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『すのはら荘の管理人さん』声優対談│佐藤利奈×喜多村英梨

『すのはら荘の管理人さん』佐藤利奈さん、喜多村英梨さんインタビュー│柔らかい声優陣が作り上げる優しい世界と休憩時間に勃発する『すのはら荘殺人事件』

2018年7月より放送中のTVアニメ『すのはら荘の管理人さん』。原作は「まんが4コマぱれっと」にて連載中の本作は、ねこうめ先生が描く年の差ラブコメの決定版としてアニメ化発表前から大きく話題を呼んでいた作品です。

この度、メインキャラクターである春原彩花役の佐藤利奈さんと、椎名亜樹役の喜多村英梨さんにインタビューを実施! 柔らかい作品やアフレコ現場の雰囲気から、キャラクターの魅力、さらには休憩時間に行われている妄想スピンオフなど、多数語っていただきました!

可愛く、優しく、柔らかい作品とキャラクターの魅力とは

――本作ではおふたりがメインキャラクターの彩花と亜樹を演じられるわけですが、共演作としては久しぶりになるのでしょうか?

椎名亜樹役・喜多村英梨さん(以下、喜多村):仕事をください……! えー、アニメ業界からいなくなっていると有名な喜多村英梨ですが(笑)。

春原彩花役・佐藤利奈さん(以下、佐藤):そんなことないでしょ(笑)。でも確かにガッツリ共演するのは久々かもね。

喜多村:最近だとしてもサトリナと共演した思い出深い作品は『青の祓魔師』だよね。

佐藤:そうだね。

喜多村:あとこの作品に出演していて、現場で「某ひらがな四文字の作品を思い出すね」って話はしています。

佐藤:作中での立ち位置は違いますが、その作品も印象深いですね。ただ、両作品ともキタエリちゃんは愛らしいキャラだね。

――なるほど。そんな亜樹をはじめ、可愛いキャラクターが多数登場する本作ですが、原作を最初に読んだ印象をお聞かせください。

佐藤:表紙を見ていただいて分かる通り、第一印象は本当に可愛いなぁと思いました。ただ彩花さんは胸が大きいので、ドキドキしちゃうのかなと思っていたのですが、不思議なふんわり感で。

喜多村:全体的に優しい世界だよね。

佐藤:そうなの。とても不思議な魅力を持っているなと思いながら、拝見させていただきました。とにかく可愛いの一言に尽きますね!

喜多村:同じく(笑)。自分はその中でも、ドラマCDを収録する際に「どの役だ?」と思ったんです。そこで亜樹君と言われて驚きました。女の子たちがたくさん存在する中で唯一の男の子。だけど「可愛い!」と。

最初は「男の娘じゃなくて!?」と困惑しましたし、ねこうめ先生の描く柔らかい少年を女性である自分、喜多村がこの世界に入っていっても大丈夫なのか。不安に感じたことが最初のドラマCDでの印象です。

佐藤:なるほどね。

喜多村:相手がサトリナって聞いたときに絶対的な信頼感を得られたのは良かったんだけど、自分だけがどうしても馴染めないかもと思ってしまうくらい、自分の声があの世界でノイジーにならないかという不安を感じたほどに亜樹君がめっちゃ可愛かったの!

佐藤:ノイジーにはならないよ。というかどんなマイナス思考なの(笑)。男の子でも全く不安は感じなかったよ!

喜多村:私は強気の我が出てしまうので、柔らかい先生のタッチの中にブラックシュールだったりツッコミのポジションを担えるのかが心配でした。

構図こそハーレムですが亜樹くんは荒々しい少年ではないですし、ラノベ少年ではないんだなと思うと緊張感がありました。自分と違いすぎて手が出せない、可愛らしすぎて触れてはいけない、みたいな(笑)。そう思うくらい、みんな肌が柔らかそうな作品だと思いました。

佐藤:そうなの! みんな肌がぷにぷにで甘い匂いがするような世界観だと思いました。気持ちがパーっとなるような(笑)。

喜多村:私は不安で気持ちが「ワァァァァ!」ってなりました(笑)。そういう意味では役とリンクしていたのかもしれません……!

