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井上喜久子×井上ほの花 はじめての母娘17才対談【後編】

井上喜久子×井上ほの花 はじめての母娘17才対談【後編】――過去→現在→未来、17才のふたりが行き着く先は

 母と娘は同い年!? 17才教でおなじみの井上喜久子さん娘・井上ほの花さんは現在「本当の17才」。しかも、2015年の年末にゲーム『太鼓の達人』のオリジナル曲で歌手デビューしたことから、晴れてメディアに出られるようになり、このたび「母娘17才対談」が実現しました! まるで親友のように語り合ったり、娘のほうがしっかりしていたり、でもやっぱり娘もおとぼけだったり(!?)と、さすがは親子と感じるふたりのやりとりを前編に続いてお届けします!

▲井上母娘17才の同い年記念キラキラツーショット。こうして並ぶと、いかに似ているかも一目瞭然!

▲井上母娘17才の同い年記念キラキラツーショット。こうして並ぶと、いかに似ているかも一目瞭然!

【プロフィール】
●○●井上喜久子●○●
9月25日生まれ。神奈川県出身。オフィスアネモネ所属。現在『しまじろうのわお!』(しまじろうのお母さん役)、『無彩限のファントム・ワールド』(姫野アリス役)、『ファンタシースターオンライン2 ジ アニメーション』(弓子役)ほかに出演中。

●○●井上ほの花●○●
2月9日生まれ。神奈川県出身。オフィスアネモネ*ジュニア所属。「HONOKA」名義にて、バンダイナムコエンターテインメントのアーケード版ゲーム『太鼓の達人』オリジナル新曲「恋幻想(Love Fantasy)」で歌手デビュー。今春から音大に進学。

《インタビュー【前編】はこちら!》


■ 晴れの舞台をお姉ちゃんが台無しに!?


――学校の友達などは、デビューに関してどんな反応でしたか?

井上ほの花さん(以下、ほの花):周りはもうビックリですね。けど、「がんばって」とか「応援してる」とか、うれしい言葉をたくさんもらいました。


――ボイストレーニングをされていたそうですが、高校の文化祭などで歌う機会は?

ほの花:ありました。高3の文化祭の1日目と2日目にステージで歌ったんですけど、2日目は一般公開の日だったので、親とかも見学に来れるんですよ。そこに母も観に来てくれたんですけど、クラスの男の子が何人か母に「サインください!」ってなって、そしたら周りの人も「え、この人って有名人なの?」みたいになっちゃって。「今日歌うのは、ほーなのにな。ママにお客さんをとられた」って……。


――嫉妬ですか(笑)。

ほの花:そう、嫉妬なんですよ!

井上喜久子さん(以下、お姉):いや~、ごめんね~(笑)。


――そこで「私のママってすごいでしょ!?」じゃなくて、「ママが私のお客さんをとった!」って思えるのは、素質があると思いますよ。

ほの花:そうなんですか? でも私はたぶん、母にはなれない。近いものにもなれないと思うんです。だからファンの方にも、期待外れって思われるんじゃないかなって……。

お姉:いつもそんなふうに言ってるの。ちょっとかわいそうで……。

ほの花:ママってほーから見たら、自慢のママっていうか。かわいいし、性格いいし、フワフワしてるけどけっこう周りも見えてるじゃないですか。ファンの方のことも考えてたりとか、あいさつとかもしっかりしてて。

お姉:いやーやめてぇぇ! あー恥ずかしっ。そんなことないよ~。

ほの花:けど私は、声も顔も見た目もママと全然違うし……。


――まぁ本人が思っているほど違わないですけどね。やっぱり親子だなって思いますし。

お姉:そうだよね!?

ほの花:デビューできたことはすっごいうれしいんですけど、「もっとお姉ちゃんみたいなフワフワしてる子かと思った」とか、母と違うことにがっかりされないか不安……。


――ファンの人たちは、お姉ちゃんのステージで恒例のほっちゃん話を17年間ずーっと聞かされてきたわけですよ。おかげで今やもう、近所のおじさん状態なんです。「ほっちゃん、よく育ったねぇ」という感慨深さはあっても、「お姉ちゃんと違う」なんて思いませんよ。

お姉:みなさんやさしいからねぇ。

ほの花:あと、私は言葉とかもまだ全然知らないから。キラキラとかフワフワとか、そういう表現ばっかりで。

お姉:逆にそういうのは今どきの子だなって思うし、漢字の間違いとかも面白くってしょうがないの。この間も自分の将来について話してたときに、「直角に言うと」「えっ、直角!?」「じゃなくて、垂直に言うと」「えっ、垂直!?」「あ、率直だ」って。そういう信じられないような言葉の間違いをしょっちゅうやるのが、もう面白くてしょうがないんですよ。でも私、娘が言葉を憶え始めたときも、間違えてもかわいい~ってそのままにしてたから、こうなっちゃったんだね。


――数々のほっちゃん話の中でも、「面白いからいっか」っていう逸話は散々ありましたからね。

ほの花:ほっちゃん話はこれからも続けるの? それならほーは、ママ話をする。絶対にファンの方も喜びますよね!?


