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夏目友人帳 伍:井上和彦さんが語るニャンコ先生と斑との向き合い方

TVアニメ『夏目友人帳 伍』声優・井上和彦さんが語るニャンコ先生と斑との向き合い方

 緑川ゆき先生による人気コミックを原作とし、2008年より四期に渡って放映されていたTVアニメ『夏目友人帳』。人気アニメシリーズの最新作となるアニメ『夏目友人帳 伍』が現在、テレビ東京他にて放送中です。

 小さい頃から妖怪を見ることができた少年・夏目貴志。祖母レイコが遺した遺産「友人帳」を継いで以来、彼は自称用心棒・ニャンコ先生と共に、そこに名を縛られた妖怪たちに名を返す日々を送る。さまざまな妖や人と繋がり、絆を深めていく中、増えてしまった大切なものたち。守るために秘密を持つことに惑いながら、夏目は少しずつ、勇気を出して、次の関係へと踏み出していく。

 本稿では主人公の夏目貴志と行動を共にする自称用心棒・ニャンコ先生/斑役を演じている井上和彦さんにインタビュー。作品についてのお話やキャラクターの魅力など、ぞんぶんに語っていただきました。


 

シリアスな展開の今期はニャンコ先生の活躍も減る!?

――ついにTVアニメ『夏目友人帳 伍』の放送が始まりました。一話からキャラクターたちの関係性が少しずつ見えてきましたね。一話について、感想や印象的なシーンがあればお聞かせください。

井上和彦さん(ニャンコ先生・斑役/以下、井上):一話は、同じ事務所の塙愛美(口髭の小妖怪役)と共演しまして、ニャンコ先生と口髭の小妖怪が会話したので、けっこう感動しました。彼女はうちで10年以上育てていて、大人になってから事務所に入ったんですけど、小さい頃から育てたという感じがするんですよ。だいたい、そういうのは年上の方が感動して、若い子はケロッとしているんものなんですよね(笑)。

一話では、夏目レイコ(貴志の祖母)のこれまで知らなかったところが見えてきて、「あぁ~、なるほど」っていう感じでしたね。夏目が今まで知らずに手探りでやっていたこともわかってきます。今までの物語では見えなかったものが見えるようになったので、その辺りが見どころだと思いますね。

それから、ニャンコ先生が「スイーツ」という言葉を覚えてね。ますます太っちゃうよと思いました(笑)。

――今期の作品は今まで以上に夏目が成長していく姿も、見どころのひとつではないかなと感じました。

井上:そうですね。以前から淡々としたお話なんですけど、ちょっと踏み出したというか、何かあるものが吹っ切れたというか、レイコとのつながりをより深いところで感じられるようになった作品展開になっています。

三話以降の祓い屋の話では、「祓い屋も代々ずっと力があるわけではないんだ」とか、「祓い屋として力のない人が生まれて、妖怪から襲われるんじゃないかという恐怖と戦っていたんだ」とか、祓い屋のバックボーンも描かれました。作品全体的にも一段二段と深いものが描かれてきたなと思いますね。

第五期に関しては、たぶんそういうところが増えていくんじゃないかなと思います。そういう路線でいくとなると、ニャンコ先生の活躍の場は益々なくなると思いますね(笑)。ニャンコ先生に関しては見守っている感じなので、アニメ本編ではなく、ドラマCDではかなり遊ばせてもらいました(笑)。ニャンコ先生らしい活躍を見せています。

――確かに今期ではニャンコ先生のポジションも変化して、見守る瞳は印象的です。

井上:(ニャンコ先生が)寝ている間に解決してるんです(笑)。見守っているというスタンスが続くんですよ。それでも、隙間をついて(ニャンコ先生らしく)頑張りたいと思います(笑)。

井上和彦さんが語る大人気シリーズ『夏目友人帳』の魅力とは

――『夏目友人帳』はとても人気のある作品で、第五期までシリーズが続いています。多くの人から愛される理由や本作の魅力はどのようなものだと思いますか?