――(笑)。個人的に原作を読んでいたんですけど、脳内で再生していた声の雰囲気にピッタリだと思いました。キャスティングはねこうめ先生のご指名があったそうですね。

喜多村:嫌味っぽくなりそうだからあまり言わないようにはしているんですけど、やっぱり「嘘だろ!?」と思ってしまうほど驚きましたし、ご期待に沿えられるように頑張ろうという一心で演じさせていただいています。

それにみんな優しいんですよね。アフレコ現場のみんなスタッフさん、ねこうめ先生、出版社のみなさん……みんな優しい!

また、お芝居やディレクションでキャスティングのブレを修正している雰囲気を感じたことがなく、私ものびのびと自由に演じさせていただきました。

テストでは私から提案した亜樹像を受け入れてくださることが多く、そのままアフレコを進めさせていただいています。もう録り直しませんからね!(笑)

佐藤:いい塩梅だと思う! あっくんはバランスが難しいよね。モノローグで説明しつつ、自分はパニックになったり、会長にはツッコんだりと緩急があるキャラクターだから。

もし私があっくんを演じたら、きっと強くなっちゃうと思う。ただ、テストのときだけは、あっくんの人格に若干の喜多村英梨が出ているんですけど(笑)。

喜多村:ただ喜多村のやりたいことをやっているだけだから、あんまりテストになってないんだけどね(笑)。

佐藤:でも本番が始まると、いい塩梅のところに落とし込んでいるからすごいと思うよ。

喜多村:それは佐藤利奈さんに管理されているからです! サトリナがテストで彩花さんを丁寧に演じてくれるのに、私が「管理人さん!」ではなく「彩花ぁっ!」って叫んじゃうから(笑)。

テストでは本番へ向けてサトリナがリードしてくれるから、そこで「ちゃんとやれ自分!」と思いながらね、いつも佐藤さんに救われております(笑)。

佐藤:いつも面白い収録です(笑)。ドラマCDに出ていなかったキャラクターたちも登場しましたが、大きなディレクションなく、順調に進んでいます。

喜多村:役作りも現場では大きく悩んだり長考するようなこともなかったから、キャスティングの段階で役者さんとの信頼度とキャラクターとのリンク性を考えたうえで進んでいるんだろうね。

――彩花を演じるうえでは優しくおおらかな性格を心がけたのでしょうか?

佐藤:そうですね。とにかくみんなを愛している気持ちを大切にして、収録の度に彩花さんとして生きています(笑)。こんなに愛のある人ってなかなかいないと思うんです!

喜多村:全人類を平等に愛しているからね(笑)。

佐藤:そう、全部を受け入れて何事も「いいよ」と肯定するキャラクターじゃないですか。すべての人が彩花さんだったら争いなんて起きないのに(笑)。

喜多村:そうよ! 全員がすのはら荘に入寮したら、全員が膝枕を平等に楽しめるのに!

佐藤:あっくんの耳を噛むシーンがあるんですけど、八穂錦役の伊藤静ちゃんに「なんで耳を噛んだの? どういう気持ちで噛んだの?」って聞かれて、「可愛いから食べたくなったんだよ?」と答えたんですけど、きっとそういう雰囲気の人だと思うんですよ。

亜樹の名前を呼びたくなるような、女性声優ならではの表現とピュア度で

――一方の亜樹は、先ほどもお話されていた通り難しい役どころだと思います。おそらく登場人物の中で一番感情の起伏が激しいですよね。

喜多村:私以外の役者さんは全員上手くこなすと思うからこそ、「頑張らないと!」と思って収録に臨んでいます。作品としても、モノローグとリアルタイムで起こっていることに翻弄されながらも、管理人さんとのホッとするシーンの間を大切に作っていることが分かるので。

亜樹のリアクションや長台詞での感情の強弱、管理人さんたちが名前を呼びたくなるような、あどけなさが残るように心がけています。

男性声優さんの成長した声帯では表現できない、女性声優ならではのピュア度を大切にしています。現場としても、品のある作品を目指して制作が進められているんです。そこは亜樹も重要な役割を担っていると思っていて。

