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劇場OVA『フラグタイム』伊藤美来&宮本侑芽インタビュー

かわいいだけじゃない。3分間で揺れ動く少女の距離感を描いた人間の芯を突いてくるような作品──劇場OVA『フラグタイム』森谷美鈴役・伊藤美来さん&村上 遥役・宮本侑芽さんインタビュー

時間を3分間だけ止める能力を持つ森谷と、彼女が時間を止めた世界で唯一、行動できるミステリアスな美少女・村上、ふたりの少女の友情と葛藤・成長を描いた作品『フラグタイム』(原作・さとさん、秋田書店刊)が劇場OVA化! 

2019年11月22日(金)より東京・新宿バルト9ほかで劇場公開スタート。公開を記念して、森谷役の伊藤美来さんと村上役の宮本侑芽さんの対談をお届けします。

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さわやかなだけではない、思春期の女子だからこその心情の激しさや葛藤が描かれ共感

──原作を読んで感じた印象をお聞かせください。

森谷美鈴役 伊藤美来さん(以下、伊藤):最初は、女の子ふたりの恋愛ものとか、青春学園ものなのかなと思っていました。読み進めていくと、さわやかさはあるけど、この年代だからこそ持つ、心情の激しい変化や葛藤が細かく描かれていて、とても共感できる作品だなと思いました。

村上 遥役 宮本侑芽さん(以下、宮本):女の子ふたりの世界観なのに、さわやかなだけじゃないのが終盤で描かれていて。キャラの感情の起伏や物語の波が大きな作品だったので読んでいて早くこの役をやりたいなと思いました。

──絵の雰囲気もやわらかいですよね。

宮本:かわいいよね。

伊藤:うん。女の子のかわいさはもちろんあるけど、シリアスなシーンになるとぐっと雰囲気が変わったり、強めのタッチになるところは急に少年マンガのように見えたりして、読んでいて楽しかったです。

宮本:ふたりの性格の違いがすごく表情にすごく現れていて、すごくかわいらしいなと思いました。そして、森谷と村上にとても人間味があって、温かさを感じる作品だったので、アニメ化した時にどんな絵柄になるんだろうと楽しみになりました。

自分の殻に閉じこもり気味だけど芯が強い森谷。モノローグやナレーションなど演じ分けも意識

──ご自身が演じるキャラについての印象と共感できる点、ご自身との相違点、演じる時に心がけたことは?

伊藤:森谷は自分の殻に閉じこもり気味で、一方的に話しかけられるとそれが好意的であっても、逃げ出したいと思って時間を止めてしまう女の子ですが、実は芯が強くて、カッコいいなと思う部分がたくさんある子だなと思いました。私も人見知りだったり、一度にたくさんの事を言われると戸惑ったり、焦ったりすることがよくあるので、そこは似てるかなと。

また森谷は引っ込み思案で、あまり人とは関わりたくないと思っている、一見、根暗な子ですが、実は心の中は激しく動いて、モノローグやナレーションも多いんです。それぞれの演じ分けを考えつつ、村上さんが表面上で仮面をかぶっているキャラなので、対比的に心が大きく揺れるキャラを意識しました。そこはオーディションの時から言われていたところで、収録時にも同じディレクションがあったので意識しながら演じました。

一見陽キャラだけど実は孤独な村上。表層的な対応の中で感情のグラデーションを

宮本:村上の最初の印象は、「かわいくてきれいで、元気で明るい女の子。陽キャラなのかな?」と思っていたけど、読み進めていくと森谷と同じように殻にこもっていたんだなと。

私は子供の頃からお芝居のお仕事をしていて、周りが大人ばかりの環境で育ってきたので、人の目を気にしながら行動する村上の気持ちがよくわかります。ちょっと違うのは私には助けてくれる人達がいるし、笑い合える友達もいたけど、村上にはそういう子がいなくて。

お芝居も自分の普段のナチュラルなおしゃべりは意識しつつ、森谷だけしか味方がいなくて、他の人とは上辺だけしゃべっている感じを意識しました。

──あと村上はSっ気があるところも宮本さんとは違うのかなと(笑)。

宮本:確かに(笑)。すごく森谷を振り回してますからね。

伊藤:常に翻弄されてました(笑)。

宮本:あと村上は、森谷とは対照的にモノローグが1つもなくて、「心の声を出さないのではなく、ないんだな」と台本を読んだ時に思ったので、最初に森谷と会話した時もそうですが、他のクラスメイトと一緒の時にも常に上辺だけを意識しました。森谷とデート中に、元カレの玉木君が他の女の子と一緒にいた時も悲しんだり、怒ったりもせず。好きで付き合ったわけじゃないから。

でも要所要所に村上の繊細な部分が出てくるので、大切にお芝居させていただきましたし、逆に森谷と話す時は元気で快活で……特にふたりでデートする時とか。そして最後に本当の村上が出てきて……と感情のグラデーションを付けるのに苦労はしましたが、緩やかに流れを作れるように心がけました。

お互いのキャラの印象は「闇がある」「小動物みたい」!?

──お互いのキャラの印象もお聞かせください。

伊藤:村上さんはすごく闇があるというか(笑)。表層的にはきれいでかわいくて、気を遣える誰もが憧れるような女の子だけど、内面に抱える悩みや背負っているものがあるところも魅力的だなと。森谷としては助けてあげたいと思っているけど、私的にはそんなはかなさも村上さんの魅力かなと思います。でも彼女には幸せになってほしいです。

宮本:きれいな部分だけではなく、悩みや闇も含めて全部受け入れてくれるところが森谷の良いところであり、だからこそ村上がひかれたと思うし、私も大好きなところです。

また一つひとつの仕草がピュアな女の子で、恥ずかしがったり、照れたり、考えごとをしたりする時の表情が変化するところは村上とは正反対で。村上はあまり表情が変わらないけど、森谷は小動物みたいにかわいいなと思います。

──ちなみに、さと先生にお話をうかがった時、森谷はご自身で、村上はクラスの憧れの女の子部分を結集したとおっしゃっていました。

伊藤:素敵ですね。もし森谷側だったら村上みたいな子をねたんだり、うらやんだりしそうなのに、すごく優しい子に描かれていますし。さとさんの性格が良いからでしょうね。

宮本:穏やかな方なんでしょうね。あと森谷と同じく、ショートヘアですよね。

伊藤:見た目も反映されているのかな?

──ご自身でもブログ等でショートヘア好きを公言されていますし。

伊藤:うれしい! 森谷を演じられて。

ほっこりする、さと先生とのエピソード

──ちなみに先生とお会いして、お話しされたことは?

伊藤:オーディションの時、私のお芝居を見てくださって、森谷役に決まってアフレコをした後にお話しする機会があったのですが、「森谷は伊藤さんだったらいいなと思ってました」とおっしゃっていただけたのがうれしかったです。うれしかった想い出話です(笑)。

宮本:じゃあ私もうれしかった想い出話を。先生から「自分にはなかった引き出しの優しさをプラスしてくれたからありがたかった」と。そこは意識してやっていたことだったのでうれしかったです。あとアニメの制作期間中にお子さんが生まれて、「子供に早く見せたいです」とおっしゃっていたのを見て、「わぁ、憧れる〜」と思って(笑)。

伊藤:憧れるよね。素敵。幸せそうで。

宮本:さとさんとお話しする時が一番ほっこりしてたかもしれません。

(C)2019 さと(秋田書店)/「フラグタイム」製作委員会
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