2016/2/28 15:30

復活ではなく、進化でなければいけない──May'n復活。ライブについて語る、独占インタビュー

 歌姫May’nが帰ってきた。昨年の武道館での復活ライブ、そして今年5月より久々の全国ツアーが始まる。「自分の居場所はライブステージ」というMay’nに話を聞いてきた。休養中の事、ライブの事、そしてあの“銀河の歌姫”についてたっぷりと語ってもらった。

 
──今年5月からツアーが始まりますが、ツアーは久々ですよね?

May’n:そうですね。1年前のツアーを中止してしまったので、2015年2月ぶりくらいですかね。


──両側声帯ポリープの治療のため活動休止されて、ファンの間にはかなり衝撃が走ったと思うのですが、あの時の心境とかもお聞かせ願えれば。

May’n:私はとにかくライブが大好きで、毎日ほんとに音楽のこと、ライブのことを考えて過ごしていて、当たり前のように“次のツアーが終わったら次のライブ・ツアー”という感じで何年も過ごしていたんです。なので日常が途切れてしまうっていう感覚がすごくありましたね。結構ギリギリの状態でツアーが始まっていて、自分の中では“まだできる”っていう気持ちを持ちながらも休む決断をするのは、自分で未来を手放すというか、明日を手放すかんじがして、すごく怖かったし、悔しかったですね。


──2か月くらい完全休養だったんですかね?

May’n:ライブ自体は3か月で、レギュラーとかのお仕事を再開したのは2か月とかで。


──その2か月間はどのようにお過ごしになったんですか?

May’n:実家の名古屋に帰って療養していました。


──ある意味、久々の実家でのオフになってしまったんですね。

May’n:そうなんですよ。そんなに連休があることはなかなかないので。


──ご家族の心配とかもあったんですか?

May’n:家族が喋ってくれるから私も筆談で喋ったりして、気は紛れましたね。妹と一緒に買い物に行って、「試着したいんですけど試着していいですか?」って言ってもらったりとか(笑)。 1人だったらもっとズーンとしてたのかなって思いますね。


──休養があって、それを乗り越えての武道館が去年8月にありましたが、いかがでしたか?

May’n:最初はやっぱり怖かったですね。3か月で復帰っていうのもギリギリだよってお医者さんに言われていたので、本当に間に合うかなとか。あと結構ハードな楽曲が多いので、最後まで歌えなかったらどうしようとか。


──不安は拭えなかった部分はありますよね。

May’n:でもリハーサルを始めた時に「できる!」と思えたんです。たくさんのスタッフさんやメンバーが自信をくれて、みんなに会いたいっていう気持ちでステージに向かったので。1曲目を歌った瞬間に“あっ、ここだ!”って感じたんです。みんなが待ってるステージがあるから頑張ってこれたし、手放したくないからさらに頑張れるっていう。やっぱりライブっていう場所が私のパワーの源になってるんだなっていうことを凄く感じました。


──『マクロスF』の歌シェリルとしてのイメージもあるのかもしれませんが、May’nさんは“歌姫”っていうイメージが僕の中であって。
May’n:あ、嬉しい! ありがとうございます!


──May'nさんがステージに現れると空気が変わるというか(笑)。

May’n:えぇ~本当ですか?! うふふ(笑)。


──オーラを持っているという以上に、私が出たら絶対にお客さんの目を引き付けるっていうような確固たる決意を感じたんですね、スイッチが入るというか。

May’n:う~ん……でもそのスイッチは、みんなが入れてくれてる気がします。例えばみんなが「部長~!」とか「May'n~!」とか言ってくれる声援で自信を貰えてるんです。普段は全然自信とかも持てないので。そんな私がステージで堂々とできることが自分でも信じられないことなんです。本当にみんながMay'nだったりシェリルにしてくれてるなっていうのはあります。


──せっかくだからMay’nさんの代表作でも有る『マクロスF』のシェリル・ノームの話も聞かせて下さい。『マクロスF』は2008年……8年前になりますね。先日16歳の高校生に会った時に、「シェリルやランカ小学生の時に聴いてました~」と言われて衝撃を受けたんですが(笑)。

May’n:あぁ~~~!(一同爆笑)


──この8年間でシェリル・ノームが居て、それが一段落した所で今があると思うのですが、マクロスの楽曲というのはMay’nさん中でどういうものになっているんでしょうか?

