみたら好評で。『ひぐらし』をやった人から「この曲を聴いて、『ひぐらし』のことを思い出して、また感動できました」というコメントが返ってくることが多くて、自分と同じ気持ちになってくれたことに更に喜びを感じました。
――「When They Cry」はどんな曲ですか?
らっぷびと:『ひぐらし』を僕なりに圧縮して曲にした感じです。ネタばれとかしないように抽象的できれいに、「こんな作品なんだよ」と歌詞とメロディを作ったらああなったんです。
――作品の設定や世界観を描かれつつ、らっぷびとさんの作品への熱い想いが伝わってきます。明るい希望も見えてくる素敵な曲ですね
らっぷびと:ありがとうございます。『ひぐらし』はいろいろな事件や出来事が起こるけど、最後はみんなで力を合わせていく物語なので。BGMも音楽を作る人間としてインスパイアされるものが多かったので曲は作りやすかったですね。
――その後、コミックマーケットで曲を発表したり、昨年8月にインディーズで『RAP BEAT』を発売するとオリコンインディーズチャート初登場3位を獲得する快挙で。そして今年の1月に念願のメジャーデビューを果たしました
らっぷびと:うれしかったですね。周りの人も祝福してくれましたが、一番喜んでるのは両親や親族でしょうね。今までフリーターで音楽活動してたし、一番ひどい時期は“完全ニート”で『モンスターハンターON LINE』をひたすら部屋でやってて。友達を呼んで、ノートパソコンで二人でオンラインゲームをやるということを毎日してました。母からは「あんた、本当に音楽作ってんの?」と言われたり(笑)。
――『NHKにようこそ!』は共感できたのでは?
らっぷびと:あれは共感できましたね。さすがにアレはひどいだろうと思ったけど(笑)。僕はマンガが好きで読んでいましたが、最後はきれいに終わってよかったなと。
――あのアニメのED曲も大槻さんでしたね
らっぷびと:「踊る赤ちゃん人間」には驚かされましたね。あれで大槻さんがアニソンもやるんだと。大槻さんも筋肉少女帯も知っていたけど衝撃を受けました。“あばばあばば”ですよ!
●「All Day,All Night」のPVの秘密とは!?
――デビュー曲の「All Day,All Night」はどんな曲ですか?
らっぷびと:インターネット上で活動している時に作った曲で、タテ・アンド・マーキーさんというアーティストのシングル「Stand by me」のインストを使わせていただいて。完成したけど、どこにも発表しなかったんですが、自分のメジャーデビューへの心情的とすごく重なるものがあって、テーマとして「これを使いたい」と思って、タテ・アンド・マーキーさんに許可をいただき、マーキーさんにもコーラスで参加していただいて、自分にとってうれしい1曲になりました。
――らっぷびとさんの声の素朴でさわやかさから、やさしい気持ちになれます。また励ましてくれる応援メッセージソングでもありますね
らっぷびと:新しい道を歩んだり、新しいことに挑戦する時には希望や期待する気持ちがあるけど、その裏には不安や悩みがありますよね。そんな時、周りの仲間に背中を押してもらって、この場に立てているんだと気付いて、その想いを詞にしました。
――曲とは違ってPVはちょっと変わった映像ですよね。頭にロボットのお面をかぶりながら歌っているという……
らっぷびと:「ああしたらカッコイイかな」と思って。あのPVで使ったのはあくまでパチモンですが、オリジナルの作品は大好きなのでなれてよかったかなと(笑)。あのお面はスプレーを使って黒く塗りました。あのPVはたった2日で完成したんですよ。1日で撮影を終わらせて、スタッフさんが映像の編集作業をしている裏で僕が曲のミックスをしてるみたいな(笑)。でも、インパクトもあっておもしろい映像になったかなと思います。
●いい意味でバラエティーに富んだ1stアルバムになりました
――そして3月11日にメジャー1stアルバム『RAP MUSIC』がリリースされますが
らっぷびと:メジャーということで、今までとは聴いてくださる層も変わってくるでしょうし、僕のことを知らない人が多いと思うので名刺代わりになればいいなと考えて、これまで活動してきた曲をセレクトしたり、新曲などを詰め込んでみました。以前の曲もすべてアレンジし直しているので、らっぷびとを知っている人にも楽しめる1枚になったと思います。
――ピアノが入った楽曲が多くて、らっぷびとさんの声やメロディがひきたち、メッセージもストレートに伝わってくる感じがしました
