最近は少年探偵団が登場するTVアニメが多い？　各作品の少年探偵団を、江戸川乱歩氏の元祖・少年探偵団と比較してみた

　おなじみの国民的アニメ『名探偵コナン』や『TRICKSTER -江戸川乱歩「少年探偵団」より-』(以下、『TRICKSTER』)やなど、多くの作品に「少年探偵団」が登場しています。少年探偵団の元祖は、かの有名な小説家・江戸川乱歩氏の『少年探偵団』シリーズに登場する、明智小五郎のもとで活動している小林少年を中心とする少年たちとなっています。『少年探偵団』シリーズでは、世紀の大怪盗・怪人二十面相を相手に、数々の難事件に立ち向かっていました。

　ところで、少年探偵団といえば、何人くらいのメンバーを思い浮かべますか？『名探偵コナン』の少年探偵団のメンバーは五名なので、多くの方はそのくらいの人数を想像されたかと思います。しかし、『少年探偵団』シリーズの元祖・少年探偵団のメンバーはなんと十～二十数名！　かなり多いうえに、数が変動します。さらに、少年探偵団とは別に“チンピラ別動隊”という組織まで存在するなど、『少年探偵団』シリーズと最近の少年探偵団ものの作品とでは、意外なところにギャップが潜んでいたりするのです。

　ほかにも、元祖・少年探偵団の小林少年は自動車を運転出来たり、七つ道具と称して小型のピストルを所持していたりと、最近の少年探偵団と比べるとおもしろいことが盛りだくさんです。そこで今回は、少年探偵団の元祖たる『少年探偵団』シリーズと、少年探偵団が登場する作品の違いを比較してみました。

『名探偵コナン』の場合
　おそらく「少年探偵団」という言葉で最も多くの人が思い浮かべるであろう『名探偵コナン』の少年探偵団は、黒の組織に飲まされた謎の薬の効果で体が小さくなってしまった高校生探偵の工藤進一もとい江戸川コナンが、少年少女たちを率いて活動しているという、『少年探偵団』シリーズとはまったく異なる設定。

『少年探偵団』シリーズでいうところの明智小五郎のような立ち位置にいる毛利小五郎は、聡明な探偵の明智とは異なり、探偵としては非常に頼りない、どこか憎めないダメな大人として描かれているほか、怪人二十面相的なポジションの黒羽 快斗(怪盗キッド)も登場しています。

　そして、少年探偵団のメンバーが持っている阿笠博士が発明したDBバッジといった道具を使いこなすといった部分も、原作へのリスペクトが感じられます。



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『乱歩奇譚 Game of Laplace』の場合
『乱歩奇譚 Game of Laplace』には、アケチやコバヤシ、ハシバなど『少年探偵団』シリーズと同じ名前のキャラクターも出てきますが、アケチは17歳の天才高校生という設定だったり、二十面相的なポジションのナミコシというキャラクターが登場したりと、名前以外はだいぶ異なったオリジナルの物語が展開されます。

　とはいえ、毎話『人間椅子』や『影男』などといった江戸川乱歩氏の著作にちなんだ事件が起きるので、各話のモチーフになっている著作を読んでからアニメを見ると面白さも倍増するのではないでしょうか。



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『TRICKSTER -江戸川乱歩「少年探偵団」より-』の場合
『TRICKSTER』では、小林少年が特殊な能力を持っていたり、元ネタの『少年探偵団』シリーズでは女の子だった花崎が、男の子になっていたり、逆に男の子が女の子になっていたりと、登場キャラクターに大胆なアレンジが加えられています。

　キャラクターの設定のみならず、舞台も2030年の近未来となっており、オリジナリティー溢れるストーリーが展開されます。しかし、少年探偵団が名探偵である明智小五郎のもとで活動していることや、敵は怪人二十面相であることなど、『少年探偵団』シリーズとの共通点も見られます。



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『超・少年探偵団NEO』の場合
　2017年冬に放送予定のTVアニメ『超・少年探偵団NEO』の舞台は西暦2117年の未来の東京。いまから100年後ということもあり、小林少年や明智小五郎、怪人二十面相といった登場人物も"7代目"という設定です。

　すでに公開されているキャラクターは非常に明るい色彩でポップなビジュアルで描かれています。また、なんと怪人二十面相のキャラクターデザインは名作RPG『ファイナルファンタジー』シリーズなどでおなじみの天野喜孝氏！　デザインはまだ公開されていませんが、いったいどのようなビジュアルになのでしょうか、これからの展開に注目です。



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　作品ごとにまったく異なる少年探偵団が描かれているのがおわかりいただけたでしょうか？　今回特集した作品はどれも要チェックの作品ですので、気になる作品があったら、ぜひとも実際に見てみてください！　また、江戸川乱歩氏の没後50年ということで数々の名作が著作権フリーとなったので、これからはたくさんの少年探偵団が誕生するかもしれませんね。