声優
『サクラ大戦真夏のフェス 花の戦士・改』で久々にキャラ衣裳の帝都花組が舞う!/レポート

横山智佐さん、田中真弓さん出演『サクラ大戦真夏のフェス 花の戦士・改』で久々にキャラ衣裳の帝都花組が舞う!

関東も梅雨が明け、夏本番を迎えた2021年7月18日(日)、東京・上野恩賜公園野外ステージ 水上音楽堂にて、横山智佐さんが主催する『サクラ大戦真夏のフェス 花の戦士・改』が開催されました。

今年は『サクラ大戦』発売25周年の記念イヤー。また2018年、2019年の連続開催で夏の風物詩となりつつあった「真夏のフェス」が昨年は新型コロナウイルス感染対策から開催されず、時節柄仕方がないと諦めていたところへ、待ちに待ったイベントとなりました。

キャラクターの衣裳を身に着け、歌とお芝居で魅せる「サクラ大戦真夏のフェス」は、まさしく「サクラ大戦歌謡ショウ」の“夢のつづき”。今回は2018年に行った『サクラ大戦真夏のフェス・花の戦士』の“改演”という形で、ゲストもマリア・タチバナ役の高乃麗さんから桐島カンナ役の田中真弓さんに替わっています。

これだけで明らかにバラエティ色が濃くなることが予想されますが、田中さんも期待に違わぬ「やらかし」の数々で会場を大いに沸かせました。

さくらとカンナの歌合戦、さくらの大立ち回り、「花の戦士」「ゲキテイ」と続くクライマックスの新定番など、90分間に見どころがぎっしり詰まっており、往年のファンはもちろん、近年増えている新たなサクラファンにとっても初めてリアルタイムで観る「歌謡ショウ」として、大絶賛されました。

開催自体が困難な中、できる限りの最良の舞台を!

これまでであれば、開演前にはダンディ団のメンバーが客席を回って盛り上げたり、前説などもありましたが、今回は公演時間が厳しく定められ、観客との接触も禁じられているため、プラスアルファのサービスはありません。

席数も半数に絞られ、歓声も禁止されるなど規制も多いのですが、鍛えられたサクラファンには関係ありませんでした。

タイミングが完璧な拍手。着席したまま控え目に、しかし熱量を込めた振り。

舞台上が「サクラ大戦歌謡ショウ」の雰囲気をそのまま出しているように、客席側も当時の会場の熱気を再現します。

オープニングナンバーは「下町ラプソディー」。2019年8月の『サクラ大戦真夏のフェス、花のように夢のように』以来、2年ぶりとなる真宮寺さくら衣裳の横山智佐さんの登場は、近年サクラファンになった方たちにとっては初めて生で目にする「本物の真宮寺さくら」となりました。

2曲目は「銀座行進曲」。ダンディ団やほかの出演者も登場して賑やかに歌い踊っていると、後半から桐島カンナ(演/田中真弓さん)も参加。列に加わって踊り始めます。

ところが、明らかにさくらの振りを見ながら踊っているため、ラストの決めポーズまでさくらに釣られて両手を上げてしまい、慌てて左手を引っ込めるという「やらかし」をします。しかもこれはまだまだ序の口でした。

3曲目は「メトロで行こう~上野編~」。元々は浅草と銀座の名店を巡る歌詞を、上野のスポットに換えたもので、横山さんがよく使っている安売店ABAB(アブアブ)をはじめ、情報満載の上野ご当地ソングになっています。

また、吊り革に掴まってメトロで揺られるパントマイムも、最後は千切れてしまった吊り革を華麗に投げ捨てるというオチで大変面白く、「真夏のフェス」限定のお楽しみ曲と言えます。

▲学生役はダンディ団のVelo武田さんの御子息、武田丞さん。ラムネは横山さんが大切に保管しているサクラ大戦歌謡ショウ「海神別荘」のグッズで、なんと20年前の品!
 

