『宇宙戦艦ヤマト2205　新たなる旅立ち前章-TAKE OFF-』小野大輔さん&畠中祐さんインタビュー｜土門も古代と同じ道を歩んでしまう、同じ魂を持っている

土門の起こす行動に「もっとやれ！」

ーーあとガミラス星とイスカンダル、デスラーとスターシャが迎える最大の危機でもあります。

小野：ガミラスとイスカンダルの長く続く物語も注目ポイントです。『2202』で旅をやり終えたと思っていましたが、まだやり残していたことがあったんだなと。いつも旅に出る前に「何でまた旅に出なくてはいけないんだろう？」と思うんですよね。だって楽ではないし、絶対にツラいから。

畠中：今回もツラいですよね。

ーー『ヤマト』シリーズは新旧関係なく、視聴者にこれでもかと絶望を味わせつつ、せつなさもありますが、今作もそこは変わらなくて。

畠中：僕も見て泣いてしまいました。更に今回は家族愛も描かれているので、より深みが増している気がします。

小野：薮さんの話が好き。泣きそうだった。

畠中：僕もダメでした。

小野：『2199』で登場しましたが、まさか生きていて、家族までいるとは。

畠中：彼は重いものを背負っているし、起こした行動の理由も理解できるんですよね。それぞれのキャラクターが各自いろいろなものを抱えていて、各々が信じるもののためにぶつかり合って。何が正しいとか、悪いとか言いきれないから、演じる時も難しくて。

小野：土門と薮は似たような立場で、2人の会話は『ヤマト』っぽいなと思いました。
地球側も「敵って誰？」とか「その人は本当に味方なんですか？」と、一枚岩ではないところもあって。

畠中：だけど、最後は古代進が魅せてくれるんです！　カッコいいんです！

小野：そういえば、土門と古代の会話って言葉数が少ないよね？

畠中：古代が背中で見せてくれる部分が多いと思います。

ーー古代の土門への対応の仕方も、かつての自分と重ね合わせているところもあるのかなと。

小野：
ヤマトに乗り込む理由もリンクしていますよね。土門も古代と同じ道を歩んでしまう、同じ魂を持っていて。

土門を見ているとニヤニヤしちゃうんですよね。「あるある！　自分も昔はそうだった。いいぞ、もっとやれ！」みたいな。

一同：（爆笑）。

ーーでは最後に今作の見どころ、注目ポイントのご紹介をお願いします。

畠中：僕と同じような『ヤマト』初心者の方でも、新クルーの視点から物語に入り込んで、共感できると思います。見終わった後は熱いものを持って劇場を出られると思います。

今は新型コロナなど先が見えない時代ですが、生きている皆さんの背中を力強く押してくれる作品になっていると思うので、その熱量をぜひ体感してほしいし、『ヤマト』に触れたことがない人ほど見ていただきたいです。

小野：足掛け9年、『ヤマト』と一緒に旅をしてきて、今が一番幸せを感じているのかもしれません。エンターテイメントの持つ力、『ヤマト』の持つ未来に進むポジティブな推進力を今こそみんなで分かち合う時じゃないかと思っています。このタイミングで『宇宙戦艦ヤマト2205　新たなる旅立ち』というタイトルをお届けできることに喜びを感じています。

『ヤマト』を長年愛してくださっている皆さん、そして『2199』の出渕裕監督から『2202』の羽原信義監督、そして今作の安田賢司監督へとつないできた各作品を見てくださった方、そしてこれから未来を担う方たち、すべてのクルーに感謝したいです。これから先に『ヤマト』を進めていくためにも、この船に一緒に乗ってください。ここから旅立ちましょう！

『宇宙戦艦ヤマト 2205 新たなる旅立ち』前章 -TAKE OFF-作品情報

2021年10月8日（金）上映

概要

1979年に放送され、高視聴率を獲得したテレビスペシャル『宇宙戦艦ヤマト新たなる旅立ち』をモチーフに、全二章、完全新作で描く「宇宙戦艦ヤマト」シリーズ最新作。〈前章 -TAKE OFF-〉は、10月8日（金）より劇場上映・Blu-ray特別限定版販売・デジタルセル配信同時スタート。

【Blu-ray】劇場版宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 1

【DVD】劇場版宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 1

スタッフ

原作：西﨑義展
製作総指揮・著作総監修：西﨑彰司
監督：安田賢司
シリーズ構成・脚本：福井晴敏
脚本：岡秀樹
キャラクターデザイン：結城信輝
メカニカルデザイン：玉盛順一朗・石津泰志・明貴美加
音楽：宮川彬良
音響監督：吉田知弘
CGディレクター：後藤浩幸
アニメーション制作：サテライト
配給：松竹 ODS 事業室