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『けもフレ』、みんなが考えるヒットの理由はコレだ!

『けものフレンズ』ブームのワケは? 1500名以上に聞いた、みんなが考えるヒットの理由はコレだ!【アンケートまとめ】

2017年1月から放送開始したアニメ『けものフレンズ』が、今ネット上で話題に! ネットでは『けもフレ』のファン、通称「フレンズ」たちが作中のかばんやサーバルなどのキャラクターたち(こちらもフレンズ)の愉快で楽しい会話を真似たり、様々な作品に対する考察や感想がネットで話題になっています。

そんな『けものフレンズ』のすごーい!流行ぶりですが、アニメ制作会社ヤオヨロズの取締役・福原慶匡さんも「この事態に困惑している」というコメントをしているように、制作サイドすら「なぜ」このようなブームになっているのか見えていないという状況です。そこでその謎を解き明かすため、フレンズのみなさんが思う「流行った理由」を募集致しました!

アンケートでは、「『けものフレンズ』が話題になった理由は?」として、「作品の魅力」、「キャラクター」、「ネットの影響」、「その他」、「分からない」の項目でアンケートをとりました。アンケートの結果は下記のとおりです。募集期間は、1週間(2017年2月11日~2017年2月18日)です。
アンケートを募集すると、約1500もの返答が集まりました。多くの方が「なぜ、流行ったのか?」と疑問を持ちつつも、それぞれに答えがあるようです。そんな結果が下記のグラフです。

アンケートでは、選んだ理由もコメント頂いています。では、それぞれの理由を、みなさんのコメントを元に紹介していきたいと思います。

※コメントは、編集部で抜粋しております。
※一部のコメントに、補足を追加しています。

 

ヒットの理由は、作品の世界観の中にあり!
まずは、37パーセントの人が話題の要因になったと感じている、「物語」に投稿した方のコメントをいくつかを紹介します。

退廃的な世界観の中を可愛いフレンズ達が冒険する姿に魅力を感じます。 フレンズ達はお互いを尊敬しあって多様性を自然と認めていることにも大変好感を覚えます。(30代・男性)

かわいいの中にある世界背景がおもしろい。 また、お話がフレンズたちが本音で相手を褒め、自分のできないことをすごーいということが今の病んだ世界の人たちの心を打った。(40代・男性)

表面的な可愛さ面白さと含みのある世界観によって楽しみ方の間口が広いと感じます アドベンチャータイムはじめ海外の作家性の強いアニメ作品と似た受け方をしてるように思えます(30代・男性)

子供向けにみせかけてボスは人とフレンズを明確に区別している これは生き物はみんな友達という単純な結末を描かないことが想像させる 今後のストーリーが気になります(30代・男性)

このアニメは、他のアニメでは見たことがない異質な魅力がある。この魅力に魅せられていると30分が瞬間で終わるとともにリピート希望と次回が待ちどうしい気持ちが湧いてくる。(10代・男性)

普段我々忘れてしまっている他者の尊重を思い出させてくれること また、所々気になる描写があり、世界観、主人公、フレンズ、セルリアンなどに様々な謎があり考察することも面白いから(20代・男性)

ほんわかした作風の中に怖さを感じる要素があり、そのギャップの異質さが考察班と呼ばれるファン層をつくり、彼らの考察が多くの人の作品への興味をかきたてているように感じるから。(20代・男性)

背景にチラチラと何かが過去に起こっていた痕跡を見せつつ、登場するキャラクターのほとんどはそれに言及せず暖かくほのぼのとした物語を展開している点。単純に今後の展開が気になる。(20代・女性)

第一話でサーバルが地図の入った箱を空けられなかったことや第二話でのボスがフレンズと会話しなかったことででてきた違和感を生み出しそれを4話である程度解決するひきの上手さ。(20代・男性)

明るい雰囲気の中に、どこかミステリアスなものを感じる。 かばんちゃんの存在や、それに言及するフレンズにセルリアンとサンドスターなんかも 自分も冒険してる気分になれる(10代・男性)

ゆるいロードムービーや教育番組的な構成の中に、その雰囲気を損なわない範囲でポストアポカリプス的な世界観の考察ヒントを散りばめるというバランスの良さが大きな魅力である。(20代・男性)(編集部註:「ポストアポカリプス」とは、人類滅亡後の世界を描いた世紀末物語のこと)

話は一話ごとに問題を解決していく典型的な物語だが、 その中でも、全体を貫くテーマがある事と その裏で動物保護や動物と人間の関係性などを考えさせられる。(20代・男性)

見えてくるのは、「物語に潜む優しいまなざし」、「漂うミステリアスな雰囲気」、「考察の余白のある物語」、「見えてくる作品のテーマ性」などに皆さん、興味深く感じているようです。