――つまりこれで鉄板ネタがひとつできたと。それではママ話の第1弾を、初インタビュー記念としてお願いします。

ほの花:昔、地元に新しくできたデパートに、母が運転する車で行ったんですよ。そこでお買い物をした帰り道に迷っちゃったんですけど、いきなりママが泣き出して、「なんでほっちゃん、道を憶えといてくれないの!?」って言われて。

お姉:道がわかんなくてぐるぐる回って、このまま一生帰れないかもと思ったら、悲しくなっちゃって。

ほの花:「道を憶えておいてね」とも言われてないのに、なんで泣きながらほーに言ってくるの、みたいな。

お姉:でもママにしてみれば、「ほっちゃんが憶えててくれないから帰れなくなっちゃった!」って思っちゃったんだよね。意味わかんないよね(笑)。
▲声優としてトップを走り続けるからこそ、その厳しさを骨の髄まで知る喜久子さん。娘が同じ道を歩むと決めたからには、鍛えはするものの、あくまでも自分の力で這い上がってくるのを見守るスタンス

▲声優としてトップを走り続けるからこそ、その厳しさを骨の髄まで知る喜久子さん。娘が同じ道を歩むと決めたからには、鍛えはするものの、あくまでも自分の力で這い上がってくるのを見守るスタンス

 
 
■ キラキラ娘にママは大汗!?

――今後はどのように指導していきたいですか?

お姉:普通なら何年もかかってデビューできるところを、親がこういう仕事をやっているから子供がチャンスをいただけるというのは、親にしてみればありがたいんですけど、世の中に対しての申しわけなさもすごくあるんですよ。

だから、誠実に返していけるようにお芝居の基礎の練習とか、努力をおこたらないようにっていうのがすごくありますね。調子に乗らず、地道にやっていってほしいなって。急に花開いてパァーッと活躍なんて、まったく思ってなくて、小さな役から徐々に力をつけていって、少しずつ成長してくれたらいいなって思っています。


――オフィスアネモネのジュニア所属になるだけでも、普通は大変ですからね。

お姉:今回の『太鼓の達人』のお話って、アネモネジュニアの石黒千尋ちゃんのおかげなんですよ。『太鼓の達人』の関係者の方とお話をしてくださって、ほっちゃんを紹介してくれたの。

だから本当に千尋ちゃんのおかげでデビューが決まったところもあるので、アネモネは小さな事務所ですけど、私もみんなに恩返ししていきたいなって思いますね。それに、みんなが娘を妹みたいにかわいがってくれるし、鍛えてくれてて。お芝居の練習でも、いつもいっぱい教えてくれてるんですよ。いや~、恵まれてますね。


――事務所にはお姉さんがいっぱいいるし、周りには近所のおじさんがいっぱいいるしで安泰ですね。

お姉:あははっ! だから真面目に恩返ししていかないと、ばちがあたるよね。


――ほの花さんが17才でデビューされたことで、今回の「17才対談」も実現したわけですが、いかがですか?

お姉:いやもう、ありがとうございます。一生の思い出です。自分で17才って長く言ってきたけれど、それをネタにして娘をどうのっていうのはしたくなかったんですよ。それが今回、すばらしいチャンスをいただいて、歌でデビューすることができて、それを記念に対談を残させていただけるなんて、夢のようです。

ほの花:母が17才って言ってくれてたから、17才でデビューできたというのもあるし、千尋ちゃんが紹介してくれたからというのもあるし、ファンの方がいるから母も今までやってこれて、そのおかげで私もデビューできたわけで。自分の力でデビューできたと言えることが、なにひとつないから、本当に感謝しかないです。

お姉:ちゃんとわかってるんだね(笑)。

ほの花:けど、うぬぼれも頭のすみにいるので、早くポイってしたいです。全部頭を入れ替えて――

お姉:アンパンマンみたいだね。頭を入れ替えるの?

ほの花:違う。

お姉:…………。

ほの花:頭からうぬぼれを取って、全部「努力」っていうのに替えてしまいたいです。

▲さすがは同じ17才のふたり! その会話は母娘というより、親友どうしのよう

▲さすがは同じ17才のふたり! その会話は母娘というより、親友どうしのよう

 
――今後の予定は?

お姉:実は3月11日公開の『しまじろう』の劇場版『しまじろうと えほんのくに』で、声優デビューが決まったんですよ。これもありがたいことに、私が20数年『しまじろう』をやらせていただいていることもあって、ディレクターさんが「娘さんのデビューを『しまじろう』で」って言ってくださったんです。

ボイスサンプルを聴いていただいた上で本決まりになって、先日無事に「しろりん2」というキャラクターをやらせていただきました! と~っても面白い内容になっているので、たくさんの子供たちや、もちろん大人の方たちにも観て楽しんでいただきたいです!!

