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虹コンが水島精二監督に聞く、優れた声優に求められるもの

水島精二監督に聞く、優れた声優に求められるもの〜虹のコンキスタドールが『コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜』のアフレコ現場へ!

 現在放送中のTVアニメ『コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜』。謎が謎を呼ぶストーリー、キャラクターたちの関係性が深く絡みあう展開は、多くのアニメファンたちをうならせています。その監督を務めるのは、『鋼の錬金術師』や『機動戦士ガンダムooシリーズ』の水島精二さんです。

 アイドルグループ・虹のコンキスタドール(以下、虹コン)にアドバイザーとして参加するなど、監督業にとどまらない活躍を続けている水島監督。

 なんと今回、虹コンから声優志望の陶山恵美里さんと中村朱里さんが『コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜』のアフレコ現場を見学することが決定。さらに、見学後は水島監督へのインタビューに同席しました。

 二人はプロの現場を見てどのようなことを思うのか? そして、水島監督からはどんなお話が聞けるのか? 編集部と虹コンの二人が行ったインタビューの模様をお伝えしていきます。

●まるでお父さんのように語りかける水島監督

——本日のご感想をお聞かせください。

水島:今日は、僕らと同じ調整室で見学してもらったけど、声優は簡単になれるもんじゃないと分かったでしょ?(笑)

陶山:分かりました……。

中村:見学していて、ずっと震えてました……。

水島:あの人たちの中に入って一緒にやると思うと……ね。

中村:『うーさーのその日暮らし』に出演させてもらったときも緊張しましたけど、見ているだけで「うわぁ」と思いました。

水島:アフレコブースに入ってみただけだと、「役者さんすごい!」って思うだけ。でも、スタッフ側に立ってみると、役者の演技に対して何が違ったのか、どんなディレクションがあるのかがダイレクトに分かるよね。こちらが求めているゴールまで到達するのが早い人もいるし、時間がかかる人もいる。その作業を経て作品が出来ているわけ。

作品を見ている人は、その出来上がった結果しか見ていなくて、「あの人は上手い」、「あの人は下手」ということになるから、二人も見学して気持ちが変わったでしょ?

陶山&中村:はい!

水島:ベテラン声優がすぐに対応できることでも、若手声優は苦労していたよね。しかも『コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜』は、言葉の含む意味の密度が高い。事象を分かりやすく解説していく形じゃなくて、起こった出来事に対して、キャラクターたちの姿を羅列していく形で展開していくから、それに対処する役者たちに求めるハードルも高い。だからいつも時間ギリギリになっちゃう。

中村:スタッフさんたちが役者さんたちに伝えることも事細かで、誰に対してのどんな感情なのかをはっきりと伝えているんだなってビックリしました。そして、それをみんなで共有する。その雰囲気が分かったのは、あの場所にいたからこそなんだなって思います。

水島:二人が憧れている人たちも、そのプロセスを歩んできたんだよ。

陶山&中村:(深く頷く)。

水島:陶山は頷いてるだけじゃん!(笑)

陶山:あかりんに全部言われちゃって!(笑)

水島:じゃあ、陶山の質問タイムだ。

陶山:あんなにたくさんの役者さんがいて、緊迫感がある現場は初めてでした。こういう現場もあるんですね。

水島:もっと賑やかな現場ももちろんあるけど、この作品はテーマや伝えなきゃいけないことが重いから、役者もスタッフも真剣になるんだよね。スタッフとしてもキャストを「もっと引き出したい」という要求も高いから、「これから声優になりたいです」と思っている人が見学したらショックを受ける現場ではあると思う。

僕と一緒に仕事がしたいと思ったら、ああいう現場に来ないといけない(笑)

声優を目指すのであれば、日々の中で学べることもたくさんある。君たちはアイドルとして、普通の人は体験できないことを数多く体験できてるはずだから、その実感こそが大事。さらに自分を磨きたいなら、役者さんがやっているワークショップに参加するのもいいと思う。芝居って、人そのものを表現することだから。

中村:ひとつの台詞に対しても「もうちょっと不安要素を」とか「怒りの要素を」とか、微妙なニュアンスでも役者さんは対応されていたので、本当にすごいなって思いました。それを見て二人で「スゴい!」って(笑)。

水島:ニュアンスに対応できることを判断するには、自分の声を録音してみるといいよ。どうやって声を出すと、どう聞こえるのかという理解を蓄積していかないと、そのお芝居はできない。陶山とかはキャラクターが憑依するイタコみたいなタイプだから、そのチャンネルを増やしていくといい。中村は感情のニュアンスが変わることが理解できているから、それをどうすれば出せるのかを探していけばいいと思う。「私の声はこう聞こえている」という発見をするだけでも、次の成長につながると思うよ。

でも、そう簡単にできることじゃないから、焦らないで、いろいろ試したほうがいい。

●水島監督が今、気になっている声優は?

——水島監督が今まで監督を務められていて、役者さんで印象に残っていることはありますか?

