2012-08-13 14:00

聖地・上野にサクラソング響く！　「横山智佐のサクラ大戦初・野外ナイトライブ『はじまりの上野で…』」開催

　猛暑が和らいだ2012年8月8日(水)、東京・上野恩賜公園内の不忍池のほとりにある水上音楽堂にて、真宮寺さくら役・横山智佐さんの企画によるライブ「横山智佐のサクラ大戦初・野外ナイトライブ『はじまりの上野で…』」が開催された。

　ゲーム『サクラ大戦』冒頭では、上野公園の満開の桜の下で真宮寺さくらと大神一郎少尉が出逢う様子が印象的に描かれたが、まさにそのご当地で行われるライブということで、このシーンも舞台で初めて再現された。また膨大なサクラソングの中から、夏や祭りをイメージした曲が歌われたほか、横山さんが巴里華撃団のテーマソング『御旗のもとに』を初めて歌うなど、見どころ満載のライブとなった。

大神少尉とさくらの出逢いを、聖地・上野恩賜公園で完全再現！　LIPSの再現まであり、観客も大喜び！

　上野公園の桜並木から不忍池をぐるりと廻ってちょうど反対側。水の上にステージがある野外劇場・水上音楽堂を、夕暮れの残照が彩る夕方6時半。蝉の合唱を切り裂いて帝都浪漫楽団の伴奏が響き、真宮寺さくらの姿の横山智佐さんが現れる。1曲目に選ばれたのは『サクラ大戦スーパー歌謡ショウ「新宝島」』より、『サンセットサマー』。夏の夕暮れ時、不忍池を渡って吹き抜ける心地良い風によく似合う、ゆったりとしたナンバーだ。続けて『恋をしましょう』を歌った後、最初のMCに入る。

　「ご覧いただいているように快適な冷房のある劇場ではありませんが、太正時代のサクラワールドでは、こんなふうに風流な自然を楽しんでいたかもしれません。今日はサクラワールドの住人として、自然の風を満喫しようではありませんか!?」と、横山さんがこの環境ならではの楽しみ方を煽ると、客席にも一体感が広がる。

　さらに「汗をかいても大丈夫です。物販コーナーにＴシャツのご用意がございます」としっかりオチも用意。『スーパー歌謡ショウ』名物、3分間ショッピングのようなノリに、観客側もお約束の安い！」の声を掛けるなど、いつもの「サクラの舞台」の雰囲気を全員で作り上げていく。

　『お祭りダンス』『あなたが楽しければ』と、サクラソングには珍しいコール＆レスポンスができる曲を続けて会場の温度を一気に上げ、サクラらしい和風でいなせな曲『隅田川』『花吹雪・白浪弁天』で江戸情緒を醸し出す。会場全体が汗ばんだところで、「桜の季節にこの場所でまた歌えたらいいな」との願いも込めて『さくら咲いた』を横山さんがしっとり歌い上げると、真夏だというのに脳裏には満開の桜の景色が広がっていく。

　桜のイメージで会場が満たされる中、ステージに海軍服を着た大神一郎姿の陶山章央さんが現れ、「いい天気だ。上野の桜も満開だな」と、ゲーム『サクラ大戦』冒頭シーンをそのまま再現する。ゲームではこの部分の大神はテキストのみで、喋っていないため、陶山さんの声でこのセリフが語られるのもこれが初めて。しかも、「さあ、大帝国劇場へ参りましょう！」と案内するさくらに、「それより、君のことが知りたいな」と“LIPS”の選択肢のナンパなほうを選んだ際のコメントを大神少尉が返したため、会場が爆笑に包まれる。

　さくらと大神のデュエット曲『この世は楽し』を挟み、出逢いシーンをひと通り再現した後は、トークコーナーへ。今回は横山さんがゲストそれぞれに「はじまりの何々」というお題を出しており、陶山さんは声優をはじめるきっかけとなった出来事を明かした。実は25年前、友達つながりで出会った横山さんから「陶山君も声優を目指しなよ」と言われたことがきっかけだったそうで、これには横山さんも驚いていた。

　続いてサクラの舞台ではおなじみのダンディ団より、西村陽一さんとVelo武田さんがゲストとして登場。はじまりにまつわるトークでは、まず西村さんがアクションを始めたきっかけを、人が投げ飛ばされる様子が印象的だったテレビドラマ『柔道一直線』にあったと語る。

