声優
豊永利行さん、小松未可子さん、三上枝織さんが語るアニメ化への野望

リスナーと一緒に作家やアニメ原作者を目指す『真夜中のラジオ文芸部』!パーソナリティの豊永利行さん、小松未可子さん、三上枝織さん座談会

2018年の1月4日から毎週木曜日に文化放送で放送されている『エブリスタ・マンガボックス presents 豊永・小松・三上の真夜中のラジオ文芸部』。パーソナリティを務めている人気声優の豊永利行さん、小松未可子さん、三上枝織さんがリスナーと一緒に「文芸部員」となり、小説家やマンガ、アニメの原作者を目指していくという画期的な番組です。

現在は、オリジナルアニメの企画を公募しているコンテスト「Project ANIMA」に応募するための企画案を検討中。また、番組の中でも紹介してきた5分で心を動かす超短編小説集「5分シリーズ」(河出書房新社)とのコラボによる朗読プロジェクトも始動します。

そこで、朗読プロジェクト第1弾の収録を終えた直後のパーソナリティ3人に、企画作りの楽しさや難しさ、「5分シリーズ」の朗読の感想などを伺いました。

 

「Project ANIMA」で、頭の中の妄想が、そのままアニメ化につながるかも
──最初に『豊永・小松・三上の真夜中のラジオ文芸部』の中で、皆さんが応募しようとしている「Project ANIMA」というコンテストについて教えて下さい。では、代表して、「文芸部部長」の豊永さんお願いできますか?

豊永利行さん(以下、豊永):え、僕ですか?

三上枝織さん(以下、三上):よ! 部長!

小松未可子さん(以下、小松):部長を決めといて良かった!

豊永:公式ホームページをご覧ください(笑)。

小松&三上:部長!(笑)

豊永:えっと……「Project ANIMA」は、すごく噛み砕いて言うと、みんなで作品を応募して、その中で受賞した作品がアニメーションになるというプロジェクトです。受賞したらアニメ化が確約されているのが、この「Project ANIMA」の醍醐味なのかなと思います。

応募条件もすごくゆるやかで、シナリオやマンガなどを書かなくても、プロットや1枚のイラストだけでも応募できるんです。だから、学生の皆さんが休憩時間に自由帳とかに書いて遊んでいたような頭の中にある妄想が、そのままアニメ化につながるかもしれない。そんな、非常に夢にある企画です。

三上:部長、すごい!

小松:さすが、パーフェクトです!

豊永:あ~何とか言えて良かった~(笑)。

──『真夜中のラジオ文芸部』は、「Project ANIMA」を紹介するだけではなく、パーソナリティの皆さんも応募者であるというところが面白いですよね。第1回からいろいろな形で応募企画を考えられてきましたが、感想を教えてください。

小松:3人で話していると、こういうキャラクターとかシチュエーションが面白いよねっていうアイディアは、けっこうポンポンと飛び交うんですよ。でも、実際にそれらのアイディアを組み合わせて、企画として突き詰めていく段階に壁が立ち塞がるというか。「あ、そんなことまで考えてなかった!」ということになるんですよね。

でも、そういうときには、上町顧問(Project ANIMA総合プロデューサーの上町裕介さん)が「ここはこうしてみたらいいんじゃない?」と的確なアドバイスをくださるんです。私は、そこに、この番組の意義があると思っていて。きっとリスナーさんも、上町顧問のアドバイスを聴くことで、「あ、そうか!」と気づいて、新しいアイディアが溢れてくることがあるんじゃないのかなって思います。

三上:普段、私たちが声優としては考えることのあまりなかった、どういったターゲット層を狙って、どういったジャンルの作品にしていくか、といったことを考えるのも、すごく新鮮で楽しくて。今まで関わらせていただいてきた作品も、こんな風にいろいろなアイディアを練って作られているんだなと思ったら、今まで以上に大事にしようと思いました。