緩やかに世界の全貌が見えてきた流れの中で『けものフレンズ』も大きくブレイク。アニメをしっかりと観ている人にとっては、「物語」が、ブレイクのキーワードになったようです。

 
ネットの人気が、作品価値をも底上げさせた!?
次は、29パーセントの方が、話題を生み出した理由に上げている「ネット」も観ていきましょう。

あなたは○○なフレンズなんだね!といったテンプレートとして使えるからと、みんなが幼稚?になれる(みんな友達になれる)気がするから。(10代・男性)

ふたばの書き込みが拡散されたりニコ生アンケの変遷がまとめに載ったりアプリ終了と内容がリンクして考察されたり話題に事欠かなかったため。(20代・男性)

局地的な流行から謎の大流行になったのはやはりネットで使い勝手がよかったからというのが大きいんじゃないかなー?(30代・男性)

ネットでかなりの人が面白い面白いって言ってたから 自分も気になった結果けものフレンズにハマった。 ネットからこういう情報を得るのが今の時代は当たり前なのかも(10代・男性)

作品自体が面白い事を理由としたい所だが、話題となっている理由という観点では考察、疲れた社会人の癒やし、使いやすい語録等のネット系が強い要因となっていると考えられる(20代・男性)

プロデューサーと監督があの2人だから一部のてさぐれファンの人達が悪ノリしてネットでセリフを使い出したら、周りが面白がってそれに乗っかって広まったと思います(30代・男性)

ツイッターの実況やニコニコ動画でのコメントする際に即時に書き込みしやすいセリフ等があるのと、それぞれ個性的なキャラクターにも好感や魅力を感じるからだと思います。(30代・男性)

作中にはないけど、サーバルが言ってそうな「君は○○なフレンズなんだね!」という台詞が流行っている。本編を見てない人が、面白がってミーム化したという印象。(20代・男性)(編集部註:「ミーム」とは、情報の伝播という意味で、「ネタ」的な意味でも使われる)

汎用性の高いフレーズがSNSなどで拡散し、1話でついていけず脱落した人を呼び戻したり、作品を認知していなかった層に興味を抱かせるきっかけになったのではないか(30代・男性)

キャラクターの魅力は勿論なのだか汎用性の高い言葉で一話で切った人間を引戻し新規のファンも獲得したのが大きいと思う(20代・男性)

「すごーい!」や「たーのしー!」や「君は○○なフレンズなんだね!」等 非常に日常生活において使いやすいセリフが多いため。(10代・女性)

すごーい おもしろーい などとTLに頻出するようになり、けものフレンズとはなんだろうと見始めたのがきっかけでした。それから世界観にはまり、優しいフレンズに癒されています(20代・女性)

Twitterにてフレンズ語が流行したので、アニメを見てみようという気持ちになったから。フレンズ語の流行なしには自発的にアニメを見てみようとは思わなかったと思う。(20代・男性)

作品が面白いのは間違いないが、アニメ放送に関係のない2月6日から突然話題になったことを考えると今回のブームはTwitterやふたばちゃんねる等SNSの影響が大きいと思うため。(10代・男性)

ふたばで面白いやりとりがあった Twitterで晒された めちゃくちゃ拡散された 見てみたら謎の中毒性があった 以上 二番煎じ狙いようが無い流行り方(20代・男性)

作品自体のよさももちろんあるがそれを的確かつキャッチーに伝えるワードができた事で一気に広がったのではないでしょうか(40代・男性)

作品としての面白さもある程度重要だが、これに加えて、今までになく・分かりやすく・目新しい要素が、普及しているSNSに乗って加速度的に広がったように感じる。(20代・男性)

「SNSやニコニコ動画でコメントしやすいセリフ」、「制作スタッフのネットの使い方が上手」、「考察がネットでされ始めたから」、「ネットをキッカケにみんなが楽しめる内容になっている」などが、数多くみられました。作品の面白さを認めつつも、ネットでの盛り上がりで、多くの人が巻き込まれたからこその『けものフレンズ』爆発的話題性と捉えているが多いようです。

 
キャラクターのやさしい心は、ブレイクを巻き起こした!?
続いては、18パーセントの指示を集めた「キャラクター」を観ていきましょう!

