『リンク』のタイトルに隠された様々な意味とは──。オールスター作品ならではの苦労話も明かされた、スマートフォンアプリ『テイルズ オブ リンク』・ディレクター直井啓訓さんインタビューの後編をお届け！

　ユーリ・ローウェル（CV:鳥海浩輔さん）、ルーク・フォン・ファブレ（CV:鈴木千尋さん）などの『テイルズ オブ』シリーズの歴代キャラクターが総登場するスマートフォンアプリ『テイルズ オブ リンク』（以下、リンク）。配信がスタートして3年目を迎えた『リンク』ですが、3月末にはVer.3.0となる大型アップデートが行われ、大きな盛り上がりを見せています。

　そんな『リンク』といえば、アプリとしては異例とも言える、読み応え抜群のシナリオも見所の1つ。メインストーリーの最新章となる第4部が配信されたばかりの中、本作のシナリオ全般を担当するバンダイナムコスタジオの直井啓訓さんを直撃！　気になるアレやコレを聞いてみたインタビューの後編をお届けします。

　後編では『テイルズ オブ』シリーズに関わるからこその苦労や喜びが垣間見えたインタビューをお伝えしていきます。

インタビュー前編はこちらから！
>>オリジナルキャラクターのキャスティングの裏には意外な作品の影響が……？ スマートフォンアプリ『テイルズ オブ リンク』・ディレクター直井啓訓さんインタビュー！


■ ルークは短髪と長髪で違うボイスに！

──実際にプレイさせていただき、個人的に『ジ アビス』『グレイセス』『イノセンス』の3作品が入り交じり、ルークの成長など見所の多い第2部の盛り上がりがとても好きでした。

直井啓訓さん（以下、直井）：ルーク良いですよね。どうしても演出に制限がある分、シナリオは手法を使って盛り上げるしかないので、2部は、歴代キャラクターが集まってくるという群像劇的な表現で押しました。

一方で3部はロードムービー風の、2部とはまったく違う雰囲気にしながら、育てた種を最後に刈り取るような大きいトリックを用意してみました。実は１度見たストーリーでも、後になってもう１度プレイすると違って見えるというのも本作のシナリオの大きな狙いでして。特に3部をプレイし終えたあとだと、序盤の物語は最初のプレイとは違ったことを感じていただけると思います。

──歴代キャラクターが共演する、オールスターものならではの苦労というのも？

直井：めちゃくちゃあります（笑）。まずキャラクターを壊してはいけないというのが第一で、キャラクターの行動原理を守りながら、話としても面白くしないといけないというのはなかなか難しいですね。話に合わせてキャラクターを動かしてしまうのがダメなパターンで、例えば長髪のルークなら、話の都合に合わせて素直に人助けにはいくというのは違うだろうと。ルークなら誰かが背中をガンガン押してあげて、ようやく「仕方ねぇなぁ」と動くというか（笑）。答えはひとつだけではありませんし、常に試行錯誤で、失敗してる事もあるので、あまり大層なことは言えませんが……。


──ファンの方々の、それぞれのキャラクター達への思い入れはかなり強いものがありますしね。

直井：キャラクター自身がファンの方の中で育っているというのはありますね。ルークって、原作では短髪も長髪も戦闘中のボイスは同じものが結構多いんですよ。だから戦闘では短髪時も同じボイスを使うのが原作を再現する意味では正しいのですが、今あわせてみると、微妙に納得がいかなくて。これはお客さんにとっても違和感がでるのではと思い、原作に関わったスタッフにも相談して、『リンク』では鈴木（千尋）さんにお願いして完全に別々のボイスとして収録しなおしたということもありました。

──ヒロインとパートナー、マスコットに歴代キャラクターとの絡みは、『レディアント マイソロジー』シリーズに近いという印象を受けました。

直井：実際に『レディアント マイソロジー』は意識していますね。同じオールスターものですし、おそらくお客さんから期待されたのはおそらくそっちの方向だろうと感じていたので。サラのコンセプトも「あなたの隣の女の子」という、クラスに1人はいそうなイメージで。乙女らしくてちょっと現実にいそうな、地に足をついた考え方をする女の子として設定しています。


■ 『テイルズ オブ リンク』という1つのRPGとして作っています


──メインストーリーに登場するキャラクターはどのようなチョイスを？

直井：話の中で「そのキャラクターにしかできないこと」を重視しています。同じ台詞でも、このキャラクターが言うからこそ真実味が出たり、オリジナルキャラクターに影響を与えることができるという部分を意識していますね。3部であれば、あれだけの風格をもつユーリが言うからこそ、ゼファーも素直に受け止めることができるというか。

