響き渡る歌声!今、新たな歌の伝道師が誕生する!!「J:COM×アニマックス 第2回全日本アニソングランプリ」決勝戦レポート
もはや1つのジャンル、いや日本が誇る音楽ムーブメントと言っても過言ではない“アニソン”。そのアニソン界の明日を背負って立つ、期待の俊英を発掘する『全日本アニソングランプリ』が、今年も華々しく行われた!
9月21日に開催された第2回大会決勝に集ったのは、全国各地で行われた予選を勝ち抜いた個性あふれる10組のアーティストの卵たち。その若さと才能溢れる歌声は、会場に集った観客に、感動のドラマをもたらしていた!!
●結集!10人の若き才能の原石
人気お笑いユニットのアンジャッシュ(児嶋一哉さん、渡辺建さん)、そして小池祥絵さんの司会で行われた今回のイベント。審査委員長である“アニキ”こと水木一郎さんを始めとする超豪華審査員に挑むのは、札幌、名古屋、大阪、福岡、東京で行われた予選を勝ち抜いた10人の若き才能たちだ。
さて、今回の決勝戦は3回戦で行われる。しかも各選手はファーストステージとセカンドステージで、アップテンポな曲とスローテンポな曲を必ず1曲づつ歌わなければならない。つまり得意なテンポの曲だけ歌えればいいというわけではないのだ。さらに選考は歌声だけでなく、ステージの使い方や会場の心理の掴みかたなど、総合的な実力も判断される。しかし、その難関を勝ち抜けば、スキマスイッチ常田真太郎さんがプロデュースする、来年完成の新作アニメのOPテーマ曲でのデビューを約束されるのだ。
その第1関門となるファーストステージに挑んだ選手の皆さんが選んだ楽曲は、奇しくも全組がアップテンポな楽曲。それぞれ、個性的なステージで会場を沸かせている。
その中を素晴らしい歌声で勝ち残ったのが、カナダ出身のCatherine St-Onge(カトリーヌ・セント・オンジュ)さん、若干14歳の井上ひかりさんを始めとする7人。特にカトリーヌさんは「声に透明感がある」(原田扶美子さん/音楽監督)と大絶賛である。
魅惑のハーモニーを見せたst.アウェイク(武田真平さん、堀達也さん)、肉体派歌手を目指す田上敏嗣さん、華やかなコスプレで会場を盛上げた藤村鼓乃美さんは、残念ながらここで脱落となった。
なお、今回のイベントではゲストアーティストによるスペシャルゲストライブも行われている。イベントオープニングを務めたLittle Nonの皆さん、前回優勝者にして早くも頭角を現しつつある喜多修平さん、北出菜奈さん、Yozuka*さん、串田アキラさんなどなど、アニメ界では知らぬものが居ない皆さんのライブに会場は大いに盛り上っていた。また、大人気のアキバ系ユニットAKB48のライブも行われ、ファンの感涙を誘っている。
●難関突破へ磨き合う才能たち
更なる選定を経て、高い資質を伴った選手たちが集ったセカンドステージ。ここを突破できる人数はなんと3人! しかも最後の1人は会場の投票で決められるという難関である。
そんなハードな戦いの中、皆さんが歌うのはバラード主体のスローテンポな楽曲。聴かせる歌が多いだけに、その争いもハイレベルだ。特にバラードを得意とするというパフォーマー田中太郎さん、高音域の美声が魅力の清水雄介さんは、その実力を遺憾無く発揮していた。しかし、それさえも越えていったのが、カトリーヌさんと井上さんの2人。審査員の圧倒的な評価を受けて勝ち抜いている。
そして、この2人に続く最後の1人は、会場の観衆の声で決定されることに……。ここで会場を味方につけたのが、その容姿と萌えのツボを掴んだパフォーマンスで人気となった古川愛季さんだ。そして、田中さんと清水さん、今回が2度目の決勝戦となる高い実力の持ち主、鳴海友理さんとストリートで鍛えた声に才能を感じさせた太田晴之さんは、惜しくもここで退場となる。
●決定! 3人の歌姫と王座の形
最後の関門となるファイナルステージ。ここに集ったのはプロとして通用するレベルと、強い個性を備えた3人の歌姫である。課題となる楽曲は自由。まさに自分の全てを見せきるためのステージだ。
先陣を切ったのは吉田さん。大人気アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』から、「God Knows...」を歌い、多くの歓声が寄せられた。続く井上さんは『NARUTO』の人気キャラクター、うちはサスケのコスプレで登場。歌うはもちろん『NARUTO疾風伝』の「ブルーバード」だ。こちらも井上さんの元気な歌声に呼応するかのように、熱い応援が会場から寄せられている。そして、最後の歌い手となったのはカトリーヌさん。伝奇アニメの雄『Fate /stay night』の「きらめく涙は星に」は、その力強い歌声とあいまって会場に圧倒的なインパクトを与えた。
いずれも素晴らしい実力の未来の歌姫。それだけに、その選定は難航を極めたようだ。その中で栄冠を勝ち得たのは、日本に滞在してわずか半年であるカトリーヌさん。「プロとして通用する」(水木さん)と、その圧倒的な歌唱力が評価された形である。
しかし、ここまで勝ち残った他の参加者の余りにも惜しい……。そのため、審査員特別賞が設けられ、優勝者同様にデビューを約束されるという。こちらを受賞したのは「圧倒的でした」(藤本昌俊さん/アニプレックス)と評判の井上さん。どちらの活躍にも期待したいところだ。
今回も素晴らしい歌姫が誕生した『全日本アニソングランプリ』。これからも新たな新星を発掘していくことだろう。