ラグナロク世界大会「RWC2009」は日本が初優勝!

日本が開催国の意地をみせて初優勝──『ラグナロクオンライン』世界大会「RWC2009」での日本チームの勝利までの死闘をレポート!

 ガンホー・オンライン・エンターテイメントは、オンラインゲーム『ラグナロクオンライン』の世界最強ギルドを決定する「RWC2009」、そして「ガンホーフェスティバル2009」を、2009年11月1日、パシフィコ横浜にて開催した。今回は、「RWC2009」の模様を、日本チームの戦いを中心にレポートしていく。

 「RWC2009」とは、オンラインゲーム『ラグナロクオンライン』のギルド(=チーム)世界最強決定戦のこと。韓国、アメリカ、ロシア、フランス、日本、中国、タイ、台湾、ブラジル、インドネシア、フィリピン、ドイツ、ベトナム、シンガポール&マレーシアの計15の国と地域の予選を勝ち抜いた代表ギルドが、世界一を目指す大会だ。参加単位はギルドだが、それぞれのギルドが各国の国内予選を勝ち抜いてきているだけに、事実上各国代表による世界一決定戦と言ってもいい。

 4回目のRWCで、日本はようやく念願の開催国となった。しかし、『ラグナロクオンライン』発祥の地・韓国をはじめ、世界、特にアジアのレベルは高く、これまでの大会で日本の優勝はない(直近の2回の大会は、タイが連覇を果たしている)。時差や言葉の問題、会場の空気などもあり、やはりアウェイの壁は厚い。それだけにホーム開催となる今回に「結果」を出すことは、日本のROプレイヤーにとっても悲願。今回は2007年、2008年のRWCに参加したメンバーが参加、万全の準備で大会に臨んだ。


●勝利の鍵は神速で放たれる「阿修羅覇凰拳」!!

 さて、大会のレポートに入る前に、ごく簡単に大会のルールを説明しよう。大会は7人対7人の団体戦。予め用意された「上位二次職」と呼ばれる強力なクラス(職業)の高レベルキャラクターに、規定のスキルポイントを自由に割り振り、アイテムなどを購入してチームを編成する。つまり、キャラクターのトータルでの強さは平等な条件で、「どんなクラスから7人を選ぶか」「どのようにスキルを割り振るか」「実戦での作戦と戦闘技術」といった、戦略と技術を競う戦いとなる。7対7でスタートし、どちらかが全滅すれば終了。制限時間が過ぎれば残り人数等で判定となり、1本目が終了する。準決勝までは2本先取、決勝は3本先取したチームが勝利となるのが基本ルールだ。

 そしていよいよ始まった一回戦。ドイツ、ブラジル、アメリカが勝ち上がりを決め、迎えた日本の対戦相手はインドネシア。前回RWC2008では3位の強豪だ。ところが厳しい顔合わせの中、緒戦突破を目指す日本が見せたのは、超攻撃的な秒殺劇だった。日本チームの「チャンピオン」が、最強クラスの技「阿修羅覇凰拳」でインドネシアのプロフェッサーを倒すと、その後はすさまじい勢いで「阿修羅覇凰拳」を連打して、次々とインドネシアチームを倒していく。昔から「阿修羅覇凰拳」は切り札的スキルだが、こんなに連発できて、的確に決まるものだったか?と目を疑うほど。的確な連携から相手の急所に対し、「阿修羅覇凰拳」や「シールドチェーン」などの強力なスキルを集中し、一体を落としたらそのまま蹂躙する超攻撃型スタイルだ。

 二回戦の対ベトナム戦では、またしても「阿修羅覇凰拳」などでベトナムのパラディンを集中攻撃する日本。しかしベトナムも対策済だったのか、再三の攻撃をしのぎきる。しかし、ここから柔軟に動けるのが日本の練度の高さだ。ベトナムチームの意識がパラディンを護ることに集中した隙に、ターゲットをプロフェッサーにスイッチ。守りの要を潰した後は、またしても2本続けての秒殺となったのだった。これは優勝もありうるのでは?という期待感が客席に流れるが、それに水をあびせたのは、次戦に登場した王者・タイだ。超速の展開から「阿修羅覇凰拳」を連打する日本に似たスタイルで、シードの優勝候補・韓国を一蹴! 一回戦を免除された韓国は最初ラッキーかと思われたが、エンジンが温まっていない状態で戦うには、タイはあまりにも危険な相手だった。

