声優
BD&DVD『LIVE ON!』南里侑香さんインタビュー

2nd LIVE 『LIVE ON!』Blu-ray&DVDリリース! 発売を記念し、南里侑香さんにインタビュー!!

 歌手、声優と幅広く活動する実力派アーティスト・南里侑香さんが初となるBlu-ray&DVD作品をリリースする。今回の作品は、2012年10月13日(土)に東京・赤坂BLITZにて行われた2nd LIVE “LIVE ON!”の模様を収録したアイテム。Blu-rayには全曲収録+映像特典(約60分)+特典CD、DVDには厳選された8曲がパッケージされている。

 この日のライブは初お披露目の新曲もあり、アコースティックもあり、FictionJunction YUUKAの楽曲もあり、MCもたっぷりあり……と、「伝えたい」「音楽で繋がりたい」というピュアな想いが伝わる充実のステージだったが、DVDの特典映像“LIVE OFF”や下記インタビューでも告白している通り、以前はライブに対して苦手意識が強かったそう。

 そんな南里さんの気持ちの変化を、当時のライブを振り返りながら探っていった。

●「私なんかがワンマンライブをできるのかな」って不安だった

──昨年10月13日(土)に赤坂BLITZ行われた2ndソロライブの映像がパッケージ化となりますが、去年は1stアルバム『ロンド …月の記憶をたどって。』の発売や、1stソロライブもあり、とても充実した一年だったのではないでしょうか。

南里侑香さん(以下、南里):そうですね。発見も多かったですし、新しいことにチャレンジできましたし、得るものもすごく多くて、転機になった年でした。ワンマンライブはもちろんですが、海外で初めて台湾(ANIMAX MUSIX台湾公演)で歌わせてもらったことも大きかったです。

 まさか自分が海外で歌うなんて考えてなかったですし……そもそもソロでライブをやるということも数年前までは考えていなかったことなので、自分でもビックリしてます。アルバムの発売タイミングも良かったんです。「いまだったらアルバムを前向きな気持ちで作れるな」っていうときにお話をいただけたので……。

──南里さんが前向きな気持ちになれた、きっかけみたいなモノがあったんですか?

南里:ファンのかたとの距離が近くなったことが一番の要因です。 “お渡し会”と称してファンのかたにブロマイドをお渡しする会を定期的に行っているんですが、そのイベントをはじめてからファンのかたとの距離がグッと縮まった感じがしていて。ライブやCDの感想を近い距離で言って頂けると嬉しくて不思議と涙が出てきちゃったり……私のうたを聴いてくださっているかたがこんなにもいるんだって実感と喜びもあって。

 わたしはもともとレコーディングが大好きだったんです。……逆に言うとステージが怖くて。周りのアーティストさんのライブを見て「ああ、すごいなぁ」って思う反面「自分はここに立てるのかな?」と。マイペースなのでMCも苦手ですし「私なんかがワンマンライブをできるのかな」ってすごく不安だったんです。……なんかすごく頭でっかちになっちゃってたんですよね(苦笑)。でもお渡し会をやっていくうちに「もっとみなさんと会える機会が欲しいな」「もっといろいろな歌を歌いたいな」って思えるようになったので「アルバムを作ろうか?」って言われた時に「作りたい!」って。

──そこで追い風が吹いたんですね。

南里:みなさんに背中を押されたような感じでした。だから自然と「ワンマンをやってみたいな」という気持ちにもなれて。

──特典DVDのなかでも「ワンマンをやるとは思わなかった」ということをおっしゃっていましたけど、そういうことだったんですね。

南里:そうですね。気持ちって何かきっかけがあると変化するんだなと自分でもビックリしています。

●「伝えたい人がいるってすごく幸せなことだなって」

──特典DVDに今回のライブの打ち合わせの様子も入っていましたが、そこでアコースティックコーナーの導入などが話し合われています。あらかじめライブのコンセプトは決まっていたんですか?

南里:どうしようかなぁという感じでした。1stライブは派手な演出のない、第一弾だからこそできたライブだったと思うので、2ndはどういうライブにしようかっていうのは実はすごく悩んだんです。それで、ずっと憧れていたアコースティックコーナーをやりたい!って思って相談してみたんです。ライブを見に行くときもアコースティックのコーナーが大好きだったので。

 でも、リハーサルもそんなに多くないですし、バックバンドは純粋なプレイヤーの方はドラムの麻生(祥一郎)さんだけで、みなさん作家さんなんです。だからあんまりわがままを言っちゃいけないのかなと思っていたんですけど、みなさん快く「やろうよ」「じゃあジャズっぽくしようよ」ってアイディアをたくさん出してくださって。それもすごく嬉しかったですね。今回も大きな演出はないのですが、アコースティックコーナーはひとつのチャレンジというか、コンセプトになったんじゃないかなと思っています。

──新しいチャレンジはあちこちから感じました。『LIVE ON!』でエネルギッシュに始まっていく様は、南里さんのいまの勢いを象徴しているように感じました。「会いたかったよー!」と叫ぶ姿も印象的でしたね。

