三蔵一行の新たなる旅立ち！　彼らは何を“賭けて”戦うのか――ミュージカル『最遊記歌劇伝-God Child-』ゲネプロをレポート!!

　2014年5月2日、全労済ホール／スペース・ゼロにてミュージカル『最遊記歌劇伝-God Child-』が開幕した。本ミュージカルは、峰倉かずや原作による人気コミック『最遊記』シリーズ（一迅社刊）を舞台化したもので、2008年と2009年にミュージカルが上演されているが、約5年の時を経て、完全新作として新たなる旅立ちを迎えた。

　
■ 悟浄が過去と対峙、そして4人の絆が試される戦いへ！

　今回の舞台は、原作コミックの6～9巻で描かれている『最遊記』の最後を飾る物語「金閣・銀閣編」と「カミサマ編」を元にしたもの。

　突如として狂暴化した妖怪が人間を襲い始めるようになった元凶・牛魔王の蘇生実験を阻止すべく、玄奘三蔵、孫悟空、沙悟浄、猪八戒ら三蔵一行は西へと奔る。その途中、三蔵たちに買い物を頼まれた悟浄は、村人たちにカツアゲをされている少年・金閣をふとしたことから助けることに。身なりのいい彼は自分の素姓について、両親はいないが双子の弟・銀閣がいる、と笑顔を浮かべながら悟浄に話す。そんな彼に、悟浄はつい三蔵たちの悪態をついてしまう。それを聞いた金閣は「じゃあ僕がその人たちを倒してあげるね」と意味ありげに口にする。異形の化物“銀閣”を従えながら……。

　一方、自分を「カミサマ」と名乗る、まるで三蔵法師のような衣服を身にまとった青年が三蔵たちの前に現れる。彼は金閣・銀閣と深いかかわりを持っていたことが判明するも、追及する間もなく圧倒的な力で4人を倒し、さらには三蔵の持つ経文を奪い去ってしまう。4人を一瞬で倒すほどの自分の力に陶酔しながら、謎の人物「先生」に対する思慕の念を静かに語り始める。

　一見すると繋がりのないすべての点が繋がったとき、悟浄は自身の過去と対峙し、三蔵は「カミサマ」の正体を思い出す。そして、自分たちが生き抜くために「神様に喧嘩を売りにいく」ことを決意する――。

■ シリアスで、コミカルで、スリリングな展開！

　『最遊記』のクライマックス、ということもあり全体的にシリアスなシーンが多いが、思わずクスッとなってしまうようなコミカルなパートもしっかりと組み込まれており、特に你健一（唐橋充）の登場シーンでは、それが顕著に表れていた。登場時間は短いものの、舞台の雰囲気をがらりと変えてしまうような演技にはグッと惹きつけられた。

　また、激しいアクションシーンからも目が離せない。4人そろって、または2人ずつに分かれてコンビプレーを見せるシーンは圧巻。セットは至ってシンプルだが、光や映像、音による演出も見事で、場面転換や戦いによる血しぶき、登場人物たちの心情の変化などが分かりやすく表現されていた。

■ 各キャストが見事に『最遊記』を再現！

　もちろん、個性的なキャラクターを演じている出演者にも注目だ。クールでひょうひょうとしていながらも、じつは誰よりも仲間思いで、ややツンデレ気味の三蔵を鈴木拡樹さんが好演。戦闘後、痛みにのたうちまわる姿は、見ているこちらにも痛みが伝わってきそうなほどの名演だった。

　ちょこちょこと軽快に、そして身軽に動きまわる椎名鯛造さんは、もはや孫悟空そのもの。まっすぐで、一生懸命で、とにかく熱い悟空を熱演していた。悟浄役の鮎川太陽さんは、やる気があるようでない／やる気がないようである、という悟浄の複雑な感情を見事に表現。三蔵と一緒に煙草をふかすシーンでは、大人の色気をも感じさせた。

　三蔵一行のお母さん的ポジション・猪八戒役を演じる藤原祐規さんは、とにかく笑顔を絶やさず、みんなを見守る優しさに溢れた八戒の空気感を全身で表現。時折笑顔のまま過激なことを言う姿も、原作通りの八戒らしく演じていた。

　三蔵一行の敵として現れるカミサマ役・平野良さん、金閣役・柴入拓矢さん／細川晴太さん、銀閣役・村田充さんの演技も見逃せない。すべてにおいて余裕を感じさせつつも、どこか寂しげな表情が印象的な平野さんのカミサマ、無邪気さと残酷さをあわせ持つ金閣を演じきった柴入さんと細川さん、とにかく不気味で、セリフは少ないながらも圧倒的な存在感を誇る村田さん演じる銀閣。全員がそろったことで、今回の舞台は完成しているのだ。