井上:緑川ゆき先生の作り出した世界にやっぱり魅力があると思うんです。人間だから、妖怪だからいうことではなく、ゆったりとした流れの中に、彼らが混在している。人間の中にも優しい人がいるし、妖怪の中にも優しい人はいる。

緑川先生にお会いすると、わかるんですけど、先生は作品そのものなんですよ。優しくて、すごく心が広く、優しく見守ってくれているという感じがします。先生のお人柄が『夏目友人帳』の世界に表れているんです。

――それは素敵ですね。

井上:それから以前、堀江一眞くんと一緒に、夏目友人帳のWebラジオ番組の企画で、「夏目友人帳」に登場する風景の参考にされた熊本県人吉市を訪れたんですけど、本当にのどかで空気も美味しくてきれいな所なんですよ。本当に行ってよかったなと思いました。

――あの『夏目友人帳』の世界があるんですか?

井上:そうなんですよ。本当にあの世界のままでしたね。想像だけだと、そこで終わっちゃうんですけど、「夏目友人帳」の世界を体感させていただいたので、すごくいい経験をさせていただいたなと思っています。できれば、神谷くんも一緒に行きたかったんですけどね。

作品に関わる人たちに流れる優しい夏目の時間

――『夏目友人帳』という作品は、独特な世界や空気が流れていますよね。

井上:不思議なんですけど、この作品に関わっている人たちはみんな優しい人ばっかりなんですよ。せかせかしていなくて、のんびりしているんです。それはたぶん、先生の作品をちゃんと映像化しようという気持ちがあって、原作の流れを大切にしているからだと思います。

よく「夏目友人帳」シリーズは長く続いていると言われるんですが、『夏目友人帳』に関わっている人たちは、そういった感覚があまりないのだと思います。全然長くないし、前作もついこの前・・・という感覚なんですよね(笑)それが不思議なことだと感じないので、関わっている人たちがみんな妖怪になっちゃうんじゃないですかね(笑)。“夏目時間”があるのだと思います

――TVアニメのシリーズだけでなく、イベントや朗読劇なども行われてきた『夏目友人帳』ですが、アフレコ収録での現場はいかがですか?

井上:和やかですね。和やかですけど、馴れ合うわけではなく、それぞれの立場をちゃんと守っている。だからと言って、冷たいわけではなく、優しい空気が流れている。僕はスタジオにいる時、ニャンコ先生みたいな感じなんですよ。たぶん他のキャストたちもそういう感じじゃないかな。言葉では言わないですけど、チームワークが自然とできあがっていて、すごく居心地がいいです。

――イベントなどを観ても、キャストさんたちのいいムードが伝わってきます。

井上:一応僕は現場の中で歳が上のほうですが、冗談とか言うと、すぐあっちこっちからツッコミが入るんです。僕だったら、先輩にツッコミは入れづらいですけど、入れやすい空気があるんでしょうね。僕も入れてもらわないと困っちゃうんで、シーンとなっちゃうよりも「ここ、笑うとこ、笑うとこ」って……(笑)。

ニャンコ先生は井上さんそのもの!? 井上和彦さんが感じるニャンコ先生の魅力

――井上さんが感じるニャンコ先生の魅力についてお聞かせください。

井上:姿形はかわいいですけど、性格はオヤジですからね(笑)。貴志の親代わりみたいな感じもするし、ペットみたいな時もあるし、本人は主従関係と言っていますけど、その時々によっていろいろな関係性ができて、常に見守ってくれている。ニャンコ先生みたいな存在が実際にいたらいいですよね。

そして、ただかわいいだけじゃなくて、いざというとき頼れる。気取ってなくて、オヤジな部分をあえて見せているところもいいですよね。それで、本来の姿は大妖怪の斑っていうね(笑)。でも、ニャンコ先生の形をしているから、自由に自分の本性をさらけ出せるっていうところがあるんじゃないですかね。

――ご自身が演じられるニャンコ先生や斑との共通点や相違点はありますか?

井上:性格的には、ほとんどニャンコ先生ですね(笑)。

――では、自分とは全然違うといったように、相違点から役に入り込めないといった部分はありますか?

井上:ないですね(笑)。残念ながらすんなり入っちゃって、アドリブもあんまり考えないで、パッとすぐやっちゃう。こんなに考えなくてもいいキャラクターはいないですね。やっぱり自分と近いんじゃないかな……(笑)。

井上和彦さんが声優として心がけていること

――井上さんが声優というお仕事を続けられるうえで心がけていることや、これだけは大切にしているというものはありますか?