佐藤:男性があっくんを演じていたら、サービスシーンが際立っちゃうかもしれないよね。女の子が演じているからこそ出せる母性があると思うし。キャッキャするシーンでも男性か女性かで色が変わってしまうかもしれないから。

――彩花も亜樹を常に男性として見ているわけではないですし、そこも彼の魅力になるのかもしれませんね。

佐藤:男性として見ているシーンもありますが、あっくんに対しては主に「可愛い」という感情が一番なのかなと思います。

喜多村:小動物扱いだもんね。

佐藤:そう、とにかく可愛い。世話を焼きたい、全部してあげたい、できることながら着替えもさせてあげたいんだと思う。きっと彩花さんはそんなタイプのキャラクターだと思います。

それは女性が演じるからこそだと思いますし、それもねこうめ先生の世界観にピッタリ合うのかなと。あとは、柔らかいキャストが揃っているので。

喜多村:個人的には、その優しい世界の人達が可愛いと思ってくれる亜樹として、セリフをパスしないと成立しない作品だと考えています。また、優しいが詰まっている方々の中に固めていただいているおかげでもあって、我に返ったときに良い意味で周りのキャストの圧を感じます。

このキャスティングの中に固めてもらえているからこそ亜樹を繊細に演じないといけないなという、良い意味で緊張感を与えてくださる素敵な現場に恵まれました。

だから、本来ならテストでも「彩花ぁっ!」って叫んだらダメなんですよね(笑)。ちゃんと「管理人さぁ~ん!」って言わないと(笑)。

――(笑)。そんな彩花の魅力はどのように考えていますか?

佐藤:彩花さんの魅力はなんと言っても柔らかさです。身体的な柔らかさも然ることながら、人としてこんなにも柔らかい人が存在するんだと思うほどの柔らかさ……聖母のような女性です(笑)。

喜多村:ホーリー彩花ですから(笑)。でもサトリナも柔らかボイスだよ? この繊細な後光溢れる聖母を……じゃなかった、彩花を演じるられるのはサトリナならではですよ!

佐藤:いやいやいや(笑)。ただ、私が内心で我を出してしまうと違うものになってしまうかもしれないので、そこを演じる上では気をつけています。

喜多村:これは営業妨害になるかもしれませんが、サトリナ先生はアフレコで私達がOKテイクだと思っていたものを「もう1回やらせてください」と言うくらい繊細で、ニュアンスひとつをとっても彩花さんを丁寧に組み立てているんですね。

佐藤:柔らかい人なので、その柔らかさをずっと求めているんですけど、自分の中で表現が固いと思うことがあるんです。だからOKが出たものを、ついついもう一度やらせてもらってしまい……。

喜多村:私もそれを言えないから学ぶことは多いんです。アニメーションは役者たちの間だけではなく演出をする上での間も含まれていて、小気味よかったり、自分たちのキャラ像で思っているだけではないシーンもあって。

そこでやることが多くなると、どうしても演技がふらつくことがあり、自己申請でやり直したいと申し出ることはあります。

この収録でも「私のせいで彩花さんの演技をブレさせちゃったのかな?」と思うことが毎回あって、サトリナが「リテイクさせてください」と言っている後ろで「申し訳ない……! 私のせいでしたか……?」と心の中で呟くことが……(笑)。

それくらい会話のキャッチボールが柔らかく、翻弄されながらもほっこりしているという状態がこの作品の難しさであり良さだと思うので、非常に大事なポイントですね。

アフレコ現場にも広がる優しい世界と、突如として巻き起こる『すのはら荘殺人事件』

――先ほどから喜多村さんが現場のみなさんのことを“優しい”とおっしゃっていますが、現場の雰囲気はいかがでしょう?

