声優
『ゆいかおり』日本武道館ライブレポ

『カナリア』の歌詞が何倍も胸に沁みる……ゆいかおりが念願の日本武道館に立つ

 2016年3月12日(土)に、東京・日本武道館にて、声優アーティストとして活動する小倉唯さん、石原夏織さんからなるユニット「ゆいかおり」が『ゆいかおりLIVE「RAINBOW CANARY!!」~Brightest Stage~』を開催しました。 本ライブは2015年11月4日に発売した2年ぶりの3rdアルバム 『Bright Canary』を旗印に、昨年12月23日から大阪、愛知、神奈川と巡ったライブツアーの追加公演。ゆいかおり史上初、そして二人組声優ユニットとしても史上初となる日本武道館での記念すべきステージです。

■ 人生初の日本武道館ステージを踏んだ小倉唯さん「良い緊張感を楽しめています!」

 文化放送でオンエアー中のラジオ番組『ゆいかおりの実♪』第91回(2016年1月3日放送分)にて、小倉唯さんは「6周年にしてたどり着いた武道館への道!一生に一度しかない、ゆいかおりの夢のステージ、一緒に見に来てください!」と呼びかけていましたが、チケットはオフィシャル発表で2月27日には完売。午前9時半からオープンした物販にも多くのファンが詰めかけるなど、会場前から熱気が満ちています。

 『ゆいかおりの実♪』第100回放送(2016年3月7日放送分)では、石原夏織さんが「リハーサルの時点ですごく楽しい!ツアーが自分の中でいい感じで来れて、あこがれの武道館で締めくくれると思う」とやる気をのぞかせていましたが、まさにその言葉からもあふれる“楽しさ”と、成長したゆいかおりのパフォーマンスを堪能するひと時となりました

 虹色のビームが会場が照らす中、レインボーカラーのスカートが印象的な衣装で現れたゆいかおり。会場全体がそれぞれのキーカラーであるピンクとブルーのサイリウムで満ちる中、この日のライブタイトルにもつながる『Ring Ring Rainbow!!』で幕開けしました。

 石原さんからの「ゆいかおり初めての武道館!みなさん、楽しんでいってくださーい!」の声を船頭に『LUCKY DUCKY!!』『倍速∞ラブストレート』とアップテンポナンバーで会場の熱を高めていきます。ゆいかおりはダンスで動きっぱなしながら、ブレのない歌唱。

 「みなさん、こんばんみのる?!ゆいかおりです」のお決まりの挨拶を経て、石原さんは「やっぱり武道館だし、めっちゃ緊張するんだなと思ったけど、スタッフさんとも長い期間をかけて作ってきたから、いつもより緊張していない自分に驚いています」と笑顔。小倉さんは生まれて初めての日本武道館でのステージングに「いつもは寝付きがよくて3秒くらいで寝る私が昨日は1分かかったの!(今は)良い緊張感を楽しめています」と前日のドキドキ感を交えて告白。

 コール・アンド・レスポンスで会場との一体感を高めてから、虹色の大柄な水玉をあしらった白いノースリーブワンピースに衣装を早替えし、石原さんも「久しぶりに歌う曲」と前置きしての『Shiny Blue』、シャボン玉がステージ前方に漂う中での『Intro Situation』、休むことなく『HEARTBEATが止まらないっ!』を歌い上げました。

 
■ 祝!石原さん大学卒業!魅力あふれるソロコーナー

 ここで会場は暗転し、今回のライブツアー恒例の映像コーナー「ゆいかおりRAINBOW FIGHT!!」へ。1回戦の巨大ジェンガ対決は接戦の末に石原さんが勝利し、大阪公演のリベンジを果たしました。

 映像コーナーが明けてライブ再開。まずはエメラルドグリーンとブルーのきらめくセパレートドレスに、髪を後ろでまとめて雰囲気をオトナっぽくチェンジした石原さんが、ソロ曲の『Telephone Call』『Sunny Ray Beam!!』と歌い上げます。

 曲間のMCでは「石原夏織、大学を無事に卒業します!」とファンに報告。卒業論文の口頭試問では「めっちゃくちゃ緊張して、自分でも引くくらいに噛み倒してしまった」と思い出し笑いをしつつ、「これからもお仕事がんばりますよー!」と今後の活躍を誓うと、観客からは大きな声援が贈られました。

