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小倉唯1st LIVE「HAPPY JAM」レポート

小倉唯としての物語はまだ始まったばかり――小倉唯1st LIVE「HAPPY JAM」レポート

2015年7月5日(日)、声優で歌手の小倉唯さんの1stライブ『HAPPY JAM』が、パシフィコ横浜の国立大ホールを舞台に行われました。小倉唯さんは、石原夏織さんとのユニット「ゆいかおり」にて、昨年12月に幕張メッセを含む3公演のライブツアーを成功させるなど活躍をしていますが、今回はソロ活動としての初公演となります。


 3月25日発売の1stアルバム『Strawberry JAM』、そして8月発売のニューシングルを引っさげての本ライブ。キュート&クール両面の小倉唯さんが見られ、パフォーマーとしての進化を体感できるひと時となりました。本稿では昼夜2公演で開催されたライブより、夜公演のレポートをお届けします。

 

新曲のフルMV先行上映からスタート!

両公演のチケットは全席完売のため当日券の販売もなく、筆者が入場した開演30分前には物販ブースのグッズもほぼ完売状態の盛況ぶり。開演時間になると、会場が暗転。「サプライズです!」と小倉唯さんのアナウンスが入ったと思いきや、舞台を覆う幕と左右のスクリーンで、8月12日発売のニューシングルより『Honey♥Come!!』(※♥はハートマーク)のフルMVを初披露! 夏らしいPOPなナンバーと、ミツバチをモチーフにしたであろうキュートな衣装の小倉唯さんの映像に、会場もサイリウムをいつものピンクからイエローに切り替えて応えました。

その後のプロローグ映像では、イチゴジャムを手作りする小倉唯さんの姿が。今回の物販では「オリジナルのイチゴジャム」が並んでいたこともあり、この演出には物販で買えたファンは思わず想像せざるを得なかったはず!

 

「HAPPYな時間」をみんなでつくるライブ!かわいいフリにも注目

4人のバックダンサーを現れ、ライブスタート! 先ほどまでのMVの明るく活発な印象を引き継ぐような、ピンクを中心に、黄色、オレンジ、紺色のシンメトリーを描くストライプ模様と、パニエでスカートが大きく膨らんだドレスで登場した小倉唯さん。『FUN FUN MERRY JAM』『Charming Do!』『パンドラ▽ショコラ』(※▽はハートマーク)と、まずはMCなしで立て続けに3曲。すでに昼公演を終えているとは思えない、安定感のある歌声とキレのあるダンスで観客を沸かせます。

MCで「今日はHAPPY JAMということで、みんなでハッピーな時間をつくっていきましょう!」と呼びかけると、衣装早替えで4曲目の『いつだってCall Me!』を。サビの「いつだってCall Me!」の部分で観客へウインクを贈るフリもあり、その瞬間には一層声援が沸いていたように感じました。

MCをはさんで『in Wonderful Wonder』『A Lovely Tea Break』と続けて2曲。『A Lovely Tea Break』の「廻る 廻る 廻る グリーンティの渦」と歌うパートでは、片手を上げ、腕を回しながら自身も回るという、シンプルながらかわいらしい、思わずカラオケなどで真似したくなるフリを見せました。

 

「ゆいゆい散歩」でぶらりとお散歩?

ここで一旦、小倉唯さんはステージから下がり、会場は休憩タイムに。その間は、「ゆいゆい散歩」と題された映像コンテンツを上映。小倉唯さんがライブタイトルの「HAPPY JAM」にちなみ、東京・板橋区にある「ハッピーロード大山商店街」をぶらり散歩。「最近はお花が好きで、身につけるアクセサリーもお花が多い」とのことで花屋さんをのぞいたり、200種類以上から選べるクレープ屋で生クリームカスタードいちごクレープを買って「すごいおいしい!」と嬉しそうに食べたり。

大学芋をつくり続けて70年という甘味処では、名物の大学芋とラムネを楽しんだりする姿も。

 