　一方、武田さんはサクラの舞台に初めて出演した時のことをぶっちゃけた。当時、所属している劇団の中で「たまたま暇だった」ために出演することになった武田さんは、「正直、やっつけ仕事だった」とのこと。しかし終演後に「来年もよろしく」と頼まれ、それもどうせただの口約束だろうと思っていたら、以後10年以上も本当に声がかかり続けたため、サクラスタッフの義理堅さにはすっかり舌を巻いたそうだ。

　「銀座」を「上野」に替えた「輝く、上野ストリート」をダンディ団と楽しく歌い踊った後、横山さんは黒兎の耳と悪魔の羽根がついたピンクゴスロリ服に着替えてセクシーさをアップ。そして次のゲスト、エリカ・フォンティーヌ役の日髙のり子さんを呼び込むと、日髙さんも横山さんに負けないようなアイドル風の衣装で現れる。日髙さんは客席からの「かわいい！」の声に、「ありがとうございます！　すごくがんばりました！」と応えて会場を沸かせ、またその衣装に相応しい80年代アイドル風のイメージで、横山さんと「一緒にいたい」をデュエットした。

ライブグッズのうちわを持って『お祭りダンス」をハチャメチャ陽気に歌い踊る。

夕暮れの上野恩賜公園に流れる『さくら咲いた』。桜が満開の季節にもう一度ここで聴きたい名曲だ。

西村陽一さんとVelo武田さんは、観客入場の際の誘導や前説なども担当。始まる前から会場を盛り上げていた。

ライブ後半はピンクゴスロリ服で。黒兎の耳つきカチューシャと、背中の悪魔の羽根がキュート。

　はじまりのトークでは、日髙さんがアイドル歌手としてデビューした頃の逸話が語られた。当時はアイドルがデビューすると、目をつけたファンが親衛隊を名乗って応援したものだが、その頃りんごのような赤い頬をしていた日髙さんは、デビューイベントで歌の間奏に「アップルガール、ウ～レッツゴー！」と親衛隊にコールされてずっこけた切ない思い出があったとか。

　そして今回の大注目、この曲を歌うのが念願だったという横山さんと日髙さんによる『御旗のもとに』が振り付きで披露された。大神隊長役の陶山さんがセンターに入り、帝国華撃団と巴里華撃団の共演を見守るようなポジションになっていたのも好印象。

　ここで帝都浪漫楽団のピアノ担当・保坂修平さんが今朝入籍を済ませてきたとの紹介が入り、お祝いムードの中、サクラ版ウェディングソング『いま嫁ぐ日に』を歌いながらマリア・タチバナ役の高乃麗さんが登場する。

　高乃さんはまさに横山さんの盟友という感じでトークも弾み、はじまりの話では「はじめてのお酒」にまつわる衝撃の逸話が明かされた。酒豪で有名な高乃さんだが、はじめてお酒を飲んだのは七五三の、それも三才の時のお神酒とか。その際「この世にこんな美味しいものがあるのか！」と驚き、神主さんにおかわりを頼んだとのことで、高乃さんらしい豪快さに横山さんも笑っていた。

　高乃さんはソロも任され、ジャジーな「夕焼けの向こうに」、ロック＆ダンサブルな「悪徳の花びら」と、2曲のソロで観客を圧倒する。すっかり高乃麗色に染められた会場に、再登場した横山さんも興奮しつつ、ふたりで『スーパー歌謡ショウ「新八犬伝」』のテーマソング「未来の兄弟たちへ」を歌い上げる。歌の途中、八つの珠を模したボールを客席に投げ入れる演出も会場を沸かせた。

　16年間に渡って歌い続けることができている『サクラ大戦』の夢のような状況への感謝を、『夢見ていよう』に乗せて歌い、最後は定番の帝国華撃団テーマソング『ゲキテイ』。アンコールに帝国歌劇団のテーマソングとも言える『花咲く乙女』を添えて、真夏の夜の夢のようなステージを大盛況のうちに終えた。

●横山智佐のサクラ大戦初・野外ナイトライブ『はじまりの上野で…』

【セットリスト】
M-1　サンセットサマー
M-2　恋をしましょう
M-3　お祭りダンス
M-4　あなたが楽しければ
M-5　隅田川
M-6　花吹雪・白浪弁天
M-7　さくら咲いた
M-8　この世は楽し
M-9　輝く、上野ストリート
M-10　ブルーバード
M-11　一緒にいたい
M-12　御旗のもとに
M-13　いま嫁ぐ日に
M-14　夕焼けの向こうに
M-15　悪徳の花びら
M-16　未来の兄弟たちへ
M-17　夢見ていよう
M-18　ゲキテイ
M-19　花咲く乙女

>>『ちさくら部』～横山智佐公式ファンクラブ Web Site～