冬アニメ『東京24区』石川界人(翠堂コウキ役)インタビュー|何を思って今の行動をしているのか、考えながら見ていただけると嬉しい【連載 第8回】
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東京湾に浮かぶ人工島「極東法令外特別地区」――通称“24区”を舞台に、蒼生シュウタ、朱城ラン、翠堂コウキ、まとめて“RGB”と呼ばれる3人を中心とした物語が描かれる本作。死んだはずのアスミからの電話や3人が見た映像、超人的な能力、突きつけられる“未来の選択”とは一体……? 第7話では、犯罪・災害総合予防を目的とした「KANAEシステム」が稼働してから2ヶ月後、それぞれの立場でさらに葛藤し、行動する彼らの姿が描かれました。
そんな注目の『東京24区』について、アニメイトタイムズでは毎週スタッフやキャストにインタビューを実施。第8回は、翠堂コウキを演じる石川界人さんのメールインタビューをお届けします。
コウキの決断について思うこととは……?
――作品の概要を聞いた第一印象や、実際に台本を読んだ時の感想をお聞かせください。
翠堂コウキ役・石川界人さん(以下、石川):最初の印象ではヒーローバトルのような作品を想像していました。アスミからの電話で能力が開花しそれを使って悪と戦っていく中で、物語の真相にたどり着く…というような物語を想像していたのですが、実際には社会問題であったり人間の思考であったりといい意味で考えさせられる内容でした。社会にとっての正義と個人にとっての正義、これらがせめぎ合うのを見て自分自身の考え方と照らし合わせるような場面が多々ありました。
――直近放送回である第7話では、クルーズ船の出来事から月日が経ち、さらなる展開を迎えました。第7話の感想をお聞かせください。
石川:トロッコ問題における1人を救い多くを犠牲にするか、多くを救い1人を犠牲にするかという問いかけに対し、コウキは「ランの友人の命を犠牲に多くの命を救う」という回答を出しました。
その結果、3人の心は離れてしまったわけですがシュウタだけはそれをどうにかできないかと考えています。彼がこの3人を繋ぎとめるかなめであり、RGBの中心であるということがよくわかる7話だったと思います。
――その直前の第6話では、DoRedのリーダーがランであることを父親に教えることになります。コウキの決断についてはどう感じましたか?
石川:AIが管理する社会の中では正しい判断といえると思います。数字の上では大きな被害を最小限に抑える結果につながるわけですから。ただ、人には名前があって、人生があって、関わってきた人達がいます。それを無視して数字として判断をしてもいいのか、それをコウキは無視し続けることができるのかはわかりません。個人的には人としてみてほしいなと思います。
――それも含め物語前半(第1話~第7話)で特に印象的だったシーン、セリフはどこでしょうか?
石川:カバちゃんが犠牲になったシーンは忘れられません。こんなにも親しい人がこんなに早い退場なのかとアフレコ現場でも驚きの声が上がっていました。だからこそ、この作品がテーマにしていることを見ている人が考えるきっかけになるのかなとも思いましたが、さすがに悲しかったです。