
ソロデビュー10周年を記念して、持ち歌全78曲を昼夜ですべて披露!『AYA UCHIDA Complete TOUR ~marble~ にぎやかな10周年』のツアーファイナル SideB公演の模様をレポート!
内田彩さんが2014年11月にアルバム『アップルミント』でソロアーティストデビューしてから10周年を迎えたことを記念したツアー『AYA UCHIDA Complete TOUR ~marble~ にぎやかな10周年』の千秋楽が2025年2月23日、Zepp DiverCity(TOKYO)にて開催!
昼と夜の2部構成で、今まで歌ってきた全78曲を披露するということで、チケットは完売。そんな注目のツアーラストの夜公演、SideBの模様をお届けします!
SideBは2ndアルバム表題曲『Blooming!』からスタート! 怒とうの10曲連続のメドレーも!
ステージ中央にはアーチが掛けられた入口のようなセットがあり、照明でピンクに照らされている。ここから内田さんが登場するのかなとワクワクしているうちに開演時間に。
ピンクのドレスに身を包んだ内田さんがきらびやかに登場。会場のペンライトも一斉にピンクに。「Blooming!」のイントロのギターリフが鳴り響くと「Side-B、盛り上がっていくよ!」と気合を入れた。アッパーナンバーの演奏にのせて声を弾ませて歌い、サビ前ではお客さんも「フッフッー!」と声を上げ、サビの終盤では声を上げながらジャンプ。内田さんも腕を上げたり、1サビでは客席の左右を指差し、2サビではスカートの裾をかわいくつまむ仕草、ラスサビでは胸に手を当てたりと1曲目からいろいろな表情の内田さんが見られた。
2曲目もアッパーなロックチューンの「スニーカーフューチャーガール」で、きりっと凛々しい表情でカッコよく歌う内田さん。手を振りながらステージの端から端まで歩き、右手で輪っかを作ってのぞき込んだり、曲目のスニーカーにちなんで足を曲げて足元を見せる仕草など、キュートに動き回る姿はずっと変わらない。
最初のMCブロックで「今回のツアーはSideAとSideBで全曲を歌っちゃおうというコンセプトになっています。昼のSideAで半分、このSideBで残りの半分を歌ってコンプリートになります。残りの半分をきれいにマーブルしてみんなに届けたいと思いますので、一緒に楽しんでいきましょう!」。
そしてここからメドレーに。「いざゆけ! ペガサス号」では軽快なジャズっぽい曲にのって、子供のような歌い方で、時に両手を前に出してハンドルを操作する仕草。途中で演奏のテンポが上がって、「Let it shine」では少し歌い方も年齢感が上がり、明るく元気に。この曲をライブで聴くたびに2ndライブで自転車でステージ上を疾走した内田さんの姿を思い出す。
軽快でポップな「Canary Yellow」では軽くリズムを取りながらステージ前のサウンドモニターギリギリまで出て歌う。ドラムがビートを刻むイントロの「Preview」のサビの「始まりの合図は「せーの」で言おう」では口元に両手をあてて叫ぶように、「Go! My Cruising!」のイントロに変わると会場のペンライトは歌の海の景色のように青一色に変わり、サビになるとタオルマフラーを手にした内田さん。サビの「1、2、3!」では声を合わせて、間奏のギターソロ中は一緒にぴょんぴょんジャンプ。
「Holiday」ではお客さんにクラップを要求したり、右手でかわいくハートマークを作ったり。軽快なギターソロの間奏が終わるとせつないピアノの音に変わり、内田さんの表情もシリアスになって「ソレイユを臨んで」へ。「シリアス」はせつない表情のまま、心の叫びを歌うように。「Ruby eclipse」ではパワフルになり、お客さんのペンライトも赤に染まり、間奏で「オイ! オイ!」と腕を上げた。
そして「Like a Bird」の「この指止まれ」のフレーズでは高々と人差し指を上げた。約20分近くノンストップのメドレーは歌う側もお客さんにもハードなマラソンのようなものだっただろう。
2つめのメドレーはファンタジーや宇宙、失恋など様々なテーマの曲を“マーブル”
熱唱の後のMCでは「1つめのマーブルからみんなの熱気が伝わってきて、とても嬉しかったです。10年間の78曲がカラフルになればいいなと思ってまぜまぜして、今回のツアーではお届けしていく感じです」と説明しながら「適度に座ったり、水を飲んだり、自分のアキレス腱と相談して。みんなも10年、年をとっているから(笑)」とお客さんへの気遣いも忘れない。