 準決勝、おそらく最強の敵であるタイと激突した日本。勝敗を分けたのは、陣地取りの妙だった。高低差のあるステージで高いエリアに陣取った日本は、遠距離からじわじわと攻撃しながら待ちの構え。焦れて攻撃を仕掛けるタイチームを「阿修羅覇凰拳」などで迎撃する形で、なんとか競り勝ったのだった。しかし一旦戦線が傾くとワンサイドになりがちなギルド戦で、タイは巧妙に抵抗。一旦数を減らした状態から日本のハイプリーストを落とすなど、明らかにこれまでの戦いとは様相の違う厳しい戦いだった。この後タイは危なげなくアメリカを下し、3位に輝いている。

 そして、日本にとっては初の進出となる決勝の舞台。反対側のブロックから勝ち上がってきたのは、フィリピンチームだ。5本勝負となる決勝戦は、決勝にふさわしい激戦となった。1本目を「阿修羅覇凰拳」連打の必勝形で勝利した日本だったが、2本目は、フィリピンの「阿修羅覇凰拳」の海が日本の単発の「阿修羅覇凰拳」を呑み込んでいくような光景。お株を奪われるような形で日本が蹂躙され、1-1となった。

 各国の国内予選を勝ち抜くようなギルドになると、選択するクラスはある程度似通ってくる。決勝の両国も「基本構成」と言うべき編成だったのだが、3本目、動いたのは日本。セット間に許されているクラス変更で、「チェイサー」のかわりに「ジプシー」を投入。フィリピンのパラメーター設定の、Vit(体力)が低いことを見切っての編成変更が、吉と出るか…答はすぐに出た。3本目、奇襲気味に放たれた「ジプシー」の「スクリーム」で、フィリピン勢は大量にスタン! 即座に決め手にはならないが、この一撃でフィリピンは守勢に回らされる。そして、日本相手に後手を踏むとどうなるか? 画面は日本の「阿修羅覇凰拳」の文字エフェクトで埋め尽くされた。これで王手! 4本目にも、このクラス変更と3本目の展開が効いた。固まっていると「スクリーム」などのまとめて状態異常を起こすスキルが怖いが、ばらけると各個撃破の対象になる。進むも退くも難しいフィリピンチームに対して、日本は位置取りがにくらしいほどうまい。フィリピンは狭い通路に誘い込まれる形になるが、狭い戦場は、「阿修羅覇凰拳」に「シールドチェーン」を重ねる連携に長けた日本にとっては必勝の戦場。リアルでもゲーム中でも「地の利」を得た日本が3本を先取し、開催国にして初優勝という念願を果たしたのだった。

 前述の通り、今年の日本チームは、昨年、一昨年のRWCで、結果を出せない悔しさを味わっている。それだけに、表彰式で赤く瞳を腫らした日本チームの嬉しさはひとしおだったよう。ガンホーグループのCEO・森下一喜氏も、後のコメントでは「開催国として全チームを応援しなければいけない立場だが」と前置きしていたものの、優勝が決まったときは本当に嬉しそうに、ニコニコと日本チームと固い握手をかわしていた。最終結果は、優勝・日本、準優勝・フィリピン、3位・タイ、4位・アメリカ。そしてチーム紹介用の集合写真が良かったチームという選考理由の「友情賞」には、台湾が選出された。今回のチームの来年以降の参戦は未定とのことだが、『ラグナロクオンライン』の歴史に、“開催国日本・優勝”の文字が確かに刻まれた大会となったのだった。

>>『ラグナロクオンライン』公式サイト
>>「Ragnarok Online World Championship 2009」公式サイト
>>ガンホーフェスティバル2009公式サイト


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