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『宇宙戦艦ヤマト2202』四章|細谷佳正インタビュー

デスラー大活躍が見どころです!──『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』第四章「天命篇」公開間近! 加藤三郎役・細谷佳正さんインタビュー

2018年1月27日より、『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』第四章「天命篇」が新宿ピカデリーほかにて劇場上映開始となります!

第三章「純愛篇」のラストで姿を見せたデスラーが、いよいよヤマトの前に再び立ちはだかり、激戦を繰り広げる第四章。驚愕すること請け合いの展開が待ち構えています。

今回はヤマトのトップエースにして航空隊長を務める加藤三郎を演じた細谷佳正さんに、作品や加藤についてお話しいただきました。

ヤマトクルーなのに、ヤマト最大のライバルキャラであるデスラー総統が大好きという細谷さん。実際、細谷さんが絶賛するのも当然なほど、今回のデスラーの大活躍ぶりは必見です!

変化していくからこそ、生きている人間として感じられる
──加藤三郎役で出演されるに当たって、まず『宇宙戦艦ヤマト』という作品への印象はどのようなものでしたか?

細谷佳正さん(以下、細谷):アニメ史に名前が残っている大きな作品という印象がありました。リアルタイムで放送を観ていたわけではないんですけど、子供の頃に夏休みアニメとかお正月アニメとか、夕方から再放送をしていた記憶があるので、「あのヤマトか!」という感じではありましたね。

加藤三郎役で出演することについては、自分の父親に「これに出てる」と言って、すぐにわかってもらえるものができたなという感じでした。


──加藤三郎というキャラクターについて、『2199』の頃と、そこから3年経った『2202』での印象を教えてください。

細谷:『2199』のときの加藤は、今思うとすごく青臭くて、よく吠える人だなという印象でしたね。同い年くらいの古代に対して、喰ってかかるところがたくさん描かれていたので、自分の存在を相手に認めさせたいとか、イニシアチブを取りたいのかなとか考えながら、そのシーンを観ていました。

本当に強くて自信があったら、ああいうことはしないと思うので、『2199』の加藤は今と比べると、まだまだ小僧だったなという感じはしますね。でもその「足りないところ」が僕は魅力的だなと思っていました。欠点に親近感を覚えることのほうが、加藤は多かった気がします。その青臭いところから変化していくからこそ、魅力が増していくというか。

そして『2202』では、加藤が結婚をして家族が出来るというエピソードがあって、それによって家族と共にいるのか、ヤマトに乗って旅立つのかという葛藤なども描かれているんですよ。だから『2199』よりもキャラクターに奥行きが出た感じはあります。大きな出来事を経て変わっていくからこそ、前作から生き続けている人間として加藤を感じることができるのだと思います。

──加藤はどんな父親になると思いますか?

細谷:父親としてのエピソードがそれほど描かれてはいないので、どういう父親だとは具体的には申し上げられないんですけど、家族間の距離は近い感じがしますね。

自分のことを「父さん」でも「パパ」でもなく、「父ちゃん」と呼ぶんですよ。厳格な父というよりは、子供にとって傍にいてくれるような、距離の近い父親なんだろうなという感じはしています。


──加藤のシーンやセリフで印象的なものはありますか?

細谷:『2202』で加藤が家族と別れてヤマトに乗り込むときに、真琴とちょっと話して、どんどん加藤の決意が固まっていって、その後に独り言を言うんですよ。宇宙に浮かんでいるヤマトをコクピットから見る場面で、モニターのところに家族写真が貼ってあって、家族に対する想いを誰に聞かせるわけでもなく言うシーンがあるんです。「見えるか、あれが父ちゃんの艦だぞ」って。

『2199』からずっと加藤を見ていると、それがとても珍しいことだったし、あったかい家族なんだろうな、すごく大事な家族なんだろうな、もっと子供といたかっただろうなとか、いろんなことが想像できるセリフだったので、すごく印象に残っています。

デスラーが大活躍するところが見どころ!
──SFアニメの草分けである『ヤマト』には、ここから始まった設定やギミックが数多く登場します。お好きなものは?

