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NEW GAME!2期、戸田めぐみさんの不安が杞憂に終わった理由

4人が集まったことは奇跡です――『NEW GAME!!』篠田はじめ役・戸田めぐみさんが明かすfourfolium結成時の不安が杞憂に終わった理由

 2016年7月に放送された第1期『NEW GAME!』から1年、待望のTVアニメ第2期『NEW GAME!!』が、2017年7月より放送スタート! 第1期を通してレベルアップした青葉たちイーグルジャンプの面々が再び帰ってきました!

 第2期は、青葉がイーグルジャンプに入社して1年が経った春から幕を開けます。「フェアリーズストーリー3」が完成し、新しいゲームの企画の立ち上げによって青葉だけではなく、見守ってきた周りのキャラクターにも少しずつ変化が訪れ……。さらに望月紅葉 (CV:鈴木亜理沙)、鳴海ツバメ(CV:大和田仁美)、星川ほたる(CV:石見舞菜香)、大和・クリスティーナ・和子(CV:名塚佳織)ら4人の新キャラクターが登場し、より賑やかな日常が描かれます。

 この度、アニメイトタイムズでは、OP・ED主題歌、キャラクターソングCDシリーズの発売を記念して、TVアニメ放送中の“毎週水曜日”に声優陣の独占インタビューを連載! 楽曲にかける声優陣の熱い想いやレコーディングの裏話まで語っていただきます。

 fourfoliumのお姉さんとしてメンバーを先導してきた戸田さんならではのエピソードが盛りだくさんな上、今だから語れるfourfolium結成初期の裏話も!? 

 

「fourfoliumの活動をしていなかったら、今の自分はなかったと思います」
――2月に行われた「『NEW GAME!』ファン感謝イベント~Next Level~」で、第1期放送終了から半年も経たずに第2期制作が発表されました。そのときのファンの反応を目の当たりにしていかがでしたか?

篠田はじめ役・戸田めぐみさん(以下、戸田):私達はリハーサルの時点で第2期があることを知らされていたんですけど、最後のライブパートの時、お客さんがペンライトを振ってくださるのを見て、沢山コールを聞いて……ライブが終わったらこの楽しい時間のすべてが終わってしまうような、なんだかとっても切ない気持ちでいっぱいになっちゃって。この時間がずっと続いていけばいいのにって思いました。

なのでラストナンバーの「Now Loading!!!!」の時点でウルウル来ていたんですけど、その後の2期発表のお客さんの反応を見て、もう我慢できなくなってブワッとしましたね。お客さんの反応が「おぉ? おぉ!? おぉーーー!!」みたいに段階を踏んでくれて(笑)。


――(笑)。

戸田:そんな大きな反応貰ったのって初めてだったんで、本当にありがたかったです。終わった後にスタッフさんに「戸田さんは泣かない方だと思ってたので意外でした」と言われました(笑)。ただ、泣いてしまうくらい嬉しかったんです。昨今、色々な事情があって続編が実現しにくい中、第2期ができることは嬉しいですし、イベントのお客さんの反応を見て、みなさんも求めていたんだなと実感しました。



――ファンのみなさんも、まさにこの発表を待ちわびていた、という反応でした。

戸田:第1期が終わって、キャストもファンの方も『NEW GAME!』難民と言いますか……心に穴が開いたような気持ちだったと思います、と言うのは、キャストの方にも、第2期をやってほしいとはちょっと言いにくいじゃないですか。キャストに言っても続編って決められない事だし。なので最終回以降はわりと静かだったから、どのくらいみんなが求めてるものなのか、想像上の感情でしかなくて。

そんな静寂の中、第2期が発表された瞬間にTwitterで「おめでとうございます!」とリプライをたくさんいただきましたし、Twitterのトレンドにもなりました。改めて、会場にいらしてくださった皆様はもちろん、沢山の方が心の底から求めてくださっていたことを実感しましたね。1回は会場でみんなの気持ちを知り、2回目にネットの爆発具合で、みんなの気持ちを知りました。第2期も、期待に応える作品作りをしなければ!と強く思った瞬間でしたね。


――第2期になると、その期待はさらに大きなものになりますよね。

戸田:声優が簡単に作品を壊せる……と言えば変ですけど、どんなにいい環境を整えてくださっても、私たちが気持ちを抜いた瞬間に聴いている方は分かるじゃないですか。そういう作品にはなりたくないので、お客さんの気持ちに応えることはもちろん、私たちも気を抜かずに第1期よりも良いものを作ろうと思います。

第2期が決まってホッと一安心。と気が緩んでしまわぬよう! 第1期と同じように初心を忘れず、新入社員……青葉ちゃんのような面持ちでやっていきたいと思いました!