──皆さんも、キャラクター一人の設定を決めるだけでも、長い間話し合っていますね。

豊永:本当にそうですよね。僕らが関わらせていただく他の作品に対しても、たぶん取り組む姿勢が変わるなってくらい、自分たちにとってもすごく意味のある番組だなと思います。それに、僕らも作品を応募するためにやっている番組なので、普通のリスナーとパーソナリティの関係性ではなくって。聴いてもらっているんだけど、みんなライバルみたいな(笑)。

小松&三上:あはは(笑)。

豊永:メールの一通一通もすごくテクニカルな内容だったりするので、一緒に切磋琢磨させていただいている感覚があって。そこも、この番組ならではの魅力かなと思います。ともすれば、聴いて下さっている皆さんが、お客さんではなく、関係者になる可能性もあるわけですから。


第2弾テーマの時には、違う人がパーソナリティになっていたり?

──現在は、「Project ANIMA」第1弾テーマ「SF ロボットアニメ部門」への応募作品を作るために、いろいろなアイディアを出し合っていて。紆余曲折の末、「ロボット×一般市民×祭り」という3つのお題を組み合わせた企画を考えているところですよね。

豊永&三上:あはは

小松:無茶していますよね~。

──でも、面白そうなアイディアもたくさん出ているし、第7回放送分で登場した三上さんの津軽弁キャラもすごく可愛いと思うのですが。

三上:ありがとうございます!

──今現在、手応えはどのくらい感じていますか?

豊永:手応えですか? 今、進捗率3% くらいですからね(笑)。

三上:敵の設定を考えるのが難しいです。

小松:たしかに。いろいろとアイディアを持ち寄って、いっぱい良いネタを揃えているとは思っているんですけど。やっぱり、企画としてストーリーとかを組み立てていくとなると、まだまだ考えるべきことがあるんだなという状況です。

豊永:今までは、いわゆるフラッシュアイディア(思いつき)でポンポンと出してきたけれど、ここからは番組的にも、このアイディアを整地していく作業に入ると思うんです。でも、それが大変。

小松:本当に、まだスタートラインに立ったに過ぎないんだなって。ちょっと打ちのめされている感じもありますね(笑)。

三上:大変ですよね~。

豊永:しかも、そうやって考えている様子をラジオ番組、いわゆるエンタメとして成立させなくてはいけない。やっぱり番組のパーソナリティとしての喋り方と、会議室でやるガチ打ち合わせの喋り方は違うんですよね。我々は作品を作ったことがないのに、最初からだいぶ高いハードルを越えようとしているなという印象があります(笑)。

ただ、番組の中でも言ってるんですけど、とりあえず、いっぱいアイディアを詰め込んだものを、そのまま応募して。それが選ばれたら、引き算して整理していけば良いコンテストでもあるので。

三上:なんとなく、そのまま出すことになりそうな気がしますよね(笑)。

小松:その中に何か引っかかるアイディアがあれば。

豊永:そうそう。今、整地したとしても、トンデモ展開とかになりそうだし(笑)。

三上:でも、今、私たちもそのアイディアに愛着わいてるじゃないですか。だから、応募して、打ちのめされるのも嫌だなって(笑)。

──応募をすると、選ばれる選ばれないという結果も突きつけられますからね。

小松:そうなんです。でも、まずは出さなきゃですよね。

豊永:僕は、応募した後、この番組自体がどうなっていくのかを一番気にしていて。これで、もし通らなかったら……。

三上:え? パーソナリティ全員交代とかあるんですか?

豊永:あはは(笑)。

小松:「この3人じゃ、ダメだ!」って?(笑)。

三上:第2弾テーマの時には、違う人がパーソナリティになっていたり?

豊永:もっと良いアイディアを持ってる人になってるかも。

三上:いや、私たち永松ジョー(3人の名前の文字を組み合わせたペンネーム)は勝ちます!

