TVアニメ『守護月天！』Blu-ray BOX 発売記念！シャオリン役 國府田マリ子さん、太助役 阪口大助さん独占インタビュー

　1996年に「少年ガンガン」で連載が始まり、たちまち人気を博して1998年10月よりTVアニメ化、テレビ朝日系にて全22話が放送された『守護月天！』。主の太助を守りぬく精霊・守護月天シャオリンと星神たちの活躍を描いた青春ラブコメディで、原作コミックが連載中であったため、TVアニメの最終回がどうなるかも当時注目を集めました。

　放送終了直後にVHSおよびLDでソフト化されたものの、DVD版が未発売だったこともあり、長らく視聴が難しい作品となっていましたが、ついにファン待望のBlu-ray化！　さらにBlu-ray BOX発売を記念して、シャオリン役・國府田マリ子さんと七梨太助役・阪口大助さんによる『守護月天！』初のオーディオコメンタリー収録も行われました。

　かつてのラジオ番組「シャオと太助の今夜も守護月天！」をタイトルに冠し、第22話のオーディオコメンタリーでありながらラジオ番組風でもあるという内容は、当時のファンには琴線に触れまくる豪華音声特典となっています！　また放送当時を知らない方も、Blu-ray BOX発売を機にご堪能あれ。國府田さんが魂を込めて演じた月の精霊・シャオリンの愛らしさにハマること間違いないです！

　今回はオーディオコメンタリー収録中の國府田さんと阪口さんに、Blu-ray化の喜びや作品への想いを語っていただきました。収録当時のエピソードも次々に飛び出して、まさにプレミアムな内容になっています！

●國府田マリ子（こうだ まりこ）
9月5日生まれ。埼玉県出身。血液型B型。主な出演作『GS美神』おキヌ役、『ママレード・ボーイ』小石川光希役、『Kanon』水瀬名雪役、『けものフレンズ』ヘラジカ役、『政宗くんのリベンジ』モモ役、ラジオ『ツインビーPARADISEシリーズ』パーソナリティーほか。青二プロダクション所属。

●阪口大助（さかぐち だいすけ）
10月11日生まれ。新潟県出身。血液型A型。主な出演作『機動戦士Vガンダム』ウッソ・エヴィン役、『ガンバリスト！駿』藤巻駿役、『成恵の世界』飯塚和人役、『銀魂』志村新八役、『もやしもん』沢木惣右衛門直保役、『血界戦線』レオナルド・ウォッチ役ほか。青二プロダクション所属。

國府田さんとシャオリンの出逢いは運命！
――まずは今回のBlu-ray化に対するお気持ちをお聞かせください。

國府田マリ子さん（以下、國府田）：もちろん嬉しいです。今、桜野みねね先生が新たに連載されている『まもって守護月天！ 解封の章』を楽しみにしていたので、私にとっての『守護月天！』との出逢いの作品――“私の中のシャオリンの原点”が発売されるんだと思うと、ありがたいですし、本当に嬉しいですね。

阪口大助さん（以下、阪口）：僕は当時、まだデビューして5、6年目くらいだったので、懐かしいと同時にちょっと恥ずかしい気もしています。

――久しぶりに観返してみて、いかがでしたか？

國府田：やっぱり温かみのあるタッチがいいですよね。物語の最初のほうは、みんなフレッシュだったね（笑）。

阪口：なんてこと言うんですか！　22本ずっとフレッシュですよ（笑）。

國府田：後ろのほうになると、役がもう自分のものになっているから、年月ってすごいなと思ったの。

阪口：キャラの立ち位置も微妙に変わっていたりしますしね。

――やはり、ヒロインのシャオリンの愛らしさが際立っていた作品だと思うのですが。

國府田：嬉しい～！

――シャオリンはどんなキャラクターでしたか？

國府田：私にとっては、本当に大切にしているキャラクターなんです。

　私は子供の頃から夜の空を見るのが大好きで、よく姉とも一緒に星を見たのですが、「星は見るもの。月は話すもの、祈るもの」なんですよ。お月様は私にとって、すごく特別だったんです。

　ひとりで東京に出てきて、養成所に飛び込んで、何も知らない、何もできない世界でひとりぼっちで悩むことも多くて。年末に年越しのお仕事があって、実家にも帰れない。そんなときにひとりで夜の空を見ながら帰り道を歩いていると「あ、でもお月様がいるな」と思うんです。半月のときなどは、お月様が半分、私も半分、合わせてひとつになるような……。

　だから月の精霊のシャオは、他人の気がしないんです。やらせていただけたことに運命を感じる、私がものすごく愛しているキャラクターですね。

――太助に対する心情の変化なども細かく描かれましたが、その辺りはどのように演じられたのでしょうか。

國府田：今までずっと戦乱の中でご主人様をまもってきたシャオにとっては、すべてが体験したことのない世界なんですよ。見た目の年齢が同じくらいの太助様がご主人様で、太助様の周りに戦争がない、敵がいない。初めて過ごす平和な日常の中で、彼女はかなりめちゃくちゃなことをしてしまうんですけど、それを太助様にたしなめられるんですね。「わかるようになるまで何もするな」と。

