アニメ
吉野裕行さんの声をイメージ制作―『ノーマン・ザ・スノーマン』とは

声優・吉野裕行さんの声をイメージ制作――『ノーマン・ザ・スノーマン』プラネタリウムならではの演出ではの新鮮な感動!

 前作が全国28館以上のプラネタリウムで上演された『ノーマン・ザ・スノーマン』の最新作「流れ星のふる夜に」が東京・コニカミノルタプラネタリウム“満天” in Sunshine Cityで上演されるのを記念して、上演日前日の11月18日に同所にて特別試写会&トークイベントで行われました。

 トークイベントには八代健志監督と、ノーマン役を演じる吉野裕行さんが出演し、制作秘話や収録エピソードなどについて語り合いました。

▲左から、ノーマン役・吉野裕行さん、八代健志監督

▲左から、ノーマン役・吉野裕行さん、八代健志監督

 

プラネタリウムで見るストップモーションアニメに味わったことのない感覚と感動が!?
 2013年に上演された第1弾『ノーマン・ザ・スノーマン~北の国のオーロラ』は全国28館以上のプラネタリウムで上演され、数々の賞を受賞。たくさんの人にファンタジーと感動をお届けした作品の第2弾が『ノーマン・ザ・スノーマン~流れ星のふる夜に~』です。

 ストップモーションアニメと呼ばれる1コマずつ丁寧に撮影する手法で、独特な空気感や雰囲気、ノーマンや少年など愛らしいキャラたちなど魅力的な作品で多くの人に愛されています。また、前作に引き続き、雪だるまのノーマンを吉野裕行さんが演じ、今作に登場する気球に乗って現れる青年役を梶裕貴さんが担当することでも話題に。

 この日のイベントはまず特別試写会からスタート。毎年、雪が降ると雪だるまのノーマンと再会できる少年が主人公。待ち遠しかった雪が降り注ぐとニンジンなどノーマンのパーツを持って外に飛び出す少年。そして姿を現すノーマンがかわいいです。

 流星群がやってくるとノーマンから聞いた少年は寝付けず、授業中もウトウト。先生から1833年にあった史上最大の流星群の話を聞いて期待感が高まる少年でしたが、大雪のため、見られないと言われてガッカリ。それでもあきらめきれない少年の前に思いがけない人物が……。

 コニカミノルタプラネタリウム“満天”はドーム状のプラネタリウムで座席をリクライニングにすると眼前には広々とした映像、少年やノーマンたちの人形達が滑らかに動き回り、1つひとつのカットやシーンから目が離せません。そして頭上に広がる星空、降り注ぐ星々のリアルな美しさは感動的です。

 プラネタリウムならではの演出も随所に施され、新鮮な体験に感動してしまいます。そして見終わった後には懐かしい感覚や温かい気持ちになれました。


八代監督が映像と写真で制作過程を解説。その丁寧さと緻密さに吉野さんもビックリ!
 上演後、八代健志監督と吉野裕行さんが登場し、トークショーへ移っていきます。2人の前には撮影で使用された少年やノーマンの人形が用意され、吉野さんは初めて見て、触るということでドキドキしている様子。首や手足を動かすと「すごい! すごい!」声を上げます。

 八代監督はこのシリーズで採用されているストップモーションアニメという技法について「1秒間に12~24コマくらい動かしますが、1枚ずつ撮影して動画にしていきます」と説明。そのままメイキング映像が映し出され、八代監督の解説が続いてきます。撮影シーンを見て、「これは気が遠くなる作業ですよ」と驚く吉野さん。スライド写真ではノーマンのイメージスケッチから絵コンテを起こし、収録テンポなどを入れたビデオコンテを制作。そこから割り出した時間間隔で吉野さんが収録を行い、細かい調整をした後で撮影がスタートしていくのだと語ります。

 人形の骨組や動く眼球などの仕組み、ノーマンがコルクで制作されていること、作中で描かれる街並や室内の小物の精巧さなど写真を見ながら紹介されるたびに「ほ~!」と感心の声を上げる吉野さん。全員が驚いたのが作中で降り注ぐ雪。「発泡スチロールじゃないんですか?」と言う吉野さんに、「塩なんです。塩も結晶でできているからキラキラしているので。ただ手が漬物みたいになっちゃいますけど(笑)」と八代監督。編集後にセリフを変えたところはもう1回、収録したとのこと。


悪い言葉使いのなかにも愛情がにじみ出るノーマン。監督は吉野さんの声をイメージしながら制作
 演じるノーマンについて吉野さんが「サングラスを付けているけどチンピラじゃないです(笑)。雪だるまだけど、少年よりも少しお兄さんな感じですね。すごく大人でもないし。少年が背伸びしたいところが出てくるけど、自分は一つ先にそこは卒業したのかなみたいな」と印象を話すと、「チンピラという表現はちょっと近いかも。悪い言葉使いのなかにも愛情や仲の良さがあるのがいいんです」と八代監督が返します。その言葉に吉野さんは「確かに丁寧にしゃべるキャラではないですね。そして少年と目線が近くて、家族とか兄弟みたいだなと思います」と納得したように頷きました。

