7月新番『ヘタリア The World Twinkle』出演声優インタビュー【浪川大輔・高橋広樹・小西克幸・杉山紀彰・甲斐田ゆき】
2015年7月3日からdアニメストアほかにて配信となるアニメ『ヘタリア The World Twinkle』。本作はアニメ『ヘタリア Axis Powers』シリーズの第6期目で、原作は日丸屋秀和氏による同名作品。戦いには弱いが陽気で憎めない「イタリア」と、厳格できまじめな「ドイツ」、おっとりマイペースな「日本」を中心に「イギリス」や「アメリカ」などのキャラクターたちが繰り広げるコミカルストーリー。配信用アニメのほか劇場版も制作された大人気作品となっています。
およそ2年ぶりのアニメ化にあたり、総勢18名の声優陣にインタビュー! そのなかでも今回はメインキャストである浪川大輔さん(イタリア役)、高橋広樹さん(日本役)、小西克幸さん(アメリカ役)、杉山紀彰さん(イギリス役)、甲斐田ゆきさん(中国役)のロングインタビューをご紹介します! アニメ同様、テンポ感あふれるベテラン声優陣の『ヘタリア』トークを最後までお見逃しなく♪
●“親戚一同”が集結した現場の空気とは?
――まずは久しぶりのアフレコを終えての感想をお聞かせください。
アメリカ役・小西克幸さん(以下、小西):確かに久しぶりなんですけど、間を空けつつも何と8年という長い間、アニメをやっているんですよ。だからチームワークは抜群ですし、現場は第1期の頃と変わらずうるさく(笑)、楽しく収録させていただきました。キャラクターを演じようと構えなくてもすぐにキャラクターになれるので、自由に楽しんで遊べる場所だなと懐かしく思いました。
イタリア役・浪川大輔さん(以下、浪川):第5期が終わった段階では第6期の話はなかったので、これで終わりなのかなと思っていたら、(高橋)広樹さんが「『ヘタリア』は、親戚が正月に集まっているような感じですよね」とおっしゃっていて、それはつまり、わざわざ再会を誓わなくても会えるような作品ということか、と思ったんです。だから今回、久しぶりに親戚一同が集結して、非常に楽しいアフレコでした。リラックスして現場に入れましたし、とても気持ちよく収録を終えることができました。大変いじられましたし(苦笑)。
――「いじられた」というのはイタリアとしてですか? 浪川さんご自身ですか?
小西:もちろん浪川さん自身ですよ。だって愛されていますから、みんなに。
中国役・甲斐田ゆきさん(以下、甲斐田):そういうあんたが一番いじってたでしょ!
浪川:そうですよ! 「歌え」とか「踊れ」とかあなたが率先していじってきたでしょ? でも、とても楽しかったです(笑)。
日本役・高橋広樹さん(以下、高橋):自分で言った言葉を繰り返すようになりますが、本当に親戚一同が集まったなという雰囲気でしたし、シリーズを重ねるごとにキャラクターがどんどん増えました。ですので、おじいちゃんから孫、ひ孫まで年に一度集まって、「お前たち、元気だったか?」と顔をあわせたような一日でした。とはいえ、現時点ではまだ登場していないキャラクター、会えていないキャスト陣も何人かいるので、早く会いたいです。親戚のなかでも一番の孫たちであるシーランドやちびたりあに会えなかったのが残念です。
甲斐田:みなさん相変わらずおもしろくて、8年も経っているのに変わらないことがすごいなと感動しました。自分もそのなかの一人なのに、ちょっと俯瞰で見ちゃいました(笑)。アフレコはみなさんがおっしゃるように楽しかったですし、20人近いキャストがいるのに、ほぼ全員が現場に揃ったこともすごいなと思いました。
小西:よくスケジュールとれましたよね。
甲斐田:そうだよね! これだけ大勢でアフレコするのも『ヘタリア』では久しぶりでしたし、「ここから第6期がはじまるんだなぁ」って楽しくなりました。私は現時点では中国としての出番は少なく、ナレーションでの参加が中心だったのでキャラクターとしては何が起きるのか、とても楽しみです。
イギリス役・杉山紀彰さん(以下、杉山):久しぶりにみなさんとお会いして、第1期から8年も経っていると聞いて驚きました。ここまで続けてこられたのは、作品を応援してくださるファンのみなさんあってのものだと思うと同時に、キャスト陣、スタッフ、ファンの方々とみんなでがんばって少しずつ積み上げてきたものが次につながってうれしいなと思いました。アフレコ自体は懐かしいな、楽しいなという気持ちが強かったです。
――杉山さんご自身も終始笑顔で現場を楽しんでいらっしゃいましたが、やはり『ヘタリア』の現場は他のアニメの現場とは違う雰囲気がありますか?