らっぷびと:確かにピアノは多いですね。でもそう感じていただけたならうれしいです。
――メジャーデビュー曲の「All Day,All Night」や代表曲の「When They Cry」など詞も身近に感じられる曲が多くて、自然と心に入ってくる曲がそろったと思います
らっぷびと:そう思っていただけたらよかったです。自分をさらけ出す楽曲が多くて、自分を客観的に見て、「こういう自分になるためにこういう曲を歌おう」というスタンスで作っていることが多いんです。あとはいろいろなものからインスピレーションをもらって自分で物語を作るやり方で今回も制作しました。
――アルバム中、1曲異彩を放っているのがアニメ『俗・さよなら絶望先生』のOP曲のラップバージョン「空想ルンバらっぷ」です
らっぷびと:入れられてうれしい反面、すげぇ曲が入ったなと(笑)。エッジが立っているし、この曲があることで別の方向に飛んでいって、アルバム自体ぐちゃぐちゃにできてよかったなという感覚があります。
――大槻さんのボーカルや絶望少女達のコーラスも入っていて、オリジナルの要素は残しつつ、新しい曲のような新鮮さもあります。ファンの間でもまた論議を呼びそうですね
らっぷびと:注目していただきたい。いい意味でも悪い意味でも(笑)。
――アニメやマンガ好きの代表として応援させていただきます
らっぷびと:よろしくお願いします。僕もインターネットからアマチュアとして出てきて今、なぜかこういう場に立っていますが、僕と同じような状況の人もこれからどんどん出てくると思います。そんな人達と絡んでいけたらいいですね。「一緒に頑張ろう」という気持ちですね。ネットラップしかり、インターネット上の他の音楽の人も。そして僕はメジャーデビューできたけど、今までと同じようにライブやネット上の活動も変わらず続けていきたいです。また次に2ndアルバムを作れたら更にぐちゃぐちゃにしていきたい。音楽性ももっといろんな方向に伸ばしていきたいです。
●次なる目標は主題歌!意外とその日は近いかも!?
――では皆さんへメッセージをお願いします
らっぷびと:インディーズで出した『RAP BEAT』がネット上で僕がやっていたことを素直にCDにしたもので、今回はメジャーということで純粋に音楽的なクォリティも上げようと。その上で『RAP BEAT』よりぐちゃぐちゃにできたらいいなという想いで作りました。1曲目のイントロからラストのアウトロまで通して聴いてもらって、らっぷびとの音楽が見えてくるんじゃないかなと思っています。できればシングルだけで終わらずに、アルバムも聴いていただきたいです。
――アニメやゲームとのコラボレーションをしてきたので、今度はテーマ曲ですね
らっぷびと:ぜひやりたいです! 話をいただいたらものすごいやる気を出しますよ。
設定からきっちり読み込んでいい曲作らせていただきますので、各関係者の皆様、よろしくお願いします。僕はマンガやアニメを楽しむ“いちオタク”のままですので、温かく見守っていただければと思います。これからもマンガ&アニメを一緒に楽しみましょう!
<プロフィール>
1987年9月16日生まれ、21歳のらっぷアーティスト
高1の頃に音楽活動を始め、インターネットを使った「ネットラップ」に出会う。
「風玉(かざだま)」という名前で同級生と「ROMPIN CREW」を結成。2007年に「らっぷびと」と名前を変え、'08年8月6日、自身初となるアルバムをリリース。インディーズチャートで3位を記録する。有線では「When They Cry」が問い合わせチャート1位を獲得。
好きなマンガは『るろうに剣心』『よつばと』『日常』『ピューと吹くジャガー』『GANTZ』『ハチワンダイバー』『さよなら絶望先生』『スケッチブック』『寄生獣』『でろでろ』『苺ましまろ』『銀魂』『ドラゴンボール』『アニマル横町』『HUNTER×HUNTER』『レベルE』『武装連金』『不安の種』『みつどもえ』『かってに改蔵』『バキ』『はじめの一歩』『ひぐらしのなく頃に』『ぼくらの』『なるたる』『無敵看板娘』『ミスミソウ』『最終兵器彼女』『かんなぎ(アニメ)』
「All Day,All Night」/らっぷびと
2009年2月4日発売
500円(税込)
EMIミュージック・ジャパン
『RAP MUSIC』/らっぷびと
2009年3月11日発売
2,500円(税込)
EMIミュージック・ジャパン