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三石さん&幾原監督登壇『美少女戦士セーラームーンR』応援上映レポ

三石琴乃さん、幾原邦彦監督が20年ぶりに語りつくす!「劇場版『美少女戦士セーラームーンR』応援上映&スペシャルゲストトークイベント!」をレポート

 社会現象を巻き起こし、今なお世界中で愛され続けている90年代テレビアニメの金字塔『美少女戦士セーラームーン』が今年でTVアニメ化25周年を迎えます。

 そのTVアニメ化25周年を記念し、「25th AnniversaryうさぎBIRTHDAY!! 劇場版『美少女戦士セーラームーンR』応援上映&スペシャルゲストトークイベント!」が行われ、同シリーズ初の応援上映を6/30(金)~7/2(日)の3日間実施しました。本稿では2日目にあたる7月1日(土)に丸の内TOEIで行われたイベントをレポートします。三石さんと幾原監督の今だから話せるマル秘トークは必見です。

三石さんと幾原監督の20年ぶりの再会。そして花咲く思い出話
 まずはMCの喜屋武ちあきさんが登壇し、お客さんの期待を煽り、体が暖まってきたところで、ついに会場からの盛大な拍手に出迎えられて三石琴乃さん(セーラームーン/月野うさぎ役)、幾原邦彦監督(劇場版『美少女戦士セーラームーン R』監督)が登壇。

 三石さんが登壇する際に、うさぎのおなじみのあの一言が飛び出し、会場からは黄色い声援が沸き起こりました。三石さんと幾原監督がこうして直に会うのは久しぶりという事で、三石さんいわく『少女革命ウテナ』以来、約20年ぶりの再会になるそうで、当時の思い出話に花を咲かせます。

「最近の声優さんはメディアに顔を出すことが多くなったけれども、その当時(90年代)はアニメ雑誌はあるものの、今ほどメディアへの露出は多く無かった」と幾原監督。しかし、そんな中でも三石さんは物凄く綺麗だったそうです。初めて会った時も「綺麗な人だな」と思ったという思い出話を披露。

 対する三石さんもアフレコスタッフは普通な感じの人が多いのだけれども、幾原監督はその当時からファッションが小洒落ていたとお互いに褒めあいます。ところが、セーラームーンのお話が進むにつれて忙しくなってくると、どんどん幾原監督の体が痩せていき、横から見ると体が薄ーく感じたという思い出を披露。これには会場も大笑い。それもそのはず、幾原監督の人生の中でセーラームーンの監督をやっていた時(92年、93年)が一番忙しかったそうです。週のうち寝れる日が半分だけという日もざらだったといいます。

"花"に込められた幾原監督が伝えたかったものとは?
 続いて今回上映される劇場版『美少女戦士セーラームーンR』は"花"がテーマということで、そこに含まれた監督の思いに話は移ります。元々テレビ版のセーラームーンにも"花"がよく登場するので、その意味についてずっと考えていたという幾原監督。

 今回の劇場版『美少女戦士セーラームーンR』のテーマを"花"とした時、"花"は"愛"なのだそうです。かつてフィオレは衛から"愛"を貰ったんだ。というところから物語がスタートし、フィオレは"愛"が何であるかが分からない人で、かつて衛から"愛"を貰って衛は自分の事を愛していると思っているんだけれど、実はそうではなく、衛は別の人(月野うさぎ)を愛しているということを知って動揺する。

「フィオレは"愛"っていうものは自分が相手に対して注いだ熱量がそのまま返ってくるものだと思っているんです。でもそれって"愛"じゃなくて"恋"なんですね」と幾原監督。物語を通してフィオレは"愛"というものが何かを知るというストーリー。それこそまさに月野うさぎが"愛"とは何かを体現する、うさぎがそれぞれのセーラー戦士に対してどういう求められ方をしているのかを描くことで、うさぎとセーラー戦士の結びつきも表現したのだといいます。

子供に見せるアニメだからこそ妥協しない。作り手の熱を子供にぶつけたい!
 その幾原監督の真面目な話を聞いて三石さんは「これ、ターゲットはちびっ子向けでしたよね?」と一言、これには会場も大笑い。それに対し、幾原監督から「そうですよ、ちびっ子に向けて作っているんです」という衝撃の一言が飛び出します。監督本人の経験から、子供は見ていて「これ子供向けに作っているな」と分かってしまうのだといいます。だったら逆に、いつものセーラームーンかな。と思って見に来ている小学生の女の子が見て「ええ~~っ!」と驚くような体験をさせてあげたいという思いからこのようなテーマにしたということでした。

 ちなみに、その当時セーラームーンと同時上映されていたのが『ツヨシしっかりしなさい』だったこともあり、そのギャップでも当時の小学生は衝撃を受けていたとのこと。

 子供の時に見たアニメ映画というものは作り手の本気さや情熱というものが伝わってきていたと幾原監督。なので、そういった「作り手の熱のようなものを子供にぶつけたい!」という気持ちで作っていたそうです。

テレビでやれないことをやりたい! あえて無言の20秒
 お次は劇場版『美少女戦士セーラームーンR』のオススメシーンに話は移ります。三石さんは、うさぎが、ちびうさに20秒ほど息を止められ無言になり、鼻に詰め物をされ、その詰め物をオヤジみたいに「プッ、プッ」とちびうさに向けて飛ばすというシーンを挙げていました。

 これに対して幾原監督は「テレビでやれないことをやろうと思った」と話し、テレビだと20秒無音は立派な放送事故らしく、映画じゃないと絶対にやれない! ということで、あえてやったのだといいます。また、物語のクライマックスに挿入歌の「Moon Revenge」が流れる際に上手く観客の気持ちを「うさぎちゃんや他のセーラー戦士を応援する!」という方向に持っていければこの映画は成功する。そんな思いで作り、結果は大成功。それほど挿入歌を大事に、かつ効果的に演出できた事も思い出に残っているそうです。

 最後に、幾原監督による三石さんへのサプライズが。最後に力を使い果たし、倒れてしまったセーラームーンにタキシード仮面がキスをするという。重要なシーンの原画がプレゼントされました。「このままだと僕が死んだ時にこれ焼かれちゃうので、あなたに持っていて貰うのが一番いいかなと思って」と照れくさそうに言う幾原監督の言葉を受けて三石さんも「あら~」と感無量のご様子。

「散々「まもちゃんチュー」ってアピールしていたのにしてくれなくて、最後の最後でしてくれた素敵なチューなので……。ありがとうございます」と三石さん。そして劇場版『美少女戦士セーラームーンR』の応援上映が行われて本イベントは終了しました。

>>「美少女戦士セーラームーン」25周年プロジェクト公式サイト
>>「美少女戦士セーラームーン」25周年公式Twitter@sailormoon_25th

(C)Naoko Takeuchi
(C)武内直子・PNP・東映アニメーション
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