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『魔法少女サイト』原作者・佐藤健太郎先生、アニメ化に「神の力」を感じる

『魔法少女サイト』原作者・佐藤健太郎先生、アニメ化に「神の力」を感じる――インタビュー前編

『週刊少年チャンピオン』(毎週木曜日発売/秋田書店刊)にて連載中の人気作『魔法少女サイト』がアニメ化決定! 2018年4月に放送スタートすることを祝して、原作の佐藤健太郎先生へ独占インタビュー!! 前後編に分けてお届けしますが、前編の今回はアニメ化決定の感想に加え、マンガ家になった経緯、累計260万部を超える代表作『魔法少女・オブ・ジ・エンド』について語っていただきました。

 

夢だったアニメ化決定の報告は誕生日に
――『魔法少女サイト』(以下『サイト』)のアニメ化おめでとうございます! アニメ化が決まった時の感想は?

佐藤健太郎さん(以下、佐藤):自分の作品がアニメになることは夢だったので、編集さんからお話をいただいた時は飛び跳ねて喜びました。報告をいただいた日は僕の誕生日で、京都に旅行に行っていて、お寺で「『サイト』がアニメ化しますように」と願い事をした数時間後にお話をいただいたんです。とんとん拍子で進んでいって神の力を感じました。おさい銭をはずんだ結果かも(笑)。

――アニメ化発表後の読者の方からの反響は?

佐藤:Twitterに「おめでとうございます」や「待ってました!」という声をたくさんいただいて。読者の皆さんも待ってくれていたんだなと思ったし、僕だけでなく、読者の皆さんの夢も叶えられて本当によかったなと。

――どのような流れでアニメ化が決まったのでしょうか?

『週刊少年チャンピオン』中澤壮理 副編集長(以下、中澤):まずは一番最初に声をかけてくださったavexさんの熱意ですね。そしてアニメ化に向けて根気強く動いてくださったことが実現につながったと思います。

▲【コミック】魔法少女サイト(1)


働くのが嫌でマンガ家に!?
――ちなみに先生はアニメをご覧になられますか? 印象的な作品もあれば挙げていただけますか?

佐藤:熱心にチェックしているところまではいきませんが見ますよ。今までで印象的だったのは『School Days』です。元々、暗いお話が好きだし、最後のシーンも衝撃的で。

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――元々先生がマンガ家を目指すことになったきっかけは何かあるのでしょうか?

佐藤:大学在学中に進路で悩んで、会社員になることも考えなかったわけでもないんですけど、あまり働きたくないなと思って(笑)。そこで自分にできることを考えた時、絵を描くことだなと。20歳だったけど、今から目指してもなれるんじゃないかなと真剣に目指し始めました。賞に応募したり、持ち込みに行ったり。

そして1年くらいで入賞しました。あまりに働きたくないという意志が強かったんでしょうね(笑)。そこから読み切りを描いたりして、連載までは5年くらいかかりました。なってみてわかったのですが、マンガ家の労働時間はかなり長いですね(笑)。でも好きなことができて、とても充実してます。

――マンガは独学で学ばれたんですか?

佐藤:かつて庵野秀明さんや島本和彦さんなどが在学していた大阪芸術大学に入学しました。ただ大学時代は4年間遊び倒していました(笑)。

▲【コミック】魔法少女・オブ・ジ・エンド(1)


代表作『魔法少女・オブ・ジ・エンド』着想のきっかけと誕生秘話
――その『オブ・ジ・エンド』は260万部を超える大ヒットとなりましたが、誕生したきっかけは?