井上:そんな大それたことは心がけてないんですけど……(笑)。生意気なことを言うと、お話に出てくる役を演じているわけで、そのお話っていうのは全て人が作り出したもの、フィクションじゃないですか。お話も、そこへ出てくる役も、想像で気持ちを表現するんですけど、その気持ちだけは本物にしたいなと思って演じています。

あとは、なかなか難しいんですけど、体調の管理。ベストの状態でいるようにしていかないと、パフォーマンスにふらつきが出てきちゃうんです。

――体調管理は大切ですよね。朝は早く起きられますか?

井上:早いですね。今日も5時くらいに起きました。夜は10時、11時くらいになったら眠くなっちゃいます(笑)。

――お酒はけっこう飲まれますか?

井上:飲みますね。すぐ「酒を持ってこい」って言いますね(笑)。最近は、昔ほどたくさん飲めなくなりましたけどね。

――改めてファンの皆さんに「夏目友人帳 伍」の今後の見どころを教えてください。

井上:見どころか、難しいですね(笑)。他の仕事もそうなんですけど、新鮮な気持ちでいたいので、あえて、なるべく先読みしないようにしています。

僕はアメリカの海外ドラマの吹き替えもやっているんですけど、アメリカでは13シーズンまでやっているのに、日本では6、7シーズンが放送中というものがあります。6、7年も先の話が全部わかっているんですけど、知ってしまうと、今演じているのが新鮮に感じられなくなってしまうと思うので、なるべく先を知らないようにして演じています。

先を知ったところで、演技プランが変わるわけではないんですけど、その方が新鮮な気持ちでいられる。1回1回観ているみなさんと同じような感動をきちんと受け止めて、芝居をしたいので、それが芝居を通して伝わればいいなという気持ちで演じています。常にみなさんと一緒の気持ちで歩いていきたいなと思っていますね。

――最後に、ファンのみなさんへメッセージをお願いします。

井上:先程、時間は感じないと言いましたけど、8年という長い時間、応援していただいているから、この『夏目友人帳 伍』の放送が実現したと思うので、みなさんのおかげだと思っています。8年の間に、10歳だった人が18歳になって、また新たな『夏目友人帳』のファンになってくれているというのは、すごく嬉しいです。世代を超えて、ずっといろんな人に愛される作品になるように、僕も頑張ってやっていきますので、今後とも宜しくお願い致します!

[取材&文・宋 莉淑(ソン・リスク)]

パッケージ情報

●「夏目友人帳 伍 1」

発売日:2016年12月21日(水)
収録話数:(2話収録)
第一話「変わらぬ姿」
第二話「悪戯な雨」
■Blu-ray 完全生産限定版(ANZX12531) 価格:6,200 円+税
■DVD 完全生産限定版(ANZB12531) 価格:5,200 円+税

完全生産限定版特典
◆描き下ろしジャケット
◆オリジナルドラマ CD「彷徨えし者」
【出演】
夏目貴志:神谷浩史/ニャンコ先生・斑:井上和彦
田沼 要:堀江一眞/西村 悟:木村良平
北本篤史:菅沼久義/名取周一:石田 彰 他
☆あらすじ☆
日に日に秋が深まりつつある日、雲海を見に旅行に出かけた夏目、田沼、西村、北本の一行。旅を満喫していた夏目達だったが、宿泊先の民宿の部屋に飾られていた人形が、思わぬ騒動のきっかけとなり......。
◆ジャケットイラストカード
◆カラーブックレット
◆妖かるた
◆イベントチケット優先販売申込券
【開催日】:2017年5月7日(日)
【場所】:東京国際フォーラム ホール A
【出演】:神谷浩史、井上和彦 他(予定)
※イベントの開始時間やチケット料金等の詳細は、 随時公式サイト等で告知致します

 

●「夏目友人帳 伍 2」

発売日:2017 年 1 月 25 日
収録話数:(3 話収録)
第三話「祓い屋からの手紙」
第四話「連鎖の陰」
第五話「結んではいけない」
■Blu-ray 完全生産限定版
(ANZX12533) 価格:7,200 円+税
■DVD 完全生産限定版
(ANZB12533) 価格:6,200 円+税
完全生産限定版特典
◆描き下ろしジャケット
◆DJCD
◆ジャケットイラストカード
◆カラーブックレット
◆妖かるた
◆イベントチケット優先販売申込券

 

