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板垣伸監督&『RGR』が『WUG新章』第4話について語る

『Wake Up, Girls!新章』人の行動を変えるほどのインパクトがある出会い方とは?板垣伸監督&『Run Girls, Run!』が第4話について語る【WUG新章・バックステージ#4】

2014年1月からスタートした同アニメシリーズ。劇場アニメ『Wake Up, Girls! 七人のアイドル』、TVアニメ『Wake Up, Girls!』、続・劇場版前編『Wake Up, Girls! 青春の影』、続・劇場版後編『Wake Up, Girls! Beyond the Bottom』など約3年以上の歴史を刻んできた『Wake Up, Girls!』の最新作に大きな期待が集まっている。

アニメイトタイムズで実施している連載『WUG新章・バックステージ』第4回に登場するのは、第3回に引き続き、『Wake Up, Girls!新章』の監督を務める板垣伸氏と『WUG新章』に登場する新ユニット『Run Girls, Run!』の3人。速志歩役林鼓子さん、守島音芽役森嶋優花さん、阿津木いつか役厚木那奈美さんだ。

今回は、3人それぞれの演技論についてや板垣監督から明かされるオーディション時の心境、そして島田真夢と岩崎志保が演じるドラマの撮影で発生した速志歩の遭遇シーンについて迫る。

三者三様の取り組み方

―― 3人は『RGR』で声優デビューというわけですが、これまでに演技をした経験はありましたか?

林:私はミュージカルの経験がありました。

―― そうなんですね!舞台と声優の仕事でギャップは大きかったですか?

林:はい。舞台で役を演じる時って表情や動きで魅せることができるんです。でも、アニメって声だけで全てを伝えなくてはいけません。そこにギャップは感じました。驚いた時の演技1つとっても難しいなって思っています。

―― 舞台の経験があると、身振り手振りが自然と出てしまったりとか?

林:マイクにノイズが入るのが怖くて我慢しています。でも、林田藍里ちゃん(CV・永野愛理さん)が走っているシーンで永野さんが足を実際に動かして演技をされていたのは印象に残っています。

ちゃんとノイズが入らないように工夫されていて。そういった体の使い方も大切だなって勉強になっています。

―― 森嶋さん、厚木さんはいかがですか?

森嶋:私は声優になりたいと思ってオーディションは受けていたんですが、専門学校や養成所には通っていなかったので、仕事での演技は未経験でした。

厚木:私も未経験です。

―― 初めての役かつ自分と同じ苗字。そんな自分を投影しているところもあるキャラを演じている気持ちについてお聞かせください。

林:私が速志歩ちゃんを演じている時は母性が出ている感じがします。自分の子どもみたいな感覚で演じているというか。歩ちゃんとは一体になっているという感じがあまりしないのですが、すごく近いところも感じていて。私のダメな部分が詰まっている感じなんです(笑)。

すぐに転んだり、物を落としたり。すごくおっちょこちょいなんですよね。歩ちゃんって。私も好きなことに夢中になり過ぎちゃうところは一緒なんですけど(汗)。歳も近いので、友だちってイメージで芝居をしている感じですね。


森嶋:私は守島音芽ちゃんと一心同体くらいのイメージです。すごく通じるところを感じています。音芽ちゃんのテンションだったり、急に大声で叫んじゃったり。そういった突拍子もないところや何かをする時の言い出しっぺなところも似てますね。オーディションの段階からそういった自分に近い点については共感していました。

厚木:いつかちゃんは私の中にある一部でもあり、自分の子どもみたいなところもあるなって思います。いつかちゃんが持っているこだわりや、前のめりな気持ちってすごく共感できるんです。あとは、感情が表に出にくいというところも似ていますね。いつかちゃんってすごく不器用で、いつも「あ~。いつかちゃん(シミジミ)」って思っちゃうんです。

―― なるほど。『WUG』7人のキャラクターは、徐々に中の人のネタが入ってきて作品、ユニットを知れば知るほど楽しくなるような仕掛けがありました。『RGR』のキャラもそういった取り組みはありましたか?

