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『A.I.C.O.』小林裕介×白石晴香 対談

A.I.C.O. Incarnation:小林裕介×白石晴香 対談|主演声優のふたりが作品の魅力&楽しみ方を語る

Netflix(ネットフリックス)で全話独占配信中のアニメ『A.I.C.O. Incarnation(アイコ インカーネーション)』。村田和也監督にも作品についてお話を伺いましたが、今回は、白石晴香さん(橘アイコ役)、小林裕介さん(神崎雄哉役)の本作で主演となるお二人にも作品の魅力をたっぷりと語っていただきました。

題材がバイオSFアクションということで、用語的な難しさもありますが、それをしっかり理解できなくても次の回が観たくなってしまう、物語を立体的に楽しめる構造になっているので、まずは1話を見ていただきたい。そして最後のシーンで涙してほしい――


 

『A.I.C.O. Incarnation』の魅力&楽しみ方を教えます。

――まず『A.I.C.O. Incarnation』は“バイオSFアクション”とのことですが、どんな作品でしょうか?

橘アイコ役 白石晴香さん(以下、白石):出来上がった作品を見るときアイコちゃん寄りで見させていただいたんです。専門的な用語が出てきますが、難しい作品とかSFをあまり見ない方でも楽しんでいただけるような人間の葛藤やドラマがある作品だと思います。

特にアイコちゃんは家族を失った過去があって、それがもしかしたら生きているかもしれないという希望を胸に、事故が発生した中心地の“プライマリーポイント”へと向かうんです。普通の女子高生がそこに向かうというのは勇気がいると思うんですけど、それができるアイコちゃんは素敵だなぁって。そういう人間ドラマもあるのが魅力だと思います。


神崎雄哉役 小林裕介さん(以下、小林):難しい単語や設定はあるけど、それらすべてを理解しなくても、実は物語は意外とシンプルだと思うんです。専門的なことは厚みとしてあって、コアな方はそこでこうなっているのか!って盛り上がれるんですけど、最初は、アイコはこうしたいからこうなっているんだろうなって、そういうことを全部取っ払っても見られるんですよね。

だから話が難しそうだなと躊躇している人ほど、実は見やすい作品なんじゃないかなって思います。最初は軽い気持ちで全部見ていただき、もう一回見て、ようやくわかってくる面白さがこの作品にはあると思います。

――本当にそうで、いま2周目を見ているのですが、1話から印象がガラッと変わって見えるんですよね。多分2周目のほうが感動します。

小林:僕、主人公が変わると思っているんですよ。一周目が橘アイコなら、二周目は神崎雄哉を主人公として見ることができる。そういう面白さがあるので、皆さんにぜひ体感してほしいです。

白石:そういう意味だと、ダイバーそれぞれにも過去があって、何のためにダイバーをやっているのかっていうドラマもあるんです。そういうところにも注目していただけると、より一層深く入れるんじゃないかなって思います。

――難しい部分以外でも楽しめるポイントは多いですよね。逆に難しい部分というのはどこでしたか?

小林:僕は、そもそも単語の意味が最近まで理解できていなかったんですよ(笑)。セル・アセンブラとか、マリグナント・マターって何?みたいな。まぁマターのことだったんですけど……。配信と同じタイミングでコミックスが出てて、そこに詳しく意味が書いてあって、助かる~って思いました(笑)。

白石:字になっているとわかりやすいですよね。

小林:台本とは違うわかりやすさがあるよね。

白石:だから見ていただく皆さんも、コミックスと一緒に楽しんでいただくと良いかもしれません。あと、公式サイトにも単語の説明があるので。

――そんな中で、お芝居面でも、難しいことをしっかり伝えようとはしていたんですか?

小林:それはしていました。雄哉はアイコに説明をしないといけないので、ちゃんと伝えられるように意識してセリフは言っていました。

白石:私(アイコ)はオウム返しだったけどね(笑)。でも裕介さんがおっしゃっていた通り、一度バァーーっと作品として楽しんでいただいてから、そのあとに意味を知っていただきながら見る楽しみ方のほうがわかりやすいと思います。

――ちなみに村田監督はどんな方でしたか?

