上坂すみれさん12thシングル『ジャヒー様はくじけない！』新OP曲「生活こんきゅーダメディネロ」リリース記念インタビュー｜作詞・作曲を前山田健一さんが務めた楽曲は生活の苦労さえもポップに描く！

自身で作詞した「ものどもの宴」はYouTube番組『上坂すみれのおまえがねるまで』のテーマ曲！

──ご自身で作詞されたカップリング曲「ものどもの宴」は現在配信中のYouTube番組『上坂すみれのおまえがねるまで』のテーマ曲ですが、番組の内容のご紹介をお願いします。

上坂：映像が付いている動画ラジオみたいな番組で、表情や仕草も伝えられるので、可能性も広がった気がします。毎回違うコーナーをやっていますが、私はいつも雑談が長いのでまったくコーナーがない回もあったりして。それも許してくださるリスナーの皆さんには感謝です。

またたくさんメールをいただいていて、それを読むのが楽しくて。採用されるとノベルティステッカーをプレゼントしているので、それ目当てでもいいので、送っていただけると嬉しいです。

──「ものどもの宴」はどんなテーマやイメージで作詞されたのでしょうか？

上坂：最初はイントロのジングルだけだったものが曲になり、歌詞を書くことになりました。曲自体が夜の舞踏会みたいな雰囲気で、優雅さだけではなく、激しめなところもあったので、普段は働いているけど、時々大ハシャギするウソっぽいシンデレラをイメージして作詞しました。

──「まばゆい光の中で踊れ美しく」や「飲んで喰って歌! Lalalala」など土曜の夜に秘密の場所に集まって、みんなでパーティしているようなお祭り感がありますね。

上坂：まさに『サタデー・ナイト・フィーバー』ですが、根は暗いという。それくらいのほうが私は居心地がいいので、はっちゃけ過ぎないように書きました。

──「ひとり彷徨うアラジン涙を流すマーメイド」や「魔法が降り注ぐ夜」などファンタジー感も。あとロシア語のフレーズもありますが、どんな意味が？

上坂：「物語が続くよ」という意味です。オケが壮大な感じだったので、日本語ではないほうが合うかなと思って、好きなロシア語を入れてみました。

──そのDメロラストで「とにかく今は眠りたーい明日は休みます」と歌っていますが、まったくそんなテンションではなくて。

上坂：そうですね。みんなと一緒に飲んだ帰り道に急に酔いが回ってきたような。会が解散した瞬間に疲れがどっと出てしまう人みたいにめいっぱい遊んだけど、今はしんどいと。

──最後の「もうちょっとだけ話そう」はラジオの曲らしいですね。

上坂：番組の雰囲気をイメージして、「テーマ曲だったらここが使われたらいいな」と思いながら書きました。

──もう1曲のカップリング曲「ドロップス」もご自身の作詞曲ですが、前2曲とは対照的なしっとりしたミディアムナンバーですね。

上坂：一番最後に作ったんですけど、BPM200くらいの曲が続くため、聴いている方の血圧が上がりっぱなしになってしまうので、ゆったりした曲を作ろうかなと。

そして今まであまりやっていない歌謡曲でもなく、J-POPっぽい雰囲気の作詞にも挑戦してみました。

──素敵なタイトルですが、由来は？

上坂：それがあまり覚えていなくて。気が付いたら下書きに書いてあって、保存時間を見たら午前4時で。心霊現象ではと一瞬疑いましたが。横にあった酒びんを見たら私が書いたんだろうなと（笑）。

でも、いつも「〇〇の〇〇」というタイトルをつけがちなので、ひと言にしたくて。「ひと言=おしゃれ」という意識から生み出された言葉だと思います。歌詞の中に近しい言葉が多いので、そこから着想を得たのかなと。

また歌詞にない言葉で、カタカナという珍しいタイトルになりました。意味は皆さんのご想像にお任せします。

──昭和歌謡に詳しい上坂さんらしく、シティポップっぽい歌詞だなと。

上坂：平成に寄せてみたんですけど、足りなかったみたいですね（笑）。私は1行目から順番に書いていくタイプですが、書き出しが2週間くらい思い浮かばなくて。そのうちに暑い夏がやってきたので、自然と夏っぽい歌詞になりました（笑）。

仕事帰りにうろうろ歩きながら考えていたため、お休み時間はこんなふうに過ごしたいという理想のレジャーが書かれています。

──いつもの上坂さんの歌詞の世界観や空気感とはまったく違っていて。曲だけ聴いたら上坂さんが作詞していると気づかない方もいるのでは？（笑）

上坂：別名義を作ったほうがいいかもしれませんね。前山田さんみたいに名義を使い分ける時が来たのかもしれません（笑）。苦労しながら書いたので、5年くらいして再び聴いてみたら背伸びしてるなと思うかも。

──歌い方も大人っぽいですね。

上坂：相当ゆっくりしたテンポですし、私の中にあまりない文化なので、おしゃれに歌ってみようと。「ものどもの宴」と同じ人が作詞して、書いているとは思えない、いい仕上がりになったと思います。

ただこのシングルをリピートして、3曲目から1曲目に戻る時は危険なのであまりオススメできません。もしこのシングルを再び聴く時は1回、（小倉）唯ちゃんの曲（「ジャヒー様はくじけない！」第１クールOP主題歌「Fightin☆Pose」）を挟んで下さい（笑）。

たぶん私史上、最高に落差があるシングルになったと思うので、どうか段差にはお気を付けて。

10月30、31日開催の『上坂すみれのPROPAGANDA CITY 2021』は新曲祭り！

──ジャケットはポップなビジュアルですが、衣装等に使われている素材はどこかで見たことがあるような？

上坂：アニメや表題曲のテーマの1つ、倹約生活に沿って、緩衝材のプチプチや缶のプルタブ、洗濯バサミなど手軽に手に入るもので作ったコンセプチュアルな衣装です。

着てみると意外とカッコよくて、背景も鮮明な赤で、前作の「EASY LOVE」とはガラっと印象が変わったジャケットになったと思います。

ジャケットではすごく大きな冠をかぶっていますが、ずっしり重くて。よく衣装展を開催していただいていますが、現物を見ていただきたいと思う一品です。

──10月30、31日に開催される『上坂すみれのPROPAGANDA CITY 2021』への意気込みをお聞かせ下さい。

上坂：もともと2020年3月・4月に行う予定でしたが、2度の中止を乗り越え、約2年半ぶりの有観客ライブを開催できることになりました。昨年はアルバムの発売直後でしたが、ここまでの間にさらに2枚のシングルがリリースされたので、新曲祭りになるかなと。計3公演ありますが、公演ごとに衣装や演出も少しずつ変える予定です。

そして12月25日にファンクラブイベントが開催されます。皆さんと一緒にクリスマスが過ごせるので、ぼっちクリスマスにならずに嬉しいです（笑）。

──皆さんへメッセージをお願いします。

上坂：『ジャヒー様はくじけない！』は2クール目に入って、キャラも増えてにぎやかになり、ジャヒー様もますますかわいさが増していると思います。作品の世界観と生活感あふれるOP曲も楽しんでいただきつつ、魔法少女の活躍にもご期待下さい。

『上坂すみれのPROPAGANDA CITY 2021』は久々のライブなので緊張していますが、たくさんのグッズと新曲、衣装などで楽しい時間をお届けします！参加してくださる皆さんも緊張しながら楽しんでくださいね！