ほの花:自分が『しまじろう』を観て育ったから、それに出られるなんてすごい楽しみだし、夢みたいです。普通に生きてるだけなのに、運が良すぎる気がします。恵まれ過ぎだね。


――しかしそんなしあわせも長くは続かなかった……。

ほの花:やだぁ~~~!

お姉:そうだよね。世の中そんな甘くないからね~(笑)。


――いよいよ声優としても歩み出すことになった今、先輩声優として井上喜久子さんを見ると、どう感じますか?

ほの花:やっぱり自分がお芝居をちゃんとやりたいって思うようになったことで、改めて母のすごさがわかるようになりました。

お姉:いやいやいや、全然すごくないけど、意外と私、お芝居のレッスンのときだけはきびしいんだよね~。びっくりするよね!?

ほの花:きびしいんですけど、あんまり怖くない。

お姉:え~、私こんなにきびしくやってるのにぃぃ~。


――あーあ、言っちゃった。具体的にはどんなところがすごいと思いますか?

ほの花:アニメも外画もゲームもやって、ナレーションもやって、サクラ大戦みたいに舞台もやってっていう、声に関わる全部の引き出しを持ってるっていうか。

お姉:いや~もう、言わないでぇぇ~~~! 横で聞いてらんない! いや~やめてぇぇ~~~!

ほの花:そこまで行くのに母がどれだけ努力してきたのかとか、今も家ではストイックだし、ほんとにすごいなって思います。

お姉:いやもう無理! 恥ずかし恥ずかし恥ずかし! やめてやめてぇぇ~~~!!


――ここまで育った娘についてはいかがですか?

お姉:お姉:そうですね、どうもしゃべりたいことが毎日、山のようにあるみたいなんですよ。ちっちゃいときからずっと隣どうしで寝てたから、私が眠りに落ちても「ママ聞いてママ聞いて!」って学校であったこととかを全部話そうとするんですよ。私が疲れて眠ると、「ママねむらないで!」って私の目を指で開いて、「なんとかちゃんがなんとかで」って話すくらい、たくさん伝えたいことがある子で。ほんとに子供って面白いなって思いながらいっしょに育ってきた感じなんですね。

これからのことについては正直、まだわからないんですけど、ボイストレーニングをずっと続けてきたこともあって、声量があるのは私から見てもうらやましい。何時間でも歌える体力とか、歌に対する思いも強いから、このまま素直に努力して、伸びてほしいなっていう気持ちですね。


――最後に、ファンの方にメッセージをお願いします。

お姉:みなさまにはいつもたくさん応援していただいて、ありがとうございます。娘がこんなことになりまして、ちょっといま同い年なので、ドキドキしています。まずはひとこと、ごめんなさい!

なんか「世の中にごめんなさい」みたいな気持ちがあるんですよ。親子で17才って面白い反面、本当に大丈夫かなって。そう思いながらも、ずうずうしいお願いで申しわけないのですが、これからもたくさんの方に笑顔になっていただけるように、親子ともどもがんばりますので、末永くよろしくお願いしますっ!

ほの花:母のことが大好きな人がたくさんいて、そんなママを踏み台にしちゃってごめんなさい。実はこの前、すごいうれしいお手紙をいただいたんですよ。「喜久子さんのファンをずっと続けてきたけれど、私がデビューをしたことで、続けてきた理由がわかった気がします」みたいな内容で、そういう方たちが私にはいっぱいついてくれてるのかなって――

お姉:……ど、どうしよう。やっぱりずうずうしいよね? ちょっと待って、やり直していい?(笑)

ほの花:ごめんなさいっ! ほーは口だけはほんとにいっちょまえなんですけど、応援してくれてる方がいることがわかって、本当にありがたいんですよ! まだ私のファンはいないと思うんですけど、これからキラキラビームをいっぱい飛ばすので、それを浴びてください。

お姉:え~、どゆこと!?

ほの花:ママのファンの方が、「この子のことはちっちゃい頃から知ってるんだよ。この子はほんとにすごいんだよ」って胸を張って言えるような、超ビッグな人になるので、それまで見守っていてください。これからみんなにキラキラビームを送るから――

お姉:どうしてもキラキラビームは入れたいんだね(笑)。

ほの花:だってぇ! キラキラビームを送るから、みんな受けとめてください。キラキラビームに当たった人は、自分もキラキラできて一石二鳥。

お姉:意味わかんない(笑)。

ほの花:ほーもしあわせになれて、ファンの方にもしあわせを贈りたいから、一石二鳥です!

お姉:はい、すいませんっ!


>>オフィスアネモネ
>>井上喜久子 オフィシャルサイト @manbow
>>劇場版しまじろうのわお!『しまじろうと えほんのくに』公式サイト
  3月11日より全国ロードショー

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