南里:ありがとうございます。前回のライブから5か月……あっという間の期間だったんですけど「はやく2ndライブをやりたいなぁ」とずっと思っていたので、その言葉が自然と出てきて。

 セットリストのたたき台をスタッフの方から最初は出してもらったんですけど、私自身『LIVE ON!』から始めたいなっていうのはずっと思っていたので、すごくしっくりきました。

──3曲目で『暁の車』(テレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED』挿入歌)が歌われているんですが、こんなに序盤にこの曲がくるとは思わずビックリしました。

南里:前回は後半のほうに披露したので、どの位置で歌うのかすごく悩みましたね。ファンのかたからのリクエストもすごく多かった曲です。

──6曲目に披露された、元レベッカの土橋安騎夫さんが作曲を手掛けた新曲『snow wind』は、今回のライブのポイントのひとつになっていたんじゃないかなと。

南里:今回のライブのために用意した曲なんですけど、表情がある曲なので歌詞を描くのが難しかったんですよね。ステキなメロディだからこそ言葉にするのが難しくて、ライブの直前までずっと歌詞を描いていて……かなり悩みました。いまはすごく気に入っています。

──さきほども話にあがりましたが、中盤のアコースティックコーナーがすごくいいフックになってますよね。とくに日本語で歌われたカヴァー『私のお気に入り』は印象的でした。

南里:小さい頃合唱団のときに日本語で歌っていたんです。『坂道のアポロン』でりっちゃん(迎 律子)役でまたこの曲を歌うことができました。劇中では英語で歌っていましたけど、あえて今回は日本語で歌わせていただきました。思い出深い曲ですね。

──またアコースティックコーナーのラストを飾った『あなたと私のうた』から、ピアノの旋律と声だけで紡いだ『Dear』への流れが素晴らしいですよね。

南里:そうですね。『あなたと私のうた』は“私とファンの方とのうた”っていうイメージなのでライブでは大事に歌いたいなと思っている曲です。『Dear』ははじめて作詞した曲なので思い入れがあって。『Dear』があるからこそ、ソロ活動をしていると思うので……あのピアノを聴きながら『Dear』に入ることで、まっさらな気持ちでこのうたを歌うことができました。自分自身、その流れはすごく気に入っています。

──そんなクラシカルな雰囲気から一転して後半はアグレッシブに盛り上がっていきますよね。特に『輝跡 -kiseki-』の一体感はハイライトと呼べるモノだと思うんですが、いかがでしたか? ステージでオレンジ色のサイリウムを振っている南里さんの姿も印象的でした。

南里:いつもサイリウムがキレイだなぁと思っていたので自分でも振ってみました(笑)。サイリウムを振っていただいていると「頑張って」って応援してもらっている気がして励みになるので「わたしからもみんなに振ってみよう」って。普段はサイリウムを振らないかたもいると思うんですけど、あの曲ではみんながオレンジ色のサイリウムを振ってくれたのが嬉しかったです。

 『輝跡 -kiseki-』もそうなんですけど、激しい曲もたくさん作っていただいているので、「せっかくだからアクティブな格好をしてみたら?」ってバンドさんに言われたことがきっかけで後半は動きやすい衣装に着替えたんですけど、歌い始めたころからステージではずっとドレスを着ていたのでちょっと緊張しました(笑)。でもメリハリがついてよかったです。「ああ、わりと格好から入るタイプなのかも」ってちょっと思いました(笑)。

──直前のMCでもお話をされているんですが、本編を『Andante アンダンテ』で締めた理由を改めて教えて下さい。

南里:アルバムでもラストの曲で、前回も最後に歌わせていただいたんですが……“次につながるように”って気持ちで描いた歌詞だったので、この曲で締めたいなと思って。この曲はスペインで感じたことを描いているんです。

 場所は違うけど、空はずっと繋がっていて、みんなと同じ月を見てるって、すごくステキなことだなぁと思って──普段は考えないことも、旅をしていたからセンチメンタルになっていたこともあって、それが自分のパワーになったんですよね。

 で、この気持ちを早くみんなに伝えたいなって思って……そのときに、(自分の想いを)伝えたい人がいるってすごく幸せなことだなと改めて感じたんです。だからライブでもそんな気持ちを伝えられればいいなと思って歌いました。

●「歩んできた道を振りかえりながら歌えるってすごく幸せ」
 
──アンコールではFictionJunction YUUKA時代の原点となる『nowhere』を歌われていますね。

南里:今回FictionJunctionのなかからどの曲を歌おうかってなったときにこの曲が真っ先に浮かんできて。ライブで歌うとすごく盛り上がる曲なので、当時は純粋に「楽しいなぁ!」って気分で歌っていましたけど、振り返ってみるとすごく大切な掛け替えのない曲だなぁと。やっぱりFJYがなかったら、いま歌っていないと思うので……。

──原点を見つめられる曲があるって素晴らしいことですよね。日常生活のなかでどうしても初心って忘れがちになってしまうというか……。

南里:自分が音楽で歩んできた道を振りかえりながら歌えるってすごく幸せなことですよね。ライブで曲を歌うたびにいろいろなひとへの感謝の気持ちが溢れだします。お客さんのために歌っているはずが、結果自分のためにしてもらっているみたいな感じがしてしまうんですが(苦笑)、本当にありがたいなと。