白石:熱さを秘めた、とても優しくて柔らかい方です。好きなこと、興味があること、作品に対してなど、語るとすごくいろんなことを話してくれて、止まらなくなるんですよ。そのお話を聞いているのがとても楽しかったです。

忘年会があったんですけど、そこでも何で『A.I.C.O. Incarnation』を作ろうと思ったのかとか。アイコと雄哉が監督の頭の中には10年以上前から存在していたという話を聞いて、感動したのを覚えています。そんな前から監督の中にあった存在を演じられるというのは感慨深いです。小林:僕、普段だったら質問ってしに行かないんですよ。

自分はこう考えて持ってきましたというのを提示して、ディレクションを受けるというスタンスだったんですけど、今回のこの役ばかりは、それじゃダメで、ちゃんと理解して、それを含めてやらないと意味を成さないと思ったので、ほぼ毎週質問をしに行ったんです。その度に、わざわざブースから出て来てくださって、丁寧に説明してくれました。すごく気さくな監督ですね。

ふたりが演じたキャラクターについてと作品の見どころ

――では、自身が演じられてるキャラクターについてと、自身との共通点はありますか?

白石:橘アイコちゃんはごくごく普通の、元気で明るくて、ちょっと天然なところがある女子高生です。でもとある事故に遭って、自分にまさかの事実が隠されていることを知らされ、信じられない出来事に巻き込まれていく。そんなキャラクターです。共通点……。

小林:全部でしょ(笑)。これは変な意味ではなくて、一生懸命さが後ろから見ていても伝わってくるんです。その姿勢とか、アフレコ前に台本を読んで考えている仕草とか、出来上がったものを見るとまんまだった気がするんですよね。監督が1話の収録のときに「オーディションのときにアイコとして完成されていました」とおっしゃっていて、その意味が一緒にやっているとわかるというか。似てるでしょ?



白石:そうですかね……?。でも似ていると仰ってもらえるならとても嬉しいです。ちょっとポンコツでドジな部分もあるので、そこはアイコちゃんと似ているところなのかなって。

小林:神崎雄哉はネタバレなしでは何を話していいかわからないキャラクターですけど、謎多き少年です。セリフはクールで冷酷だけど、時には寄り添っているところもあって、よくわからないというのが感想で…。でも僕は、アフレコが始まったときに監督に呼び出されて「あなたにはすべてのことをお伝えしておきます」と、彼の秘密を教えていただいたんです。

そこで僕の中にあった違和感は払拭されました。1~2話を見ると、強引で何を考えているかわからないんですけど、途中でアイコを助けるために必死になったり、人間臭いところも出てくる。後半になってやっと、神崎雄哉に感情移入できるようになると思います。似ているところは……全然ないと思いますよ。僕は思ったことは口に出しちゃう人間だし(笑)。

白石:現場で見ていた小林さんは雄哉のようにミステリアスではなかったです(笑)。明るくて優しい方だったので。 

小林:今まで演じたキャラクターで一番共通点がないと思う。

白石:学生時代こんな感じじゃなかったんですか? 見た目的に。

小林:見た目? こんなカッコ良くはなかったけど…、中学のときは学ランだったかな。あっ。

白石:共通点、ありましたね!


――神崎について監督に教えられていたという話がありましたが、白石さんは逆に何も知らない状態で次の週の台本をもらう形だったと思いますが、後半でアイコには大きな事が起こるじゃないですか。その台本を読んだときはどうでした?

白石:なぁああ!!ハテナハテナハテナって(笑)。でもそのあとアイコちゃんはよくああいう決断をしたなって思います。とにかく驚きがすごかったので、視聴者の方も同じ気持ちになるんじゃないかなと思います。でも、最後にこれが待っていたか~!って感じでした。

――アフレコは1年半くらい前には終わっていたとのことですが、完成した映像を見ていかがでしたか?

白石:本当に作品の後半で、畳み掛けるように感動や裏切り、さまざまな展開が待っていたので、それを話したいんですけど、ネタバレになってしまうんですよね……。

――マターの動きは、想像通りでしたか?

小林:動き自体はアフレコのときの絵でも大体わかっていたんですけど、色が付くと気持ち悪さは倍増でしたね(笑)。

白石:あんなに肉々しいものだと思っていなかったです!



小林:ストーリーについては言えないけど、キャラクターの動きがすごく面白いと思っていて。特に好きなのは3話で、雄哉とアイコが捕まってしまったところで、ダイバーたちが奪還してくれるシーンがあるんですけど、そこでの動きのプロ感!

白石:確かに!



