日本ナレーション演技研究所

日本ナレーション演技研究所

日本ナレーション演技研究所出身 山下大輝さん 後編

2014-03-06 19:00:00

PROFILE

山下大輝(やましただいき)

9月7日生まれ。アーツビジョン所属。アニメ『リトルバスターズ!』でデビュー。2013年放送の『ログ・ホライズン』に出演、『ガイストクラッシャー』『弱虫ペダル』では主役を務める。

 テレビアニメ『弱虫ペダル』小野田坂道 役、『ガイストクラッシャー』白銀レッカ 役、『ログ・ホライズン』トウヤ 役と、現在放送中の3作品でメインキャラクターを演じる声優・山下大輝さん。多忙な毎日をおくっている山下さんだが、実は現在も日本ナレーション演技研究所に在籍しており、演技の勉強を続けている。今回はそんな山下大輝さんに、現在出演中の作品についてのお話や、声優を目指したきっかけ、現在ハマっていることなどを前後編にわたり、語っていただきました。 (2014年3月掲出)

日本ナレーション演技研究所

――「日本ナレーション演技研究所」(以下、日ナレ)について伺います。山下さんは静岡出身ですが、日ナレに通うために上京したのですか?

山下大輝さん(以下、山下さん):いいえ。僕が東京に出てきたときは、音楽の専門学校に通うためでした。やりたいことがたくさんあって、そのひとつが歌でした。上京してからボーカル科に2年間通いながら、歌やボイストレーニング、音楽理論などの勉強をしていました。だけど音楽の勉強をするにつれて、「やっぱりお芝居がやりたい」と思うようになってきました。 音楽専門学校に通っていた2年間は、芝居がやりたくて仕方がありませんでした。その影響かもしれませんが、あの時期はアニメや舞台、ミュージカルなど、エンターテイメント作品をとてもたくさん観ました。しかも作品を観るときは、無意識のうちに演者さんに注目しちゃうんです。「この人の芝居はかっこいいなぁ」とか、演技に観入っていました。

――そして演技の道に進もうと決意したのですか?

山下さん:2年間経って音楽学校を卒業するとき、進路指導の先生に相談したんです。そうしたらその先生が「日ナレ」の卒業生だったんです。なので日ナレに通っていたころの話を聞いたり、資料を見せてもらい、声優学校に興味を持ったんです。

――声優学校のなかでも、日ナレを選んだきっかけは?

山下さん:一番通いやすかったからです。週に1回のレッスンなら、バイトをしながら通えると思って決めました。あとは事務所に所属できる可能性があるのと、受講料が安いのもよかったです(笑)。もちろん、レッスンの内容も楽しそうでした。日ナレ出身の声優の方々もすごいですし、講師の方々もすばらしかったです。

――夢を持って日ナレに入ったときの、山下さんの率直な感想は?

山下さん:う~ん……通い始めたのは3年前のことですが、最初は緊張していたのであまり覚えていません(笑)。周りはみんな声優を目指しているから全員ライバルということと、どんな講師が来るのかワクワクしていたのだけ覚えています。本当に未知の世界に足を踏み入れた感覚でした。 僕が入った週1回クラスには、7月に新しい仲間も入ってきて、レッスンに新たな風が吹くような感じで刺激になりました。

――実際にレッスンを受けるようになってからの感想は?

山下さん:入所してからの3年間で感じたことは、講師によってやることがいろいろ違うということです。例えば舞台がメインの講師や、発声や滑舌がメインの講師、アフレコ本番を想定してレッスンをされる講師、さまざまなレッスンを受けることができました。ただ、入ったばかりの基礎科のときは、発声練習などの「身体づくり」から行なう講師が多いように思います。

――日ナレでの思い出は?

山下さん:日ナレに入所して2年後の研修科のころ、「声優になるには、いろいろな役をこなさなければ…」と、悩んでいたんです。僕の声質は、高くて幼いんです。だけどワイルドな役だったり落ち着いた青年だったり、そういった役も演じなきゃいけないと思っていました。 そんなようなことを悩んでいるとき、講師の坂本千夏さんから、「アンタはそういう声質をしてるんだから、それを活かせばいいのよ」って言われたんです!この言葉を聞いて、肩がスッと軽くなったんです。千夏さんのひとことで僕は救われました。いまは同じ事務所の大先輩ですが、坂本千夏さんは大好きな講師です。

――では受講生たちとの思い出はありますか?

山下さん:ライバルではあるけど、同じレッスンを受けた仲間なので、いまだに交流がある人もいます。「アニメ観てるよ!」なんてメールが来るときもありましたね(笑)。日ナレのレッスンが終わってから、仲間たちと食事に行ったりしていたんですが、その席ではレッスンでの演技について意見を言い合ったり、ダメなところを指摘したり、自然に絆が生まれました。僕はプロの声優になってわかったのですが、これはいまの現場でも同じです。アフレコ現場はキャストとスタッフが協力して、ひとつの作品を作り上げていくものですからね。

――それ以外で、プロの現場で役立ったことは?

山下さん:たくさんありますけど、やはり坂本千夏さんの言葉ですね。マイクの前に立ったとき、とても緊張するんです。台本の字が読めなくなるくらい震えることもあります。そのときに千夏さんの言葉を思い出して、「自分がこの役をもらえたのは、僕にしかできないからだ」と自分に言い聞かせて収録に挑んでいます。 だから、千夏さんにはいまだに助けてもらっているような感じですね(笑)。以前事務所で少しだけお会いできたのですが「がんばってるじゃん!」と声をかけてくださいました。

――本当に坂本千夏さんが大好きなんですね!

山下さん:大好きですよ~。だってアグモン(『デジモンアドベンチャー』)ですよ!子どものころから好きでした。いまは自宅で、たまにサンプルボイスを聞いてます。

――事務所のサイトにあるサンプルボイスですか?(笑)

山下さん:はい。サンプルボイスを聞くと落ち着くんです。レッスンを思い出すような感じで。

一同:(爆笑)

――最後に、いま声優を目指している読者にメッセージをお願いします。

山下さん:深く考えすぎずに、エンジョイ精神で楽しんでください。プロ声優になるのは狭き門ですが、楽しさを忘れてはいけないと思います。自分が楽しんで演じないと、キャラクターが生き生きしません。「演じることは楽しい!」という気持ちを忘れずにやれば、落ち込むことも少ないでしょうから。僕の経験上、深く考えすぎるとポジティブになれません。落ち込みそうになったら、とりあえず帰宅して寝る(笑)。そして朝起きてみると、そんなに悩むような問題じゃなかった……ということもあります。 周囲の意見に耳を傾けなければならないこともありますが、あまり惑わされず、自分を信じてあげるのがいいと思います。声優になりたいと考えている読者のみなさん、演じることをエンジョイしましょう!

<取材・文:佐藤隆博>

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