杉山:そうですね。他の現場と違って、フリーダムな方が多いので(笑)。最近、アニメの現場に行くと若い方が多くて、僕は比較的、最年長の部類になることが多いんですよ。でも『ヘタリア』の現場に来ると自分よりもベテランの方がいるのでいい意味で楽をさせてもらえますし、リラックスすることもできますし、すごく楽しいなと。今までキャリアを重ねてきた人たちのおもしろさ、自由さみたいなものが全面に出ていて、収録前の空気感、収録がはじまってからの気遣いなど、いろいろなところに発揮されていて、魅力的ですし、僕もまだまだ学ぶことがたくさんあるなと思いました。
――それではアニメ本編の見どころや注目ポイントについて教えてください。
甲斐田:第5期の絵のタッチがそれまでとはちょっと違うなぁと思ったのですが、今回は過去のシリーズの雰囲気に戻ったような絵柄になっているのでそこですね。あと、意外と尺とか間が長い所が多かったような気がします。ちょっと大人のテンポになっているのかもしれませんね。
小西:前回は“学園ヘタリア”とかフランスのちょっとシリアスな話とか、それまでに『ヘタリア』にはなかったやり方に挑戦していて、それはそれですごくおもしろかったんですけど、今期は第5期以前の雰囲気やテイストに戻ったように思います。
杉山:北欧ファイブの話も出てきて、ストーリー自体のバリエーションも出ましたし、収録現場の人数もさらに増えてワイワイした感じになっています。
小西:そういえばさ、浪川君、「パスタ~」って言ってないよね?
一同:あ!
浪川:そうですね、今日は「パスタ」とか「ヴェー」とか言ってないですね。そう考えると決めセリフがなかったかも。
甲斐田:イタリアは普通にしゃべってたもん。
小西:僕も高笑いしてないし、いつもイギリスにつっこまれる側なのにイギリスにつっこんでた。
浪川:そういう意味では以前よりも会話っぽくなってるのかもしれません。
高橋:枢軸は「昔に戻った」というのもなんですが、原点回帰、初心に戻った感がすごくありました。イタリア、ドイツ、日本の3人でお互いの違いみたいな話をしてワイワイするやりとり自体も相当久しぶりだったので、懐かしかったです。
杉山:そこへイギリスがスパイにやってきて、「和気あいあいとしやがって、あいつら!」って嫉妬するというね(笑)。
高橋: (笑)。ですので、僕としては枢軸のチームワークがフィーチャーされるお話がポイントかなと思いました。
浪川:チームワークは確かに感じました。前はそこに他のキャラクターが絡むことが多かったですし。
高橋:あとは連合のなかに枢軸が入っていって翻弄される、みたいなものが多かったですよね。今回、枢軸は枢軸としてどっしり構えている感じがありました。
甲斐田:まぁ、いつまでもどっしりとさせたくはないけどね、連合としては!(笑)
小西:『ヘタリア』は連合、枢軸、北欧とチームに分かれての話がわりと多かったので、今後、劇場版みたいに分け隔てなく絡めたらいいなと思います。“猫”だったり“もち”だったりでの絡みはありますけど、元のキャラクターの状態で絡むことがじつはほとんどないので。
浪川:あと、内容的にも原作をきちんと表現しつつ、今の時代の出来事、時事ネタを織り交ぜてのアニメオリジナルな部分もあるので、そこも注目ポイントですね。歴史を振り返るだけではないところが今回の魅力だと思います。
甲斐田:だけどやりすぎ注意ですよね。すごく難しかったです。どの部分が難しかったのかは、ぜひアニメを見てチェックしてみてください!
小西:結構、シビアなところを攻めてくるのが『ヘタリア』ですから(苦笑)。
●史上初!? まさかの○○○話で大盛り上がりの!!
