『ゆゆ式』Blu-rayBOXが発売したので、三上小又先生にお話をきいてみた
2008年から「まんがタイムきらら」から連載が始まり、2013年4月にアニメ化した「ゆゆ式」のBlu-ray BOXが11月26日に発売になりました。ゆずこ、唯、縁たちの愛らしい会話や、そのまったりとした独特の空気感に魅了されたファンが多く、ずっと愛され続けている作品です。
アニメ放送から2年が経ち、ついにファン待望のBlu-ray BOXが発売したということで、アニメイトTVでは「ゆゆ式」の原作者、三上小又先生に今の気持ちをインタビューしてみました!
━━━本日はよろしくお願いいたします。ついにBlu-ray BOXが発売になりましたね! 今はどんなお気持ちでしょうか。
三上小又先生(以下:三上):やっとでました! アニメが放映されてから2年経ちましたが、すごく根強いファンが付いてくれてるんです。今も第11期といって毎週Twitterでエア実況をしてくれる人がいるんですよ。こうして長く応援していただいて、それがやっと実を結んだ、というか…そんな温かい声援を素直に嬉しいと感じてます。原作者としてもアニメには本当に大満足だったので。
━━━アニメ化した時の話をお聞きしてもよろしいですか?
三上:アニメの制作に関しては、スタッフから聞かれた質問に答えるくらいで、ほとんどおまかせでやってもらってました。というのもプロデューサーの小倉さんがすごい熱い人で「これがゆゆ式だ!」というのをスタッフに伝えてくれていたので、スタッフの人たちが作品をキチンと理解していたんですよ。しっかりと「ゆゆ式」の空気感を汲みとってくれていたので、安心して任せていました。
あとは作品の立ち上げの時にガッツリお話はさせて頂きました、監督やスタッフさんと原作の空気感を再現していく…とかですね。
━━━作品のイメージのすり合わせはどのようなカタチだったのでしょうか。
三上:大きな注文はしていないんですが、細かいところで言うと、ちょっとした言葉遣いの訂正や、お話が自然な流れになるようにしてくださいと伝えました。例えば言葉遣いでいうと、時系列をアニメに合わせて実際のセリフを変えた時、原作ではこういう意図があって、この語尾になっているので、そこは変更しないでくださいと伝えたことがあります。
アニメは基本的には30分あって、原作よりも一本の流れがしっかりあるので、その中でお話をつなぎあわせた時に、ちょっと不自然になっちゃうところをどうにか自然にしてほしかったんです。もともと4コマ漫画の作品をいい流れにして制作してもらったので、本当にそういう細かいところだけでした。あとはキャラクター同士の距離感も大切にしてもらいました。必要以上に距離を縮めている感でもなく、気を使わなすぎているわけではない空気を、日常会話だけで表現してもらいました。
━━━雰囲気といえばアニメのBGMについてはどうでしたか?
三上;sakai asukaさん、めちゃめちゃ良かったですよね。梅雨が空けて夏に入った!って時に流れる「Summer Vacation」とか、いつも終わりに流れる「TekiPaki」とかがスキです。日常系の楽しげなアニメのBGMなんですけど、少し切なげな雰囲気がスキでしたね。
━━━三上先生のアニメのスキなシーンとかありますか?
三上:ありますよ! やっぱり1話の初めて部室に入るシーンは絵コンテで見た時に「あぁ…このカットいい!」と思いましたね。あとは3話の水着作画の良さとか、季節の色合い、時間が経過していく感じが素晴らしいと思いました。やっぱりあと最終話ですね、最終話。そういう表現が溢れてて一番スキなんですよ。
━━━アニメ化してから何か自分の中で変わったことなどはありますか。
三上:アニメ化したときは、「彼女たちが可愛くなるな」って感じてました。そこから自分で漫画を書くときに、このシーンでこう動いたら可愛いだろうな、とか、声ついたらいいのになって考えながら書いちゃうことがありますね。
━━━先生の作品の作り方に関して聞かせてください。「ゆゆ式」の雰囲気はどうやって作られているんです?