街中で学生に声をかけられるさくら。聞けば、兄がさくらの大ファンだそうで、ラムネをあげるから1曲歌ってと気軽にお願いされます。

それに気前良く応え「ラムネの歌」を歌うさくら。学生も見事なバレエで盛り上げます。

▲上野といえば桜の名所ということで、桜を感じる歌「花雪洞」をゆったりと

▲東中軒雲国斉先生(国本武春さん)の三味線に乗せて、御陽気に「サンセットサマー」。雲国斉先生は歌謡ショウに浪曲師としてゲスト出演される中、観客に粋な掛け声の作法を教えてくださった方で、サクラファンの観劇スキルが飛躍的にレベルアップしたのは雲国斉先生のおかげでした。残念ながら6年前に急逝されてしまいましたが、お盆ということで、さくらも「きっと雲国斉先生もそばにいて、聴いてくださったかもしれません」

▲さくららしい曲「春が来る」をしっとりと

「春が来る」の歌の最中に、なんとカンナが割って入ります。そして「季節が違うんじゃねぇのか」と因縁をつけ、夏らしい曲として「南風GOGO」を歌い始めてしまいます。

ステージを乗っ取られるさくら。しかしそれで黙っているタマではなく、さくらも「南風GOGO」に割って入って「春が来る」の続きを歌います。

さぁそこからさくらとカンナの歌合戦開始。勢いで押し出したり、グーで脅したり、おしりで突き飛ばしたりと、目まぐるしく曲が入れ替わりながら、最後は仲良く一緒にポーズ。

かつて第2回歌謡ショウ「つばさ」で披露された「春が来る vs 南風GOGO」の再演ということで、往年のファンには懐かしく、新たなファンには映像でしか観たことない名場面が生で繰り広げられ、大いに沸きました。

▲カンナの「島風」。ステージと西日の熱気を一旦クールダウンさせる、涼風のような一曲

花組公演が和やかに進む中、突如チンピラが乱入。「誰に断ってここで公演してるんだ!?」と息巻き、観客を追い散らそうとします。

そこに帝国歌劇団の後見役を自認するギャング、ダンディ団のベロムーチョ武田が現れ、話をつけようとするも、チンピラたちはこの一帯が黒門町の牙鉄のアニキの縄張りで、アニキに挨拶がないのはどういうことだと因縁をつけます。

さらに黒門町の牙鉄も登場。ところがベロは牙鉄をひと目見るや、ダンディ団の西村のアニキにそっくりだと指摘します。そして「胴長短足の体型、スケベったらしい目つき」など、ベロが西村のアニキと似ている点を次々と挙げていくと、悪口と変わらない言い様にキレた牙鉄がペロの頭をべしっ! 息の合ったどつき漫才です。

ベロが「俺は銀座のダンディ商会のベロムーチョ武田さんだ。わかって因縁つけてんのか!?」と凄めば、チンピラも「ここは三代将軍家光公が、天海僧正に開山させた上野だ! 埋立地の銀座とは歴史が違うんだよ!」と応酬。

銀座が埋立地であることや、江戸っ子の認識では上野のほうが格上という点など、東京の風土を知り尽くしていないと書けないセリフ、さすがは広井王子さんの脚本です。

チンピラたちを相手に孤軍奮闘するベロですが、多勢に無勢、さすがにやられてしまいます。

そこに「やめなさい!」と喧騒を切り裂く一喝。

現れたのは真宮寺さくら。ベロから木刀を借りると、女と侮るチンピラたちを瞬く間に叩き伏せてしまいます。

さくらの腕前を見て、只者ではないとわかった牙鉄が、自分がやるからには「子供のチャンバラじゃねぇぞ」とさくらに告げ、刀を抜きます。

目まぐるしく切り合う剣客2人。牙鉄はさくらの太刀筋を「一刀流か! 小癪な!」と見抜き、さくらも北辰一刀流「切り落とし」を繰り出します。

▲最後は大技、秘剣・金翅鳥王剣(こんじちょうおうけん)で牙鉄の剣を飛ばし、勝負あり。殺陣を見事に決めた横山さん、千両役者!