――戸田さんご自身は発表を聞いたとき、どう思われましたか?

戸田:「第2期制作決定!」と内々で聞いても、制作中止になる場合もあるので、公の場で発表されるまで信じられませんでした(笑)。受験で合格発表をもらっても信じられなくて入学式でやっと実感する、みたいな心境ですね。幸せが大きければ大きい程「本当に……?」ってなっちゃう性格なので(笑)。


――もしもの場合がありますからね。

戸田:なので、今日もレコーディングさせていただいて、「第2期が始まるんだ……」という不思議な気持ちです。「バイバイ、またね!」と言って、またみんなで揃って作品を作れる嬉しさと、始まると終わってしまう寂しさも感じながら……(笑)。ただ今回は、まめちゃん(滝本ひふみ役の山口愛さん)が二十歳になるので、去年できなかったことがやれるぞと盛り上がってます(笑)。

 
――第1期を通してキャストのみなさんの仲も次第に深まっていった印象を受けました。

戸田:第1期ではラジオやライブなど、キャスト同士でお話できたり、アフレコ以外の繋がりでみんなの新しい一面を知ることが出来ました。なので、そういったところから第2期では、みんなの芝居や現場の空気感も変わってくるんじゃないかなと思います。やっぱり最初の頃は緊張感があったので。これからは温かい現場として新しいキャラクターのキャストの方をふわっと受け入れたいと思います。


――3月の「AnimeJapan 2017」をもって、キャスト発表から1年が経ちましたが、『NEW GAME!』と過ごした1年はどのような年になりましたか?

戸田:すごい濃かったですね!(笑) アフレコ以外のイベントもたくさんあって、良い意味でビックリしました! 短い期間であんなにライブをさせていただいたことは初めての経験になりましたし、『NEW GAME!』から発生した繋がりもあるんです。


――繋がりとは?

戸田:私はダンスがすごく苦手なんですよ。でもfourfoliumでは一番年上なので、みんなを引っ張らないといけない意識はあり、一番ライブの場数を踏んでるから、私がミスる訳にはいかないって言うプレッシャーもありつつ。一人で練習をするものの、ある日、どうしても限界を感じたんです。自分のジャッジ以上のものは、1人でやってるから生み出せないし、ダンスをずっとやってきた訳じゃないから、そのジャッジも凄く不安定で。手探り感が強かったんです。

そこで振り付け師の先生にダンスの先生を紹介していただいて、人との繋がりが広がっていくことを感じました。fourfoliumの活動もレベルアップしましたけど、私自身も『NEW GAME!』やfourfoliumに成長させていただきました。

また先日、キタエリさん(葉月しずく役の喜多村英梨さん)のライブにご招待いただいたので、楽しむのはもちろん、「fourfoliumのために何か盗んで帰るぞ~!」と思いながら拝見したんですが(笑)。そうしたら方向性は違うものの、お客さんの煽りとか、歌での表現、マイクパフォーマンス、もういろいろと! すごい勉強になりました! キャストの方と作品外のところで繋がったり吸収できるのは、本当に『NEW GAME!』をやっていて良かったと思う瞬間です!!

 
――作品やユニットと一緒に、戸田さん自身もレベルアップしていったと。

戸田:昔はライブとなると、かなり緊張していたんですけど、後輩を引っ張らないといけない意識がこの1年で生まれたり、たくさんライブをさせていただいた中で、楽しめる余裕が自分の中に出てきたんです。

今まではどうしても「完璧なものを提供しなければ、完璧でなければ意味がない、何かをミスった瞬間に終わりだ」と思ってたんですけど今は「完璧なものではなく、お客さんが楽しめる双方幸せなパフォーマンスをしよう」と意識が変わってます。ガチガチで辛そうにミスのないものをやるより、私が楽しんでやっていた方が、良いんだなと気付いたのが『NEWGAME!』のライブでしたね。きっと『NEW GAME!』でfourfoliumの活動をしていなかったら、今の自分はなかったと思います。