●「夏目友人帳 伍 3」

発売日:2017年2月22日
収録話数:(3話収録)
第六話「音無しの谷」
第七話「遠い祭り火」
第八話「歪みなき世界」
■Blu-ray 完全生産限定版
(ANZX12535) 価格:7,200 円+税
■DVD 完全生産限定版
(ANZB12535) 価格:6,200 円+税

完全生産限定版特典
◆緑川ゆき描き下ろし収納 BOX
◆描き下ろしジャケット
◆キャラクターソング CD(夏目貴志)
◆ジャケットイラストカード
◆カラーブックレット
◆妖かるた

 

●「夏目友人帳 伍 4」

発売日:2017年3月22日
収録話数:(3話収録)
■Blu-ray 完全生産限定版
(ANZX12537) 価格:7,200円+税
■DVD 完全生産限定版
(ANZB12537) 価格:6,200円+税

完全生産限定版特典
◆描き下ろしジャケット
◆DJCD
◆ジャケットイラストカード
◆カラーブックレット
◆妖かるた

 

●「夏目友人帳 伍 5」

発売日:2017年4月26日
収録話数:(2 話収録)
■Blu-ray 完全生産限定版
(ANZX12539) 価格:6,200円+税
■DVD 完全生産限定版
(ANZB12539) 価格:5,200円+税

完全生産限定版特典
◆描き下ろしジャケット
◆ニャンコ先生プレミアムボイス集 CD
◆ジャケットイラストカード
◆カラーブックレット
◆妖かるた
◆特典映像:ノンクレジット OP&ED
※商品の仕様は予告なく変更になる場合がございます。

店舗別購入特典

●ANIPLEX+
各巻購入特典...ジャケットイラスト使用 B2 ポスター
1~3 巻購入特典...夏目貴志 ぬいぐるみ
全巻連動購入特典...複製原画綴り

●アニメイト
全巻連動購入特典1...描き下ろしクリアアートボード
全巻連動購入特典2...ニャンコ先生ビーズクッション

●Amazon (【Amazon.co.jp 限定】商品のみ対象)
各巻購入特典...デカ缶バッジ
全巻購入特典...描き下ろし B2 布ポスター

●WonderGOO/新星堂
各巻購入特典...ブロマイドセット

●ネオウィング
全巻購入特典...マウスパッド

※特典はなくなり次第終了となります。
※詳しくは、各店舗にお問い合わせください。

★「夏目友人帳」Blu-ray&DVD 情報サイトにて、最新情報を更新中!!

 
作品情報
【放送情報】
テレビ東京:10月4日(火) 深夜1時35分~
テレビ大阪:10月4日(火) 深夜1時35分~
テレビ愛知:10月4日(火) 深夜3時05分~
テレビせとうち:10月4日(火) 深夜1時40分~
テレビ北海道:10月4日(火) 深夜1時35分~
TVQ 九州放送:10月4日(火) 深夜2時35分~
※放送日時は変更になる場合がございます。

【スタッフ】
原作:緑川ゆき/月刊 LaLa(白泉社)連載
総監督:大森貴弘
監督:出合小都美
シリーズ構成:村井さだゆき
キャラクターデザイン:髙田晃
妖怪デザイン:山田起生
美術:渋谷幸弘
色彩設定:宮脇裕美
撮影:田村仁
編集:関一彦
音楽:吉森信
アニメーション制作:朱夏
制作:NAS
製作:「夏目友人帳」製作委員会

OPテーマ:『タカラバコ』ササノマリイ(Sony Music Associated Records)
EDテーマ:『茜さす』Aimer(SME Records)

【キャスト】
夏目貴志:神谷浩史
ニャンコ先生/斑:井上和彦
夏目レイコ:小林沙苗
名取周一:石田彰
田沼要:堀江一眞
西村悟:木村良平
北本篤史:菅沼久義
笹田純:沢城みゆき
多軌透:佐藤利奈
藤原塔子:伊藤美紀
藤原滋:伊藤栄次
的場静司:諏訪部順一
ほか

【あらすじ】
 小さい頃から妖怪を見ることができた少年・夏目貴志。祖母レイコが遺した遺産「友人帳」を継いで以来、彼は自称用心棒・ニャンコ先生と共に、そこに名を縛られた妖怪たちに名を返す日々を送る。さまざまな妖や人と繋がり、絆を深めていく中、増えてしまった大切なものたち。守るために秘密を持つことに惑いながら、夏目は少しずつ、勇気を出して、次の関係へと踏み出していく。

(C)緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会
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