May’n:やっぱり私の始まりの場所ですかね。シェリルに出会って私もMay'nという名前に変わって、そこからまた始まって、想像しなかった今があるんです。例えば武道館に立たせて頂いたり、ワンマンライブができるようになり、海外でも歌わせてもらって。そんなこと当時は想像もしていなかったんですよ


──夢が叶った?

May’n:そうそう! でもアニメや『マクロスF』のおかげで海外の人も私の楽曲を聴いてくださるようになったので、沢山の出会いをくれた最初の出会いですね。

──元々アニメーションというものに興味はおありだったんですか?

May’n:正直そんなに詳しくないところからスタートして。マクロスの話をいただいて、オーディション段階では他にもシェリル候補の方がいたんですけど。シェリル・ノームに私はならなきゃっていうか、絶対にまた歌いたかったんです。前のレコード会社との契約も終わっていたので、「これがないともう歌えないかもしれない」っていうのもあって、まずマクロスをたくさん勉強したんです。そこで改めてアニメの奥深さ、面白さを知って……それを教えてくれたのも「フロンティア」に限らず『マクロス』に出会えて良かったって本当に思いますね。


──May'nさんってシェリル・ノームにすごく寄り添ってるイメージがあって。今新しい作品やマクロスが動き出してる中でも、ずっとMay'nさんの中にシェリルはいて、一緒に歌ってるっているようなイメージを見ていて感じるんですね。

May’n:あっ、それはもちろんそうですね。多分May'nで出たばっかりの時って、まだ3年目とかで。シェリルはもう宇宙一のスターだからこそ、銀河一のオーラでいなくちゃいけない、私の歌声に関してもそれを求められましたし。


──May’nの歌声=シェリル・ノームの歌声ですからね。

May’n:そう、それでアニメや2次元の世界でシェリル・ノームはカッコいいな、好きだなって思ってくれてる人たちが私の歌を聴いて「あっ、なんか私今シェリルと同じ空気を吸ってる」とか思ってもらえているんだとしたら、それは凄いことだと思うんです。だからこれからもシェリル・ノームの曲を歌わせていただく時には、少しでもシェリルそのものをみなさんにお届けしたいって思ってますね。


──それはアニメファンとして物凄く嬉しい言葉ですね。

May’n:でもあの時と違うのは、シェリルがこう歌いたいって決めていたものにプラスして、私のライブでの思い出が増えていているので、それが大きくなってミックスされているようになったかな。これからも自分の想いが増えていくことはあるけど、シェリルが歌に込めた想いが減っていくことはきっとないんじゃないかな。曲に対する思い出というか想いがどんどん分厚くなっていくだけかなぁって。


──いやあ、なんかもう理屈抜きでお礼を言いたい気分になりますね。

May’n:あははははははは(笑)。


──実は僕、2012年の『HAPPY 娘(にゃん)YEAR FESTIVAL 娘フェス』でスタッフとして参加してまして(笑)。

May’n:本当ですか?!(笑)


──「サヨナラノツバサ」を歌われた時は、なんかもう伝わってくるというか……

May’n:あぁ~あれすごい曲ですしね~!


──中島愛さんと一緒にMay’nさんが歌い上げているのを裏で聴いていたんですよ。もうよくわかんないけど、裏でスタッフ全員が「がんばれー! がんばれー!」って泣きながらひたすら2人を応援してたっていうのは、強烈な思い出なんですよ。

May’n:すごく嬉しいです。


──あんなにスタッフさんが演者を応援するんだってくらい応援してましたからね。あの時キャラクターと歌い手・演者が同じステージに同時に実在してるっていうのを感じて。May'nはシェリルだし、シェリルはMay'nだしっていうのがぴったり重なるっていうのは中々ないんじゃないかって思ったんです。

May’n:うわぁ……すごい!