喜多村:めちゃめちゃ私に優しい世界です! 喜多村を甘やかしてくれる現場なので(笑)。

佐藤:登場キャラクターが限られているから現場も少人数なので、アットホームな雰囲気です。

喜多村:本作は主にすのはら荘での出来事がメインなので、「学校に行ってきます!」から「ただいま~!」までの間に学校のシーンがないんです。

モブとして男性が出てくることもないから、そこも良い意味で現場作りに影響されているのかなと。私はいちファン目線と男性の気持ちも込めて、「これは答えを出さないからいいんだ!」と考えることもあって(笑)。

佐藤:それがすごいよね! 私はわりと主観でしか物事を見られないタイプで、周りを俯瞰で見ることが難しいんです。でもキタエリちゃんはそれができるんですよ!

喜多村:ミーハーなのよ、ただのオタクなのよね!

佐藤:いやいや、だからこそあっくんを演じられるんだよね。あっくんは、あっくんだけの主観で見たら演じるのハードルは高くなるもの。

喜多村:だから欲を乗せてしまわない方が亜樹は良いと思ってる。あと、現場ではアフレコの回のお話の感想が出てきたり、等身大フィギュアの情報が飛び交ったりと、休憩時間も作品に対する集中が途切れることがないよね。

「このシーンは絵コンテの気合入ってるね!」とか現場の色に染まっているから、素直に私もはしゃいじゃって。「劇場版やドラマCDのスピンオフでは『すのはら荘殺人事件』をやりたいね」って言い出したら、みんなも乗ってきて(笑)。

佐藤:面白いけど絶対に実現できないでしょって話していて(笑)。

喜多村:「彩花さんは人じゃない」「やっぱりAIだよ!」とか常に頭の中はコミケ状態で、勝手な妄想をしても「良いですね」と言ってくれるから、みんなが私に優しくて。

私はそこに甘えて現場にいるだけです(笑)。素敵な優しさを持っている、できた方々が揃った現場なんです。

――作中と同じく“優しい世界”がアフレコ現場に広がっているんですね。

佐藤:あと現場にはいつも美味しいお菓子をスタッフのみなさんが持ってきてくださるんですよ。

喜多村:この現場は差し入れが途切れることがないですからね。持ち帰れないくらい色々な方からいただいてます。ねこうめ先生だけじゃなく、スタッフや出版社の方、身元不明の差し入れまであって毎回がパーティー状態です(笑)。

しかも、この作品に合いそうなファンシーなお菓子をくださったりね。ありがたいことに食に困らない現場ですね(笑)。

佐藤:違う違う、すごく優しさに溢れた現場です(笑)。

喜多村:それだけアフレコ現場でも毎話を楽しみかつ大事にしていただいているのではないかと思います。ミキサールームにいらっしゃるスタッフの方々もたくさんで、我々も安心してアフレコをしています。また、私達の演技に合わせて絵を変えていただく交渉までさせていただける、とても優しい現場です。

佐藤:楽しくアフレコをしているので、その雰囲気が視聴者のみなさんにも伝わればいいなと思います。

「逆にしっかりした子たちを自分が甘やかしてあげたい(笑)」

――彩花はときに優しく、ときに厳しく亜樹の身の回りのお世話をしていますが、おふたりは誰かに甘えたいタイプですか? それとも甘えてほしいタイプですか?

喜多村:責任は負いたくないからリードしてもらいたいんだけど、結果的に「やらないといけないのではないか……?」という自己反省でやっちゃう(笑)。

佐藤:真面目(笑)。

喜多村:神田明神さんでヒット祈願イベントをやることを聞いてから、ずっと「お願いだから当日の祈願の部分はサトリナがリードしてね!!」と言っているくらいです。

佐藤:私はぼんやり佇んで「そのままの流れでやってみようかな」みたいな感じですね。どちらかと言えば人に甘えるタイプかもしれないですね。

喜多村:この現場では甘えっぱなしだな~(笑)。頼られちゃったら緊張感と責任感に固まっちゃうから、「甘えられるところは甘えちゃえ~」というズボラな私に現場のみなさんは寛大なんです(笑)。周りはみんな彩花さんみたいだからさっ。