「最後の花火」はバンドナンバーながらもせつない失恋の歌で、内田さんの表情も少し悲しげ。次の「Sign」は対照的に愛する人との永遠の愛を確かめる曲という並びもおもしろい。
この会場は実はデビューアルバム『アップルミント』の曲を初めて歌った場所で、会場からも「行ったよ!」の声が多く上がった。「この想い出の地で「Sign」を歌えて嬉しかったです。そしてこの10年、1人ひとりに支えられて、今日ここに立つことができたこともとっても嬉しいです。ありがとうございます。次のマーブル行ってみよう!」。
次のメドレーはファンタジックな「うさぎのプティフール」からで、歌のお姉さんのように優しい表情で、「妄想ストーリーテラー」では子猫に変身、「Daydream」と「EARNEST WISH」では曲調は対照的ながら宇宙や空のイメージ、「Inferior Mirage」と「Frozen」は失恋ソングで、逃げ水や小鳥が象徴的に歌われている。
「KANRANSHA」はデートの帰り道でまだ帰りたくない気持ちを、「Close to you」もひとときも離れたくないと思う人の愛をと、対になったテーマの曲を歌うブロック。その後に好きな人との別れを歌った「ハルカカナタ」を持ってくるのはニクイセットリストだ。
「前半戦いかがでしたか? 10年を振り返ったり、ちょっとせつない気持ちになったり。でも嬉しくなったり、幸せな気持ちになったりと私の楽曲の中にはいろいろありますが、いつでも誰かを想っていたり、焦がれていたりする気持ちを歌った曲が多いのかなと思います。ライブでみんなの前で歌うとレコーディングの時よりも風景も歌い方も変わるし、ライブごとに情景も変わって。今日10周年のこの場で歌えて嬉しかったし、一人ひとりの顔が見えるといろいろな想い出がよみがえって嬉しかったです。ありがとうございます」としみじみ話し、感傷に浸ったお客さんから拍手が起きた。
後半戦はロックキュートなナンバーで感情を揺さぶる構成に!
「盛り上がっていくぞ~!」と叫んで始めた後半戦では「afraid…」で、内田さんの表情もキリっと引き締まり、鋭くクールに。サビ前では「afraid…」とささやき、サビ途中のコーラスではお客さんはタオルや腕を回した。
次の「Under Control」もハードなロックチューンだがテンポを落としつつ、ボーカルは情熱的かつワイルドに。Bメロに入ると内田さんが1フレーズ歌うたびに、お客さんが「オイ!」と声と腕を力強く上げる。その後は「秘密だよ」の入りから「カレイドスコープロンド」に変わり、リズムも転調。しかし、違和感のないシームレスなつなぎのアレンジが素晴らしい。
「みんな、まだまだ行けますか~! 次はキュートでハッピーな曲~!」と紹介して「Floating Heart」。ポップでガーリーな曲らしく、演出もミラーボールが登場し、スポットに照らされるとミントカラーの無数の光の粒が会場中を動き回る。内田さんはドレスの裾を揺らしながら高いキーで歌声を響かせ、「オオオオ!」は会場に耳を傾けながらみんなで合唱。
続く「color station」もキュートな内田さんが感じられる曲で、ここからメドレーに。「きらきら光る瞳はSHINY RED」から始まるサビを何度か続けると、DJのスクラッチのように音が収束して、壮大なイントロの「リードを外して」に。恋焦がれる女性の気持ちを歌ったせつない曲らしく、狂おしい表情でエモーショナルに。
次に来たのは「Candy Flavor」。好きな人と過ごす時間の幸せをかみしめている女の子の曲で、サビの「ねぇどうしたってニヤけちゃう ほらキミのせいだよ? 全部」とかわいく笑みを浮かべながら歌い、続く「Roman tic-tac」と、1つのストーリーを描いているような並び方がおもしろい。
「What you want!」は3rdアルバム『ICECREAM GIRL』の1曲目で、サウンドやBメロの言葉を紡いでいく部分など90年代に流行った欧米のガールズポップのようで、コール&レスポンスや追いかけコーラスなどお客さんが参加できるポイントもたくさん。夏の小旅行をする女の子の曲「Sweet Little Journey」は軽快なテンポにのせて、揺れてリズムを取りながら少女っぽく楽し気な内田さん。
「Ordinary」では「当り前じゃなくなって当たり前に気付いた」と何気ない日常の大切さを歌っているがこの曲の約1年半後に襲ったコロナ禍や、災厄が訪れるたびにこの曲の持つ意味を実感したことをふと思い出す。そこからお客さんにクラップを要求して「Endless roll」。「これからもずっと刻み続けよう 出会い別れ全部をエンドロールに」と胸にグッとくる曲が続く。気持ちや感情が大きく揺れ動かされたブロックだった。