 続いては、白いカンカン帽に、イエロー、ピンク、ペールグリーンのふわりとした多段スカートも爽やかな小倉さんがステージに。自身で振り付けを考え、サビの「キック」の仕草がお気に入りという『ライアーシープ』からスタート。

 MCをはさみ、続く曲を期待して会場が黄色いサイリウムを灯しだすと、その期待に応えて『Honey▼Come!!』(※▼はハートマーク)を歌いあげひと足早く夏の空気を感じさせる曲たちを観客と分かち合いました。


■ 恒例のダンスパートで息のあったダンスナンバー3連発

 映像コーナー「ゆいかおりRAINBOW FIGHT!!」2回戦の弓道対決では、袴姿のゆいかおりがスクリーンに映ると、会場からは割れんばかりの喝采。結果は引き分けながら、ステージとも異なる真剣な眼差しのふたりの姿に観客は息を飲み、的を射た時には大盛り上がり。

 ライブ中盤戦は、スパンコールが瞬くシックなパープルの衣装に身を包んだゆいかおりが、『Calling Calling』『VIVIVID PARTY!』『NEO SIGNALIFE』と立て続けのダンスナンバーで再開。アイコンタクトで通じ合う、息のあった魅せるパフォーマンスで沸かせました。

 映像コーナー「ゆいかおりRAINBOW FIGHT!!」3回戦は、「武道の達人がホワイトデーに着ていく勝負服のファッションコーディネート」対決。剣道着の防具に重ねてジャケットを羽織るという石原さんの世界には小倉さんも困り顔。

 映像が終わり、髪のリボンやシースルーのスカートに、それぞれのキーカラーをあしらった衣装で現れたゆいかおり。コーディネート対決の勝者は会場からの拍手の大きさの音で決められ、結果は石原さんに軍配。ふくれっ面の小倉さんが「これはおこだよ!」と口にする中、罰ゲームとして小倉さんが小学校4年生のときのバレエ発表会の写真を公開されていました。


■ 今夏12枚目のシングル&本公演の映像化決定!

 会場との再度のコール・アンド・レスポンスでは女性ファンの多さに「うれしいね!」と笑うふたり。あらためてライブモードの空気になったところで終盤戦へ。

 『君のYELL』『翼になるよ』と続けると、MCではファンと一緒にツアーを作る中で“進化の手応え”を感じたと話すゆいかおり。日本武道館のステージに来るまで支えてくれたファンやスタッフへの感謝を伝え、「次の曲はここにいるゆいかおりファミリーのみんなで作りあげたいと思います」と『星降る夜のハッピーリンク』、羽の舞い散るステージで『カナリア』を歌いきってのステージアウト。

 「きっとずっと 二人ならそう大丈夫」──『カナリア』の歌詞がゆいかおりの姿に重なって響いた会場からは「ゆいかおり」コールが止まりません。その声援を一身に浴びながら、ライブTシャツと一曲目に着用していたレインボーカラーのスカートをまとったふたりが再びステージに。『Shooting??Smile』でアンコールを幕開けると、『ウェィカッ!!』と『PUPPY LOVE!!』のメドレーへとつなぎます。

 ゆいかおりのふたりは「やってみたかった」という会場全体のウェーブを堪能したところで、今夏の12枚目のニューシングル決定の告知、そして本ライブの映像化がアナウンスされました。


■ ゆいかおりの6年間を支えたのは「ファンの声援」

 「これからの」ゆいかおりに続き、「これまでの」ゆいかおりについて語り始めたのは石原さん。「デビュー曲の時には高校2年生で、今は大学を卒業して、環境が変わる中で自分の進む方向を悩むこともありました」と歩んできた6年間を振り返ると、時に涙ぐんで話せない瞬間も。

 石原さんはツアー初日の大阪公演の際、『星降る夜のハッピーリンク』で涙があふれてた時のことにも触れました。「(久しぶりの公演ということもあり、実は自信が持てないままだったが)ステージに上がったら、みんなは私が思った以上の熱い視線で迎えてくれました。歌詞の『君がいつも探してる 大事なものはいま ここにある 手を伸ばせば ここにあるよ』は、私たちからみんなへのメッセージだけれど、自分のことも言われているなって」と感じた時に、これまでの楽曲や歌詞、ファン、スタッフ、そして小倉さんの存在が「私の人生にとって大切なものだ」と胸に迫り、涙になったのだと話します。