佐藤:どちらかと言うとみんな彩花さん寄りのキャストだよね。

喜多村:だから私は甘える側に徹してしまいますけど。

佐藤:そうかな? 私はそんなキタエリちゃんに甘えてるよ。現場ですごく喋ってくれる(笑)。

喜多村:それは“うるさい”って言うの(笑)。

佐藤:いやいや、私はどちらかと言うと話を聞いていたいタイプだから(笑)。

喜多村:でもちゃんとトスしてくれるじゃない? こっちが矢継ぎ早に話しかけたことに対して、ちゃんと受け答えしてくれるところは丁寧だし。

佐藤:自分から話題を振ることが得意じゃないから、キタエリちゃんにいつも甘えています(笑)。

喜多村:受け身なんだね。私は受けたい癖に攻めちゃうから(笑)。じゃあみんな甘えん坊ということでよろしいでしょうか?

佐藤:はい(笑)。ただキャストも面白い人達が揃っているから、イベントをやったら面白いだろうなってチームだよね。

喜多村:ほんわかしている現場ではあるけど、「このままイベントトークができたらいいのにね」と言っているくらい面白いチームだね。それぞれキャラクターと通じているものがあるから、みんなそのままで完パケしているよね。休憩時間の会話がイベントとして成り立つくらいトークが毎回弾んでいます。

佐藤:面白い方々が集まって、いい立ち位置で生きている感じがします(笑)。

――なるほど。ちなみにキャラクターの中で姉にしたい、もしくは妹にしたいキャラクターを教えてください。

喜多村:家族になって楽しそうなのは会長なんだけど、お姉さんで安定を求めるなら彩花さんか八穂さんだよね。カラッとしている、頼れる姉貴の雰囲気が良くて。ただ設定がアレだから、(椎名)茉莉さんは避けたいところではありますが(笑)。

佐藤:アブノーマル感がね(笑)。

喜多村:ただ、アニメでスポットライトを浴びているからかもしれないけど、生徒会のみんなは個々で可愛くて。妹でも姉でも楽しい生活を送れそうって思っちゃう。

佐藤:でもその3人で居てほしいなと思っちゃうから、妹はあっくんかな(笑)。

喜多村:あっ、妹ね(笑)。私はお姉さんの立場にはなりたくないから下がいいな。あと純粋にリアクションしてくれる亜樹はいいよね。

佐藤:意外と男気はあるから頼れるよね。

喜多村:でも亜樹は「やりますよ!」と言っていつもできないパターンじゃない?(笑) その不甲斐なさも踏まえて、亜樹は可愛いですよね。弟や妹にするなら亜樹、姉にするなら彩花さんか八穂さんかな。

佐藤:なるほどね。私は彩花さんや八穂さんが妹だったら面白いなと思う。どういう反応するんだろうって。

喜多村:もう彩花さんなら完璧な妹じゃない?(笑)

佐藤:でも意外と甘えたがりかもしれないから、逆にしっかりした子たちを自分が甘やかしてあげたい(笑)。

喜多村:もう管理側になってるよ!(笑) さすがにその視点はなかった……さすがサトリナ、違うぜ! 

――原作ではそうそう見られないですし、甘やかされる彩花は気になりますね。

喜多村:違う一面は見てみたいですよね。ただ、こういうことを言っていると、ねこうめ先生が特大号で描いて……くれないかな?(笑) スピンオフを私達の要望通りにやっちゃうと、私達の好きなことばかりでコミケになっちゃうから、原作者という大元の方にやっていただければ!