小松:永松ジョー、久しぶりに出てきたね(笑)。


「5分シリーズ」は、物語の中に引き込ませる力が凄い

──番組の新しい企画として、以前から番組の中で紹介している短編小説集「5分シリーズ」の朗読PV企画も始まりました(番組のYouTubeチャンネルで無料公開中)。先ほど、その第1回目として、3月14日に発売するシリーズ最新刊『5分後に恋するラスト』に収録された「放課後スピーチ」(著者:ノライノウエ)の朗読を収録されていましたね。「5分シリーズ」の朗読を終えての感想などを教えて下さい。

豊永:僕は、以前、この『放課後スピーチ』を読ませていただいたんですけど。その作品を朗読して最初に思ったのは、5分で読める小説も、朗読すると5分以上かかるんだなってことでした(笑)。15分くらいになったのかな? 黙読と音読の違いを実感しましたね。

あと、作品によって、ドラマチックな感じにするのか、読み聞かせのような感じにするのかとか、アウトプットの仕方はいろいろあると思うんですよ。今回の『放課後スピーチ』は、「純愛」「青春」というところがピックアップされた非常に甘酸っぱい作品で。僕は高校生の藤川と先生の役をやらせていただいたのですが、藤川では頑張って若作りさせていただきました(笑)。楽しかったし、今度は全然、毛色の違う「5分シリーズ」の朗読もやってみたいなとも思いました。

小松:この番組のポスターは、図書館で撮影したんですけど、その合間に「5分シリーズ」の本を読んだんです。作品のタイトルを忘れてしまったんですが、その中に何千年もの時間の物語を描いた作品があって。まさか、5分くらい本を読むだけで、何千年先の未来のストーリーを読めるとは、という驚きがあったんです。5分という時間の中に、すごい可能性を感じたのが印象的でしたね。

今回、朗読させてもらった『放課後スピーチ』は、きっと誰しもが感じたであろう青春の気持ちや感情の起伏が5分……朗読ではもう少し長いのですが、その短い中にいっぱい詰まっているのが魅力だなと思いました。私は、同級生の明美と主人公の母親をやらせていただいたのですが、5分の尺の中で年代も超えられて楽しかったです(笑)。

三上:私は「5分シリーズ」を読ませていただいて、物語の中に引き込ませる力が凄いなって感じました。どうやったら、こんなにも読者を引き込むことができるのか……。それが分かれば、きっと私たちが練っているアイディアにも生かせるんじゃないかなって。だから、私、もうちょっと頭が良くなりたいなって思いました(笑)。頭が良ければ、それをうまく抽出していけると思うので。

『放課後スピーチ』の朗読では、主人公の野山友菜とナレーションをやらせていただいたのですが、いっぱい喋ったな~って(笑)。あと、初々しい気持ちがいっぱい詰まっていて、忘れかけていた当時の気持ちを思い出しましたね。

「5分シリーズ」は、ほんの5分の間に取り戻せる気持ちがたくさん詰まっていて、いろいろなジャンルの本があるので、ぜひ皆さんチェックしてください。表紙にもすごくこだわってらっしゃって。さっき、『5分後に恋するラスト』の表紙を見せていただいたのですが、私はあんなに綺麗なピンクを今までに見たことがないです。

スタッフ:5分シリーズは、小説投稿サイト「エブリスタ」に投稿された作品を収録している本なので、著者はプロの作家さんばかりではなく、全員元々はエブリスタのユーザーさんなんです。5分シリーズが初めての書籍化という人がほとんどなので、「Project ANIMA」に応募される皆さんの参考にもなるかと思います。

三上:私たちもエブリスタに投稿すれば、書籍化されるかもしれないわけですね! 夢がありますね!


『真夜中のラジオ文芸部』の目指す最終目標とは!?

──この『真夜中のラジオ文芸部』での最終目標を教えて下さい。

豊永:それは当然、僕らの作った企画のアニメ化。「原案:永松ジョー」でクレジットされることが最終目標ですよね。

小松:アニメ化と、CVも自分たちでやりたいです(笑)。

──原作者と出演者の両方を狙っているわけですね。

豊永:CVに関しては、自分たちの得意なラインのキャラクターを作れば良いわけですよ(笑)。例えば、「みかこしといえば、こういう女の子だよね!」みたいな。

小松:自分でぴったりの子を考えたんだから、それはぴったりだよね、って (笑)。

三上:私は、自分たち以外のキャラクターのオーディションにも立ち会いたいです!