困っているひとを見たらすぐに協力するような純粋さを持ったフレンズがほとんどで、不快感なく見られるので。(20代・男性)

サーバルちゃんがバカっぽくてかわいいところに現代の荒んだ若者の心が洗われるのだと思う(30代・男性)

どのキャラクターも個性的で特にサーバルちゃんは欠点を決して咎めない寛容な心を持っている。(20代・男性)

まったり系なのにシビアな背景がありそうなのがツボ。あと、時々入る動物園の人のコメントがなんとも言えない感じで。もちろん、結構しっかりとそれぞれのオリジナルの動物の性格をゆるく出してるのもいい感じ。(20代・女性)

純粋に獣耳が好きだから。あと他の作品ではあまり見られない動物(カバやゾウ、トキ、爬虫類やビーバー等)モチーフの擬人化が多く見れるから。(20代・男性)

ヒトみたいに動物を表現しているところと、簡単な言葉で否定することがない話し方。しかし各動物の動きや習性はしっかり表現している。(30代・男性)

吉崎さんのキャラが本当にかわいいです。 それに全てを受け入れてくれるキャラクターたち、大きい不幸がない物語もいい癒しにになります。(20代・男性)

セリフの使いやすさも大きいとは思うが、抑揚のつけ方など声の演技が流行の原因だと思う。 耳に残るからこそ自分も使いたいと思う。(20代・男性)

セリフが見ている人それぞれを包み込むかのような良い言い回しがおおいから。 今までにこの手のアニメはなかったから。(20代・男性)

セリフの表現に躊躇がなく 率直である。感情がポジティブな表現が多い。 ことが批判や検閲につかれた相互監視ネット社会に対しては逆行しており、皆さんの心の底の優しさを刺激した。つまり受け入れられたということである。(30代・男性)

CGと声優の演技がチープだけど、それを補ってあまりあるほどデザインがカワイイ。カワウソのジャグリングやプレーリードッグのキスなど元ネタの動物に即した行動もいい。(30代・男性)

セリフが全て本音であり嘘がないことがいい点。日常での『もしかしたら嘘かもしれない』や『気を使わせちゃったかな』と思うストレスを解消してくれる気がする。(10代・男性)

とにかく素直で優しく裏表のないキャラクターばかりなので安心して見ていられる。 可愛いだけでなく、元になった動物の特徴や習性はキャラの行動や見た目に反映されているのでその動物について詳しくなれる。 出てくるキャラクターが皆心から楽しそうで、見ているだけでとても癒される。(20代・男性)

キャラの設定やセリフ回しが動物由来で強固な個を形つくっている、ってことを深く考えなくていいやって思わせるかわいさがたまらない(30代・女性)

動物の擬人化という特性を念入りに描写しているから(30代・男性)

擬人化って妙に高度な知能持ってる場合が多いけど けものフレンズのフレンズは中身がマジで動物なんだよ だからなんかアニマルセラピー的なモノが働いてる気がする(20代・男性)

他の多くのアニメ作品とは違って3Dアニメによる作画によりキャラクターデザインの人間的身体特徴が控え目に描かれている。これによって極度な美少女なキャラではなく、単純に可愛いと誰もが思えるキャラになっている。 デザインの面では多くの人々に好まれるデザインになっていると 感じる。(10代・男性)

フレンズのデザインは勿論、外観のデザインやカワウソのお手玉遊び、プレーリードッグのキス、アルパカの唾吐きなど動きがとても細かい。(30代・男性)

「見た目がかわいい!」、「動物の特徴を活かしたキャラクター」、「優しい動物たちが心地よい」「独特な演技が耳に残る」など、「キャラクター」でも、さまざまな目線からブレイクポイントがあるとコメント頂きました。意見がひとつのポイントに集約せずに、さまざまな立場から魅力を発見できるのも、『けものフレンズ』の魅力、言い換えるとブレイクポイントにつながっているのかもしれません。

 

不思議館で中毒性あり!? 社会がフレンズたちを待っていた!?
「物語」、「ネット」、「キャラクター」のどこにも属さず、「その他」の部分にヒットの秘密があると感じている人が、約6パーセントほど存在します。そんな方々のコメントはこちらです。

ネットに広まったのは確かだけどネタにしやすいが一番大きいと思う。 今後の展開を想像して盛り上がるのが第2の理由では。(30代・男性)

優しい世界観。 他者を攻撃するような言動が一切ないこと。(40代・男性)

理屈のない作品で廃退的な世界観があり、アニメ独自の世界観が存在していないから。(20代・男性)

みんな優しい平和な世界を求めてるんだよ…(30代・男性)

殺伐とした世知辛い世の中で理想的なやさしい世界がそこにはあるから(20代・男性)

設定の裏に隠れている闇設定が声優の棒読みや絵の曖昧さやエンディングの適当さと合わさり奇跡的な化学反応を起こしたから(10代・男性)

情報化社会の荒波に常に揉まれている現代の人間が、童心に帰ったかのような気持ちになり、頭を空っぽにして楽しめる作品だから。(20代・男性)

あの独特の雰囲気だと思います 冷静に見れば意味不明で狂気じみた作品なので1話で切った人も多いでしょうがずっと見ているとなんだか面白い気がしてくる恐ろしい作品です(10代・男性)