佐藤:初めはキョンシーが海を渡って日本を襲いに来る話だったんですけど、それはさすがにNGで(笑)。その後、基本的には人類の味方として描かれることが多い魔法少女が人類を滅ぼしにくるお話ならおもしろいかも、と思い浮かんだのがきっかけです。

中澤:社長がコミックス1巻のカバーを見た瞬間に「これ売れるから、もっと刷れ!」と号令をかけた……という逸話が印象に残っています(笑)。

佐藤:言ってましたね~。

中澤:私は先生の担当としては2代目なのですが『別冊少年チャンピオン』のラインナップの中で、シリーズものではない完全新規タイトルとして1番最初にヒットした作品が『魔法少女・オブ・ジ・エンド』だったんです。創刊号から掲載させていただいてますし、雑誌にとって、とても特別な作品であると思っています。

――魔法少女と聞いて、ポップで明るい感じを想像してページを開けたらビックリしました(笑)。魔法少女が突如大挙来襲する恐怖やパニックを描きつつ、どんどんスケールの大きな話になっていって……。そういえば、先生も最終巻のあとがきで「もうこんな複雑な話は描きたくない」と(笑)。

佐藤:ちょっと話を広げ過ぎて、収拾をつけるのに時間がかかってしまったので。もうやりたくないと思いました(笑)。

 

『オブ・ジ・エンド』の魅力は読者の期待と予想を超える大風呂敷!?
――編集者の立場から見た『オブ・ジ・エンド』の魅力とは?

中澤:佐藤先生が読者の期待を超えよう、予想を裏切ってやろうと、どんどん風呂敷を広げていくところが魅力だと思います。でも根幹にあるのは、シンプルな少年と少女の初恋の話なんですよね。

それがあそこまで世界を巻き込んだストーリーになっていくギャップとか、あと魔法少女のビジュアルだったり、単行本カバーやトビラのデザインだったり、先生がそこに盛り込んでいくビジュアルアイディアの魅力も楽しみどころの1つかなと思います。

――制作で一番苦労したところは?

佐藤:風呂敷を広げ過ぎたゆえに生まれる矛盾をどう回避するか、編集さんと悩んでいました。展開も目まぐるしくて。

 
編集者を毎回驚かすネームと展開。予想外のキャラが女子に大人気!?
――連載が始まってからの読者からの反応は?

中澤:編集部にイラストを送ってくれたり、雑誌が出るたびに感想を送ってくれる読者の方が他の作品に比べて多い印象がありますね。それは『サイト』が『週刊少年チャンピオン』に連載が移っても変わらなくて。

――両作品とも友達に勧めたり、見た後、語り合いたくなったりしますね。

中澤:毎回、ネームを読んだ瞬間に「えっ!?」と驚いてしまう様な展開が多いので、最初の読者である僕同様の反響・反応も多いですね。

先生が描く作品は男性キャラはクズなのに(笑)、そんなキャラを好きになる女性読者が多いのも特徴で。『チャンピオン』はスポーツマンガやバトルマンガを看板にしているので、男性読者が多いんですけど、女性読者の方からのレスポンスも多いです。

――そのクズキャラ代表の芥があんなに活躍することになるとは?

佐藤:僕も意外でした。あんなに人気キャラになるとは。

 
過激なシーンだけではなく、成長・愛・友情を描いた筋が通った作品
――デビュー作がいきなり16巻というのもすごいですね。終わり方のイメージは最初から?

佐藤:だいたいは決まっていました。貴衣とつくねの初恋が結ばれる話をいかに壮大に描くかだけで。矛盾なくつなげる作業が大変でした。

――ご自身の好きなキャラは?

佐藤:読者が好きなキャラを僕も好きになるところがあるので、芥かな。線数が少なくて描きやすいし、最悪服を描かなくても成立するキャラなので(笑)。

――『オブ・ジ・エンド』を知らない方へ見どころや楽しみ方をご紹介いただけますか?

佐藤:『オブ・ジ・エンド』も『サイト』も過激なシーンが結構ありますが、その中でもキャラの成長や友情、愛が中心にあるので、1本筋が通った作品になっていると思います。ぜひ一度、読んでいただいて、そして好きになってもらえたら作者としてうれしいです。

 
『オブ・ジ・エンド』と2作並行で始まった『サイト』。そのテーマの元は?
――『サイト』は、『オブ・ジ・エンド』連載開始から1年後にスタートしたことに驚きました。2作並行は大変だったのでは?