　今まで自分が先頭に立ってご主人様をまもってきたシャオにとって、その言葉は初めての「まもってもらえた」瞬間だったと思うんですよ。そのときにシャオの中で、今までのご主人様と太助様が“区別”されたと思うんです。そして太助様の優しさに触れているうちに、どんどん好きになっていって……。

　でも、シャオは月天の運命があるので恋愛感情を欠落させられていて、その戸惑いが物語が進んでいくほどにどんどん大きくなって、葛藤するんですよ。シャオの葛藤は私の葛藤なので、マイクの前に立つたびに本当に苦しみながら、涙を流しながらずっと演じていましたね。

　映像を観返すと、そのときの自分にすぐ戻れます。観ていて泣いちゃいました。

阪口：國府田さんが仰った通りで、シャオの失敗は無知がゆえの、本人は一所懸命やった末のことであって、逆に純粋さを感じましたね。

國府田：すごい演出の妙だよね。大ちゃん（太助）が「なんだこれ!?」って大騒ぎしている中で、私（シャオリン）が星神召喚の決めゼリフを言うんですよ。第1話の決めゼリフだから、ビシッと決めなきゃと思ってやっているんですけど、ギャグのように見えてしまうっていうのがすごいよね！

阪口：あれ以上やってしまうとウザくなるんですよ。ただの暴走するヒロインで終わってしまうんですけど、そこの匙加減が絶妙でしたね。男子から見ると天然なほわほわさんに見えるシャオリンというところに、綺麗に着地させているのはすごいなと思いましたね。

――シャオリンの一番愛らしかった部分とは？　阪口さんの趣味で構いません。

阪口：趣味!?（笑）　なんだろうなぁ。たぶん國府田さんが苦しんでいた部分だと思うんですよ。戸惑っているシャオリンが、男子目線から見るとかわいいんです。自分の知らない価値観を突きつけられたときの戸惑った様子が、僕的には最高でした！


阪口さんの人生初告白の相手がシャオリン!?
――想い出のエピソードはありますか？

國府田：最終回の1話前に、南極寿星（なんきょくじゅせい。シャオのお目付け役）に言われてシャオが支天輪の中に引き戻されるシーンがあるんですよ。そこで彼女の心の声を太助様が聞くんです。「嫌、帰りたくない、ここにいたいの！」って。そのシャオは穏やかな表情をしているんだけど、演じるときにその表情に合わせるのか、彼女の本心の激情に合わせるのかをすごく悩んで……。

　私はものすごく声を出して、感情を解放させるほうの芝居をしたんですよ。ダメ出しされるかなと思ったら、演出の方がそのまま使ってくださって。しかも私が表現したいことがぼやけないように、ソフトに加工したりせず、生の声で使ってくださったので、本当に感謝の気持ちでいっぱいでした。

　それが太助様に届くんですけど、私もシャオに幸せになってほしいし、太助様と一緒にいてほしいので、演じている側なのに感情移入し過ぎて、観ている側の視点にもなってしまうんです。あのシーンは忘れられないですね。

阪口：僕は想い出のエピソードというより、どう着地させるんだろうなと思っていたんですよ。だから最終回も「ああ、こうまとめましたか」という感じで。太助もちゃんと自分の気持ちを伝えられましたし。なにしろ告白なんてしたことなかったですからね（笑）。

國府田：それは太助様として？　阪口大助として？

阪口：僕が太助までに演じてきたキャラもそうですし、自分自身も……。

國府田：初体験の告白だったのね。ちょっと嬉しいな。なのに伝わってなくてゴメンね（笑）。

阪口：そういう言い方しますか（笑）。まぁでもいろんな意味で最終回は印象的でした。

國府田：大ちゃん、よくおうち壊されてたよね。

阪口：あははっ！　そこはコメディの部分ですから。

國府田：いつも「かわいそうに……」と思いながら見てたの（笑）。

――壊している張本人じゃないですか（笑）。

阪口：ほんとですよ！　シャオじゃなかったらブン殴ってるところです（笑）。

國府田：最初のほうはシャオだけど、後ろのほうは由美さん（ルーアン役・高田由美さん）だよ？

阪口：確かに、いろんな人に壊されてますけどね。ルーアンもそうですし。前半のコメディと、ラスト2話のシリアスさとのコントラストもすごくて、最初のほうなんかラブコメという感じもしなかったな。