小難しく重い作品が多い最中、直球的に明るく軽い作風がうけたのではないか? リアルに疲れた心身をとても癒してくれる。(30代・男性)

今までにない不思議な感覚を感じさせられるアニメだと思いますし、それが話題になる理由ではないでしょうか。(10代・女性)

頭を空っぽにして見られるアニメを求めていた。 また、多少の不穏さはあるが非常に明るい作風であり安心して見ることができるから。(20代・女性)

動物の生態をキャラクターに反映させたり、飼育員による動物の解説から動物に対する熱意が伝わってくるのが受けた要因の1つだと思います。(20代・男性)

所々見え隠れする失われた世界観の考察によりアニメを見る以上の楽しみを与えている。 キャラクターの言動も否定せず肯定から始まる事により現代社会における否定から始まる日常に対して人々は癒やしを感じる様になる。(30代・男性)

世界観に興味がある。萌えアニメの皮を被ったディストピアものとか大好物だから。(30代・男性)(編集部註:「ディストピア」とは、ユートピア(理想郷)の反対の意味。)

人間的社会性が皆無なので、そのおかげで謂れのない緊張感や余計なストレスを与えられることなく視聴できるから。(30代・女性)

児童文学、アフターホロコーストSF,美少女動物園、民話など、複数ジャンルを同時にパッケージしたジャンル的多層性。(30代・男性)

劇薬がないという表現を見ましたが、その通りで、空気感がポジティブで、かつ、絶妙なバランスで押しつけがましさがなく、癒しに満ちているため、多くの人の琴線に触れているのではないでしょうか。(30代・男性)

「ストレスフリーな内容」、「不思議な世界観」「中毒性」などの意見が多く、刺激の強い、強烈な魅力というよりも、世界に身を委ね浸っていたいといった雰囲気に、新しい価値を見つけた人も多く感じられました。『けものフレンズ』との遭遇自体が、今までにない新しいアニメ体験だからこそ「その他」を選んだ方が多いといえるのではないでしょうか。

 
なぜ!? 流行っているのは分かるが、流行っている理由は分からない!
また、その他以上にヒットの理由を「分からない」としたひとも、9パーセントもいました。分からないとしただけあり、多くのコメントを頂けたわけではありませんが、いくつかのコメントを紹介します。

キャラクターが好きとか物語がとても面白いとかじゃないのにメチャクチャ好きな自分がいたりするよ。なにこれなにこれ???(20代・男性)

なんでこんなにフレンズの事ばかり考えてるのか本当にわからない(20代・男性)

気が付いたら、周りがフレンズだらけだった(10代・男性)

1話の掴みが弱いし、キャラも気持ち悪い。でも2話でボスが登場してから、廃墟となったこの世界と優しいキャラクターに興味が湧いてきた。脳がとろけるような会話も味があるように錯覚してきた。つかすっかり脳がやられてきた。(40代・男性)

本当にわからないんだ。でも夢中になってしまう…意味がわからないんだ…(20代・男性)

わからないけど、なんか中毒になる これは麻薬と似ている(20代・男性)

脚本・構成はうまくまとまっているしキャラクターも可愛い。どれが琴線に触れたのか分からない(30代・男性)

私自身が、「この作品には魅力が無い」と1話で視聴中断したフレンズだったからです。 話題になってから、「面白いはずだ」と思って見てみると中毒患者になりました。 素直に喉を通らなかった理由は何でしょうか?自分でも分かりません(20代・男性)

すごく出来がいいわけでもなく、感動するストーリーでもなくなんとも言えない。(30代・男性)

本当にわからないんだ… 見てると何故か涙があふれてきてしまう…(30代・男性)

要素一つ一つは不人気になりそうなものなのに、まとまるとたーのしー!わからん…。(30代・男性)

人によって魅力を感じる所が違うから(10代・女性)

第1話を見た限りでは今までの3DCGアニメと変わらない印象。2話以降の展開から、なぜか。なぜかクセになってきた。なぜだ。(20代・男性)

何が面白いのかよく分からないけど(から?)何度も見てしまって結果的に大好きになりました(40代・男性)

分からないの人は、理由を絞れないといった感じが多く見受けられました。言い換えると、それくらい深く、全方位でハマっているという感じでしょうか。
また、「その他」の方と同じで、今までにない新しいアニメ体験を感じている人が多いように思います。