先輩という立場はこんなにも大きな意味を持っていて、その中で人を成長させていて。そして先輩だと思って慕ってくれたメンバーがいたからこそ、私も先輩として頑張ることができました。自分一人で「私、先輩だから!」と言っても、後輩の子たちが先輩と認識しないと、それは先輩じゃなくてただの年上じゃないですか(笑)。


――そうですね。

戸田:そういう意味では、fourfoliumのメンバーと色々な活動にチャレンジできて嬉しかったですし、あの子達からも色々なものを吸収させていただきました。それぞれ個性豊かなメンバーなので、どうすれば彼女たちの個性を引き出せるか、決して一人では考えなかったことを、3人のおかげで考えることができました。だからfourfoliumの活動を通して、素敵な経験をさせていただきました。


――ちなみに「AJ2017」のステージ上では、高田さんが緊張から戸田さんの手を控室でずっと握っていたと話されていましたが、先輩としての信頼があってこその行動だったんですね。

戸田:あの時は「もう緊張せんやろ!」と思っていたら、直前にすごい冷たい手でゆっきー(涼風青葉役の高田憂希さん)が握ってきて! 急に「私ダメかも……」って言い出して、「大丈夫、高田はやれる! できる子だよ~今までも頑張ってたよ~! 高田いいよ~!」「ほら鏡見て! スマイルスマイル! カワイイよ~!」って悪いカメラマンみたいな感じで励ましたりしましたね(笑)。

しばらくして私も「あ、なんか緊張してきた」って言い出して、ゆっきーに「めぐしゃんも?!(笑)」って(笑)。ちなみに、あゆちゃん(飯島ゆん役の竹尾歩美さん)と、まめちゃんは、普通の表情でしたね(笑)。

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――そういったエピソードから、先輩としてのリーダーシップを発揮されているのかなと。

戸田:お姉さんにならねば、とは思っています。でもはじめとタイプが似ているからダメなんですよね。頑張ろうとして空回ることがあるので(笑)。そういうところを、まめちゃんやあゆちゃんが支えてくれるんです。なのでfourfoliumは、みんなの足りないところを誰かしらがカバーできるチームだと思います。「誰かが何かをしなければ」じゃなくて、自然と誰かを補える関係性。いいチームですよ!


fourfoliumのNEWな一面をご堪能あれ!
――そんなfourfoliumのみなさんで歌う第2期OP「STEP by STEP UP↑↑↑↑」ですが、収録を終えた感想をお願いします。

戸田:こんなにもキーが高い曲を初めて歌いました!(笑) すごい可愛い曲なんですけど、実は自分の限界キーの曲だったので、限界キーの音を、如何に聴いている側に「聴いててキツイ」と思われないように発声するか、表現するか、難しかったです。出せる音はもう練習とか小手先でどうのじゃないから、悩みましたね~! 今まで色々な楽曲を歌わせていただきましたが、そういう音に関して悩むのは初めてで、ある種思い出深い楽曲でした。

曲調や歌詞も、今までの『NEW GAME!』の楽曲とは異なる可愛さが秘められていると思います。みんなでコールを入れられそうな歌詞も散りばめていただきましたし、初めて各キャラクターのソロパートが入っていて! 加えて、これまではfourfoliumのメンバーが歌う曲だったんですけど、今回からキャラクターの声で歌うようになったので、聴いている方には新しいfourfoliumの一面が垣間見えるのかなと思います。


――まさに「新生・fourfolium」ですね。

戸田:それこそ、最初にその旨を聞いたときはビックリしました! 1期はキャラで歌わないでと言われていたので「本当にはじめの声で歌って良いんですよね?」ってオドオドして(笑)。この楽曲を歌っていると、単独イベントのライブパートを思い出すんです。あの時も間奏で台詞を入れさせていただいたり、お客さんからコールをいただきましたが、今回もライブ感のある曲になっていると思います。もちろん会場に行って楽しむことができれば一番だと思うんですけど、CDを聴いているだけでも楽しめると思います。

 
――最初に楽曲を聴いたときは、どういった印象を受けたのでしょう?