厚木:最初に決まっていたキャラクターから、お披露目までの間に変化はありましたね。3人それぞれに近いイメージになったというか。

林:速志歩ちゃんのプロフィールも最初は赤面症って書いてあるだけだったんです。でも、途中から「芯が強い」、「歌が得意」ってキーワードが追加されました。

みんな一緒でみんな必要

―― ありがとうございます。では、板垣監督にもお話をお聞きしたいと思います。約2,000人の中から『RGR』のメンバーは決定しました。監督がオーディション中印象に残っていることをお聞かせください。

板垣:これは本人たちにも言ったのですが、自分には選ぶ資格がないと思っていたんです。最初から。監督という言葉だけが独り歩きしていますが、ダンスや芝居の経験がないわけですから。それなのに「ここの芝居がねぇ」って言うのは、僕は少し違うかなと。もちろん自分の希望は伝えましたが、3人については自分だけが決めたというわけでは当然ないです。ただ、オーディションの最終選考で3人とも目に止まっていたのは事実です。

―― なるほど。では、林さん、森嶋さん、厚木さんの3人に決定した時はどう感じましたか?

板垣:そうですね。芝居だけじゃなくて歌やダンスなど色々なことに挑戦したいという気持ちが伝わってきました。自分としては絵でバックアップしたいなと思いましたね。

少し話が逸れるのですが、個人的にはオーディションの最終選考に残った方はみんな合格にしたいくらいの気持ちだったんです。実際、AKBさんみたいな大所帯にするのは無理なので、現実的な話ではないのですが。

なぜなら、これからを考えるとオーディション参加者全員が業界の仲間とも言えますよね?どんなにオーディションに落選しても、諦めないでチャレンジする。そういった行動自体が業界を活性化させることにつながっていると思うんです。

『RGR』を選ぶために多くの方が落選した。これは事実なのですが、3人を選ぶために必要な人たちだったわけです。必要ないから落選したというわけでは決してありません。そう考えると、みんな一緒でみんな必要なんです。

憧れの存在との対面

―― なるほど。監督の業界に対する思いが伝わってきます。それでは、第4話についてお聞きしてもよろしいでしょうか。4話は島田真夢と岩崎志保がドラマで共演しました。そして、速志歩と守島音芽、阿津木いつかの3人がエキストラで参加するという。

板垣:ここはこだわりました。歩視点で真夢の足音が後ろから近づいてくるシーン。すごく緊張する中で、振り返ったときの感動をしっかりと描こうと思ったんです。同性・異性関係なく、憧れの存在って痺れますよね?そういった人が後ろに来ているんだと。でも、ただリップクリームを拾ってくれて「ありがとうございます」だけじゃ、アイドルになりたいとは思わない。会っただけですごい衝撃を与える人が目の前に来て、「私もそうなりたい!」って思えるシーンにしなければいけなかった。だから、このシーンはかなり長めの尺を用意しました。


―― 人の行動を変えてしまうくらいのインパクトがある出会い方ということですね。

板垣:そうですね。僕の学生時代にあった実体験がこのシーンには現れたかなと思います。ずっと憧れていた『あしたのジョー』などの監督を務めていた出崎統さんに初めてお会いした時に凄まじい感動があったんですよ。その時は、出崎統さんのサイン会が開催されるということで、会場に向かったんです。

実際にサインをもらうとき、出崎さんに「名前は?」って聞かれた時に「板垣です」ってお伝えしたら『to ITAGAKI SAN』ってサインに入れてくれたんですよ。感激のあまり握手までお願いしちゃって。リアルに手を洗いたくないなって思うくらいでした。今でもしっかりと覚えています。こうした自身の経験も4話に影響しているなと思います。

―― ありがとうございます。そういった原体験のもとあのシーンは生まれていたんですね。では、『RGR』の3人はいかがでしたか?

森嶋:4話は歩ちゃんと、音芽ちゃん、いつかちゃんの3人が掛け合うシーンが多いんです。そこで、東京駅に3人に出てきて走ってるシーンがあるんです。ここはまさに『Run Girls, Run!』だなって。

厚木:私は歩ちゃんが「私、アイドルになりたい!……かも」っていうシーンがすごく好きです。ここから『Run Girls, Run!』がはじまるんだって、ドキドキ・ワクワクしました。

林:私も2人と同じシーンがすごく好きです。

―― ありがとうございます。まさにここからはじまるって感じるシーンでしたよね。では、最後に『RGR』の3人から読者へメッセージをお願いします。

林:『Wake Up, Girls!新章』4話で歩ちゃんから「私、アイドルになりたい!……かも」というセリフが飛び出しました。これからアイドルになりたいって気持ちが強くなって、3人が駆け出して行くと思います。

森嶋:今はただ、『WUG』の7人を見て憧れている気持ちが強いだけの3人なんですけど、これから3人でそれぞれのキャラが輝いていけるような演技をしたいと思います。また、『WUG』さんの背中を追っていくということが、リアルに再現できるような演技を目指します。

厚木:お話が進んでいくごとに、いつかちゃんの心が動いているというか、心境が分かりやすくなっていくと思うので、個人的にはこの点を注目して欲しいです。3人としては自分たちの憧れに向かって走り出していく姿をぜひ、見届けて欲しいです。

―― ありがとうございました!