三上:あんまり細かく説明ができないんですけど、そのシナリオが自分の中で「自然」ならOK、不自然だなって思ったらなしにしてます。例えばキャラクター同士を会話させてみて、その会話に対する返しをたくさん考えてみるんです。その返しがきちんと成立しているのかどうかをよく見ていますね。この3人が会話をした時に、この子たちの中で自然なやり取りをしているかどうかが大切なんです。
アニメでいえば最初のスタッフさんとの意識調整の時に「この子たちの世界にはカメラはないです」という話をしました。客観的な第三者が覗いていて、それを意識するような言動はさせないでくださいと。この子たちには私たちのことは見えていませんからね。この子たちは芸人ではないので、僕らに対して笑いを取りに行っているわけじゃなくて、3人が話している中で、他の2人が笑ってくれるかどうかが大切なんです。
「ゆゆ式」はそういう意味で「自然」なのかもしれませんね!
━━━では次に、Blue-rayBOXの話について聞かせてください。
三上:描き下ろしのジャケットに関しては、監督の方から3パターン程ラフをいただいて、その中から1番この子たちが自然みえると思ってこの構図を選び絵を描きました。
━━━マルチケースの裏側の絵に関してはなにか監修をされたんですか?
三上:キャラクターデザインの田畑壽之さんの描きおろしなんですが、みんなであやとりをしているところですね。僕はホワイトボードに書いてある「あやとりまとめの中身を考えてください!」って言われて、そこだけ作りました。
あとスタッフさんとは手の作画の話をよくしました。漫画っぽい手の描写じゃなくて、作画がきっちりしたリアルな手がスキなんです。まさにこのケースに描かれているような手です。そういうところがこのケースにはすごく出ていますよね。
━━━三上先生はなんで手がスキなんですが?
三上:なんででしょうね、なんか好きなんですよ。いいじゃないですか、手。ゆかりがよく手をバッて前によく広げますよね。その辺もアニメの作画にいっぱい入れてもらいました。手元の芝居もたくさんやってもらったので、そこもぜひ見てほしいですね。
━━━特典のドラマCDはどのようなものになっているんでしょうか。
三上:収録に立ち会いさせていただきました。「収録現場」ってトラックを作ってほしいくらい面白かったです! 本当にキャストの3人が仲良くて、すごく良い雰囲気でした! そんな空気の中で生まれた作品で、内容は食べ物に関してまとまってる感じです。
━━━その現場はもしかして理想とする自然な空間かもしれませんね! ではBlu-rayBOXが発売しましたが、次はどんなことしてみたいですか?
三上:もう、自由になんでもできればと。監督ともいろんなことしてみたいですねぇって話していましたね。なんかモデルになった学校にみんなで行って、歌を歌ったり、美味しいもの食べたり…とか、なんかワイワイできれば最高ですよね! 3月にはイベントもやりますので、そちらも楽しみにしててください!
━━━最後にファンの皆さんに一言お願いします。
三上:「ありがとうございます!」です。基本的にはアニメ化して、嬉しい事しかなかったんですよ。「ゆゆ式」をスキなファンの人たち、「ゆゆ式」のアニメを作ってくれた人たち、本当にありがとうございます。原作も続いていくのでこれからもよろしくお願いします。嬉しいです!
今回インタビューさせていただきましたが、私も「ゆゆ式」の独特な世界観にハマった1人でした。私がアニメを見た時に「ゆゆ式」は物語が展開していく中で、瞬間瞬間をすごく大切にした作品だと感じていたのですが、やはりその答えは三上さんの言葉にあるように「いかに自然であるか」ということに集約されるんだなと感じました。
「ゆゆ式」のBlu-rayBOX発売からなにか新しいことが始まると信じて今後も注目していきましょう!
【イベント情報】
ゆゆ式同窓会トークイベント開催決定!
BD BOX発売&原作100回到達記念!
ゆゆ式同窓会トークイベント決定‼︎
来年3月、出演者は大久保さん、津田さん、種田さん、他
詳細は後日!
また、当日BOXをお持ちになるとスペシャルプレゼントを予定!
続報お楽しみに!
宣伝おーた
#yuyushiki
— TVアニメ「ゆゆ式」 (@yuyushiki_anime) 2015, 11月 25
詳細は、後日発表になるそうなので、最新情報はいち早く手に入れたい方は公式サイト、またはTwitterのチェックしておきましょう!
[文=長谷 憲]