――ここからはお話が変わりますが、もしみなさんが登場キャラクターのなかであるキャラクターに1週間なれるとしたら、どのキャラクターになって何をしてみたいですか?
甲斐田:イタリアになると楽そうだよね~。北欧のキャラクターならのんびり過ごせそうだし。
小西:クリスマスの時期に(水島)大宙……じゃなくて、フィンランドになって、むちゃくちゃなプレゼントをたんまり用意したい。で、プレゼントを配る日はお役御免してたい。
甲斐田:ひど~い!
小西:用意するだけ用意して、あとはよろしく!って(笑)。
浪川:その考えがもうアメリカですよ(苦笑)。
小西:だってアメリカだもん(笑)。
甲斐田:私は連合とか枢軸以外がいいんだけど、イタリアならストレスがなさそうだから唯一、選んでもいいかな。
杉山:傍から見ていてストレスを感じなさそうなのはイタリアとフランスかなと思うんですよ。おいしいものを食べて優雅にのんびり過ごすみたいな、バカンスの雰囲気を感じますし。
小西:だけど、イギリスにはなりたくないね。
甲斐田:ないね! 絶対疲れるもん。だって、いつ誰がボケてもつっこまないといけないんでしょ?
杉山:そうですね(苦笑)。ボケを待ち構えてないといけないですから。
高橋:そう考えると僕は日本がいいです。外に出たくないので。
杉山:ひきこもりじゃないですか!
高橋:自分の家で枯山水の庭を眺めながら和菓子をつまみつつ、お茶をすするという穏やかな1週間がほしいです。知った土地、知った友だちがいるなかで心安らかに、すべてのことをうまく受け流しながらマイペースに生きたいと思います。1週間だけですけど!
浪川:僕はフランスかアメリカになって、自分勝手にさまざまなことをやってみたいです。イタリアをやっていると何かにつけて振りまわされて、しいたげられるので逆に周囲をしいたげてみたいです。
――今回のタイトル「The World Twinkle」は「きらめく世界」、「世界がキラキラしている」といった意味を持っていますが、みなさんにとって「世界がキラキラしているな」=幸せだなぁと感じる瞬間はどのようなときですか?
小西:まだ、そんな瞬間はないですね。世の中から戦争がなくなったら来るんじゃないかな……。
高橋:何言ってんの?
杉山: (笑)。
甲斐田:その顔といい発言といい、いちいちイラッとするね!
小西:だからこそ、みんなが仲よくなるために『ヘタリア』が大事だなと思います。
一同: (笑)。
浪川:僕、煮魚食べているときが幸せですね。最近、肉ばっかり食べていたんですけど、魚もいいなと思うようになったので。
小西:わかるわかる。僕、冬場にほぼ毎日鍋をやってたんだけど、鱈、入れたりしてたよ。魚、うまいよね~!
高橋:僕も結構、魚食べるんですけど、銀鱈を塩焼きで食べているときが一番キラキラしてます。
甲斐田:先週、アフレコの後にスーパーに寄ったら、お刺身用の柵が半額になっていたので、カツオと鯛を買ったんですよ。それでかつおは角煮、鯛はポワレにして食べました。
高橋:すごくおいしそうですね。
甲斐田:めっちゃおいしかった! でも私がキラキラしている瞬間はお魚食べたときじゃなくて、最近、ぬか床を作っているんですけど、それを向き合っているときですね。いつもは3ヶ月くらいでダメにしちゃうんですけど、1年も持ってて。
小西:味噌は作らないの?
甲斐田:今は無理だね~ぬか床がうまくいったらいずれは挑戦したいけど。ぬか床は毎日、味が変わるんですよ~おいしい日とおいしくない日があって。そもそも、素材自体がおいしくないと全然ダメ。
小西:おいしい日とおいしくない日って何が違うの?
甲斐田:今、言ったみたいに素材自体の当たり・外れもそうだし、菌の数や種類によって変化するの。でさ、自分で漬けたぬか漬けを食べるようになったら、急に日本酒がおいしく感じちゃって(笑)。一杯の冷酒がうまい!