戸田:うーん、……キーが高い!(笑) と言うのは冗談で、仮歌には9割くらいハモリが入っていたので、私達が歌った時に完成形がどうなるのか気になりました。私がハモを入れる場合は、メインメロを聴きながらハモを録るのである程度想像がつくんですけど、『NEWGAME!』の楽曲はハモを別の方が担当されているので、どのような楽曲になるのか想像つかず! 楽しみです!

でも「仮歌の方が良かったな」と言われるのはショックなので、「絶対に仮歌には負けないぜ!」と勝手に思いながらレコーディングしていました(笑)。


――レコーディングを見学させていただきましたが、バッチリだと思います! コールも入っていて、聴いていると元気が湧いてくる楽曲になっていますが、お気に入りの歌詞やフレーズはありますか?

戸田:第1期の主題歌「SAKURAスキップ」も「Now Loading!!!!」もメッセージ性が強かったですけど、今回の主題歌もメッセージ性が強い曲だと思いました。決して「頑張れ!」という感じではなく、「分かる分かる、一緒に頑張ろうね」と語りかけて、挫けそうな人間を支えてくれる歌詞が好きなんです。

その中でも、2番のAメロ『背伸びしては転んでた だけどね ちゃんとここまできた だから、焦らなくたっていいよ』という歌詞は私にとってもすごく感慨深いんです。


――と言いますと?

戸田:今まで「頑張らなきゃ!」「なんで頑張れないの?!」「みんなはできているのに!」と葛藤や悩む事が多かったので、この歌詞を読むとウルウルしてしまいます。楽曲は可愛いけど歌詞は寄り添ってくれる優しい印象を受けました。「SAKURAスキップ」は「新入社員だ、頑張ろう!」という内容だったんですけど、「STEP by STEP UP↑↑↑↑」は「新入社員だったあなた、頑張ったね」というようなメッセージが込められている気がします。



――今回はキャラクターを意識されたと話していましたが、レコーディングで難しかった部分や工夫された点はありますか?

戸田:fourfoliumのみんなで歌うので、なるべくクセのないようにまっすぐ、でもはじめというキャラクターを曲全体で出し続けられるように意識しました。歌っている時は「私から出る音は、はじめも出してくれる音だよね」「はじめと私、一緒だよね」という気持ちです。もちろん私は声優だから出せますし、はじめは一般人だから出せない音、私とはじめの肺のサイズなどはありますけど、今回は「一緒だよね?」と思いながら歌いましたね。

高い音の時は締めつけないで聴き取りやすいように、聴いている方もツラくならないように気をつけました。またメッセージ性の強いフレーズは、特に気持ちを込めましたね。ただ、入れ過ぎちゃうと4人の中でバラバラになってしまうので、その引き算も意識してレコーディングさせていただきました。


――なるほど。では総じて楽曲の聴きどころを教えてください。

戸田:Bメロにみんなのソロパートがあって、そこにコールも入るんです。ということは、お客さん達のコールも含めて完成するパートだと思うんですよ! だから、ここはみなさんに聴き込んでいただいて、ライブで一緒に曲を完成させようぜと!

「みんながいないから私達がコールしているけど、本当はみんなのパートなんだぜ!」と思っているので、披露する機会があれば、Bメロの「ハイ ハイ!」のコールをみんなでやりたいです! はい、お客さんに対して突然ハードルあげましたよ! よろしくです!(笑)

 
初の台詞入り楽曲は人間心理を突いた歌詞に!?
――EDの「JUMPin' JUMP UP!!!!」についてもお伺いしますが、レコーディングを終えてみていかがでしたか?

戸田:この曲は音程的に歌いやすかったです! また『NEW GAME!』の楽曲に台詞が入ることが初めてだったので、楽しかったですね。個人的にキャラクターの台詞が入っている曲が好きなんですよ! 昔のオタクなので(笑)。


――(笑)。

戸田:最近はアーティストらしい楽曲が増えましたけど、昔のアニソンは「よっしゃ!キャラ台詞入れるぜ!」みたいにポップな感じだったじゃないですか。なので、そういう意味での昔っぽさを感じていて「台詞がある嬉しい! ここは好きにしていいやつ……?」なんて思いながら(笑)。


――それこそレコーディングでは戸田さんというより、はじめが歌っているようでした。

戸田:良かったです(笑)。はじめは気持ちの上げ下げが明確な子なので、今回の歌詞の台詞はやりやすかったです! 彼女は調子に乗りやすいところがあるので、2番Aメロの『梅雨の時期はなんかちょっとテンション下がる?… 』で、ずーんと下がったのに、少し先の歌詞では『夏休みだいぇーい!!』ってすぐに上がって(笑)。はじめの単純な感じを全面に押し出していきましたね。ちょっと乗せるとすぐに調子に乗っちゃうから(笑)。あまりの変わりように、ディレクターさん達も爆笑されてましたね(笑)。


――最初に楽曲を聴いたときはどう思われましたか?