――お話を聞いている通りだと、スピンオフは殺人事件になってしまいますから(笑)。

佐藤:とても面白そうなプロットができたんですけどね~(笑)

喜多村:「彩花さんは人じゃない」「彩花さんはひとりじゃない」とか(笑)。最初に殺されるのは月見里(菫)パイセンで、「会長!」と言いながらやられてしまい「私に構わず……行って……ください!」と(笑)。

佐藤:これを休憩時間にみんなで再現しているんです(笑)。

喜多村:すのはら荘の周りは雪で外に出られなくて……という設定を考えて「最後のキーパーソンは八穂さんだよ!」「外からやって来れるのは八穂さんしかいなくて!」とか、いつの間にか密室スリラー殺人事件を劇場版クラスのスケールで妄想しています(笑)。

佐藤:このお話からは「これだけ仲が良いですよ」ということが伝われば幸いです(笑)。

――(笑)。放送を楽しみにしているファンの方へメッセージをお願いします。

喜多村:少年役はいくつか演じさせていただいた経験はあると言えど、今回の椎名亜樹というキャラクターは少年枠の中では新感覚と言いますか。

繊細なお芝居やクリエイティブな意識を持っていかないと成り立たないキャラクターだと思っており、役者として改めてターニングポイントになった作品です。

やる気満々かつ超パーフェクトなサトリナ先生とのテストにより、刺激と言う名の叱咤激励を勝手に自分でもらったと思い込んで、芝居の面から作品が良くなればいいなと思い演じさせていただきました。

可愛い女の子、柔らかい女の子がたくさん出てきますけど、可愛くて柔らかい亜樹にもぜひ注目していただければと思います。

佐藤:今までおっとりしたお姉さんのキャラクターを担当させていただくことはありましたが、その中でも群を抜いて愛のある女性だと思います。

彩花さんはすのはら荘にいるみんなを愛していて、彼女の境地に自分の声を乗せることが難しいなと試行錯誤しながら臨んでいますが、とにかくみんなを愛おしく思う気持ちを大事にしながら演じています。

そして、本作を作っているチームは優しくて、柔らかくて、気持ちの良い方が集まっているので、見てくださる方にはそういった空気感も感じていただけるんじゃないかと思います。

なので、ちょっと疲れたなと思ったときに、すのはら荘に遊びに来てもらって、のんびりするも良し。誰かに寄り添うも良し。みなさんのお好きな形で楽しんで、癒されてもらえれば嬉しいです。

喜多村:(低い声で)お~た~の~し~み~に~……。

佐藤:も~、すぐ事件を起こすんだから(笑)。

――『すのはら荘殺人事件』も楽しみにしています(笑)。ありがとうございました!

[取材・文・撮影/鳥谷部宏平]

テレビアニメ『すのはら荘の管理人さん』作品情報

放送情報

AT-X 7月5日より毎週木曜21:00~
TOKYO MX 7月5日より毎週木曜22:30~
BS11 7月5日より毎週木曜23:00~

配信情報

dアニメストアにて先行配信。
GYAO!、Amazonプライムビデオ、ニコニコチャンネル、FOD、AbemaTVなどで配信

あらすじ

見た目のせいで男扱いされてこなかった椎名亜樹は、自分を変えようと中学校入学を機に東京へ出てすのはら荘に入寮する。そこで亜樹を待っていたのは、天然でいたずら好きなすのはら荘の管理人さん・春原彩花に心も体もかわいがられる毎日だった。

さらに、ほかの同居人も全員年上の女の子で…。いやしとドキドキがたっぷりで、ついつい管理人さんに甘えたくなっちゃう年の差(おねショタ)ラブコメ決定版!

スタッフ

原作:ねこうめ(まんが4コマぱれっと/一迅社刊)
総監督:大沼心
監督:湊未來
助監督:井上圭介
シリーズ構成:志茂文彦
キャラクターデザイン:平田和也
音楽:川田瑠夏
音楽制作:フライングドッグ
アニメーション制作:SILVER LINK.

キャスト

春原彩花:佐藤利奈
椎名亜樹:喜多村英梨
雪本柚子:高森奈津美
月見里菫:瀬戸麻沙美
風見ゆり:宮本侑芽
春原菜々:佐倉綾音
八穂錦:伊藤静
椎名茉莉:茅野愛衣
 
テレビアニメ『すのはら荘の管理人さん』公式サイト
テレビアニメ『すのはら荘の管理人さん』公式Twitter(@sunohara_anime)

(C)ねこうめ・一迅社 / すのはら荘の管理人さん製作委員会
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