【キャラホビ2008】「プロダクション I.G スペシャルト..

【キャラホビ2008】石川社長がアニメビジネスを語る「プロダクション I.G スペシャルトークライブ」開催

 8月30日、31日の両日、千葉・幕張メッセで開催された『C3×HOBBY 2008』(「キャラホビ2008」)。30日のメインステージにて、「プロダクション I.G スペシャルトークライブ」が行なわれた。今回のイベントには専修大学の福富忠和教授を司会に、プロダクション I.Gの石川光久社長と森下勝司プロデューサー、そして『攻殻機動隊 S.A.C.』ファン代表としてグラビアアイドルの若木萌さんが出演。アニメーションビジネスという側面から『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』『RD 潜脳調査室』『ケータイ捜査官7』の各作品についてトークを繰り広げた。


●『スカイ・クロラ』に見るアニメビジネスのキーワード

 イベントでは、まず劇場版アニメーション『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』のPV上映からスタート。森博嗣の同名小説を原作にした本作は、思春期の姿のまま永遠に生きる“キルドレ”と呼ばれる子供たちが、大人たちが作った「ショーとしての戦争」を戦うというストーリー。監督は国内外に熱狂的なファンを持つ押井守氏がつとめている。

 劇中のキャラクター・草薙水素のコスプレで登場した若木萌さんは、映画を観たときにエンディングクレジットで“「スカイ・クロラ」製作委員会”というテロップがあったと説明し、主演者たちに「製作委員会って何ですか?」と質問。それを受けてメインディスプレイに資料を表示しながら石川氏が解説していくことに。アニメ作品に対して出資を行なうTV局や広告代理店、メーカーなどで組織される製作委員会は「プロデューサーにとって大切なパートナー」と語る石川氏は、「製作委員会でプロデューサーがやらなくてはいけないことは“いかにお金を集めるか”ではなく、“いかに集めたお金を製作委員会に返していくか”が大事」と説明。さらに『スカイ・クロラ』をベネチア映画祭に出品する直前の会議でのエピソードも披露した。

 「この作品について説明するときに、押井監督の第一声が「“素子”が言いたかったのは……」だったんですよ(笑)。監督にとって水素は素子なのかな?っていうくらい。押井監督で作品をつくるときって最初から形が決まっていないことが多いので、それを製作委員会の皆が本気になって色々なことを決断していくのは、ある意味不思議なことです」(石川氏)。

●士郎正宗と再びタッグを組んだ『RD 潜脳調査室』

 続いては、現在日本テレビ系(一部地域を除く)にて放送中のTVアニメーション『RD 潜脳調査室』。新たなネットワーク空間“メタ・リアル・ネットワーク”(メタル)が構築された2061年の世界が舞台の本作は、『攻殻機動隊』の士郎正宗氏との共同原案で進められた。企画がスタートした背景には「『攻殻機動隊 S.A.C.』シリーズで深まった士郎正宗氏との信頼関係」があると説明する森下氏。「ちょうど『攻殻機動隊 S.A.C.』のゲームが終わったあとに、士郎さんのところへお礼に伺ったんです。そのとき何気なく“また何かあったらよろしく”と言われて、翌日にはこの企画が送られてきました」と語った。また『RD 潜脳調査室』の世界観について「『攻殻機動隊S.A.C.』は公安や国家とか、私たちの生活レベルより上の世界の話。士郎さんの原案も“もう少し市民レベルに落としたものを”と言われていいました。キャラクターの魅力もあってそのあたりを出せて、視聴者にも入りやすいと思います」とコメント。

 そして「キャラホビ2008」の会場らしく、商品開発の例としてメガハウスから2009年1月に発売予定のフィギュア“蒼井ミナモ”と“ホロン”の原型を紹介。さらに石川氏は「森下プロデューサーにはこれでお金の循環を学んでほしい。やっぱり稼ぐものを作れと注文しましたので。そして『RD 潜脳調査室』は、26話全部を通して評価していただければなと。全部見終わったあとにどう思うか、という作品になっています」と語っていた。

●『ケータイ捜査官7(セブン)』を実写ドラマにした理由とは

 次に紹介したのは、現在テレビ東京にて放送中の実写連続ドラマ『ケータイ捜査官7』。ごく普通の高校生・綱島ケイタがある事件をきっかけにサイバーテロを取り締まる組織「アンダーアンカー」のエージェントとして活躍していくという物語。プロダクション I.G の初の実写作品となり、本作の企画を手掛けたのは、『たまごっち』を世に送り出したウィズ。シリーズ監督には『ゼブラ―マン』『妖怪大戦争』『クローズ ZERO』など、数々の作品を世に送り出している三池崇史氏を起用している。

 石川氏は企画当初はアニメーション作品として考えていたことを語り、それが実写ドラマに変更されたのは、ドラマの要となるロボット型の携帯電話「フォンブレイバー」の存在だったと明かす。「2つのタイミングで実写でやろうと決まりました。ひとつはビジネス的な側面で、“携帯電話のロボット”をお客さんに届いたときのインパクト。子供が買うとしたら、アニメよりも実写のほうが手にとってもらえるんじゃないかと考えた。もうひとつは、海外の映画祭でやたらと三池監督の作品を見せられて、“日本にもこんな監督がいるんだ”だなと。三池監督のパワーをぜひ実写でやりたいということで、話がどんどん進んでいきました」(石川氏)。

 森下氏は関連商品の展開として劇中の「フォンブレイバー」を再現したソフトバンクの携帯電話「フォンブレイバー SoftBank 815T PB」を紹介。人工知能型のアプリを搭載し、ユーザーとコミュニケーションできるというもので、ドラマと同じように変形も可能だ。「これがアニメで動いているのと、実写で動いているのでは親近感が違う。実写の生々しさはアニメでは伝わらないと思うので、この商品がお店で実際に売られているというインパクトを含めて、すごいなと思います」と森下氏。最後は着ぐるみの「フォンブレイバー7」も舞台に登場し、終始なごやかな雰囲気のままイベントは終了した。

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