“コみケッとスペシャル5in水戸”黄門様一行から痛凧、メイドトレインまで！　水戸が大いに萌えた“コみケッとスペシャル5in水戸”の会場周辺をレポート！

　2010年3月21日～22日、茨城県・水戸にて、“コみケッとスペシャル5in水戸”が開催された。現在は毎年夏冬、有明の東京ビックサイトで開催されているコミックマーケットだが、定期開催以外に不定期に行われるのがコミケットスペシャル。通常のナンバリングには含まれず、初開催はなんと32年前（！）。その後2000年に沖縄で「リゾコミ in 沖縄（コミケットスペシャル3）」か゜、2005年に24時間耐久コミケットスペシャル4が開催され、5回目となるのが今回の “コみケッとスペシャル5in水戸”だ。

　今回のコンセプトは、“コミケでまちおこし”。コミケを開催することで都市の認知度を上げ、地元産業にも貢献する地域振興イベントとしてのコミケで、開催に手を上げた自治体の中から選ばれたのが水戸というわけだ。3月21日～22日の開催となった水戸コミケだが、今回は思わぬ敵に見舞われた。首都圏の交通網が麻痺するほどの強風がそれで、東京方面からの電車でのアクセスが埼京線中心の水戸にとってはかなり影響が大きく、かなり時間をかけて、あるいは車を利用した陸路で会場を目指した人が多かったとのこと。それでも初日は15000人以上、風が弱まった2日目には18000人以上の参加者が来場したというから、やはりコミケ参加者の情熱はすごい。

●水戸が2日間限定の萌えの聖地に！

　さて、まちおこしが狙いのコミケということで、今回の記事では会場の外、水戸の街や周辺エリアの様子を中心に紹介する。同人誌即売会の会場となったのは、京成百貨店・旧館。現在の京成百貨店と道を挟んだ位置の旧館で、2階から6階が同人誌即売会場として開放された。三の丸合同庁舎や水戸芸術館などの公的エリアがコスプレ会場やトークライブの会場となっており、このあたりは地元と密接に協力したまちおこしのコミケならではだ。

　即売会場の旧京成百貨店前のメインストリート「黄門通り」は、期間中コミケ一色！　たちならぶ商店には、コミケ参加者やスタッフ、個人、企業など様々な立場から出されたフラワースタンドがズラリ。コミックマーケット準備会有志の匿名の出展もあれば、ネタに趣向を凝らしたものも。街中のごく普通の商店も、“萌え”を意識した商品などに工夫を凝らしており、街全体でコミケを歓迎している様子だ。街中を歩いていると、流石水戸だけあって水戸の御老公様一向に出くわしたりも。また、茨城だけあって、茨城県を守るヒーロー「時空戦士イバライガーR」が歩道橋を渡ってくる光景にも遭遇。水戸、あなどれない街だ。

　非常に多くの萌え系物産が売られていたのも印象的で、『ひだまりスケッチ』の蒼樹うめさんがイラストを描きおろした梅酒 「うめ物語」や、○蜜柑さんがイラストを描き下ろしたコみケッとスペシャルコラボ日本酒「水戸の美酒・萩野谷なか」などを販売する光景もあちこちで見られた。

水戸の黄門通りを、水戸の御老公様御一行が歩いていた。コスプレイヤーさんではない。

コスプレ広場になるはず…の芸術館前広場は午前中この状態。ここに入りきらない入場待機列が、徒歩10分ほどの三の丸転ば近辺まで続いた。

「水戸の美酒・萩野谷なか」。外箱とレーベルのイラストが別ver.。「うめ物語」は既に売り切れていた。

黄門通り沿いには無数のフラワースタンドが。画像はオプーナさんからのもの。

たくさんのコミケスタッフが円滑な運営に尽力していた。

●“痛車”ならぬ“痛凧”展示会も！

　痛車、痛単車、痛チャリ…など車輪がついていればなんでも、と思っていたら、痛ジェットスキーや痛PCなども登場し、なんでもござれになってきた痛○○業界。そんな中でもなかなか見ることができないのが、今回企画展示をされていた“痛凧”。文字通り、アニメや美少女ゲームのキャラクターイラストをあしらった和凧で、和紙や竹ひごから作られている。数多くの痛凧が展示されていたが、展示されているのはほとんどが“生きた”凧とのことで、実際に飛ばすことができるものだという。痛凧展示会場では痛凧の制作実演も行なわれていた。実演をしていた方に痛凧の魅力を聞いてみたところ、「夢や伝統を空に描くのが痛凧です」とはにかみながら答えてくれたのが印象的だった。


●メイドトレインも運行！

　また、水戸コミケに連動して、周辺エリアでは様々なイベントを開催。会場付近の酒屋さんでは、初日に声優の近藤佳奈子さんが来店したほか、公式ライブ企画として串田アキラ氏、宮内タカユキ氏のアニソンライブ、アニソン系クラブイベントやトークイベントなども行われていた。また、水戸コミケ会期に連動して、ひたちなか海浜鉄道と鹿島臨海鉄道はメイドさんが接客を行なう「メイドトレイン」を運行。メイドさんによる飲食物のサービスや、撮影会などで盛り上がりを見せていた。

　今回は2日目のみの取材となったが、手作り感あふれる萌え系商品を売る店の前を、コートを着て通り過ぎて行く初音ミク（のコスプレイヤー）といった風景は、東京でも水戸でもなかなかありえないもの。2日間の“祭”は、予想を大きく上回る数の来場者や地元の方々の笑顔の中、大盛況で幕となったのだった。

＜取材・文：中里キリ＞

>>コみケッとスペシャル5in水戸

歩道橋を移動するイバライガーたち。

「時空戦士、イバライガーR！」

“水戸黄門漫遊記 萌ぇ～さぶれ”。黄門様は次々と萌え化されていた。

三の丸コスプレ広場で大人気だったハム焼き＆豚ドック露店。普通より大きめのパンからはみ出しまくる極太ロングソーセージが圧巻。

　　　　

メインストリート沿いの:露店が集まる一角はまさにお祭りのようなムード。

即売会場となった京成百貨店旧館。空きビルが祭典の舞台として蘇った。

水戸市芸術館タワー前の酒店ではコスプレイヤーによる試飲販売が。前日には声優の近藤佳奈子さんも来店したそう。

市街地での痛凧展示会の会場。

　　　　

『パルフェ』の大型六角痛凧。

面白い形状の『灼眼のシャナ』の八ツ痛凧。

『Fate』などの痛凧展示風景。

遊び心の“痛凧神社”。あ、お供え物に「うめ物語」！

　　　　

痛凧の制作実演風景。素材にも痛凧師ごとにこだわりがあるそう。

芸術館前に落ちていたミクの抜け殻。

メイドトレイン最終便でメイドさんたちの敬礼！

車内ではメイドさんが飲食物の提供やアナウンスなどをかいがいしく行なった。秋葉原まで乗って帰りたい快適さ。