細谷:ワープ航行ですね。物語で最初にワープ航行をするシーンが、僕はギミックとして好きなんです。お話が進んで、戦闘中にワープ航行に入るようなシーンでは、尺を長く取ってドラマティックに描くようなことはできないじゃないですか。

でも最初のときは動力室やメカニックサイドも描かれて、いろんな力が結集されてひとつの大きな動作を成し遂げていく、あの感じがすごい好きなんですよ。

対ショック体勢を取るとか、メカニックが作業を終えて慌ただしくどこかに掴まるとか、ああいう細かい描写も好きですね。

──細谷さんは、とある作品を観て「自分もワープをしてみたい」と思ったことが声優を志すきっかけだったと聞き及んでおります。それだけにワープへの思い入れもひとしおではないかと思うのですが、初ワープのときはいかがでしたか?

細谷:最初のワープのときは、艦内がどういうふうになっているかというのを細かく描かれていたんです。そのときに加藤は般若心経を唱えていたんですけど、ダーツが抜けても落ちずに止まって、時間が止まったみたいな描写があったんですよ。視聴者として見ている時と、演者としてそのシーンを作っている時では全く違いました。「あっ…終わった…。」みたいな感じでしたね。


──いずれは「ワープ」というセリフを言ってみたいですか?

細谷:ワープも言いたいですけど、一番言いたいのは「波動砲」です。やっぱり憧れじゃないですか。「波動砲用意!」から始まる一連の指示があって、最後に「てぇっ!」って言ってみたいです。


──波動砲には1000人近く乗り込むヤマトクルーの中で、1人しか言えないという重みがありますからね。

細谷:そうですね。誰でも言えるものではないという。

──収録現場はどのような雰囲気ですか?

細谷:ベテランの方が多いので、スタジオが静かな雰囲気だなとは思います。アニメーションの収録現場で、『ヤマト』ほどベテランの方が一堂に会す現場はないと思います。

たとえば、これから自分のキャラクターの見せ場がある、というような場合、誰しも集中されると思うんですよ。

そうやってみなさんが自分の芝居に集中されているから、「昨日なにしてた」というような話はあまり飛び交わない。騒いでいない、静かな感じというのは『ヤマト』のスタジオの個性かなと思います。

もちろんベテランの方たちは、当たり前のようにものすごいパフォーマンスをしてくるので、いるだけですごいなと思います。

──第四章の見どころを教えてください。

細谷:僕はデスラー総統が大好きなので、デスラーが大活躍するところが見どころです! デスラー砲を撃つところとか、ヤマトの波動砲と似ていて、それも新鮮でした。

デスラーだとこういう感じなんだなって。ワイングラスもすごい独特な形してますよね(笑)。


──ヤマトクルーなのに敵推しじゃないですか(笑)。細谷さんが大好きな山寺宏一さんが演じられているという贔屓目もありますか?

細谷:山寺さんが演じられている姿に憧れはありますし、この『宇宙戦艦ヤマト』で初めて同じ作品に収まるという経験をさせていただいているので、やはり少し特別な気がします。

その山寺さん演じるデスラーが、たくさん見せ場があるというのは、ヤマトファンの方には本当に申し訳ないんですけど、単純にかっこいいなと思うので印象に残っています。

──『2202』からのキャラクターで気になるのは?

細谷:キーマンと桂木透子ですね。初顔合わせではないような雰囲気で話しているシーンがあるので、あの2人の関係は何なんだろうって気になりました。

印象的だったのは、『2199』の加藤だったらキーマンのヤマトへの乗艦を許さないと思うんですよ。それこそ『2199』で古代につっかかったときの比じゃないくらい、激しく拒否したと思うんです。だけど「古代が言うなら」と言って、渋々ながらも許しているというのは、面白い変化だなとは思いますね。

──ほかにも第四章には、旧来のヤマトファンが驚くような新要素がありますね。

細谷:あれを出すことで、より現代の作風に近づけている感じはします。


──今回の『ヤマト』は愛がテーマとされています。様々な愛が描かれる中で、加藤は家族愛を見せるキャラクターなのかなと思うのですが。

細谷:これがテーマだと思ってやってはいないんですよ。今回の『ヤマト』のテーマは愛だから、その愛を象徴するシーンなんだと思って演じるのって、少し違うのかなと個人的には思います。

