声優
高野麻里佳「愛される声になるために、誰よりも人を大切にしたい」

声優 高野麻里佳の声のキセキ「誰からも愛される声になるために、誰よりも人を大切にしたい」

数ある仕事の中から“声”のプロである声優を人生として選択した人たち。

その中から今をときめく声優さんにクローズアップし、インタビューをお届けする、 カンロ「ボイスケアのど飴」プレゼンツ企画。

第2回のゲストは、声優や声優ユニット「イヤホンズ」として活躍する高野麻里佳さんです。

私たちの生活とともにある「」。それは会話をしたり、歌を歌ったり、お芝居をしたり、想いを伝えたりと、様々な用途で使われています。

声を大切にする人」のために追求し、「国立音楽大学」と共同開発を行い誕生したカンロ「ボイスケアのど飴」。

そのカンロが今回、声を大切にしている声優という仕事にフォーカスし、実際にボイスケアのど飴を使い、音楽活動も並行して行っている若手声優へのインタビューを通して、声優活動という人生の選択について向き合い、その活動のキセキと想いを世の中に届けていきます。

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※記事最後には、高野麻里佳さんのサイン入り限定グッズプレゼントキャンペーンの詳細も!

■「作品のエンドロール」が声優・高野麻里佳の原点

━━高野さんは今年特に声優として活動の幅が増えていますが、改めて声優というお仕事について、興味を持ったきっかけを教えてください。

高野麻里佳(以下、高野):声優に興味を持ったきっかけは、小学校低学年の時にアニメ『ポケットモンスター』や『ONE PIECE』が大好きで、その他にも海外テレビドラマ『フルハウス』の吹き替え版も含めた、3作品を見ていたんです。

最初は3作品とも無意識に「いいなぁ」と思いながら見ていたのですが、ある時から作品のエンドロールを見るようになり、「ピカチュウ」と書いてある隣に人の名前が書いてあったので「ピカチュウじゃないの?」と思いました(笑)。

その疑問をお母さんにぶつけてみると、キャラクターに声を入れている人なんだということを教わり、そこから声優を意識し始めたんです。

そうしたきっかけに加えて、私が好きだった『ポケットモンスター』のピカチュウや『ONE PIECE』のトニートニー・チョッパー、『フルハウス』のステファニー・タナー役を、全て同じ声優である大谷育江さんが演じているのを知り、どんな作品でもどんなセリフでも、そのキャラクターになれることに感動を覚えました。

そうした幼少期の想いがありながらも、中学3年生を迎え、進学を考えるようになったのですが、親から「高校を選ぶ時は将来のことを考えて入りなさい」と言われたんですよね…。

■高野「お母さんに喜んでもらえる仕事に」

━━なるほど。確かに高校の3年間で、その後の人生が大きく変わることもありますね。

高野:親から「高校の卒業資格は取っておいたほうが絶対いいよ」と言われ、納得したものの、好きなことがたくさんある中で「自分はこれができる」や「得意だな」と思えることがないことに気づきました。

ただ、絵を描くことは好きだったので、それを将来設計の軸に据えて美術学校に行くことを想像してみたのですが、考えているうちにいろいろ不安になり「これは無理だな」と思いました。

そうした時にお母さんから「マリ(家族間での呼び名)は音読をするのが好きだよね」と言われ、ふと「確かにそうだったな」と……。

私、小学校の頃からずっと音読の宿題をお母さんに読み聞かせていたんですけど、その音読が毎日同じ課題でも、悪役や主人公などの声で演じ分けて、「今日はちょっといたずらっぽく読んでやるぞ!」とか、自分で考えながら読むのが好きだったんです。

そういうのをお母さんがちゃんと覚えていて、「マリの音読はすごく好き」と言ってくれたので、お母さんに好きって言ってもらえる仕事にしようって思いました。

━━家族からの何気ない一言が進路を決めたんですね。

高野:そうですね。そこから人に喜んでもらえて、お母さんも喜ばせることができる職業にしようと考えた時に、アナウンサーと声優の2択になったんです。

その2択を選ぶ時に、アナウンサーは「正しく読み聞かせる仕事」であるため、それは私がアレンジして声を発信していいものではなくなり、私がしたいことと違うなと思いました。

アナウンサーでないなら、物語を読み聞かせる人だと思い、声優という職業を選びました。

━━中学3年生なのに、かなりしっかりしていますね! でも声優になるのは狭き門であり、厳しい競争社会だと思うのですが、ご両親は反対されなかったんですか?