　どこをとっても見どころ満載のミュージカル『最遊記歌劇伝-God Child-』。結末は原作ファンならば理解しているところだろうが、だからこそ舞台を見ることをおすすめしたい。直接舞台を見に行けない人のために、5日公演分（17時30分）と7日・千秋楽はニコニコ動画で配信されるそうなので、ぜひ観覧してみてほしい。

●千秋楽映像配信！
千秋楽を観たいという多数のご要望にお応えして！
記録用「全景定点」映像を急きょニコニコ動画で配信することに決定！！
アップのアングルがない全景のみの定点映像となり、大変恐縮ですが一人でも多くの皆様に『最遊記歌劇伝 -God Child-』の千秋楽という最期の旅を一緒に感じていただければ光栄です。

配信日時：2014年5月7日(水)17:30公演～
視聴URL◎http://live.nicovideo.jp/watch/lv175404514
視聴ポイント◎1700pt（1pt=1円）
ネットチケット販売期間◎2014年4月25日(金) (金)18:00～5月14日(水)23:59
タイムシフト視聴期間◎2014年5月18日(日)23:59 まで
販売期間◎1700pt（1pt=1円）

※リアルネットチケットの販売はございません
※視聴には、ニコニコ動画への登録が必要となります。（登録無料）


●公演の模様をニコニコ動画で生放送！
チケットが取れなかった皆様、地方在住で劇場に来られない皆様、是非ご覧下さい。

配信日時：5月5日(月･祝)17:30公演

タイムシフト視聴期間：5/5(月･祝)～6/30(月) 23:59
視聴URL：http://live.nicovideo.jp/watch/lv173811846
視聴ポイント：1700pt
ネットチケット販売期間：4/9(水)～5/31(土)23:59
ネットチケット販売URL：https://secure.live.nicovideo.jp/event/saiyukikagekiden_gc

また、通常のネットチケットのほかに、劇場ロビーにて2Lブロマイドとセットにしたリアルネットチケット（￥2000）の販売を予定しています。本番終了後はCLIEの通販サイトにて通信販売も予定！


●今回の公演を収録しDVD発売決定！
収録日◎5月5日(月・祝)13:00公演
特典映像◎メイキング映像、座談会など
発売日未定！

《イントロダクション》
2008年、2009年に上演され、好評を博したミュージカルがついに再始動！！
原作は、峰倉かずやの大人気コミック『最遊記』（一迅社刊）シリーズ。
三蔵一行の新たなる旅を、須らく看よ。

《ストーリー》
文明と信仰の源”桃源郷”
そこではかつて、人間と妖怪が共存を果たしていた。
しかし、突如世界を満たした負の波動により、狂暴化した妖怪が人間を襲い始める。
その元凶である大妖怪・牛魔王の蘇生実験を阻止すべく、玄奘三蔵、孫悟空、沙悟浄、猪八戒は西へと奔る。

とある道行きで沙悟浄が出会った“金閣”という少年。異形の妖怪を“銀閣”と呼ぶ彼を助けたのが事の始まり。
彼ら兄弟の背後に潜む、“カミサマ”という謎の存在、そして“先生“…。

新たな出会いが、かつてない壮絶な闘いへと導く。
各々に絡み付く過去に迷い、しかしその歩みは止まらない。
己が己を生き抜く為に…。

―――神様に喧嘩を売りにいく。ただそれだけ。


《スタッフ》
原作：峰倉かずや『最遊記』（一迅社刊）
企画・製作：CLIE
演出・脚本・作詞：三浦 香（FuncAScamperS009）
作曲・歌唱指導：浅井さやか（One on One）
振付：當間里美


《出演》
玄奘三蔵：鈴木拡樹
孫悟空：椎名鯛造
沙悟浄：鮎川太陽
猪八戒：藤原祐規

カミサマ：平野 良
銀閣：村田 充
金閣：柴入拓矢・細川晴太（Ｗキャスト）
你健一：唐橋 充


《スケジュール・会場》
会場：全労済ホール／スペース・ゼロ
スケジュール：
5月2日（金）
　19:00～（細川晴太 出演）

5月3日（土）
　13:00～（細川晴太 出演）
　17:30～（柴入拓矢 出演）

5月4日（日）
　13:00～（柴入拓矢 出演）

5月5日（月・祝日）
　13:00～（柴入拓矢 出演）
　17:30～（細川晴太 出演）

5月6日（木・祝日）
　13:00～（細川晴太 出演）
　17:30～（柴入拓矢 出演）★追加公演

5月7日（水）
　13:00～（細川晴太 出演）
　17:30～（柴入拓矢 出演）

チケット：
桃源郷シート：10,000円（税込み）※非売品特典グッズ付・前方エリア席
指定席：6,900円

>>最遊記歌劇伝 -God Child- 公式サイト
>>最遊記歌劇伝 -God Child- 公式ブログ
>>最遊記歌劇伝 公式Twitter／@saiyuki_kgkdn