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『ガンダム THE ORIGIN』フィナーレ舞台挨拶レポ

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 誕生 赤い彗星』池田秀一さん、古谷徹さん、潘めぐみさんらが登壇のフィナーレ舞台挨拶レポート -- シャアから粋なメッセージにアムロもお手上げ!?

2018年6月1日、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 誕生 赤い彗星』のフィナーレ舞台挨拶が、東京・新宿ピカデリーにて行われました。

アニメファンなら誰もがその存在を知っている、日本ロボットアニメの金字塔『機動戦士ガンダム』。その『機動戦士ガンダム』にて、キャラクターデザイン・アニメーションディレクターを務めた安彦良和先生原作の大ヒットコミックスを映像化した『機動戦士ガンダム THEORIGIN』のアニメプロジェクトも 「誕生 赤い彗星」にてひとまずの完結を迎えることになります。

今回、その劇場公開のフィナーレを飾るイベントとして行われた舞台挨拶には、池田秀一さん(シャア・アズナブル役)、古谷徹さん(アムロ・レイ役)、潘めぐみさん(セイラ・マス役) ら3人のメインキャストと、サンライズの谷口理プロデューサーが登壇。

まず池田さんが「ここに来られている方は、すでに何度か見られているのがほとんどではないかと思いますが、最終日までご覧になっていただきありがとうございます」と、熱心に劇場に足を運んでくれるファンに感謝の言葉を述べると、古谷さんは1スクリーンあたりの観客のアベレージが非常に高いという本作のヒットに触れ「こんなに嬉しいことはない!」と、アムロ・レイの名台詞を披露。さらに谷口プロデューサーからは、今回の舞台挨拶のチケットはわずか15分間で完売してしまったことも語られるなど、改めてその人気の高さが明かされます。

 

『THE ORIGIN』の3年間を、メインキャスト陣が振り返る

その後には、約3年間に渡って続いていた劇場での上映も見納めということで、Ⅰ~Ⅵまでのエピソードの裏話や、舞台挨拶やプレミア上映会など、これまでのアニメ版『THE ORIGIN』の歩みを振り返ることに。

まず、これまでライバルキャラクターとして描かれてきたシャア・アズナブルが主役となる本作へ主演した心境として「主役って大変なんだなと。アムロ・レイの気持ちがわかりました」と、その心労を明かす池田さん。ところがこれにすかさず古谷さんが「この人は、TV版の頃から自分が主役だと思って演じているので関係ないです。全然変わりませんよ」と厳しいツッコミを入れるという、お互いを良く知る間柄ならではのやりとりが繰り広げられます。

一方、そんな古谷さんは『THE ORIGIN』では、8歳のアムロ・レイという、これまでにない役柄での演技も披露していたのですが、実は古谷さん自身は幼い頃のアムロは若い女性声優さんに任せるつもりで、自分で声を当てるとは思ってもいなかったことを明かします。

しかし、最初に行われた舞台挨拶の場で、原作者である安彦先生から直々に「(第2話で)アムロも出てくるので、よろしくお願いします」とお願いされ、思わず2つ返事をしてしまい、引き受けざるを得なくなったのだとか。

しかもこの時の古谷さんは、完全にプライベートで舞台挨拶を見に来ただけで、古谷さんが来ていることを知った池田さんに頼まれて急遽出演したそうで、二重の意味で客席を驚かせていました。

それぞれのエピソードを振り返る中で、とくに大きな盛り上がりとなったのは、若い頃のシャアとララァ・スンの出会いが描かれた第4話「運命の前夜」に関する思い出話。

ご存知の方も多いかと思いますが、本作でセイラ・マスを演じた藩めぐみさんは、TV版でララァ・スン役を演じた潘恵子さんの実の娘さんです。そんな藩さんを前に4話の感想を尋ねられ「今目の前にいる方のお母さんの手前もあるので、難しいのですが……若いララァっていいですね」と思わず漏らしてしまう池田さん。これに藩さんが「母には言わないようにします(笑)」と反応し、古谷さんもそれに同意すると、客席からは大爆笑が沸き起こります。

そんな藩さんですが、谷口プロデューサーとしては、やはり母である恵子さんの役を継いで、ララァ役をお願いするべきか迷っていた時期があったことを告白します。しかしオーディションで藩さんが披露した演技は、谷口プロデューサーの想像を越えており、とにかく沢山出番のある役をお願いしたいと考え、その結果女性キャラクターとして一番セリフの多いセイラ役に抜擢したという、キャスティングの裏話も明かされていました。(その後、ララァ役の方をどうするつもりなのか、周囲から心配されたのだとか)