佐藤:ものすごく大変でした(笑)。ただ『オブ・ジ・エンド』は月刊連載で1回45ページだったので、休みの時間があって、「次の連載はこんなのにしたいな」といろいろなネームを描いていました。そんな中で2013年に『Championタップ!』(以下『タップ!』)というWEBコミックサイトが開設されるから描いてみませんか?と担当さんからオファーいただいて。そしてネームを提出したのが『サイト』でした。

中澤:『オブ・ジ・エンド』がヒットしたので、『タップ!』のブースターにもなってもらえると思って。予想通りヒットしてくれました。

――新作も魔法少女をテーマにした理由は?

佐藤:なぜ魔法少女ものを2本やるのかということにつながるんですけど、『サイト』の管理人は、いろいろな人の夢に同じ男が登場する『This Man』という都市伝説がモチーフなんです。そのモチーフとなった者が不幸な少女達に魔法のステッキを与える話はおもしろいかもというのが着想の原点です。

中澤:『オブ・ジ・エンド』が時空を戻ったり、割と仕掛けが多いマンガだったので、『サイト』のほうも魔法少女を絡めたらギミックとして楽しめるところが生まれてくるんじゃないかとお話しして。

佐藤:それで連載が決定したんですけど、よくよく考えると月産80ページというのは週刊連載と変わらなくて、「これはヤバイぞ」と。『オブ・ジ・エンド』が先に終わった時は正直ホッとしました(笑)。

[後編へつづく]


インタビュー後編は、コミックス最新8巻の発売日2018年1月5日(金)に掲載予定! 『魔法少女サイト』の作中においてひとつのキーアイテムとなるステッキについてや、アニメ制作に佐藤先生がどのように関わっているのかなど、たっぷりとお話を伺っていますのでお楽しみに!

インタビュー後編:原作者が語る作品の込められたテーマ


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キャンペーン期間中に、アニメ公式アカウントをフォロー&対象となる記事の告知ツイートをRTすると原作者・佐藤健太郎先生サイン入りの「魔法少女サイト」原作コミックス最新第8巻を抽選で5名様にプレゼント!

▼該当ツイート



■期間
12月29日(金)~1月14日(日)23:59

■賞品
佐藤健太郎先生 直筆サイン入り原作『魔法少女サイト』8巻

<注意事項>
・期間中にフォロー&リツイートしていただいた方が対象となります。
・記事は前・後編に分かれております。該当ツイートを両方リツイートしていただいた方が対象となりますので、予めご了承ください。
・ダイレクトメッセージを受信拒否設定している場合、当選連絡をすることができないため、抽選対象外となります。
・当選連絡のダイレクトメッセージ記載の配送先入力締切日までに入力がない場合、当選を無効とさせていただきますので、予めご了承ください。
・当選対象者は日本国内にお住まいの方に限らせていただきます。
・当選者の長期不在や、賞品お届け先ご住所や転居先が不明等の理由により、賞品のお届けが
できない場合は、ご当選を無効とさせていただく場合がありますので、予めご了承ください。
・当選後の賞品の変更や返品には応じかねます。
・当選の権利は第三者への譲渡や現金とのお引き換えはできません。

是非、ご参加ください!


原作情報
少年チャンピオン・コミックス
『魔法少女サイト』第8巻
1月5日(金)発売
著:佐藤健太郎
発行:秋田書店
定価:本体429円+税
各電子書店でも同日配信!


アニメ情報
◆放送情報
2018年4月放送開始!

◆STAFF
原作:佐藤健太郎『魔法少女サイト』(秋田書店「週刊少年チャンピオン」連載)
監督:松林唯人
シリーズ構成:伊神貴世
アニメーション制作:production dóA


>>アニメ公式サイト
>>アニメ公式Twitter (@ mgsanime)
(C)佐藤健太郎(秋田書店)
(C)佐藤健太郎(秋田書店)/「魔法少女サイト」製作委員会
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