高野:実は声優になることをちょっと反対されていました。「音読は良いね!」と言ってくれたんですが、声優という仕事がきちんと生活していけるのかなど、不安な部分もあったので、親としては心配してくれたんです。

でも私が本気でやりたいことを伝えたら、ちゃんと応援してくれたので、本当に感謝しています。

ちなみにボイスケアのど飴も、私が声優を目指すと決めた時に、お母さんが探してきてくれ、プロポリスがいいということで勧めてくれたものであり、思い出深い飴でもあります!

■学びの場においてファン目線で取り組むか、プロとして取り組むか

━━お母さんの助言もあり、将来を意識して、高校は代々木アニメーション学院高等部というところに通われていたのですね。かなり特別だと思うのですが、その学校ではどのように声優としての技を磨いていたのでしょうか?

高野:普通の高校みたいに数学や体育といったカリキュラムの他に、声優の勉強ができるコースに入学していたので、午前は通常カリキュラム、午後は声優の勉強という形で学んでいました。

授業の中身は、1年目が主に基礎練習として発声練習や滑舌、アクセントの授業だったのですが、アクセントにかなり苦労しました。

━━アクセントですか?

高野:東京出身なので訛りはないと思っていたんですが、習慣的に自宅で使っている言葉や自分しか使っていない言葉がたまにあるんです。それがわからないままだとルール的には存在しないアクセントで世の中に発信してしまうことになるので。

なので、先ほど、アナウンサーは正しく読み聞かせる仕事ということで職業選択から外したのですが、自分が声優として発信したことが間違っていてはダメなので、どんな言葉をしゃべるにも、演技をするにも、そこはアナウンサーさんと同じようにしっかりしないといけないんだなと学ぶことができました。

━━声を使うプロとして働く以上、声優においても、アナウンサーにおいても基礎の部分はしっかり求められるのですね。高校に通いながら徐々にプロに近づいていくわけですが、プロの声優という将来への意識はどう変化していきましたか?

高野:声優という仕事を学べる特別な学校だったため、よく同級生と将来のことを語り合うことがあったのですが、その中で、作品の面白さや声優の素晴らしさだけでなく、私としてはその作品がなぜ面白かったのか、その面白さは他の作品とどう違うのか、またあの人のどの演技が良かったのかと、自分のノウハウにできるよう深掘りをしていました。

将来的に自分がその人たちと同じフィールドに立つ想像をリアルにするように意識していました。

■声優として、いかに期待値を上回るか

━━高野さんは高校生の時から声優になることを前提とし、授業を仕事に活かすにはどのように取り組めばいいのかを考えていたのですか?

高野:そうですね。例えばアフレコの授業があるのですが、その教材は放映済みのアニメ作品が多く、すでに声優さんたちの声が入っています。

元の声優さんの演技はある意味「そのアニメにおいての正解」というか、一つの選択肢だと思うので、その正解を見る前にどれだけ考え、どれだけ努力したかが大切なのだと思います。その上で正解を見ると、「なるほど! じゃあもっとこうして正解を上回ろう!」と思えるんです。

━━プロになる前からプロ意識で取り組んだからこそ、実際に声優として活躍できるんですね。ところで、プロの声優になってから、印象深いことはありますか?

高野:たくさんあります!例えば、「それが声優!」というアニメに出させていただいたときに、初めてメインキャラクターとして声を演じたため、少し不安を感じていましたが、原作者である、あさのますみさんと、原作イラストを描かれている畑健二郎さんに、「高野さんに演じてもらって本当に良かった」と言っていただけました。

原作というのは、アニメが始まる前からずっと続いていたもので、アニメになるまでたくさん積み上げてきた愛情もたくさんあると思うんです。でも、その上で、“私が声を入れて良かった”と原作者の方に認めてもらえたことは、声優として、アニメに声を入れられる喜びと自信を得ることができました。

■人とのコミュニケーションが演技の上達を加速させる

━━現時点でも様々なご経験をされていると思いますが、まだ始まったばかりの声優人生、これからどういったことにチャレンジしていきたいですか?