戸田:第1期のED「Now Loading!!!!」はしっとりした楽曲だったので、今回もそういう雰囲気なのかと思っていたら元気な楽曲になっていましたね。

 
――こちらもOPでも通用しそうな明るい楽曲ですよね。

戸田:私もそう思いました! 「間違ってOP資料来ちゃったかな?」って少し戸惑うくらいで(笑)。間奏で台詞で月曜~金曜まで書かれていて、週に対する意識が社会人みたいで『NEW GAME!』らしい楽曲だと思いました。


――曜日については「Now Loading!!!!」を引き継ぐ形になっているのかなと。

戸田:たしかに、バトンがしっかり渡っていると思いましたね。そういえば人間も同じように、火曜日が一番落ちちゃうらしいんですよ。月曜は頑張ろうと意気込むんですけど、火曜水曜あたりからガクッと落ちて、木曜から金曜日にかけて休みに向けて頑張れるそうなので、しっかり人間心理を突いているなと(笑)。


――なるほど(笑)。

戸田:で、仕事に対してポジティブなフレーズ『お疲れ様です!また来週』『出発進行!また来年!』が散りばめられていますよね。第2期は『NEW GAME!』という作品やキャラクター、fourfolium、すべてがレベルアップしていて、OP・EDもそこを意識しているのかなと個人的に解釈しています。


――今回、行進曲のようにリズミカルな曲調になっていますが、レコーディングにあたって工夫したポイントはありますか?

戸田:今回はディレクションの時点でキャラソンっぽく歌ってもいいと言われたので、キャラクターの表情を大事にしながら、要所要所にはじめの要素を入れるようにしました。また、どうやって曲のリズムをキャラクターで大きく表現しようとか、聴いてくださる方に向けて歌う意識を持って臨みましたね。

第1期のときは、あんなにも可愛い楽曲を歌うのが初めてで、内側に世界を作ったんですけど、今回は外側に向けて作るよう心がけました。「みんなもfourfoliumのメンバーと一緒に歌うんだぜ!」と巻き込んでいくようにレコーディングしましたね。



――「SAKURAスキップ」のインタビューでも話されていましたね。そんなキャラクターの要素が多く入りそうな歌詞になっていますが、お気に入りのフレーズを教えてください。

戸田:『梅雨の時期はなんかちょっとテンション下がる~… 』『火曜日には調子出ます本当なんです~』という台詞が密かなお気に入りです。『NEW GAME!』なのに言い訳するところが意外でした。あまり本編に言い訳っぽい表現が出てこなかったので(笑)。

青葉ちゃん達にも調子が出なかったりテンション下る日はあるんだなと。当たり前な事なんですけど、彼女たちにもそういった主張があることが分かって、新しい側面が見られた気がしました。本編では見られなかった彼女達の本音が見られて、ちょっとお得気分!(笑)


――キラキラしながらも少し現実味のあるフレーズになっていますよね。

戸田:彼女たちのマイナスな一面とか、今まで本編で描かれていなかったキャラクター性が表現されているので、個人的にはそこがお気に入りです。


――こちらも聴きどころを教えてください。

戸田:個人的には台詞が入るAメロですね。台詞から他のメンバーの個性が出るので、そこもポイントかなと思いつつ……もちろんサビも聴きどころですよね! Bメロでじわじわ盛り上がってサビで一気に爆発するので、そこでみなさんにも一緒に盛り上がってほしいと思います!

また、サビの最後の『また月火水木金曜日 進め!進め!前に! 』というフレーズがマーチっぽい曲調なので、一緒に行進していただければ嬉しいです。fourfoliumにとっても、私自身にとっても初めてのタイプの楽曲なので、ここも聴きどころかなと思います。

 

「この4人が集まったことは奇跡です」
――OPの歌詞の中には『開花宣言!』というフレーズが登場しますが、第2期へ向けた戸田さんの“開花宣言”をお聞かせください。

戸田:第2期では、はじめが企画書を(葉月)しずくさんに提出するんですけど、高校のときに私も同じことをしていたんです!