──4部ではどのキャラクターがメインになるのでしょうか？

直井：オリジナルキャラクター達を中心にしつつ、ガイアスとルドガーに脇を固めてもらうという形ですね。とくにルドガーはなかなか書くのが難しかったのですが、彼が口にするからこそ意味があるという台詞を言わせたかったので、事前に原作のスタッフと打ち合わせをして、役どころの確認と承諾をもらいました。

──やはり歴代キャラクターにまつわる話題が多くなりますが、シリーズをプレイしていない人にはどのような楽しみ方があるでしょうか？

直井：シリーズを知らないという方には、純粋に主人公やサラ、リッピ達の物語として楽しんでいただければと思っています。本作には『テイルズ オブ』シリーズの歴代キャラクターが大勢登場しますが、その前に『テイルズ オブ リンク』という1つのRPGとして作っていますから。新しいRPGを始めるのと同じ気持ちで、歴代キャラクター達は物語を支える重要なキャラクターといった位の感覚で、オリジナルキャラクター達の感情や動きを追っていってもらえればなと。

──描き下ろしのキャラクターの衣装の種類も豊富で凄いですよね。元の作品の絵柄の再現度にも感心させられます。

直井：あれはとにかくデザインチームが全力でやってくれているからですね。何重ものチェックを経て、関わる全ての人間が少しでもクオリティを上げるための努力をしてくれています。

──『アイドルマスター』とのコラボイベントも実施されていましたが、今後も何かコラボの予定があるのでしょうか？

直井：あくまで出来る範囲でではありますが、チャンスがあればやっていきたいと思っています。今はまだ詳しくは明かせないのですが、ちょっと意外性のあるユニークなコラボを予定しており、近い内に発表できるかなと。喜んでいただければ幸いですね。社内の作品だとわりとコラボもしやすいので、これから何かできないかとこちらも楽しみにしています。


──最後に、これだけは伝えておきたいというメッセージがあれば。

直井：『リンク』は『テイルズ オブ』シリーズの1つとして、バトルなどゲーム性の部分とストーリー部分、両輪で楽しんでいただけるように制作しています。主に僕が担当しているのはストーリー部分ですが、演出面でもユーザーさんを驚かせながら少しでも心に残るように作っているので、楽しんでいただければと思います。

また、実は『リンク』というタイトルには、バトル的なシステムだけではなくストーリーやキャラクターの関係性などいろいろな意味があり、全体のテーマとして「つなぐ」ということが重要な意味をもつ作品として作っています。サラやゼファー達には僕達自身も凄く愛着があるのですが、それぞれの愛が「リンク」するように、ユーザーの方にも一緒になってキャラクター達を愛していただけたら、とても嬉しいです。

◆「テイルズ オブ リンク」とは

・シリーズ歴代キャラが絡み合う完全新作シナリオとスピーディで爽快な新感覚戦略バトルが融合したRPG！
新たな世界観の中で、主人公達がテイルズキャラクター達と織り成す、天界より落ちた災厄の種との闘いを描いた物語をいつでもどこでも味わえる、新しい形の『テイルズ オブ』シリーズ。ストーリーに沿ったメインクエストを進行し、戦闘を行ってキャラクターを育成。メインクエストを進行させる事でストーリーイベントが発生！ストーリーイベントではボイスが再生されるものもあるから要チェック！

・新感覚“タッチリンクバトルシステム”を採用！
シリーズ初の合計12人パーティ（同時バトルは9人）を実現。キャラクターの足元にあるブレイブリンカーを指で繋ぎ、敵に攻撃を仕掛る。従来の『テイルズ オブ』シリーズさながらのキャラクターが入り乱れての乱戦感と、戦況にあわせたチームを作る戦略性により、新感覚の戦闘を体感する事ができる！

タイトル名：テイルズ オブ リンク
ジャンル名：RPG
販売価格：ダウンロード無料（一部アイテム課金）
配信先：App Store、Google Play
対応機種：iPhone 4s/iPhone 5/iPhone 5s/iPhone 5c/iPhone 6/iPhone 6 Plus/ iPad (第3、4世代)/ iPad mini
※iOS 6.0以上推奨※Android4.1以上※一部非対応機種あり
開発：株式会社アカツキ / 株式会社バンダイナムコスタジオ
配信：株式会社バンダイナムコエンターテインメント


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