劇場中編アニメーション『甲鉄城のカバネリ 海門決戦』畠中祐さん＆千本木彩花さんインタビュー｜生駒と無名のくすぐったい関係性は見逃せない！

まさかあんな展開に……！

――今回の劇場版は特になのですが、シリーズを通して本当に無名が可愛いですよね。この可愛さは演技面ではどうやって出そうとしているのですか？

千本木：これを言ったらすごく嫌な奴って思われるかもしれないですけど、可愛さは特に意識せず、結果的に可愛いが後からついてきたっていう感じですね。

一同：（笑）。

千本木：もちろん、私だけの力ではなく、画が綺麗で、衣装も本当に可愛いのでそういう要素を総合した結果ですね。

おそらく、私の声だけだとあんまり可愛くないと思います。無名はツンツンしていますし、子どもっぽくてわがままなところ、融通の利かないところもあります。

なので、特に可愛さの面は、ディレクターや荒木哲郎監督から指示はありませんでした。

――千本木さん的には普段通りの演技という感じですか？

千本木：普段通りというとまた嫌な感じになりますけど（笑）。今回に関しては、生駒や鰍のように心を許している人に対しては素直な年相応さというか、少し甘えん坊な普通の女の子という感じで演じています。

畠中：無名は本当に“声”が可愛いと思います。

千本木：絶対思っていない！（笑）

畠中：いや、でも今回の『甲鉄城のカバネリ 海門決戦』になって、より無名が女の子になったなぁって感じますね。

なので、女の子の一面を見た時はやっぱり流石にドキッとします。今までは仲間、相棒、良くて兄妹の様な関係性だったので、そこから急に意識されて……。

千本木：生駒は何も感じていない無頓着ですから！　むむむ……こちらとしてはもどかしいですね。

畠中：女の子の揺れ動く感情が今回の映画にはまざまざと出ていたので、それが衝撃的だったし、ドキッとしちゃいますよね。

千本木：それは逆に、これまでのTVシリーズの彼女が普通ではなかったからだと思います。

今回の映画で無名が「こうしたい」「こう見られたい」と思うことが増えたんだなと思うと成長を感じますよね。

――ファンとしても何より嬉しかったのは、生駒と無名の距離が近づくところだなと思いました。演じてみてくすぐったかったですか？

畠中：くすぐったいですね。

千本木：くすぐったいですね。生駒と無名だけじゃなく、いろんな組み合わせがくすぐったすぎて！　もう、菖蒲様と来栖も流石の可愛さでした！

畠中：流石って何（笑）。

千本木：侑那と巣刈もね、なになになに？　といった感じになりますし。

畠中：いいですよね。

千本木：演じているときはそこまで恥ずかしくないですけど、いざカットがかかってふっと我に戻ると「えへへへへ」ってなりますね。

まさかこんなことになるとは……、みたいなこそばゆい感じになりますね。

畠中：おい、○○したよ……！　みたいな。

千本木：まさかするとは思わないもんね！　それを鰍が見ているのも（笑）。

またどこからか持ってきた知識を無名に教えたりして……。そういうところでもいろいろと想像ができますよね。

今回は全体的にほっこりしました。TVシリーズは張りつめていたので、そこからちょっと解放された、より前を向いている明るさが描かれているなと。

畠中：作品を観終わった後にご褒美をもらえた気分になりますよね。これで彼らも自分たちの力で生きていけるというか、そういう勇気をもらえた気がします。

――甲鉄城のメンバーの結束力が強すぎて、ここからどんな敵が来てもやっていけそうな気がしました。

千本木＆畠中：そうですね～。

畠中：1人1人の成長が垣間見える映画だったなって思います。

千本木：でも、景之の話があるとやはり他人事ではないというか、危機感は感じます。

今はこうやって仲良く結束しているけど、いつ景之のような立場に自分がなるかわからないという恐ろしさも描かれているので。

油断はできないけど、前を向いていこうっていうことを伝えてくれる映画でもあります。

――今回は注目すべきポイントが多いと思いますが、お二人はどこがお気に入りですか？

畠中：僕はやっぱりラストの無名がとびきり格好良かったので、早くあの映像を完成版で観たいですね。

あれは劇場で観たら息もつかせぬ迫力になっていると思います。

千本木：私は無名が鰍をポコポコするところが好きです。

畠中：細かい！（笑）　まさかそことは……。

千本木：鰍は無名にとって心を許せる相手なので、彼女との仲もさらに深まっているように演じられたかなと思います。そこは是非観ていただきたいですね。

畠中：そのあとのセリフも可愛いですよね。

千本木：その一文は台本を読んだ時点で「ここは絶対可愛いシーンになる！」っていうのが確信できました。