小西:もう、そういう年齢なんだろうね、僕たち(苦笑)。
浪川:というか、ものすごいインタビューですね。
杉山:僕も同じこと思ってました(笑)。話を聞きながら「何のグルメアニメだっけ?」って。
浪川:しかも今のところ、ひとりだけ「世界が平和に……」って言ってませんからね?(苦笑)
甲斐田:じゃあ話を戻すね! 私は「世界が平和に」なんて大きなことは言えませんが、おいしいものが食べられるのはどうしてかというと、自分の身の回りが平和だからなんですよね。だから、せめて自分の手の届く範囲内が平和で、おいしいものがたくさん食べられて、それによってみんながキラキラしてくれたらいいなと思います。
杉山:日本は世界的に見ても珍しいんじゃないかな? と思うくらい、いろいろな国の食べ物やスイーツがすごい勢いで入ってくるじゃないですか。昔だったらその国、その土地に行かないと食べられない地元の料理、スイーツが待っているだけで食べることができる。そんな日本の流行りもの好き、おいしいもの好きな国民性の恩恵にあずかれて幸せだなと思います。すてきなことだなと思います。
小西:たしかにこれだけ他の国のものが偏見なく受け入れているところってないよね?
甲斐田:ニューヨークと東京だけらしいよ、世界中のものが食べられるのって。
浪川:っていう話を、イギリスが答えるというギャップ!
一同: (笑)。
●最後はベテランらしく――
――楽しいお話、ありがとうございました(笑)。最後に配信を楽しみにしているファンへのメッセージをお願いします。
小西:おかげさまでおよそ2年ぶりに、アニメとして『ヘタリア』が帰ってくることができました。今回から新しいキャラクターも増え、さらににぎやかになっております。みなさんをお待たせしてしまった分、内容の濃いものになっていると思いますので、楽しんでもらえたらうれしいです。
浪川:昔から応援してくださっている方には引き続き応援してほしいですし、今回、はじめて見るという方にも入りやすい、見やすいアニメになっていますので、ぜひ見ていただいて、これから応援してほしいです。非常にキャッチーな作品ですので、多くの方に楽しんでもらえたらありがたいです。
高橋:よくも悪くも何も変わらないアニメが帰って参りました。はじめてみる方にも、これが長く続いている作品だと思わせないくらい、いい意味での緊張感、テンポ感でお届けしている作品です。今まで見ていてくださった方も、これが初『ヘタリア』という方も、安心して作品の世界観を味わっていただけると思いますので、末永くお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
甲斐田:キャラクターも話のネタも、誰が見ても思わずはまる作品ですし、アニメの配信分数も、一日の作業のちょっとした休憩時間に見るにはちょうどいいくらいの長さになっております。ぜひみなさまの生活のアクセントとしてご覧になってみてください。キラキラしていると思いますよ!
杉山:第1期から8年という長いスパンでやらせていただいておりますので、5分アニメとはいえトータルにするとかなりな話数になります。ですが、今期から興味を持ったという方は発売されているDVDなどでさかのぼって、ぜひ過去シリーズを見ていただけたらうれしいです。『ヘタリア』をより深く味わって楽しめると思います。また、第1期の頃から見ているという方には引き続き見ていただいて、今期で見えたキャラクターたちの新しい一面を堪能してもらいたいですね。そして先ほど浪川さんがおっしゃったように、時事ネタもありますので、『ヘタリア』を通じて普段のニュースや文化などにも興味を持ってもらえたらうれしいです。アニメの世界だけにとどまらず、いろいろな物事へ興味を持っていただくきっかけになったら何よりです。第6期もがんばりますので、応援をよろしくお願いいたします。
■『ヘタリア The World Twinkle』
【スタッフ】
監督:わたなべひろし
シリーズ構成:ふでやすかずゆき
キャラクターデザイン:岡真里子
アニメーション制作:スタジオディーン
【メインキャスト】
イタリア:浪川大輔
ドイツ:安元洋貴
日本:高橋広樹
アメリカ:小西克幸
イギリス:杉山紀彰
フランス:小野坂昌也
ロシア:高戸靖広
中国:甲斐田ゆき
【主題歌】
主題歌:「ヘタリアン☆ジェット」 歌唱:イタリア(CV:浪川大輔)
>>『ヘタリア The World Twinkle』公式サイト
>>『ヘタリア The World Twinkle』公式Twitter