國府田：ドタバタギャグだよね。

阪口：ドタバタから一気にラブコメ路線に行くのと同時に、ドキドキも強まったのを憶えています。

國府田：スタジオの雰囲気も変わるもんね。

阪口：そうですね。基本的には楽しいんですけど。

――スタジオでの想い出の出来事はありますか？

國府田：タバック(収録スタジオ)の3スタで録っていたじゃない？

阪口：そうですね。

國府田：支天輪からぼんぼんいろんなのが出てくるから、すっごい人数が多くなって、椅子に座りきれない（笑）。

阪口：あそこ、スタジオが狭いんですよ。太助も叫びが多かったから、酸欠で目の前が黄色くなるという。途中で1スタに動いたんでしたっけ？　最終回は1スタで録った記憶がある。

國府田：1スタが空いているときは1スタで録ったんだよ。あとは取材が入るときとか。

阪口：生々しい（笑）。でも広いほうのスタジオで録れるときに限ってあんまり叫ばないっていう。静かな芝居が多かったな。

――ちなみにご自身の担当キャラ以外で、好きなキャラクターは？

國府田：離珠（りしゅ。小童女の姿をした星神）！　離珠かわいい！　離珠はある意味、ストーリーテラーじゃない？　全部知ってて。

阪口：そうなんですよ。離珠が真ん中にいて、周りで物事が回っている感じもありますね。みんな離珠は大好きで、これは離珠以外を答えなきゃいけないパターンじゃないですか？（笑）

國府田：ごめんね！　先に言わなきゃと思って言っちゃった（笑）。

阪口：でも、たかし（野村たかし。太助の親友）とか好きですよ。いつも全力で、あれだけストレートに気持ちを出せる人ってかっこいいなと思いますよ。

國府田：たかし君、面白かったよね。

阪口：太助と乎一郎（こいちろう。太助の親友）はどちらかというと下がるタイプだったから、中学生くらいの年齢であれだけ積極的にガンガン行けるたかしはかっこいいですよ。

――OP主題歌の「さぁ」もいまだに人気が高くて、数年前にも話題になったことがありましたね。

阪口：そうなんですよ！　コロチキの、コロコロチキチキペッパーズのおかげでいきなりホットワードに上がって、世間で流れ始めて。（2015年の「キングオブコント」決勝戦にて、コロコロチキチキペッパーズが卓球部の先輩後輩ネタで「さぁ」を使用。売り上げが急上昇することに）

國府田：びっくりしたよね。

阪口：カラオケで「さぁ」を歌うと、画面に『守護月天！』が出るものもあるらしくて。

國府田：ほんとに!?

阪口：コロチキで「さぁ」を知って、カラオケで歌った人が、「なんだこれ!?」ってなるパターンがあったみたいですよ。

國府田：そうなんだ。その人たちがBlu-rayで観てくれるといいね。

――放送当時、まだ生まれていなかったような若い読者層に、どんな魅力があった作品だったかを改めて教えてください。

國府田：ピュアでしたね。誰かを想う気持ちがものすごくピュアでした。それがパワーになっているという、すごい素敵な作品だと思います。

阪口：良くも悪くも悪人がいない、優しい世界ですよね。

國府田：みねね先生の優しい気持ちがいっぱい出ているから、この物語の中にずっといたくなります。『守護月天！』の世界がいつまでも続いていてほしいなと思える作品です。ぜひBlu-rayで観て、幸せな気持ちになってください。


リリース情報
■守護月天！ Blu-ray BOX（初回生産限定）

▲左から上野ケン描き下ろしスリーブ（裏）＆スリーブ（表）、インナージャケット、ブックレット

発売日：2017年5月10日(水)
価格：25,000円＋税
封入特典：ブックレット
映像特典：ノンスーパーOP・ED(DISC．４）
音声特典：第22話　愛は運命を超えて…… オーディオコメンタリー＜Ｂｌｕ‐ray発売記念　シャオと太助の今夜も守護月天！2017＞(阪口大助・國府田マリ子）
販売元：東映株式会社
発売元：東映アニメーション株式会社・東映ビデオ株式会社

【備考】
※本編映像は、SD素材を元にアップコンバートしHD化作業を行ったものです。
※初回生産限定につき、ご予約いただかないと入手困難になる場合がございますので、お早めのご予約をおすすめ致します。

【ストーリー】
ひとり暮らしをする少年・七梨太助のもとに、中国に行っている父からある日、不思議なプレゼントが届く。この「支天輪」には、心のきれいな人が覗くと天の守りを授かる伝説があるというが、試しに太助が覗いてみると、なんと中からかわいい女の子が！　守護月天シャオリンと名乗る少女は、伝説通りに太助の守護を誓うものの、世間知らずなために太助に迷惑ばかりかけてしまう。さらにシャオに続いて美少女精霊たちが次々と家に押しかけ、太助はそれまでの孤独な日々から一転、ハチャメチャな毎日を送るようになる。そんな中、ひたむきで純粋なシャオに、太助は次第に心惹かれていく……。

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