──そんなマクロスの楽曲から、今のMay’nさんの曲を順に聞いていくと、パワフルな曲が増えてきてるイメージがあります。なんかすごくMay’nサウンドに多面性が出てきたような気がするんです。

May’n:それはもうライブですね。ライブを1番に考えて、ライブでいろんな表情をお届けできるようなステージすることをずっと考えています。それぞれの主人公の気持ちで、ミュージカルのよなステージをお届けしたいですね。全てのインスピレーションをライブでもらっています。


──その相乗効果であのステージ上でのオーラが出てくるわけですね。

May’n:ほんとですか!? 私オーラが無いことでおなじみなんですけど!(笑)


──プライベートは地味なんですかね。

May’n:例えばライブのツアーとかで、新幹線に乗るじゃないですか。隣にファンの方がいたりするのにお土産とか選んでて、でも相手の方も気づいてないんですよ。それでマネージャーはすごく焦ってるんですけど(笑)、 「めっちゃ近くにいるよー!」って。でも誰も気づかない(笑)。


──オンとオフがしっかりしてるのかもしれないですよ。

May’n:良い言葉で言うとそうかも(笑)。学園祭でもほとんど気づかれなくて。私を目当てに来てくれているファンの方も私がMay'nだとは全然気づかない、気付いて!(一同爆笑)


──気づかれたいですかやっぱり。

May’n:んん~……なんか気を遣ってくれている方もいるかもしれないんですけど、あまりにも誰にも気づかれないのはやっぱり傷つきますね(笑)。


──いるよいるよ~みたいな(笑)。

May’n:そうそうそうそう!(笑)


──敢えてここで聞きますが、May'nさんにとって“歌う”とは何でしょう?

May’n:自分が1番自分らしくいられる時ですね。私は普段の生活とか周りに合わせがちですし、今自分がこう思っても「今はやっぱりこれは言っちゃいけないのかな」とか蓋をしがちだったり。でもそんな普段の自分も、歌っているうちに気付けたというか。「表現することって凄い楽しいんだな。あれ?てことは今まで私は気持ちを表に出してこなかったのかな?」っていう感じですね。


──本来の自分を取り戻したというか、新しい自分に気付いた?

May’n:どっちもあると思います。ありのまま生きてくってなんか難しいじゃないですか。人に合わせることも、自分の意見を100%言えない状況も、生活していれば必ず誰しもあると思うんです。だけど“言う勇気”を私は音楽にすごく教えてもらったというか、なんかこうひとつ常識から外れたら、こんなにも楽しくなるんだっていうことをライブで知ったんです。


──日常からの開放というか。

May’n:そうですね。例えば、私は魅せるライブがしたかったので、何度も鏡の前で研究を重ねて顔の角度や腕の動きとか、そういう見え方を全部リハーサルで固めて挑んでいたんですよ。でもある時、“ライブってそうじゃないんだ! 自然に笑って、楽しくなっちゃったりしてもいいんだ”!とか。


──ファンからもらっているモノが多いんでしょうね。

May’n:すごく多いですね。


──そんな思いの詰まった久々のツアー、不安点とかもあったりしますか?

May’n:不安っていうのは今はないですね。武道館は東京の単発だったんで、まだ心配されている方もたくさんいらっしゃると思うんですよ。「今まで心配かけてごめんね! もう大丈夫だよ!」っていう気持ちでそれぞれの場所に伺いたいなと思ってます。


──完全復活をアピールしに行くと。

May’n:私はもう復活ではなく、進化でなければいけないと思っているので。「今まで見てきたけど、今回が一番よかったね!」って言ってもらわなきゃいけないなって。


──今のMay'nが何を魅せてくれるのかっていうのが物凄く楽しみです。

May’n:先日の武道館で、何か今までの中で一番自分の素が出たというか。シェリルの自分も、May'nとしての歌もなんですけど、今回のツアーはワクワクしています。とにかく楽しいライブになるんじゃないかな。


──では最後に、ツアーも含めて今年のMay'nのこれを見てほしいっていうのを伝えてもらえれば。

May’n:去年2015年に私はデビュー10周年を迎えて、あっという間だったんですけど。11年目の今、“これから”っていう感覚はすごくあるので、これからもチャレンジを続けていきたいです。そんな“ここからだぜ!”っていう気合いを込めてこの「SPRING OUT!!」っていう跳ね上がろうみたいな勢いのある言葉を付けたので、ホールツアーではありますが、ライブハウスのような熱さも一緒に想いも届けられたらいいなと思っています。ぜひ遊びに来ていただけたらなと思います!


インタビュー・文=加東岳史 撮影=鈴木久美子

>> May'n Official Site
>> May'n 公式Twitterアカウント(@mayn_tw)

 






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