『映像研には手を出すな！』伊藤沙莉さん×齋藤飛鳥さんインタビュー｜アニメと実写の浅草氏の対談が実現！ ふたりが考える浅草氏の姿とは？

数々の賞を獲得し、国内外に多くのファンを持つ『映像研には手を出すな！』。大童澄瞳先生が描く独自の世界観は、1月から放送中のアニメでも大爆発！　そしてさらに、実写映画＆ドラマ化も決定しています。

今回は主人公の浅草みどりをアニメで演じた伊藤沙莉さんと実写で演じた齋藤飛鳥さんの対談が実現！

初対面だというおふたりでしたが、徐々に打ち解けていった様子。ふたりの浅草氏が見た『映像研には手を出すな！』の世界を見逃すな！

アニメのPVを見て「どうしてくれるんだ」と思った

――まずは、『映像研には手を出すな！』の印象や、浅草みどりを演じることが決まったときの感想を教えて下さい。

伊藤：ファンの方がとてもたくさんいらっしゃる作品ですし、漫画でアニメ制作を表現しているのがすごいなと思っていました。

そんな素晴らしい作品の登場人物である浅草を私がやるなんて、最初は「すいません……」というか（笑）。恐れ多くもあったんですけど、すごく嬉しかったです。

こういう熱い話って、やっているとやっぱり元気になれるし、観ている方々もすごく元気をもらえると思うので、やりがいがとてもあるだろうなと思っていました。

――アニメの声優を本格的にやることについてはいかがでしたか。

伊藤：吹替えは一度だけやらせていただいたこともあったんですが、アニメの声優に関しては本当に初めてでした。今回は基本的に、金森氏と水崎氏と一緒に三人で撮っていきましたね。

実写なら表情で訴えかけたりするようなことが完全に封じ込められるので、家で実際に声に出してみたり、声だけの表現の仕方をめちゃくちゃ練習しました。

――アニメ版の浅草役は伊藤さんしかいないと思えるほどピッタリなお芝居でした。

伊藤：いやいやいやいや!!

一同：（笑）。

伊藤：最初のほうは音響監督さんに指導していただいて、いざなってくださった感じでしたので。

一番最初にやった時は本当に素の感じだったので、「よい働きだ、金森くん」がただのヤンキーみたいな感じだったんです（笑）。

一同：（笑）。

伊藤：本当に「どうしよう!?」って感じだったんですけど、「もうちょっとアニメっぽい声出せますか？」とか、「寅さんぽく喋れますか？」という風にディテールを詰めていただいたことで、浅草氏が徐々に出来上がっていきました。なので、本当にみんなに作っていただいたという感じですね。

――では、齋藤さんはお話をいただいたときはいかがでしたか。

齋藤：最初は自分がどう関わるのかという以前に、「実写化できるんだ！」ということに驚きました。「できるのかな」という話をいろいろな方がしているのは聞いていたので。

漫画原作の実写化作品に出演するのは初めてなので、どういうふうに作品を理解して、表現していけばいいのかは、最初は分からなかったのでちょっと不安でした。

――実写とアニメ、おふたりが演じるそれぞれの浅草を観ていかがですか。

伊藤：あ、はじめまして。伊藤沙莉です。

一同：（笑）。

齋藤：はじめまして（笑）。

伊藤：ドラマを見て、すごい……浅草氏でした！　こんな風に言うのもアレですけど「うわー！　浅草氏だ！」って思いました。実在の人になったというか。（原作に）似てますね……似てます！

齋藤：ありがとうございます！　嬉しい。

伊藤：オドオドしているときの目の開き方がすごく似ていて、研究されたのかなと思いました。

キャラクターに寄り添いすぎると人間味がなくなっちゃったりするだろうし、漫画原作ならではの葛藤とかやり辛さがあると思うんですけど、そういった細かい部分を寄せることでかなり浅草氏に近づくというか。

上からみたいになってしまうんですけど、浅草氏をちゃんと表現されていて感動しました。

――齋藤さんは、アニメ化のお話はいつごろ知られたのでしょうか。

齋藤：撮影が始まってからアニメのPVを見て……「どうしてくれるんだ」って思いました（笑）。

一同：（爆笑）。

齋藤：浅草氏っぽいし、かつ伊藤さんにしかできないことをやっていらっしゃったので、PVを見て私たちどうするんだよって（笑）。金森、水崎と一緒に見て「すごいね。私たち大丈夫かなあ？」って心配してました。

――思わず影響を受けてしまいそうになりましたか。

齋藤：そんなにアニメに近づけようとしてはいけないのかなと思っています。もちろん頭の片隅に意識はしてしまうんですが、ちゃんと自分にできることだけをしようと。

伊藤さんのいいところを吸収して……みたいに欲張りすぎても、今の自分にはきっとできないなと思います。なので、自分の中では別物として、いち視聴者としてアニメは楽しんでいます。