――高校生のときに企画書を作っていたんですか?

戸田:生徒会長をやっていて企画書を出す機会があったんですけど、まさかこんなところで役立つなんて驚きました(笑)。その過去の経験があったからこそ、はじめの気持ちが分かるので、挫けつつしずくさんの指摘をスルーして全部書き換えちゃう可愛らしさや、前向きに頑張るところを演じられればいいなと思います。

また、第2期のはじめは明確な目標と指導者ができたので、今までのはじめプラス、それを目指すこと、指導されることに影響を受けた彼女をどう表現するか。内側にある悩みを上手く表現できたらなと。ただ、はじめは悩みによってネガティブになったり、落ち込んでいる姿が目に見える性格ではないので、内側にある悩みから人に対する態度が変わる、微妙な繊細さを上手く表現できればなと思います。それが私の開花宣言です!

 
――それでは発売を楽しみにしているファンの方へのメッセージをお願いします。

戸田: みなさまの応援のおかげで第2期制作が決定しまして、続々とアフレコやレコーディングをさせていただいております。第1期が女の子たちが一つの目標に向けて可愛く頑張る作品なら、第2期は一つの目標に対して、だけどカメラを青葉以外に向けたことにより、人間関係の描写が多いリアルなドラマ性のある内容になっています。それによってキャラクターたちが何を考えているか、自分でゲームを買うときに「ゲームって裏側ではこんなにもたくさんの人が関わって、こんなに時間が関わって、それは愛があるからこその衝突なんだ」と思えるワンシーンが『NEW GAME!!』という作品を通してお届けできると思います。

それを見て『NEW GAME!』も好きになってほしいと思いますし、私たちが日常的に触れている作品に対して考えるきっかけになったらと思うんですけど……そこまで深く考えるとツラくなっちゃいますよね(笑)。なので、「俺達のゲームってすごいんだな」と、自分が好きなものに対して自信を持ってほしいと思います。


――好きなものに対しての自信……ですか?

戸田:好きを発信するのは勇気の要ることで、それを誰かに発信した瞬間に「それが好きなんだ?」と言われるかもしれないじゃないですか。好きという気持ちはシンプルなのに、色々なことを気にして発信しにくくなることがあるかもしれません。

そんな方には、この『NEW GAME!!』で様々な人の愛が色々な作品に詰まっていることを再確認して、自分が好きだと発信することがツラい、恥ずかしいと思う気持ちを塗り替えていただきたいです。好きと思えたことは、誇れることなんだと!

前作の第1期にもたくさん人の愛が詰まっているんですけど、この2期ではその愛をより一層凝縮して堂々と好きと言っていただけるよう、我々スタッフ・キャスト陣とみなさんの関係性を築き上げられればいいなと思います。



――ありがとうございます。最後になりますが、これからも活動を共にするfourfoliumのメンバーへメッセージをお願いします。

戸田:え~!? ポエミーな人間だから本当にポエムっぽくなっちゃうんですよね(笑)。fourfoliumを結成した当初は「先輩だから砕けていかなきゃ」「ポジティブに頑張らなきゃ」と思っていましたが、知っての通り人見知りで根暗な人間なんですよ(笑)。

正直女性もあまり得意でなく、上手く女の子と組むことができるか心配だったんです。でも第1話のアフレコのときに、ゆっきーが砕けた雰囲気で話しかけてくれて、収録のあとにラーメンを食べに行ったりしたんですよ(笑)。そこで話してみて「この子が座長なら大丈夫かも」と思うことができました。

まめちゃんと最初に話したときは、柔らかいふわふわした雰囲気なのに、蓋を開けたら宇宙の話のことを考えていて「ふわふわ系女子かと思ったらすごい中身が濃いぞ!?」と驚きました(笑)。あと、凄く尊敬したくなる女優さんだなと思いますね。自分の気持ちの持っていき方とか、人に対しての接し方とか。年齢は若いかもしれないけど、やっぱり芸歴が長いので、見ていてとても勉強になります。