小林:「撤収!」って水瀬一樹が言ってから、楓が車の上から車の中に入っていくんですよ。「お前、マターか!?」っていうくらいのアクションで、「あれを考えた人、マジですげー!」って思いました。そのあともマターと戦うアクションとかがリアリティがあってすごかったです。

白石:マターによって使う武器が違ったり、リアルでしたよね。あとダイバーたちが「ウィルコー」って言うんですけど、それをずっと言いたかったんですよ。

小林:「了解」っていう意味なんですけど、一度台本上で僕たち2人にも「ウィルコー」っていうセリフがあって。


白石:ダイバーたち、アイコ、雄哉と書いてあって、「よっしゃー!」と思って練習してスタジオに行ったんですけど、「ここ2人はナシで」と。「言いたかったぁ~(残念)」って。

小林:「気分的には言いたいんですけど…」って言ったら、「なくて大丈夫です」と念押しされました(笑)。

――最後に、おふたりの好きなキャラクターは誰ですか?

白石:白石真帆(CV:茅野愛衣)と篠山大輔(CV:竹内良太)の組み合わせはとても素敵なので、ぜひ見ていただきたいです!

小林:他の組と比べて、熟練のバディ感があるよね。阿吽の呼吸というか。

白石:大人な感じですよね。


――男女の見どころもいくつかありましたね……。

小林:個人的に好きなのは一樹(CV:村田太志)ですね。青臭いところがあって、割りきれずに自分の意見を感情的に言ってしまうところがあるんです。アイコがそこまで言わないぶん、一樹が代弁してくれている感じもあって、そのピュアさが僕は好きです。

白石:三沢楓(CV:M・A・O)も空気を変えるキャラクターなんですよね。トラブルの中心になったりするときもあるけど、すごく熱い女子で、何でもズバズバ言ったりする素直な子なので、見ていて清々しいなって思います。彼女と一緒にいる芹遙香(CV:名塚佳織)も、そんな彼女が素敵だから、守りながら一緒に進みたいんだろうなと思ったし、一樹のバディの相良芳彦(CV:古川慎)も含めて、バディの組み合わせは絶妙ですよ!

――ありがとうございました!

[取材・文・撮影/塚越淳一]

作品概要

<配信情報>
★3月9日(金) より、Netflixにて全12話を全世界独占配信開始!

【Netflixについて】
Netflixは、190ヵ国以上で1億1700万人超のメンバーが利用するエンターテインメントに特化した世界最大級のオンラインストリーミングサービスです。アワード受賞作を含むオリジナルコンテンツ、ドキュメンタリー、長編映画など、1日あたり1億4000万時間を超える映画やドラマを配信しています。メンバーはあらゆるインターネット接続デバイスで、好きな時に、好きな場所から、好きなだけエンターテインメントを楽しむことができます。当社サービスには、広告や契約期間の拘束は一切ない上、Netflix独自のレコメンデーション機能が一人ひとりのメンバーの好みに合わせて作品をオススメするため、お気に入りの作品が簡単に見つかります。

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月刊少年シリウスにてコミカライズが連載中!

<STAFF>
原作:BONES
監督:村田和也
シリーズ構成:野村祐一
キャラクター原案:鳴子ハナハル
キャラクターデザイン・総作画監督:石野聡
コンセプトデザイン:岡田有章
メインメカニックデザイン:高倉武史
マターデザイン:三輪和宏
美術監督:東潤一
色彩設計:岩沢れい子/
CGIディレクター:太田光希
撮影監督:福田光
編集:坂本久美子
音楽:岩代太郎
サウンド・プロデュース:UTAMARO Movement
音楽制作:ランティス
オープニング主題歌:TRUE
エンディング主題歌:白石晴香
音響監督:明田川仁
音響効果:古谷友二
アニメーション制作:ボンズ

<CAST>
橘アイコ:白石晴香
神崎雄哉:小林裕介
相模芳彦:古川慎
水瀬一樹:村田太志
芹遙香:名塚佳織
三沢楓:M・A・O
篠山大輔:竹内良太
白石真帆:茅野愛衣
黒瀬進:大川透
伊佐津恭介:子安武人
南原顕子:田中敦子

<あらすじ>
人工生体の研究中に起きた大事故“バースト”により、黒部峡谷一帯は暴走した人工生命体“マリグナント・マター”に侵蝕された。その2年後、2037年夏。バーストで家族を失った15歳の少女・橘アイコは、謎を抱えた転校生・神崎雄哉と出会う。彼はアイコの身体に隠された“秘密”と、それを解くことができる“鍵”の在り処を告げる。

「この災厄に終止符を打てるのは……君しかいないんだ」

運命に翻弄された少女が、辿り着く先とは――。

「A.I.C.O. Incarnation」公式サイト
「A.I.C.O. Incarnation」公式ツイッター(@Project_AICO)

(C) BONES/Project A.I.C.O.
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