高野:少しズレてしまうかもしれませんが、私は声優という仕事を通して人として成長できたらいいなと思っています。自分のやったことのないことにどんどんチャレンジしたいです。それこそ成長に繋がるのであればどんなことでもいいんです。

自分が今見ている世界は、21年間生きてきた経験で構成されている本当に小さな世界で、それを何十年かけて世界を構成してきた方々と対等に渡り歩かなければならないので、経験値も人間的な深みも全然足りなくて……。

いろんな人とお話しをして、いろんな経験をしたいなって思っています。

━━それは常にアンテナを張り続けている感じなのでしょうか……。

高野:声優という仕事は、私の中では生活と一体化しているため、プライベートとの垣根がないんですよね。

少し人見知りな部分もあるため、人と話す時に少しスイッチを入れたりもしますが、仕事の時間じゃないとしても、人と接し、話し、心を動かされた経験や動かした経験が演技にも繋がるし、日々の感受性の豊かさを高めることに繋がるので、仕事でもプライベートでも演技を高めていく感じですね。

━━少し人見知りであるということで、話をするために準備したり、考えをまとめたりするなど慎重派だったりしますか?

高野:そうですね。でも、慎重にいきたくてもまだ経験が浅いため、むしろもっといろんな人とたくさん話す経験をしておかないといけないと思います。自分の意見を相手に向けて話したときに、どう捉えられるか知っておかなくてはいけないと思っているので。

人と話し、自分を整理していくことで、初めて準備をすることができるのかなと思います。

対人に向けての準備だけでなく、自分に向けての声や喉の準備も必要で、オーディションや収録のために、朝起きてから夜寝るまで声が変わらないように、起きたらウォーミングアップをし、発声練習をしてからその日の声を整え、それを維持するために、のど飴や喉スプレーを使い、乾燥させないように、声を枯らさないように……ということはしています。

ボイスケアのど飴もいつも持ち歩いて、喉を酷使するようなゲーム現場や歌のレコーディングの際は、ちょっとした休憩の合間でもずっと舐めていますよ(笑)

■誰よりも人を愛すべし

━━今回のインタビューテーマが声のキセキということで、高野さんは今後、声優としてどのような軌跡をつくって行こうとしているのでしょうか?

高野:私はやはり大谷育江さんが大好きなので、国民的キャラクターを演じられるようになりたいです。

子供からおじいちゃん、おばあちゃんまで知っているキャラクターを演じたくて……。もともと声優を目指すきっかけになったのがお母さんの一言なので、お母さんがおばあちゃんになってもわかるようなキャラクターがいいなと思っています。

━━国民的なキャラクターとなると、作品が長く続けば続くほど声が変わってはいけないと思いますが、既に意識されていることはありますか?

高野:自分の声を自由自在にコントロールして、声を保ち覚えておくために、ボイスレコーダーで録っておき、何か調子が違う時は聞き比べて同じトーンに合わせるようにしています。

━━そうした国民的キャラクターを演じ、全世代に認知してもらうためには、高野さんの中でどういったことが求められると考えていますか?

高野:そうした存在になるためには、まずはそれに見合う人間にならなければいけないと思います。

先ほど話したように、人間的にも成長しなければいけないし、声優的にも大きくなる必要があるので、そうなると誰からも愛される人でなければなれないと思うんです。

国民的キャラクターを演じられている方々って、どんな人から見ても、すごく良い方たちばかりなんですよね。仕事にストイックでありながら、人に気配りができるんです。

なので、私自身、人見知りではあるものの、誰よりも人を愛せなきゃいけないと思いますし、人と向き合って話すことをもっとしていかなくてはいけないのではと。

━━最後に、これから声優に目指す人に一言お願いします。

高野:声優は人の気持ちを考えられる人だと思うので、ぜひ人を大切にして前に進んでください!


■プロフィール情報

高野 麻里佳 / 声優

マウスプロモーション所属。2月22日生まれ。主な出演作は、『それが声優!』小花鈴役、『SHOW BY ROCK!!』しばりん役、『おへんろ。~八十八歩記~』めぐみ役。

声優ユニット「イヤホンズ」の一員としても活動中。

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