あゆちゃんは自分が新人だった頃を見ているようなんです。一生懸命に頑張るんですけど、上手く舵を切れないこともあって。それを自分のせいだと思い込んで落ち込むところを見ていると「もう頑張らなくていいよ! 頑張っているのはみんな知ってるからね!」と褒めて支えてあげたくなるくらいがんばり屋さんなところが好きです。

fourfoliumみんなの話を聞いていると、わりとキャラクターの悩みにリンクしているんですよね。ゲーム『NEW GAME! -THE CHALLENGE STAGE!-』の収録のあとに、あゆちゃんの悩みを聞いてても共感できるんです。あゆちゃんは初めてのアニメレギュラー作品が『NEW GAME!』だったんですけど、自分も初めての作品が「まんがタイムきらら」さんの作品で、その時に私が悩んでいたこととまったく同じことを悩んでいて。

そんなあゆちゃんを見て、私も悩んでいて良かったなと思いました。あの時に悩んでいたからこそ、あゆちゃんの気持ちを分かってあげられるし、悩みに答えられるから、あのとき私もぶつかって悩んで良かったんだ……と(笑)。

 
――自身が既に経験しているからこそ、同じ悩みを持つ後輩の気持ちを理解できると。

戸田:そして「まんがタイムきらら」さんの作品に、再び帰ってこれたことに繋がりを感じるんです。はじめの気持ちも分かるし、私も「頑張っていかなきゃ!」と思って転んでいくので、みんなキャラクターとリンクしていると思いました。キャスティングされた方たちは本当にすごいと思います。誰も個性が被らなかったですし(笑)。


――良い意味でバラバラですよね。

戸田:それでいて内側に閉じこもっちゃう性格ではなくて、良い意味で自己アピールができるんです。最初は誰かに話を振っていかないとダメなのかなとも思ったんですけど、全然そんなことなかったです(笑)。

だって「シグマセブンから来ました、清純派声優の竹尾歩美です!」って言っちゃう子もいるし、まめちゃんはイベントで小悪魔気質なところも出しますし、ゆっきーは……ゆっきーですし(笑)。本当にこのメンバーで組めて良かったと思います。

それこそ1年前の「AJ2016」では、みんな硬かったんですけど、1年後の「AJ2017」では「寒い~!」って言いながら私の背中に手をこすって暖を取ろうとしている“奴ら”を見て、「あ、本当に打ち解けたんだな!」と思いました(笑)。


――それはかなり打ち解けていますね(笑)。

戸田:最初に不安だったことが、fourfoliumのみんなと話していくうちに杞憂に終わりました。みんな、より良くなるために力を尽くすがんばり屋さんですし、もし自分にできないことがあればLINEグループで相談することもあります。

強制力が働いた上でのチームではなく、自分たちでどうすればより良くなるかを考えられるメンバーなので、良かったなと思いました。そんなチームは絶対に組めるわけじゃないですし、この4人が集まったことは奇跡です

そんな大好きなメンバーなので、こうして第2期で一緒に活動できることがとても嬉しく思います。なので、2期と言わずに色々なところでfourfoliumの活動ができたらいいなと思っています! ね、KADOKAWAさん!

宣伝担当:第2期も色々と企画しているので、ご協力いただけると嬉しいです……!

戸田:やったぜ! よろしくお願いします!(笑) もちろん、やりたいと言ったからには、我々fourfoliumも気持ちは一つなので、前向きに良いものを作っていきます! 『NEW GAME!!』がんばるぞい!ということで、頑張らせていただきますので、今後ともよろしくお願いします!

――ありがとうございました!


 次回は、滝本ひふみ役・山口愛さんのOP・ED主題歌インタビューを7月19日(水)に掲載予定です。『NEW GAME!』を通してひふみと共にレベルアップしたエピソードから、第2期の“開花宣言”など、大いに語っていただきました! ぜひ来週もお見逃しなく!!