結果としてそうなっていればいいかなと思うし、監督が決めることであって、僕が決めることではないかなと。

脚本に書かれているシチュエーションとして、加藤に家族が出来て、そこと離れてヤマトに乗り込む。そのときに、真琴が感じること、子供が感じること、加藤が感じることを、お客さんに感じていただければいいことだと思いますね。

[取材・文・写真/設楽英一]



Blu-ray&DVD第4巻描き下ろしジャケット公開!
Blu-ray&DVD第4巻の結城信輝氏による新規描き下ろしジャケットが完成しました! 新規描き下ろしジャケットには、白色彗星をバックに第四章でヤマトの前に立ちはだかる、ズォーダーをはじめとしたガトランティスの面々が大迫力で描かれています。

【アニメイトオンライン】【Blu-ray】劇場版 宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 4
 

作品情報
『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』

アニメーションの歴史に輝く不朽の名作『宇宙戦艦ヤマト』をリメイクし、2012年から2014年に渡り、劇場上映から全国ネットでのTV放送で展開した傑作『宇宙戦艦ヤマト2199』。

そして2017年2月より、ヤマトファン待望の完全新作シリーズ『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』全七章が順次劇場上映中!

監督は『宇宙戦艦ヤマト 復活篇 ディレクターズカット』にてアニメーションディレクターを担当した羽原信義さん、シリーズ構成に『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』の福井晴敏さんを起用。音楽は引き続き、ヤマトの遺伝子を受け継ぐ宮川彬良さんが担当する。

モチーフとなるのは、日本全土を熱狂させた劇場用映画『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』。
その壮絶なる物語を、新たな解釈と装いで現代に甦らせる。
この時代に語るべき「愛」の姿とは!? 宇宙戦艦ヤマトが再び旅立つ――!

<第四章「天命篇」STORY>
突如ヤマトに降りかかる新たなる試練! その正体とは――。
艦内で浮上するスパイ疑惑や、ガトランティスの母体たる白色彗星との遭遇、幾多の苦難を乗り越えテレザートへと到達するヤマト。
だがそこには、ゴーランド率いる守備艦隊、さらにはザバイバルの陸戦師団が待ち受けていた。
すべてはテレサと邂逅してメッセージの真の意味を知るために。
目的地であるテレザートを目前に、いまこそ古代の覚悟が試されようとしていた――。

※第四章は第十一話~第十四話の計四話で構成されます。

<第四章「天命篇」CAST>
古代 進:小野大輔
森 雪:桑島法子
島 大介:鈴村健一
真田志郎:大塚芳忠
南部康雄:赤羽根健治
相原義一:國分和人
太田健二郎:千葉優輝
徳川彦左衛門:麦人
アナライザー:チョー
佐渡酒造:千葉 繁
西条未来:森谷里美
加藤三郎:細谷佳正
山本 玲:田中理恵
斉藤 始:東地宏樹
永倉志織:雨谷和砂
土方 竜:石塚運昇
ゴーランド:山路和弘
ノル:比上孝浩
ザバイバル:屋良有作
ズォーダー:手塚秀彰
サーベラー:甲斐田裕子
キーマン:神谷浩史

<STAFF>
製作総指揮:西﨑彰司
原作:西﨑義展
監督:羽原信義
シリーズ構成:福井晴敏
副監督:小林 誠
キャラクターデザイン:結城信輝
ゲストキャラクター・プロップデザイン:山岡信一
メカニカルデザイン:玉盛順一朗・石津泰志
美術監督:谷岡善王
色彩設計:福谷直樹
撮影監督:堀野大輔
編集:小野寺絵美
音楽:宮川彬良・宮川 泰
音響監督:吉田知弘
音響効果:西村睦弘
オリジナルサウンドエフェクト:柏原 満
CGディレクター:木村太一
アニメーション制作:XEBEC
製作:宇宙戦艦ヤマト2202製作委員会

公式サイト
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