 
深い考察の方々の意見をまとめてみました!
最後に、ジャンルを問わず、深い考察の方々の意見をまとめてご紹介します。かなりの長文です。

けものフレンズのセリフの中には地味に元気づけられるような言葉が多いと思いました 「フレンズによってできること違うから」 はリアルタイムでもほとんどの人が「泣いた」や「ジャパリパーク行きたい」などのコメントが見られました 私はツイッターで、けものフレンズと自信がない自分が全肯定してくれる友達をつくり少しづつ自分はなんなのか噛み砕いていく話 というのを見ました 否定しかされない日本にとって全てを肯定してくれる人は欠かせない存在です そこに心を奪われたのかもしれません 個人的に歌詞の「ケモノはいても除け者はいない」に心を奪われました(10代・男性)

けものフレンズは本格的に流行する以前からはてなのアニメブロガーや一部掲示板コミュニティの間で話題になっていました。 その理由自体はスタッフの低予算ながら丁寧な作品作りへのこだわりが彼らに伝わったからであると思います。 今までもそのような「一部の界隈で集中的に話題になるアニメ」はいくつもありましたが、いずれも大きな話題になることはありませんでした。 今回はその一部の界隈の盛り上がりの様子がTwitterユーザに伝わった結果であると考えています。(30代・男性)

魅力的なキャラクターがどんどん増えていく上に、和やかな話の中に伏線や気になる用語が散りばめられるなど、回を重ねるごとに着実に面白くなっていったから。こうして徐々に話題になる中で新たな視聴者層が流入、放送開始当初からハマっていた層で出来上がりつつあったスラングが拡散されそれによってさらに視聴者が増えるのを繰り返し、SNS上で一大ムーブメントを引き起こしたのだと思う。あくまで作品自体が盛り上がったのが全体の契機と捉える。あと個人的にこの作品には謎の中毒性があると思う。(20代・男性)

各話の構造が上手い。 1話の中で問題が解決する。 本編を柔らかく締めて、Cパートで新キャラ、新展開の予感をさせて引く、という王道の形式でしょうか。 主人公達の道程を後追いするキャラクターがいるので、別れたフレンズを自然に再登場させられる。 主人公が一体何物なのか…詳細には分からないにせよ、「人間」であることのアンサーが視聴者視点で容易に分かっていることを主人公が追いかけている、視聴者からしてみれば「上からの理解者の目線で見れる」ので、心地よい。 謎のバラマキ方が上手い。 主人公に対しては、自身の謎を追うことで移動させ、視聴者には、たびたび残骸、廃墟、絶滅などのエッセンスで、ここはどうなってしまった世界なのかと不安を煽る。先が読み切れないまま、毎週を待つ面白さ。(30代・男性)

フレンズによってできることやできないことがあることを種類による特徴として受け止め、決してできないことをけなしたりすることなく長所を「すっごーい!」と褒めてくれるサーバルちゃんが最初に友達になってくれる所で、ジャパリパークに現れて不安になっているカバンちゃんを元気づけている姿が、とても多幸感を産んでいます。また、旅の途中で現れるフレンズたちの抱える問題を、カバンちゃんが長所をいかせるような方法を用いて解決してく行く様子に感心できます、一生この話が続いてほしいとまで思える出来の作品だと思います。(20代・男性)

・キャラクターや世界観の優しさ、サーバルに助けられるばかりの主人公でも大いに受け入れてくれるサーバルの(アニメの)魅力。弱いかばんちゃんを切り捨てずに逆にいいところを探してくれる。それが今の世知辛い世相に救いを感じさせたと感じます。 ・どことなくミュージカル調の台詞回しも新鮮な魅力じゃないでしょうか? ・映像が急に暗くなったり、台詞の単純さ。何事にも意味を求められ圧迫感の漂う現代社会に、意味はなくとも癒されるんだな〜という救いがあると感じます。 ・ガルパンっぽさ。キャラクターの性格や台詞がちょっとガルパンっぽい。ダウナー系ボケキャラとか。(20代・男性)

本作のテーマはオープニングでも謳われているとおり 友情と他者に対する愛・理解であり それを子供にもわかりやすく、 大人でも楽しめるような形に落とし込まれている。 様々な動物(フレンズ)が現れるのは人間の多様性を現しており、 その長所を生かすことで問題が解決されるようになっている。 具体的には1話の紙飛行機、2話では橋作成& サーバルのジャンプ、3話ではトキの飛行、 4話ではかばんの洞察力、5話ではビーバーの知識・ プレイリードックの行動力。 各キャラの長所を生かせたのも本作の登場人物達が 他者を尊重する気持ちを持っていたからである。 その中でも特に素晴らしいのは、体力が無くて 自虐するかばんに対し、発汗による体温調節を指摘し、 「あなたの強い所がわかってきた、きっと素敵な動物だ」 と褒め称えるところであり、まさに 『けものは居てものけものは居ない』、 『姿かたちも十人十色だから惹かれ合うの』を体現している。 監督は現代社会の人種差別や移民問題等の人間観の摩擦に対して 警鐘を鳴らす目的で作っており、 「本当の愛とは何か?それは他者の肯定から生まれるものだ」 という事を伝えたかったのだと思う。 また、このアニメに人気が出たのも個別化・個人主義が 蔓延している現代において、他者との繋がり・ 癒しを求める人達への需要と一致したからではないかと 推測される。 長々と書いたがこのアニメを一言で表すなら…   たーのしー!(70代・男性)

