映画
実写映画『るろうに剣心』瀬田宗次郎役・神木隆之介さんインタビュー

役作り、宗次郎への想い、そして好きな漫画まで語った! 実写映画『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』の瀬田宗次郎役・神木隆之介さんにインタビュー

 『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』といえば、1994年より『週刊少年ジャンプ』にて連載されていた、和月伸宏作の大人気漫画。

 そんな同作が、今から2年前の2012年8月に実写映画化されたのは、みなさんも知っての通りだろう。日本のみならず世界をも巻き込み、多くのファンを魅了した。この大反響を受け、今年8月1日には二作目となる『るろうに剣心 京都大火編』公開。翌月13日公開の三作目『るろうに剣心 伝説の最期編』まで、一気に駆け抜ける。

 そこで本稿では、メインキャストのひとりである神木隆之介さん(瀬田宗次郎 役)へのインタビューをお届けする。今回公開される第二作目・京都大火編より登場の瀬田宗次郎。原作でもかなり印象深いキャラクターであるが……神木さん本人はどう思い演じていたのか? 瀬田宗次郎に対する思い入れや役作りについて語ってもらった。

■ 「宗次郎が好きだからこそ、役作りは厳しくいきました」

――まずは、神木さんが原作を読んだキッカケから。なんでも、読み始めたのは映画一作目が公開される少し前だったとか。

神木隆之介さん(以下、神木):はい。『るろうに剣心』という作品自体は昔から知ってたのですが、実際に手にとって読みはじめたのはその頃ですね。本屋で完全版のコミックスを見ていたら、宗次郎が表紙になっている巻がちょうど目にとまって。「あれっ?」って思わず見入ってしまったんですよ。それで興味を持って、そのまま買って帰って、読みはじめたんです。

――では、最初から宗次郎に惹かれていたんですね。

神木:そうですね。見た目は味方っぽいのに敵!っていう、何を考えているかわからないところとか、いつもニコニコしているのに裏に大きな悲しみを背負っているところが好きなんです。ギャップがあるというか。あと、剣客として才能があるところも。動きが速いっていうのは、男子の憧れでもありますからね。だから僕、第一作目が撮影中だった頃から宗次郎で役作りしていました(笑)。

――あれ? でもその頃って、宗次郎役に決まる前ですよね……?

神木:だいぶ前ですね。もともと僕、勝手に役作りするのが好きなんです。そうして日常生活を楽しんでいるというか(笑)。撮影真っ只中の(佐藤)健くんにもよく見せていました。「見て見て! 縮地!」とか言って、ふざけて壁蹴ったりしてみたり。

――そうなんですね! 佐藤さんの反応はどうでしたか?

神木:あんなに呆れた顔で見られたのははじめてでした(笑)。反応も「おお、いいじゃん」くらい。あの健くんから「いいじゃん」しか出てこないのかと。いつもは、もうちょっと微笑んでくれるんですけどね。どう返していいのかわからないんだろうな、っていうのが手に取るようにわかりました(笑)。

――とはいえ、そこまで思い入れのある宗次郎に決まったのは運命ですね。

神木:運命と言ったら宗次郎に申し訳ないですけど、あえて言わせてもらえるとすると、そういうこと……でもあったのかなあ? でも、ここまで入れ込んで、勝手に役作りしていなければまだ違ったのかなとも思います。すごい奇跡的なことだとは思いましたね。自分では。

――では、実際に宗次郎役に決まってからはどのように役作りを?

神木:好きだからこそ厳しくいきましたね。とくに殺陣は、すごく気をつけて厳密にスタイルを作りました。あとは表情。実写という生々しさがありつつも、どこで原作に近づけようかっていうのもちゃんと考えましたね。そこは、役者として役を見る目線と、いちファンとして宗次郎を見る目線の両方を混ぜてやりました。

――その結果、具体的には芝居にどう反映されましたか? 今作は前情報にもある通り、主要キャラクターたちの過去が描かれていないので、芝居も難しそうですが……。

神木:“見えないところ”でも表現しようというのはありましたね。例えば、原作にもあった新月村のシーン。「志々雄さんがお待ちです」って言って振り返るとき、見えるか見えないかのギリギリのところで笑みをやめているんです。映像には映っていなかったんですけど。というか、映っていると思っていたら映ってなかったです(笑)。角度的に際どすぎて。でも、そういう些細なところが大事なのかなと。この積み重ねが、雰囲気を出したりすると思ったので、そこも怠らずに演じていました。

――では、アクションはどうですか? あれほどまでの闘いを演じるには相当練習も必要だったかと。

神木:練習は、クランクインする前から半年間くらいやっていました。ちょうど『家族ゲーム』(2013年放送のテレビドラマ)の撮影をしていた時期だったのですが、その撮影が早く終わった日に行って、練習していました。

――そこには、佐藤さんと肩を並べなければいけないプレッシャーも。

神木:もちろんです。健くんは前作からやっていますし、彼は追求型の人間なので、殺陣もとことん追求していると思いますし。ある程度の練習では全く歯がたたないというか……圧倒されるんだろうなあと思っていたので。健くんの何倍も詰めて、相当練習しました。