さらにこれまでは別撮りだったという古谷さんも、第4話から主要キャストとのアフレコに合流。第4話ではアムロと、その幼馴染であるフラウ・ボウの出会いが描かれていましたが、アフレコ時のフラウ役・福圓美里さんはかなり緊張しており、泣くシーンの演技に苦労していたそう。そこで古谷さんは「あの時のフラウは、アムロに甘えるつもりで、泣いて見せている」という古谷さんなりの解釈を会話の中でさり気なく出すことでアドバイスし、その後におかげで吹っ切ることができたと、福圓さんから感謝されたというエピソードを紹介。

また、今回の舞台挨拶後に、最後の上映が行われる第6話「誕生 赤い彗星」の見どころを尋ねられた谷口プロデューサーは「レビルがジオンから脱出する時に使うカーゴターミナルって、実は1話でキャスバル達が脱出に使った時と同じ場所なんです。こちらとしては意図してはいなかったのですが、意外なところで1話と最終話がつながっていたなと、脚本の隅沢さんと話していました」と、普通に見ていると気づきにくいマニアックなポイントを紹介し、ファンの感心を集めていました。

 

谷口プロデューサーの口から、気になる続編についての発言も……!?

最後に行われた出演者からの挨拶では、谷口プロデューサーから「続編を希望する声をたくさんいただいておりますが、今は少しお休みをいただければ」と、今後の展開に期待を抱かせる発言も。

これには古谷さんも「やはり僕自身も、アムロがガンダムの主人公をやりたいという想いがあるので、ホッとしています」とすかさず反応。その期待の大きさを表すかのように、このコメントに客席からひときわ大きな拍手喝采が沸き起こります。

また藩さんは「ガンダムという作品に時を経て携わせていただき、まさか池田さんと兄妹を演じられるとは思ってもみませんでした」と振り返りつつ、「兄さん……今まで守ってくださってありがとうございました」と、池田さんに対し、アルティシアとして感謝の言葉を述べる一幕も。

さらにその池田さんも、シャアから手紙を預かっていることを明かし、赤い彗星の物語を見届けてくれたファンへの感謝の言葉と、「勝利の栄光を君に!」の名台詞とともに、ファンの今後の幸福を祈るメッセージを送る、最高のファンサービスを披露。これには客席も大喜びとなる一方、おいしいところを見事にもっていくシャアらしい姿に、「やっぱりシャアには勝てないな」と、長年のライバルであるアムロ(古谷さん)もすっかりお手上げの様子でした。

最後には、『THE ORIGIN』のイベントではすっかり恒例となった「ジーク・ジオン!」の掛け声で会場が一つとなり、舞台挨拶は締めくくられます。

劇場の上映こそ終了となる『THE ORIGIN』ですが、7月13日に発売を予定しているBDの他、バンダイチャンネルなどの様々な動画配信サービスでも視聴が可能です。アニメで描かれた『THE ORIGIN』は、『機動戦士ガンダム』本編へとつながる、一年戦争の前日譚ともいうべき物語。これまで『機動戦士ガンダム』を見たことがなかったという方の入り口としても楽しめる作品となっているので、是非『THE ORIGIN』をきっかけに、一年戦争という大きな歴史の片鱗をご覧になってみてください。


 

谷口理プロデューサー:
「3年間お付き合いいただき感謝しております。ありがたいことに、続編を希望する声をたくさんいただいておりますが、とりあえず今は少し休ませてください(笑)。しばらくは力を溜めて、またお会いできる日があればと思っております」

藩めぐみさん:
「遺伝子的にも運命を感じている『機動戦士ガンダム』という作品で、40年の時を経て、池田さんと兄妹役を演じられるとは思ってもいませんでした。(池田さんに向かって)……兄さん、今まで守ってくださってありがとうございました。長い間応援してくださったファンの皆様も、本当にありがとうございました。きっとこれが最後じゃないと思いますので(笑)、また皆様にお会いできる日を楽しみにしています!」

古谷徹さん:
「個人的にもやはりアムロが主人公のガンダムをやりたいという想いがありますので、とりあえずのお休みという発言にホッとしています(笑)。とはいえ、まずは最新のアニメーション技術と最高のスタッフで『THE ORIGIN』という作品を作れたこと、そして様々な年代のアムロを演じられたことを嬉しく思っています。