キャラクターのかわいさは1つの要因だと思いますが、インターネットミームになったのが決定的だと思います。 近年の代表的ミームは淫夢ですが、コンテンツの供給がないにもかかわらず勝手に内輪で盛り上がってるだけなのに勢いが衰えません。これはミームの力だと思います。 では、ミームになると何故流行るのか?という話ですが、無限ループで伝播し続けるからだと思います。 ミームになったコンテンツのコミュニティはコミュニケーションがテンプレート化されて、誰でも画一的に受け答えできる状態が作られます。 「今日も1日がんばるぞい」もそうですが、誰でも画一的に使えて、コミュニケーションにムラがでないというのが重要です。 こうしてニコニコ動画やSNS上で思考停止で無限に伝播し続けるコミュニケーションがあるので、流行るのだと思います。 ミームがないコンテンツのコミュニケーションでは、普通に会話しないといけないし、人によって受け答えが異なるのでコミュニケーションの時間がかかったり、煩わしくなります。そうするとなかなか流行りづらいわけです。(20代・男性)(編集部註:「ミーム」とは、情報の伝播という意味で、「ネタ」的な意味でも使われる)

主人公が仲間と一緒に図書館を目指すというとても分かりやすい目的。専門用語も少なく頭には「主人公が図書館を目指すお話」とざっくりとしたイメージだけ分かっていれば大丈夫で、のんびり見ることが出来る。内容もテンポよく話が進みどのキャラクターも愛嬌があり可愛い。キャラ同士の会話では決して裏は無く、相手を咎めることは決して無い。よくフレンズ達が「すごい」や「たのしい」と言っているが、そこに比喩の意味は込められておらずと心の底から「すごい」「たのしい」と思って言っており見ていて癒される。サーバルちゃんが「フレンズによって得意なことは違うから」と言うように、どんなフレンズも互いが互いを尊重する優しい世界。やさしー! 下がりきったIQを高める動物解説は現役の飼育員さんによる解説と豆知識を聞くことが出来る、しかも動物事の習性や癖をキャラクターに反映している細さもけものフレンズの面白さとも言える。 けものフレンズの世界は謎に包まれており所々見える人工物等を見て考察する楽しみもある。うーん、わかんないや! とにかくサーバルちゃんが可愛い。(20代・男性)

他と比べ、3Dアニメーションのモデルやクオリティが高いとは言い難いし、動きもあらが目立つ。しかしながら、それらが演出する「緩さ」が作品の中で発生する超自然的な展開を自然に受け入れられるようにしている。そうでありながらも、シナリオの構成はしっかりとしており、フレンズたちも基となった動物の習性に忠実に拘っている。それらに加え意味深なエンディングムービーや、さらりとフレンズたちの口から明かされていく背景設定が「この先何かある」というワクワク感を与えてくれている。「フレンズ」という存在を通し「人間」という存在を探求する、そんな哲学的なテーマが感じ取れる。(20代・男性)

物語自体、王道的且つ、ロードムービーの様な冒険を地道に展開していく作風が良かったのかと思います 特に最近は所謂邪道と言われる様な、定番を裏切る様な逆を張る作風が続いていた風潮の中現れた 真っ当な作風が受けたのだと思います。また合間に入る解説コーナーなど、楽しみながら参考になる 描写や、謎が謎を呼ぶ、秘密や世界観が教育番組めいた説明と合わせてこの手の知識に飢えた視聴者 を満足させる結果になったのだと思います。故に、聴こえの良いフレーズなどに囚われず真面目に話作りに期待したいですね(30代・男性)

かばんちゃんとサーバルが図書館を目指す途中様々なフレンズと出会うというストーリーの軸がしっかりしていて、その中で起きるキャラクター同士の掛け合いが生き生きと可愛く描写されており、視聴する時に安心感がある。そして基本的に能天気な世界観の中のところどころに廃墟や絶滅などの退廃的要素や、セルリアンという危険であるという以外の情報がほとんどない謎の敵といった不穏な雰囲気がちりばめられており、緊張感や今後の展開への不安を引き立てている。安心感と不安感の絶妙なバランスが視聴者を引き付けていると思う。(20代・男性)