水島:監督を始めたばかりのときは、完成された役者さんたちを起用していました。自分自身の未熟さも自覚していたので。

それから自分自身で作品に色を付けたいという欲も出てきて、新しい人をキャスティングするようになっていきました。『シャーマンキング』の佐藤ゆうこさんとかがそうですね。彼女は当時、外画の吹替えはやっていましたが、日本のアニメはあまり出演されていませんでした。海外アニメの『スーパーマン』でロイス・レーンを演じていて、それがすごくよかったんですよ。それで現場に呼びたくて、オーディションに来てもらったんです。

あとは、音響監督の三間雅文さんと組めば、何テイクか重ねていくうちに役者の芝居が引き出せると分かったので、そこからは冒険的なキャスティングもしました。徐々に、作品と共に成長していく人をキャスティングするようになったという感じです。

『コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜』でも、狙ったキャスティングをしていますよ。

——なるほど。

陶山:声優になるのにやっておくべきこととかってあるんですか?

水島:歌うことと芝居の発声って違うと思う。発声に関しては、ボイストレーニングの先生の言っていることを理解することが大事だよね。演技に対して求めるニュアンスとかはアドバイスできるけど、演者との接点は違うので、演技をしている人に教えを乞うのはやっておくべき。役者ってどういうものなのかを考えてもいいかもね。

●物語をとらえるテクニックとは?

——監督が考える上手い役者とはどんな人でしょうか?

水島:難しい質問ですね。本当に上手い役者となると山寺宏一さんとか、あらゆるキャラクターを理解していて、なおかつカメレオンのように役に成りきる力がある人だと思います。現場で信頼がおける人となると、三木眞一郎さんはすごく役に寄り添って、役を俯瞰して自分がどの立場にいるべきなのかを見ることができる人だと思います。

最近興味があるのは津田健次郎さん。リーディングライブの現場でお会いした時に、役の捉えかたについて「物語を俯瞰して見る」と話ていました。僕ら演出家は全体を俯瞰して見ることが当たり前だけど、三木さん同様、役者でありつつそれができる人は、一味違うだろうなと。

もちろん、求められることがわかっていると、そこに落ち着いちゃうパターンもあると思います。けれど、やっぱり役者は目立ってなんぼなんで、「私は私」と思ってこちらが想像していなかったいい芝居を出してくれると感動します。

——「俯瞰して見る」というのは訓練で身に付くものなんでしょうか?

水島:小説を読めれば、できると思いますよ。陶山とかできるんじゃない?

陶山:私、小説読めないんです……。

水島:読みなさい!(笑) 新井素子さんの小説とか読みやすくてオススメだよ。一人称で書かれている作品は、その子自身の目線と作品全体を見やすいから、入り込めるし、俯瞰して見やすい。漫画とかでもそういうのができるよね。

好きなキャラクターが出てきたら「私は何でこのキャラクターが好きなんだろう?」って考えて、好きになった経緯を探す。そのポイントを探していくと、作者の意図がわかってくる。「こういうことをさせたくてこの台詞を入れている」、「ここのシーンはこういう意味」というのが分かってくるとだんだんと楽しくなってくるよ。訓練じゃなくても、それが楽しくなってきて、「私も物語作りたい」と思ってくるんだよ。

——なるほど。ありがとうございます。それでは、最後に『コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜』ファンのみなさんへメッセージをお願いします。

水島:これから物語が大きく動いて、想像できないような展開が待っています。ぜひ最後まで楽しんでください。衝撃の結末を約束しますよ。

陶山&中村:ありがとうございました!

取材/川野優希 文・撮影/石橋悠

>>TVアニメ『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』公式サイト
>>TVアニメ『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』公式ツイッター(@conrevoinfo)
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<ライブ情報 >
『戦場の聖バレンタイン 東名阪TOUR』

虹コン初の東名阪ツアー決定!
全曲魅せます&各会場限定ユニットカバー曲もあり!
今年のバレンタインは寂しくない…
虹コンのトップオブザプリンスはあなたです!

■各公演詳細
2016年2月14日(日)
戦場の聖バレンタイン 東名阪TOUR~狙うは東京のトップオブザプリンス~
会場:マウントレーニアホール渋谷
開場/開演:16:30/17:00
お問い合わせ先:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337

2016年2月20日(土)
戦場の聖バレンタイン 東名阪TOUR~狙うは名古屋のトップオブザプリンス~
会場:HOLIDAY NEXT NAGOYA
開場/開演:16:30/17:00
お問い合わせ先:ササンデーフォークプロモーション 052-320-9100

2016年2月21日(日)
戦場の聖バレンタイン 東名阪TOUR~狙うは大阪のトップオブザプリンス~
会場:心斎橋サンホール
開場/開演:16:30/17:00
お問い合わせ先:キョードー大阪 06-7732-8888

主催:pixiv Inc.
制作:LIVE ASIA
制作協力:inLYNK

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