――そうして完成したのが新月村での剣心との闘いということですね。

神木:実は、そのシーンの撮影に挑むまでに健くんと練習できたのって、1、2回だけなんです。本番前日に動きの確認とかはしましたが、本当にその程度。だから、「僕が練習してきたものをぶつけたら、どういう反応で来るんだろう」っていうのも全くわからないままで、すごい緊張しました。

――実際にそのシーンを観て、“速さ”に圧倒されました。

神木:実は、足場がすごい悪くてお互い苦戦したんですけどね(苦笑)。とはいえ、ただ速いだけじゃなくて一点一点“ちゃんと斬りにいっている”のに速いですよね。そういう撮り方をしてくださっている。撮影のときは、間合いも避けるタイミングも実践的で「避けないほうが悪い」っていうリアルさのなかでやっていました。この映画のアクションは、そういうところをみんなが追求していて。だからこそ、ひとつの大きな魅力になっていると思います。でも『京都大火編(二作目)』は、自分にとっては遅いほうなんですよ。『伝説の最期編(三作目)』はそれ以上に速いですね。

――ちなみに、大友監督の現場は今回がはじめてなんですよね。はじめての大友組はいかがでしたか?

神木:本当に楽しかったです。そもそも、この作品自体キャストもスタッフさんも一作目からやっている方たちばかりなので、仲がいいんですよ。常に笑い声はありつつ、でもやるときはやる!というか。良い緊張感がありましたね。それに、大友監督自身すごくアツい方で。僕らの芝居に対しても「いいね!」「いいねそれ!」って言い方をしてくださるんです。それが全体の士気を上げて、追求心を駆り立てていた気がします。芝居は、自由にやらせてくださるぶん見られている感じがして怖かったのですが、僕は役を通して監督に「いいね!」って言ってもらいたい一心でプレゼンテーションしていました。

――そんな現場があったからこそ、力を持った作品が生まれたんでしょうね。ではここで、少しだけ変わった質問を。「アニメイトTV」はアニメや漫画を主としたサイトでもあるので、神木さんの好きなアニメ・漫画作品について伺いたいです。

神木:普段よく読んでいるのはジャンプ系の漫画ですね。黒子(黒子のバスケ)もそうですし。あとは『DEATH NOTE』! 僕、『DEATH NOTE』大好きなんです。

――世代的にもそうかもしれないですね!

神木:もう、ド世代ですね。僕の人生の中で『DEATH NOTE』は大きいです。この作品で、しっかりと考えて行動することを学びました。小畑(健)さん、大場(つぐみ)さんそれぞれの作品も大好きです。最近でいうと、小畑さんがヤンジャンでやっていた『All You Need Is Kill』は、本誌でも読んでいましたしコミックスも買いました。大場さんと『となりの怪物くん』のろびこさんが描かれた、『スキップ!山田くん』っていう読み切りも好きです。物語の綿密さとか伏線の張り方が見事だと思います。

――ポンポンと作品が挙がるあたり、本当にお好きなんですね。そして最後に、これから映画を観る読者へメッセージをお願いします。

神木:原作ファンの方もたくさんいらっしゃると思うのですが、自信をもってみなさまに「観てください」と言えるような作品になっています。そして、きっと納得してくださると思います。とくに、この映画のウリのひとつであるアクションは、みなさまに驚いていただけるようになっていると思います。ぜひ楽しんで驚いてください。

――ありがとうございました!

 限られた時間の中で、ひとつひとつの質問に丁寧に答えてくださった神木さん。とくに、役作りや演じ方の話になると、グッと表情が引き締まっていたのが印象的だった。

 ちなみに、本作に関連して、神木さんのほかに緋村剣心役の佐藤 健さんと本作監督・大友啓史氏にもインタビューを行っている。そちらの記事もぜひともチェックしてほしい。
 
[取材&文・松本まゆげ]

◆作品情報
<公開情報>
『るろうに剣心 京都大火編』
8月1日(金)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリー他全国ロードショー!

『るろうに剣心 伝説の最期編』
9月13日(土)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリー他全国ロードショー!

【作品ストーリー】動乱の幕末で「最強」の伝説を残した男、緋村剣心。かつては“人斬り抜刀斎”と恐れられたが、新時代を迎えて仲間たちと穏やかな日々を送っていた。そんな時、新政府から、剣心の後継者として“影の人斬り役”を務めた志々雄真実を討つよう頼まれる。新政府に裏切られ焼き殺されたはずが、奇跡的に蘇った志々雄は、日本征服を狙っていた。必死で止める薫に「今までありがとう」と別れを告げ、一人京都へ向かう剣心。<不殺の誓い>を破ることなく、日本を守ることができるのか―――。

<CAST&STAFF>
佐藤 健 武井 咲 伊勢谷友介/青木崇高 蒼井 優
神木隆之介 土屋太鳳 田中 泯 宮沢和史 小澤征悦/滝藤賢一 三浦涼介 丸山智己 高橋メアリージュン
江口洋介・藤原竜也

原作:和月伸宏「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」(集英社ジャンプ・コミックス刊)
監督:大友啓史
製作配給:ワーナー・ブラザース映画

>>映画『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』公式サイト
>>映画『るろうに剣心公式ツイッター(@ruroken_movie)
>>映画『るろうに剣心』Facebookページ

(C)和月伸宏/集英社 (C)2014「るろうに剣心 京都大火/伝説の最期」製作委員会
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