 「ファンのみなさんがいてくれるおかげです。本当にいつも、唯ちゃんがいたからここまで来られたって正直思います。今後も6年と言わずに年数を重ねていきたいと思っているので、これからもよろしくお願いします」

 この石原さんの話に、小倉さんは応えて「キャリさんがイロイロ話していて、こそっと泣いていたんですけど……いろいろ思い出しちゃって」と涙を抑えながら、「今、自分がここにいるのはファンのみなさんのおかげなんです。学校も仕事も頑張りたい私に、みなさんは『応援してるよ』『頑張ってるね』って言ってくれるけど、私は全然すごくなくて、本当にみなさんがいてくれたからなんです。今のゆいかおりを作り上げてくれたのは、ここにいるみなさんと、ここには今いないけれど力をくれた人たちだと思うし、感謝の気持ちでいっぱいです」とメッセージを贈ります。

 その感謝の気持ちを胸に「今度は私たちからパワーを届けに行く番」と小倉さん。「今ここにいるみなさんと、まだここにはいない未来のファンの方たちとひとつになりながら、ゆいかおりもレベルアップしていきたいです。これからは見た目的な面でも大人っぽくなっていくと思いますけど、中身もひっくるめて、私たちのことを愛してくれたら嬉しいです」という言葉と共に、ファンへのお礼を重ねて伝えました。

 
■ サプライズなダブルアンコールは、ゆいかおりの始まりの曲

 「今日最後の曲です」と歌うのは、ゆいかおりのメジャー1stシングルでもある『Our Steady Boy』。メッセージを贈った直後ということもあり、小倉さんの目には涙が溜まっていました。最後はレインボーの銀テープが噴射され、フィナーレを演出。

 マイクを使わずに「今日は本当にありがとうございました!」と深々とお辞儀したゆいかおり。ふたりはステージ裏に下がるも、明転しきらないままの会場からは「もう1回!」コールが巻き起こります。

 それぞれがプロデュースしたライブTシャツに着替え、三度現れたゆいかおりがダブルアンコールに歌ったのは『恋のオーバーテイク』。デビューシングルよりもさらに前、ゆいかおりとしてのインディーズデビュー曲を日本武道館の最後に選びました。

 ラジオタイトルの「ゆいかおりの実♪」を借りれば、ふたりのストーリーは6年分の成長とファンの声援を糧に、まさにこのステージで大きく花開いたといえるでしょう。2014年末の『ゆいかおりLIVE TOUR「HEARTY PARTY!!」』を思い出しても、歌の安定感やダンスパフォーマンスはさらに進化し、小倉唯、石原夏織というアーティストにとっても階段をひとつ登ったと感じられる、堂々の日本武道館公演でした。

 小倉唯さんの1stソロライブツアー開催も決定しましたが、6年目で踏んだ大きなステップをバネに、ゆいかおりは「二人なら叶えられる」明日へ羽ばたいていきます。


■ゆいかおりLIVE「RAINBOW CANARY!!」~Brightest Stage~ 2016年3月12日(土)日本武道館公演 セットリスト

M1.Ring Ring Rainbow!!
M2.LUCKY DUCKY!!
M3.倍速∞ラブストレート
M4.Shiny Blue
M5.Intro Situation
M6.HEARTBEATが止まらないっ!
M7.Telephone Call
M8.Sunny Ray Beam
M9.ライアーシープ
M10.Honey▼Come!!(※▼はハートマーク)
M11.Calling Calling
M12.VIVIVID PARTY!
M13.NEO SIGNALIFE
M14.君のYELL
M15.翼になるよ
M16.星降る夜のハッピーリンク
M17.カナリア
En1.Shooting??Smile
En2.ウェイカッ!!?PUPPY LOVE!!
En3.Our Steady Boy
WEn1.恋のオーバーテイク

[文=松本塩梅]


>>ゆいかおり 公式サイト

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