小松:いいねー!

豊永:やりたいね~!

三上:スタジオのブースに3人で並んで、「今のどうですかね~?」とか言いたいです(笑)。

小松: (候補者の)リストにチェックとか入れたい!

豊永:やりたいけど、(候補者が)何百人とかいるし、きっと大変だよ(笑)。

三上:でも、それを見ることによって、自分たちがオーディションを受けるときも「こういうところを聞かれているんだな」ってことが分かるかもしれないですよね。

豊永:あ、それは確かにそうだね!

小松:うんうん。自分自身の参考にもなる。

豊永:今後「Project ANIMA」が第2弾、第3弾と続けていくことで、僕たちの番組とリスナーの皆さんの関係もどんどん深まっていって。「リスナーさんなんだけど、もう、みんなスタッフさん?」みたいな感じの輪っかというか、関係性ができたら、よりスケールの大きな物を作っていけるんじゃないかなって考えたりもします。この業界の未来の一つの形、新しい別の形ができあがりそうな感覚もあるんですよ。将来的には、この番組がそういう新しい作品作りのスタイルの先駆けみたいな存在になっていたら良いですよね。

小松:いいですね~「我々が作った!」って。

三上:うん!

──では、最後に「Project ANIMA」への応募を考えていたり、興味を持ったりしている皆さんにメッセージをお願いします。

三上:最初に「Project ANIMA」のことを聞いた時、とても夢のある企画だなと思いました。誰もが持っている妄想力一つで応募ができるので。皆さんはライバルでもあるんですけれど、一緒に夢を叶えて、この企画を盛り上げていければなと思っています。私も永松ジョーの「ジョー」の部分として頑張ります!

小松:我々も作品を作る側としては完全に素人なので、作品を作ったことがない方や、この番組を聴いて「ちょっと応募してみようかな」と思った方とは、同じスタートラインから始めています。だから、きっと悩みは一緒! しかも、我々はかなり手の内を明かしているので……(笑)。

豊永:たしかに(笑)。

三上:すっごく明かしてる(笑)。

小松:もう、我々のアイディアを盗むぐらいの気持ちで番組を聴いていただいて、この企画にも参加していただけると、一緒に盛り上がっていけるのかなと思います。まずは応募を目指して、一緒に頑張りましょう!

豊永:みかこし(小松さん)、みかしー(三上さん)とは、この番組をやらせていただくようになってから、お話をする機会も増えましたが、それ以前は、本当にちょっとだけ会ったことがあるくらいの面識しかなかったんです。お世話になっている上町顧問や番組のスタッフさんも初めての方ばかりで、本当にゼロから番組を組み立ててきた感覚。だから、みかこしが言ったとおり、僕らも多くの方と同じスタートラインから始めている状況です。ぜひ一緒に頑張りましょう。

最終的には、番組とは全然関係無い方が受賞して、僕らとリスナーさんが一緒に苦渋を舐めるような展開になるのかもしれませんけれど(笑)。

小松&三上:えー!(笑)

豊永:「Project ANIMA」という企画自体は、第一線の方々が手がけてくださっているので(第1弾は審査員に河森正治さんが参加し、受賞作はサテライトでアニメ化される)、将来の夢というものをすごく分かりやすく具現化してくれるコンテンツだと思います。皆さんもぜひ、将来の夢をこの番組にかけてみてはいかがでしょうか!

小松:部長、素晴らしい!

三上:ありがとうございました!

[取材・文/丸本大輔]

■『エブリスタ・マンガボックス presents 豊永・小松・三上の真夜中のラジオ文芸部』
出演:豊永利行、小松未可子、三上枝織
放送:毎週木曜日午後8時30分~9時00分
媒体:文化放送地上波 AM1134kHz / FM 91.6MHz / radiko.jp
アーカイブ:放送終了後に放送内容をYouTubeにてアップロード
メールアドレス:radibun@joqr.net

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