[取材・文/川野優希]

 

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【WUG新章 #01】
ファン待望の第1話について、板垣伸監督と吉岡茉祐さん、田中美海さん、青山吉能さんが語る

【WUG新章 #02】
板垣伸監督「『新章』は新しい魅力を」第2話と今後について吉岡茉祐さん、田中美海さん、青山吉能さんが語る

【WUG新章 #03】
『Run Girls, Run!』初アフレコの感想は?島田真夢の心理描写に注目の第3話に迫る

【WUG新章 #04】
人の行動を変えるほどのインパクトがある出会い方とは?板垣伸監督&『Run Girls, Run!』が第4話について語る

【WUG新章 #05】
『I-1club』の山本希望さん、加藤英美里さん、津田美波さんが語る、キャラへの思いと「アイドルの心構え」

【WUG新章 #06】
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【WUG新章 #12】
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Wake Up, Girls! 新章

【INTRODUCTION】
「Wake Up, Girls!(以下、WUG)」は、2014年に劇場作品「七人のアイドル」とTVアニメシリーズが放送され、
2015年には前・後篇となる「青春の影」・「Beyond the Bottom」が劇場にて公開。
2017年、再びTVアニメにて「新章」が公開となるオリジナルアイドルアニメーション。

「新章」では、主人公のキャラクターを演じる7人の声優
(吉岡茉祐、永野愛理、田中美海、青山吉能、山下七海、奥野香耶、高木美佑)に加え、
新たに3人の声優(林鼓子・森嶋優花・厚木那奈美)が
「Wake Up, Girls!AUDITION-第3回アニソン・ヴォーカルオーディション-」より選ばれ、
アイドルに憧れる新キャラクターを演じる。

現実とアニメの境界を越えて、今再び、彼女達の新しい物語が始まる―。

【STORY】
「Wake Up, Girls!」は、宮城県・仙台市で暮らす7人の少女たちが
アイドルグループ「Wake Up, Girls!(以下、WUG)」を結成し、互いに切磋琢磨しながら、トップアイドルを目指していく姿が描かれた成長と絆の物語。

仙台の弱小芸能プロダクション「グリーンリーヴス・エンタテインメント」に所属するWUGは、数多の挫折を経験しながらも、国民的アイドルグループ「I-1club」を「アイドルの祭典」で破り、優勝した。一躍トップアイドルに……と思ったのもつかの間、
「アイドル経済不況」が叫ばれてきたこのご時世、現実は甘くない。7人は地道なアイドル活動に追われる日々が続いていた。

一方、仙台市の中学に通う速志歩・守島音芽・阿津木いつかの3人は、次第にアイドルに憧れを持つようになり……。

【放送情報】
テレビ東京:2017年10月9日(月)深夜2時05分 放送開始
仙台放送:2017年10月10日(火)深夜2時 放送開始
AT-X:2017年10月11日(水)深夜11時30分 放送開始
リピート放送:毎週金曜午後3:30/毎週日曜深夜2:00/毎週火曜朝7:30
※放送日時は変更になる場合があります。

【配信情報】 
10月13日(金)深夜0時より随時スタート
あにてれ・dアニメストア・アニメ放題/U-NEXT・JCOM+KDDI ほか

【STAFF】
原作・脚本:Green Leaves
監督:板垣伸
キャラクター原案:近岡直
キャラクターデザイン:菅原美幸
色彩設計:山上愛子 長岡純子
美術監督:海野よしみ
撮影監督:春原幸子 川田敏寛
編集:長谷川舞
音響監督:菊田浩巳
音楽:神前暁 MONACA
音楽制作:DIVE II entertainment
アニメーション制作:ミルパンセ

オープニングテーマ:Wake Up, Girls!「7Sense」
エンディングテーマ:Wake Up, Girls!「雫の冠」

【声優】
島田真夢:吉岡茉祐
林田藍里:永野愛理
片山実波:田中美海
七瀬佳乃:青山吉能
久海菜々美:山下七海 
菊間夏夜:奥野香耶
岡本未夕:高木美佑

>>Wake Up, Girls!3公式HP
>>Wake Up, Girls!公式HP
>>Run Girls, Run!公式HP
>>公式Twitter(@wakeupgirls_PR)

(C) Green Leaves / Wake Up, Girls!3製作委員会
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