潔く負けを認め、さくらに諭されて改心する牙鉄。ところが配下のチンピラは拳銃を持ち出し、悪あがきをします。

そこに「おい!」と声がかかり、振り返るチンピラ。しかし誰もいません。前を向くチンピラにまたも声がかかりますが、振り返るとやはり誰もいません。

「ここだよ、ここ!」と言われ、視線を落とすと、設定身長2メートルの女傑がちょこんといました。

「シロウトが拳銃なんか持つんじゃないよ! 寄越しな!」とカンナに凄まれ、両手を挙げて降参するチンピラ。ところがカンナは小さい子供の「手が届かないよー」状態でジタバタ。やっとのことで拳銃をもぎ取ります。カンナの身長ネタを存分に活かした、見事なコメディシーンとなりました。

一件落着。上野の老舗甘味処「みはし」であんみつでも食べて帰ろうと、カンナがさくらを誘うところで、それは起こりました。

カンナ「俺、先に行って……俺じゃねぇよ! あたい、先に行って席取ってるからな!」

まさかの一人称忘れ。しかもご丁寧に「編集ポイント」を自分で作り、言い直す周到さ。さすがはベテランです。

▲「口ずさむ歌」で、わちゃわちゃした場を一旦落ち着かせます

空腹でフラフラなカンナが、「あっこんなところにかりんとうが落ちている」と喜び、拾って食べようとします。

しかしマサオ(演/上原健太さん)に「それ、犬のうんこですよ」と指摘され、諦めきれないカンナは「舐めてみりゃわかる」とペロリ。

「うんこだぁ~!!」と悲鳴を上げ、マサオに水をもらってうがいをし、手を消毒してもらいます。

歌謡ショウではおなじみだったかりんとうネタが、令和に復活です。

マサオが自分と話す際、まるで子供相手に話すようにいちいち腰を屈めるため、「あたいは197cmなんだよ!」とキレるカンナ。すかさずマサオがメジャーで身長を測ります。

するとカンナも「あたいのプロフィール、148cmってなってるだろ。今やもう145cm」と自虐。2メートルの相手を見ながら話すマサオの視線と実際の身長の不自然さなど、田中真弓さんのコメディエンヌとしての魅力が爆発したコントシーンとなりました。

▲またもや「俺」と言ってしまい、編集でカットを意味するポーズをした後、シーンをもう一度やり直すカンナ。何が起こっても笑いに変える剛腕、これが役者の力で魅せる帝国歌劇団の舞台です

レビュウ、花の戦士、ゲキテイ――華やかで熱い歌謡ショウの世界

▲後半は華麗に歌い踊る歌謡ショウの世界。レビュウ服姿は素敵なショウの始まりを告げる夢のドレスです

▲サクラソング屈指の人気曲「夢のつづき」

▲「これがレビュウ」では、横山さんがさくらとすみれのパートを歌いました

▲帝都花組の新主題歌「花の戦士」。今や「ゲキテイ」前の定番曲

▲これがなければ終われません。ゲキテイ!

▲カンナとどめのやらかし、「ゲキテイ」最後に逆手! ダンサーさんたち、笑ってます
ブログ「浜田山町内会/最後のゲキテイでのありえない間違い」より

▲「花の戦士・改」もこれがなければ終われませんね! 全国のサクラファンの皆様へ、敬礼!

▲アンコールは趣向を変えて、オルゴールの伴奏で「花咲く乙女」
 
『サクラ大戦』25周年という記念の年に、厳しい状況の中、これだけのステージを作り上げた横山智佐さんの想い、しっかりと受け止めました。
 
夢のつづきはまだ終わりません。
 
[取材・文/帝劇スタ夫 撮影/川岸涼太・設楽英一]
 
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