[取材・文・撮影/鳥谷部宏平]

 
リリース情報
●TVアニメ『NEW GAME!!』オープニングテーマ
「STEP by STEP UP↑↑↑↑」
歌:fourfolium(高田憂希/山口愛/戸田めぐみ/竹尾歩美)

《収録内容》
TVアニメ『NEW GAME!!』オープニングテーマ
「STEP by STEP UP↑↑↑↑」
「ススメRunner!!」
「STEP by STEP UP↑↑↑↑」(instrumental)
「ススメRunner!!」(instrumental)
品番 ZMCZ-11295
価格 1,200円(本体)+税
発売日 2017年7月26日(水)
発売・販売元 株式会社KADOKAWA

>>アニメイトオンラインショップでの購入はこちら

●TVアニメ『NEW GAME!!』エンディングテーマ
「JUMPin' JUMP UP!!!!」
歌:fourfolium(高田憂希/山口愛/戸田めぐみ/竹尾歩美)

《収録内容》
TVアニメ『NEW GAME!!』エンディングテーマ
「JUMPin' JUMP UP!!!!」
「ユメイロコンパス」
「JUMPin' JUMP UP!!!!」(instrumental)
「ユメイロコンパス」(instrumental)
品番 ZMCZ-11296
価格 1,200円(本体)+税
発売日 2017年7月26日(水)
発売・販売元 株式会社KADOKAWA

>>アニメイトオンラインショップでの購入はこちら

 
作品情報
【放送情報】
AT-X 7月11日から毎週火曜 夜9時30分~
《リピート放送》
7月13日から毎週木曜 午後1時30分~
7月15日から毎週木曜 午後1時30分~
7月16日から毎週日曜 夜10時00分~
TOKYO MX 7月11日から 毎週火曜 深夜0時30分~
MBS 7月11日から 毎週火曜 深夜2時30分~
テレビ愛知 7月11日から 毎週火曜 深夜1時35分~
BS11 7月12日から 毎週水曜 深夜0時00分~
※放送日時は予定となります。予告無く変更になる可能性がございます。

【INTRODUCTION】
----かなえたい、夢がある!
「まんがタイムきららキャラット」にて連載中の大人気4コマ「NEW GAME!」のTVアニメ続編が待望の製作決定!

高校卒業後、ゲーム制作会社「イーグルジャンプ」に入社した涼風青葉は、幼い頃に夢中になって遊んでいたゲームソフト「フェアリーズストーリー」のシリーズ最新作「フェアリーズストーリー3」の制作に携わることに。キャラクターデザイナーを志すきっかけになった八神コウとの出会いを始め、頼りになる先輩たちに助けられながら少しずつ成長していく青葉。

そして「フェアリーズストーリー3」も無事に完成を迎え、青葉が入社してからちょうど1年が過ぎ、イーグルジャンプに新入社員が入社する季節がやってきた。右も左も分からない新入社員だった自分が、ついに先輩になることを考えると、どうしようもなく胸が高鳴る青葉。「先輩の涼風青葉だよ! よろしくね!」とイーグルジャンプの入り口で青葉は挨拶の練習を繰り返すのだが......。

ゲーム会社で働く女の子たちの日常を描いたお仕事ガールズコメディが再び幕を開ける!

【CAST】
涼風青葉:高田憂希
八神コウ:日笠陽子
遠山りん:茅野愛衣
滝本ひふみ:山口愛
篠田はじめ:戸田めぐみ
飯島ゆん:竹尾歩美
桜ねね:朝日奈丸佳
阿波根うみこ:森永千才
葉月しずく:喜多村英梨
望月紅葉:鈴木亜理沙
鳴海ツバメ:大和田仁美
星川ほたる:石見舞菜香
大和・クリスティーナ・和子:名塚佳織

【STAFF】
原作:得能正太郎
(芳文社「まんがタイムきららキャラット」連載)
監督:藤原佳幸
シリーズ構成:志茂文彦
キャラクターデザイン:菊池 愛
総作画監督:菊池 愛、天﨑まなむ、木野下澄江、菊永千里
プロップデザイン:中島絵理
美術監督:鈴木俊輔
色彩設計:石黒けい、伊藤裕香
撮影監督:桒野貴文
編集:平木大輔
音響監督:土屋雅紀
音響効果:小山恭正
音響制作:デルファイサウンド
音楽:百石 元
音楽制作:KADOKAWA
アニメーション制作:動画工房
製作:NEW GAME!!製作委員会

>>TVアニメ『NEW GAME!!』公式サイト
>>TVアニメ『NEW GAME!!』公式ツイッター(@nganime)
(ハッシュタグ #ニューゲーム)

(C)得能正太郎・芳文社/NEW GAME!!製作委員会
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