この振り幅が魅力!クールモード全開のダンスパートも

映像が明けると、これまでのキュートな雰囲気からは打って変わり、黒を基調にしたシックなノースリーブドレス+ショートパンツというクールモードの衣装で小倉唯さんが再登場。7曲目『Get over』、8曲目『Raise』と、1stアルバムと同様の並び順で披露。特に『Raise』で赤いライトを全身に浴びながら歌う姿は、MVでの赤いドレス姿も思わせつつ、力強く歌い上げました。

続く9曲目は、8月発売のニューシングルより、カップリング曲の『ガーリッシュエイジ』を初お披露目。小倉唯さんは後のMCでも「小さなころからクラッシックバレエ、ジャズダンス、タップダンス、日本舞踊と習ってきて、振り付けの先生からも『普通とちがう動きらしくて、唯は人間じゃないみたい』と言われたこともある」と言う通り、ダンスも大きな武器のひとつ。ダンサブルなナンバーとなった『ガーリッシュエイジ』の曲中、その後のバックダンサー紹介を兼ねたダンスパートでも、バックダンサーたちとキレのある息のあったパフォーマンスを見せました。キュートからクールまで見せられる振り幅と、完成度の高いステージパフォーマンスは、小倉唯さんの大きな魅力といえるでしょう。

 

新曲に加え、あのキャラクターソングも披露で、会場は大歓喜

ガラリと衣装替えし、薄い水色のワンピースにシースルーのスカートを合わせ、10曲目は『シュガーハートエイク』。続く11曲目は、「声優としての活動をはじめたの時に出会ってよかったと思えるキャラクターで大事な曲」という、TVアニメ『神様のメモ帳』キャラクターソングより『きみがここに来る二、三の理由』を。CDシングル当時よりも歌声に芯の強さや表現力があったように思え、歌手・小倉唯としての成長を感じさせました。

ここで、二度目の休憩タイム。今度の映像コンテンツは『ハッピークッキング』と題し、さきほどの「ゆいゆい散歩」の途中で買った食材で料理をするコーナーへ。助手を務めた“カワウソくん”のぬいぐるみは、小倉唯さんが「カワウソが好きなんですけど、見た瞬間にかわいいと思って!」とお気に入りだったよう。カワウソくんの声は、小倉唯さんと仲が良いことでも知られる日高里菜さんが担当し、この演出に会場も思わず大きな拍手が。『ハッピークッキング』ではハンバーグをつくった小倉唯さん曰く、「ハンバーグのタネは一度ハート型にして潰すのがポイント。このひと手間で味が変わるんだよー」とのこと。ファンなら試してみる価値あり?

上映が終わり明転すると、1stアルバム『Strawberry JAM』のパッケージ写真を思わせる、大きなピンクのリボンと、ピンクと白のバラがあしらわれたセパレートドレス姿で現れた小倉唯さんが登場し、『Tinkling Smile』を歌いました。

MCでは、ファンからの呼びかけに「(ハッピークッキングでつくった)ハンバーグはあげられないけど、他になにか…え、ハート!?」と応え、ウインク付きで胸の前でハートマークの指サインを贈るというサービス。これには会場も大盛り上がりながら、小倉唯さんは「恥ずかしい!2回はしないよ!」と照れていた様子。

会場がしっかり温まったところで、13曲目には新曲『Honey▼Come!!』(※▼はハートマーク)を披露。「(サビの部分で)ハニカムっていっぱい出てくるので、みんなも一緒に言ってください!」とのリクエストに、ファンはコールとイエローのサイリウムで合わせ、新曲とは思えない一体感に。ライブ冒頭でフルMVを見ていることもあり、映像で観ていた小倉唯さんがまるでリアルに飛び出してきたようで、なんとも贅沢な感覚を味わえました。

続く14曲目はTVアニメ『ロウきゅーぶ!』のキャラクターCDより『ともだちピンク』。CDでは“キャラクターボイス感”の強かった本曲も、この日はまさに「小倉唯バージョン」で歌い上げ、まるで新録のような新鮮さがありました。

 

たくさんの「ありがとう」とともに、小倉唯の新たな一歩がはじまった

その勢いのまま、15曲目の『Happy Strawberry』では銀テープも噴射され、会場のボルテージもなおアップ!