──最後は『STELLAR』という、キラキラとした爽やかな新曲で幕をとじます。

南里:キラキラした曲は『春風によせて』くらいしかなかったので「こういう曲を最後に歌えてよかったね」と、この曲を作ってくれた作曲家の尾澤(拓実)さんと話しました。

──尾澤さんと言えば、ステージでキーボードを弾く尾澤さんの姿がすごくクールで格好良いですよね。

南里:ホントに格好良いですよね。ああ見えて(笑)すごく優しいんです。最初出会ったときは、「“もっとシャキッとしろよ!”とか言われそう~」って勝手に思っていたんですけど(笑)、そんなことはなくて。すごくやさしい方ですし、励ましてもくれるし、とにかく真面目なのです。尾澤さんがそばにいてくれることで、ブレずに活動することができるんです。

──頼もしい存在ですね。では改めてライブDVDを見てどういう感想を持ちました?

南里:こんなに丁寧に作ってもらえたことがまずはとっても嬉しいです。Blu-rayにはライブの打ち合わせの様子やリハーサルの映像、インタビューも入っていたり……ライブのドキュメンタリーみたいになっていて、自分やスタッフがどんな気持ちでライブへ向かっていったのかよく分かる映像になったんじゃないかなと。

 正直、2ndライブをフルで映像にしてもらえるなんて早いんじゃないかなぁって思っていたんですけど(苦笑)、いましかないモノがここにあるのかなぁと。みなさんにそういう姿を見てもらえるのはすごくステキなことなのかなと、いまは思っています。

──今回のライブでファンクラブ『P.S.』の発足を発表されていましたが、さっそく2月にファンクラブ限定イベントがあったんですよね。いかがでしたか。

南里:これもはじめてのことだったので何をやればいいんだろう……と思っていたんですけど、朗読をやってみたかったので朗読にチャレンジしたり、アコースティックをやったり、ジャンケン大会をしたり……すごくアットホームな空間でしたね。もうファンクラブイベントなら、なんでもできるんじゃないかなって(笑)。

──今後やってみたいことはありますか?

南里:ラジオで「お餅つきをやってみたいな」って話をしていたんですけど、ライブ終了後の握手の時間に「お餅つきやりましょうよ」って言ってくれたファンのかたがいて、本当にやってみたいなと(笑)。わたしはお茶が大好きなので、お茶会は絶対やりたいなと思っています。いろいろなことをしていきたいですね。

──ファンクラブの活動も楽しみですね。6月にはさっそく3rdライブが決まっていますが、どんなライブになりそうですか?

南里:次は初の2Daysなんです。バンドのかたに「2Daysってやったことないんじゃないの?」って言われて「確かにそうだなぁ!」と。まだ具体的な内容は決めてないんですけど、2日間来てくれたお客さんも楽しめるようなライブにしたいなと思っています。

──楽しみにしています、ありがとうございました!

<リリース情報>
◆Blu-ray『南里侑香“LIVE ON!”赤坂BLITZ 2012.10.13 Full Collection』

発売日:2013年2月20日(水)
価格: 7,770円 (税込)

【収録内容】
01.LIVE ON!
02. アイ・マイ・ミー…mine
03. 暁の車
04. 月 -Tsukishirube- 
05.サヨナラ
06. snow wind
07. Usual Place
08. 雫 -shizuku-
09.雨の散歩道
10.私のお気に入り
11.あなたと私のうた
12. Dear
13.Inter mission 
14. Heartバイブル
15.春風によせて
16. end of loop
17.嵐の勇者(ヒーロー)
18. 輝跡 -kiseki-
19. Andante アンダンテ
EC1. nowhere
EC2. STELLAR

[特典映像] (収録時間:約60分)
メイキング映像&大阪公演ドキュメンタリー

[特典CD]
アニメーション映像「流れ星レンズ」スペシャルコラボSONG『STELLAR』収録


◆DVD『南里侑香“LIVE ON!”赤坂BLITZ 2012.10.13 Select 8 Songs』
発売日:2013年2月20日(水)
価格:3,150 円(税込)

【収録内容】
01. LIVE ON
02. 月導 -Tsukishirube-
03. 雫 -shizuku-
04. 春風によせて
05. end of loop
06. 輝跡 -kiseki-
07. Andante アンダンテ
08. STELLAR


<ライブ情報>
◆3rdライブ開催決定!初の2Days!

日時:
2013年6月14日(金) 開場18:00/開演19:00
2013年6月15日(土) 開場16:00/開演17:00
会場:新宿BLAZE
チケット:指定 6,300円(税込) / 立見 5,800円(税込)
http://kyodotokyo.com/nanri3rd
※ライブBD,DVDに3rdライブの特別先行予約案内が封入。


>>南里侑香 オフィシャルサイト
>>南里侑香オフィシャルブログ「ゆうかcome home」
>>南里侑香 オフィシャルファンクラブ

[インタビュー&文・逆井マリ]

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