ほのぼのとした癒し系萌えアニメのように見えて、実はストーリーは王道の冒険モノ・ロードムービーであり、台詞や背景のあちこちには世紀末SFな設定が見え隠れし、さらに野生動物の特徴を通して逆に「人間」という動物とは何かを浮かび上がらせていく展開… これに加え、かわいらしいキャラクターと良質な音楽もあり、いろんな要素が奇跡的なバランスで噛み合っていて、一度見てしまうと最新話が気になって仕方ないです。(20代・男性)

使いやすいセリフが話題になっているが、話題になったのはやはり良い作品ありきだったと思う。かばんちゃんが最初に出会うサーバルキャットのサーバルちゃんの、わざとらしくない優しさが疲れた心を癒してくれる。このようなキャラクターを作るのは難しそうだが、作った方はバランス感覚に優れていると思った。「フレンズによって得意なことが違うから」というセリフで視聴継続を決めた。この2人や出会うフレンズの得意なこと不得意なことを活かして、協力し合いながら大自然を冒険していく姿やストーリに心が温まる。自然を描いた背景やBGMも素晴らしい。ジャパリパークの謎など色々あるが、たつき監督がインタビューで語られた「劇薬のようなものを排除した作品だとおもっているんです。」という言葉に安心した。動物園の方が動物を紹介してくれるコーナーも、知らない動物の生態を知ることができて楽しみ。(20代・女性)

作品世界の片隅に薄暗い闇があり、そこが設定好きには大きな魅力でもあります。 しかしそれ以上に、作中世界に溢れる愛が。フレンズたちの他の存在への思いやりと対等な関係からくる、多くの場合は”陳腐”に成りがちな真なる友愛こそが、けものフレンズがここまで人気がでた要因なのではないかと最近では考えています。 ”けもの”はいても、”のけもの”はいない。ほんとの愛はここにある。 OPのこの歌詞が、けものフレンズの全てなのではないかと思います。(20代・男性)


1話の構成が見事すぎる。視聴後に「感情や興味を弄ばれた」感があり、肯定的であれ否定的であれ、話題にしたくなる力がある。冒頭から、あまりにも"スローで牧歌的"なストーリー展開。深夜アニメの視聴者層からすれば"苦痛なほど退屈"な時間が続く。それでも「1話くらいは最後まで見て判断する」主義の人や、その人が残した思わせ振りなコメント(ニコニコ動画の影響は非常に大きい)に支えられた人は、"我慢して"見続ける。すると後半から「ん?」と引っかかる不穏なワードやオブジェクトが散見し始める。誰かの悲鳴を聞いてバトルに突入したのに、バトル後も悲鳴の主は登場せずに一件落着という体で話が進むし、ラストにはまさかの「人類滅亡世界」を匂わせてED。そんな場面でもキャラクターたちは一貫して"スローで牧歌的"である。前半が退屈という"負荷"であるのに対し、後半からEDにかけては退屈からの"解放"であり"ご褒美"である。その"弄ばれた感"を見終わった人は話題にし、一度は途中で投げた人が再度視聴し、また話題するという連鎖が起こる。2話以降も、キャラクターは明るく楽しく動き回っているのに、不穏な世界観も徐々に明らかになって来ていて、先の展開が気になる作りになっている。(30代・男性)

1話から伏線と思われる怪しい要素が沢山あった。単なる動物擬人化の萌えアニメではない事は見終えた時点で明らかだったし、CGモノでよくあるメタアニメでもなかった。一見ほんわかでふわふわとしたストーリーだが、ジャパリパークが人手によるテーマパーク的存在であると見受けられることや、人工知能搭載とおぼしきロボットが登場したことなど、ミステリアスな展開が織り交ぜられていて、今後のストーリーに期待が持てた。2話・3話と話が進むにつれてその辺がより明確になっていったので見る人が増えたのだと思う。(30代・男性)

作品の知名度が爆発的に上がったのは、所謂フレンズ語録の影響が大きいと思われる。しかし、それ以前の第1話の段階から人間と動物に対して非常に真面目に向き合っている作品であった。また1話からこの作品の持ち味である優しい世界が広がると共に、「がんこちゃん」にも通ずるSF要素も感じられた。その後は、魅力的なキャラが増々増え、秘密の明かし方も絶妙な塩梅なので、毎回楽しいだけでなく続きが気になる。これは今までの日常系アニメには感じなかった新しい感覚である。これだけ丁寧にお話を作っているアニメだ。真面目に作品に向き合うことのできる視聴者に受けないはずがないのである。(20代・男性)

脚本が非常によく練られているのが一番の理由ではないかと思う。 いわゆる「顧客が本当に必要だったもの」と言える作品で、昨今のドギツいアニメに疲れた人たちが引き寄せられ、単に何も考えず癒されるだけにとどまらず、その裏にある世界観を想像できる要素も散りばめられている。アニメの象徴的なセリフがヒットするだけならよくあることだが、そこからアニメ事態に引き込めるのはやはり作品自体の力が重要ではないか。(20代・男性)