ちなみに筆者が確認できたところでは、噴射された銀テープに書かれたメッセージは、昼公演と夜公演では異なるもののようでした。小さなところではありますが、ニクい演出ですね。

いよいよ本編最後の曲となった16曲目『Sing-a-ling-a-Harmony』の前には、「ここまできてちょっとさみしい気持ちと、みんなときた熱い気持ちがあわさって、とっても幸せ。いつも支えてくれるみんなやスタッフ、家族、友達に恩返しする気持ちで歌わせていただきます」と告げ、そのメッセージ通り、瞳をとじて想いを届けようと歌い上げる姿が印象的でした。

アンコールの声援に応え、ライブ物販Tシャツにピンクとイエローの大きなパニエのスカートでステージに舞い降りた小倉唯さんは、ヘアスタイルも物販グッズのシュシュでまとめたツインテール+三つ編みにイメチェン。

アンコール1曲目に選んだのは『thx!!』。「メルスィボクボク シェイシェイ グラツィエ ありがとう」と歌詞にある通り、たくさんの「ありがとう」がこもった曲を会場へ届けました。

ついにラストとなる曲前のMCでは、思わず涙ぐむシーンも。声をつまらせるたびに会場からは大きな声援が贈られ、小倉唯さんもそれを後押しにするかのように、メッセージを紡ぎます。

「1stライブが決まって嬉しい気持ちと、こんな大きな会場とたくさんの人の前で大丈夫かなという気持ちがあったけれど、このライブは絶対成功させたいってプレッシャーがありました。私は考えすぎといわれるくらい真面目なところがあって、自分だけが頑張っているような、ひとりだけの世界で戦っているような苦しい気持ちになったりもしました」と、悩みを抱えながらの開催であったことを告白。そんなときに支えになったのは、サポートしてくれるスタッフや家族や友達だけでなく、ファンからのブログへのコメントやファンレター。「私の頑張りがみんなの頑張りにつながっているんだ」と思ったところから、悩みを吹っ切ることができたそう。

「小倉唯としての物語はまだ始まったばかりだと思います!だって1stライブだもん!私、小倉唯の歴史のページをみなさんと歩んでいきたいです!」

あらためて今後の決意を述べ、ライブ最後の曲には『Baby Sweet Berry Love』を。時折、涙をこらえる様子を見せながらも、笑顔も花開かせながら歌い、「小倉唯さんもファンもこの曲で出し切る!」といった一体感をもったまま、ライブは終演。

拍手に包まれる中、小倉唯さんは何度も「ありがとう!」と言いながら、ステージの端から端まで手を振って歩きました。最後にはステージ最上段から肉声で「今日は本当にありがとうございました!」と伝え、1stライブは幕を閉じました。

初のソロライブとなったものの、これまでにもユニットなどで大舞台を踏んでいることもあってか、安定感は抜群。また、ステージ横のモニター映像の抜き方もとても良いと感じられ、ダンスパフォーマンスはぜひアップでも引き画でも観たい完成度、そして投げキスやウィンクといったキュートさMAXな振り付けもたくさんありましたし、今からライブBlu-rayの発売が待ち遠しい!

いずれくるであろう2ndアルバムや2ndライブなど、小倉唯さんは今後も楽しみになるトピックを届けてくれそうです。

[文=松本塩梅]

 

小倉唯 1st LIVE「HAPPY JAM」

 
【セットリスト】
M1.FUN FUN MERRY JAM
M2.Charming Do!
M3.パンドラ♡ショコラ
M4.いつだってCall Me!
M5.in Wonderful Wonder
M6.A Lovely Tea Break
M7.Get over
M8.Raise
M9.ガーリッシュエイジ(新曲)
M10.シュガーハートエイク
M11.きみがここに来る二、三の理由
M12.Tinkling Smile
M13.Honey♥Come!!(新曲)
M14.ともだちピンク
M15.Happy Strawberry
M16.Sing-a-ling-a-Harmony

EN1.thx!!
EN2.Baby Sweet Berry Love

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