これで『THE ORIGIN』はひとまずの完結となりますが、まもなく『機動戦士ガンダム』は40周年を迎えますし、この第6章は予想以上の大ヒットとなったそうですから、偉い方々の気持ちも変わるのではないかと期待しております。また、もう一人のアムロの映画は、すでに延長上映も決まっているそうなので、そちらもよろしくお願いします(笑)」

池田秀一さん:
「40年あまりシャアを演じてきて、最終的に『THE ORIGIN』という作品とめぐりあい、僕も知り得なかったシャアの若き日の姿を演じることができ、とても運命的なものを感じています。これもすべてみなさんのおかげで、今日はシャアから皆さんにメッセージを預かってきています。

『赤い彗星誕生の物語、最後までお付き合いいただき感謝する。私は今、宇宙の闇の淵でキミたちを静かに見守っている。いつの世も、日常は容赦なく時を刻み、目の間に立ちはだかる。だが、懸命な君たちのことだ。必ずやそこに何かを見出し、見事に生き延びることを期待している。勝利の栄光を君に!』」

[取材・文・写真/米澤崇史]

 

 

作品概要

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 誕生 赤い彗星』

【あらすじ】
宇宙世紀0079年1月23日、サイド5、ルウムで、ジオン、地球連邦の雌雄を決する戦いが始まった。圧倒的劣勢に追い込まれたジオンは、秘策である人型兵器「モビルスーツ」で編成した特別強襲大隊を投入し、戦況を一気に逆転させ、大勝利を収める。なかでも、ジオン軍のシャア・アズナブルは、赤いモビルスーツ「ザクⅡ」で戦果を上げ少佐に昇進、“赤い彗星”の異名をとる。ルウム会戦後、地球連邦軍はジオンに反撃すべく“V作戦”を計画。
その裏側で、サイド7の少年アムロ・レイは自ら行動し、新兵器「ガンダム」の秘密を探っていた。一方、地球の南極大陸でのジオン、地球連邦の両軍の両軍の高官がそろう早期和平交渉の場でルナツーから世界中にある声明が発信される…。

【STAFF】
原作:矢立 肇・富野由悠季(「機動戦士ガンダム」より)
漫画原作:安彦良和(KADOKAWA「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」より)
キャラクターデザイン:安彦良和、ことぶきつかさ
オリジナルメカニカルデザイン:大河原邦男
メカニカルデザイン:カトキハジメ、山根公利、明貴美加、アストレイズ
脚本:隅沢克之/演出:原田奈奈、カトキハジメ
総作画監督:西村博之
メカニカル総作画監督:鈴木卓也
美術監督:東 潤一
美術設定:兒玉陽平
軍装装備デザイン:草彅琢仁
ディスプレイデザイン:佐山善則
SF考証:鹿野 司
色彩設計:安部なぎさ
撮影監督:葛山剛士
CGディレクター:長嶋晋平
編集:吉武将人
音響監督:藤野貞義
音響効果:西村睦弘
音楽:服部隆之
総監督:安彦良和
企画・製作:サンライズ

【キャスト】
シャア・アズナブル:池田秀一
アムロ・レイ:古谷 徹
デギン・ソド・ザビ:浦山 迅
ギレン・ザビ:銀河万丈
ドズル・ザビ:三宅健太
キシリア・ザビ:渡辺明乃
ガルマ・ザビ:柿原徹也
ガイア:一条和矢
オルテガ:松田健一郎
マッシュ:土屋トシヒデ
ヨハン・I・レビル:中 博史
マ・クべ:山崎たくみ
セイラ・マス:潘 めぐみ
カイ・シデン:古川登志夫
ブライト・ノア:成田 剣
フラウ・ボゥ:福圓美里
ミライ・ヤシマ:藤村 歩
ハヤト・コバヤシ:中西英樹
リュウ・ホセイ:田中美央
ナレーション:大塚明夫

 
 

【Blu-ray】OVA 機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI

<封入特典:特典内容>
・安彦良和コミックを使用した解説書(32P)
・特製ブックレット(12P)
・スタッフ&キャストオーディオコメンタリー
・映像特典
 ・第5話イベント上映初日舞台挨拶映像
 ・第5話イベント上映2週目舞台挨拶映像

 

【DVD】OVA 機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI

<封入特典:特典内容>
・特製ブックレット(12P)
・映像特典
 ・第5話イベント上映初日舞台挨拶映像
 ・第5話イベント上映2週目舞台挨拶映像
 ・PV&CM集

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