 またノーマン役を吉野さんに決めたのは「個性がある声がよくて、先入観も持たせたくなくて。それで吉野さんの声を聞いたらこれはハマる」と八代監督は話します。「そんなに調整しなかったですよね?」と話が向けられると吉野さんは、「そうですね。シーンごとのアプローチはあったくらいで」と答えました。

 「吉野さんがいい感じで走ってくれたので、最初のテイクのまま、どんどん録っていきました。今回コンテを考える時、僕の中に吉野さんが降りてきて。すんなり収録できました」とマッチぶりに満足な様子の八代監督。「1回目は何で僕だったのかなといつも思っちゃうけど(笑)、あまりイメージを持たないで、でもキャラにはインパクトを与えたいというお話を聞いて、なるほどなあと。お話を聞けてよかったです」とうれしそうに話した吉野さん。「僕は台本に書いてある通りにやっているだけで。八代監督の中のイメージと僕が台本を読んで感じたイメージが近かったんでしょうね」と続けました。

 

進化したプラネタリウム“満天”ならではのお楽しみも盛りだくさん!
 ここでプラネタリウムに対しての吉野さんと八代監督の思い出や印象が語られます。「見に来たことは何度かあるけど、昔と今ではだいぶ違いますね。当時はこんなに360度しっかり見えていた記憶もないし。ドーム型といえば、この“満天”というイメージが強いです。昔のイメージは学校の教室で見せてもらうプラネタリウムで平面だったし、全然違います」(吉野さん)、「僕も星と星座の解説をしていくプラネタリウムの印象があって。でもこのアニメーションを作るようになって、ここまでできるんだと、最近、おもしろがっていろいろ見てます」(八代監督)、「ずっと星を見ている印象があるけど、こういうキャラが出てくるのはなかったからすごく新鮮でした」(吉野さん)。

 ちなみにこのコニカミノルタプラネタリウム“満天”でしか見られないスペシャル映像があり、ノーマンと少年が掛け合いをしながら星座解説してくれます。更に“満天”ならではの見どころを「他のプラネタリウムで上映する時はプロジェクターで投影しますが、ここでは星を投影する場所を選べたりすることで、光学式の小さなビームでおこしていく星をお話のなかに使っているのが1つ。皆さんが席に着いて世界に入ってもらうまでのストーリーがあって、そして星座解説がここ専用です。ノーマンのセリフは本編よりも星座解説よりも多いかも(笑)」と八代監督が紹介しました。

 
八代監督の作った緻密で素敵な世界と少年とノーマンの触れ合いを楽しもう!
 星座解説での吉野さんの収録を八代監督は「文章が長くなるとニュアンスで意味の取り方が変わってくる難しいところがあるけど、吉野さんは中身を理解して、わかりやすくしてくれて」と感心した様子で話します。それを受けて「長くなってくると最初に説明していたものから少し離れた新しい要素が入ってきて、それを踏まえて最終的にこうでしたとなるからわかりにくくなるので。更に星座解説は一度出た星座から次の展開までその映像だけなので、皆さんの頭のなかにイメージできるように気を使いますね」と吉野さんは補足します。

 メディア向けのフォトセッション中も取材陣の要望で八代監督と肩を組んだり、トークで笑わせるなどサービス精神旺盛なお2人。

 イベントの最後に「今日お話しした、作っている世界のことも思い出してもう一度見ていただけたらうれしいです」(八代監督)、「プラネタリウムは星の解説がメインだと思いますが、この『ノーマン・ザ・スノーマン』はプラネタリウムの要素もありつつ、八代監督が作り上げた世界観、絵本などの物語を丁寧に3Dにして作っていただいて、人形が動いていく過程を1コマ1コマ細かく撮影して、小物もあれだけ細かくて。そのなかで少年の成長していく過程と雪だるまのノーマンが触れ合っていく物語がしっかり描かれていて、昨今こういう作品もこういう役を演じることもなかなかないのでうれしいです。大人の方は日常の疲れを癒やすにはいいと思うし、たくさんのお子さんにも見ていただきたいと思います」(吉野さん)とコメントを頂戴し、トークイベントは幕を下ろしました。

 『ノーマン・ザ・スノーマン~流れ星のふる夜に~』はコニカミノルタプラネタリウム“満天” in Sunshine Cityにて現在公開中(2017年5月21日まで)。福島市子どもの夢を育む施設 こむこむ館では12月1日、さぬき子どもの国では12月10日、刈谷市 夢と学びの科学体験館では12月10日より上演開始です。


>>『ノーマン・ザ・スノーマン~流れ星のふる夜に~』公式サイト
>>コニカミノルタプラネタリウム“満天” in Sunshine City
>>『ノーマン・ザ・スノーマン』公式サイト

おすすめタグ
あわせて読みたい

関連商品

おすすめ特集

今期アニメ曜日別一覧
2024年春アニメ一覧 4月放送開始
2024年冬アニメ一覧 1月放送開始
2024年夏アニメ一覧 7月放送開始
2024年秋アニメ一覧 10月放送開始
2024春アニメ何観る
2024年春アニメ最速放送日
2024春アニメも声優で観る!
アニメ化決定一覧
声優さんお誕生日記念みんなの考える代表作を紹介!
平成アニメランキング