一見チープに見えるCGとストーリーとのバランス またCGも元の観音絵を上手く落とし込んでおり そのチープさもどことなく教育番組を彷彿させる。 加えてストーリーも血生臭かったり鬱展開やバイオレンスな作品が多い昨今、ほのぼのとしつつもどこか後ろ暗い、バランスの良さ。 声優もベテランではない味のある感じに 世界観やキャラの造形も大変素晴らしいものがあった これらが複合的に合わさって出来上がったある意味 「惑星直列」みたいな作品だと思っております(20代・男性)

なんていうか動物のフレンズたちが損得勘定とかなく自然体で生きてるから癒されるんじゃないでしょうか サーバルとか別に特に利益があってかばんちゃんに付き合ってるわけじゃないし他のフレンズもそういうのがない 欲とか利己的なものを感じさせない無償のやさしさみたいのがあるから視聴者が新鮮に感じてるんじゃないでしょうか フレンズたちってただ楽しい事しか考えてないので今のギスギスした現代社会には受けてるのかも(40代・男性)

作品全体の雰囲気や、セリフの取り回しの良さなども大きな理由になったと考えましたが、やはりキャラクターが一番大きかったと感じます。 流行の最初期として、明るいセリフの取り回しが話題になりましたが、これだけでは勿論短期的な話題にしかならず、ここまでの流行にはならないはずです。 ここまで大きなムーブメントを作った理由として、そのセリフに基づいた優しいキャラクターたちが大きく受け入れらたのだと思われます。彼女達のセリフは言われている通り、純粋で悪意がなく、且つ短所を悪と断じない明るいセリフばかりです。しかもそれぞれが個性を持ち、一辺倒な何らかステレオタイプではなく中身の伴ったモノです。ただの記号的なキャラクターとは違い、そのカタチをとナカミが伴った純粋な優しさが、自分を含めた視聴者に強く伝わったのかもしれません。昨今ではそういう優しい内容の作品が比較的好まれているのかもしれないという点もあったと思います。 また、物語として小さな山や谷は現れますが、それらは絶対に彼女達のイメージをこわそうとしていません。例えば六話では、怪我もなく行われていた51回の合戦、それでも心配をするライオンや、相手に怪我をさせてしまったと思い動揺するオーロックス達などから、それぞれがそれぞれに思いやりを持っているのがわかります。加えて、それらをシリアスにもコメディにもしすぎない様な調整がキャラクター達のどこか抜けている雰囲気で丁寧に包み込んでいます。これらの練られた空気感は、製作者が視聴者が不安を抱かない様に、リラックスして見られる様に細心の注意を払って作られているのだと感じました。この製作者側の配慮も、彼女達のキャラクターを大きく補強しているのだと思います。(20代・男性)

純粋にストーリーの流れや愛らしいキャラクター達を見る楽しみもありますが、あえて言うならば。 どの回も一度見ただけではわからない作り手の拘りが多くあります。 劇中でそれらが語られることが無いため、素通りすることで気になってしまう事がいくつも残ります。 そのために何度も視聴し、つぶさに一つ一つ探し当て新発見を何度も繰り返すのが面白いのです。 そんなことを繰り返すうち、この作品が大好きになりました。(20代・男性)

ひとつは、「フレンズによって得意なことは違うから」と多様性を認め、悪口を言わず、なんでも「たのしそう!やる!やる!」と前向きなフレンズたちに和まされるから。 もうひとつは、ユルユルした女の子たちの様子を描いた作品と思わせて、「動物の生態」や「特徴」が、自然と印象に残るように作られているところ。また、各地方の特徴もすんなり頭に入ってくる。沙漠が砂ばかりではなく、岩や小石で構成されたものが多く砂の沙漠は珍しいということを、普通の人で知るものは少ないだろう。作品自体のキーポイントが、丁寧に作られていることがよく分かるから。 最後に、各話数で使用されている背景音楽も実に印象的で、記憶に残る。盛り上がるところ、空を飛んでいるところ、何かわちゃわちゃとしているところ、それぞれで流れる音楽も、けものフレンズに不可欠で、強く惹かれたものの一つに挙げられる。(40代・男性)

それぞれの方々の目線から、『けものフレンズ』の話題の理由をみてきましたが、みなさんはどのように感じたでしょうか。
ここまで、読まれ方は「多くの人が高い熱量で『けものフレンズ』に夢中になっている」と感じたのではないでしょうか。それが、本当の意味で「『けものフレンズ』のヒットの理由」なのかもしれません。

最後に、たくさんの方のアンケート参加、本当にありがとうございました。
(C)けものフレンズプロジェクトA
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