音楽と物語の力を実感した14年――「fhánaの音楽がみんなの生活と共にあったら」の想いを込めて19曲を披露した「fhána 5th Album Tour 2024-2025」東京公演レポート

アンコールは“World Atlas”などで、最高の一体感で盛り上がる

大きなアンコールの拍手に応えて再登場したfhána。ストリングスの派手なイントロから始まる「World Atlas」では、ツアーグッズのベースボールシャツに着替えたtowanaが笑顔で歌唱。会場のクラップもひときわ大きくなると、演奏後に佐藤が「“World Atlas”いいですよね。Good Musicという感じで」と満足そうな表情で語る。

続けて佐藤が、「ここでもう一つ言おうと思っていたことがあって」と切り出し、「fhánaの明るいアルバムといえば、『World Atlas』かなと思っていて。そしてこのアルバムのツアーからfhánaの今のライブの形が出来上がってきた気がして、『旅』みたいな。メンバーも人生で旅を続けて、ここに来ている“ふぁなみりー”や曲を聴いてくれる方もそれぞれの旅を続けて、ライブの場で合流して時間と空間を分かち合って、またそれぞれの旅に戻っていく。そのサイクルが出来上がって。あの時の気持ちを思い出して作りたいと思ったのが今回のアルバムでした」と語ると会場からは大きな拍手が挙がった。

グッズ紹介などひとしきり終わると、「ちょっと落ち着いちゃったけど、みんなでSing alongしましょう！」とtowanaが客席に呼びかけて、“愛のシュプリーム！” （TVアニメ『小林さんちのメイドラゴン S』OP 曲）へ。towanaとkevinの息のあった歌の掛け合いやダンスに会場も熱が上がっていき、観客も大きく身体を動かしていく。

kevinが「一緒に踊ってもらっていいですか？」と促して“青空のラプソディ” （TVアニメ『小林さんちのメイドラゴン』OP 曲）に続いていく。観客もこの日一番大きな声を挙げて最高の一体感に。

これからも続くfhánaの旅。皆さんもfhánaの音楽が人生の一部になってくれたら

「今年fhánaが結成14周年を迎えます。始めた時はアニソンをやるとも思っていなくて、ただカッコいい音楽をやりたいだけでした。でもアニメの音楽に携わるようになって、たくさんの人に出会ったり、普通であれば行けないような世界中の国へ旅に行かせてもらって。音楽と物語の力は本当にすごくて、いろいろなものを超えていくし、繋いでいく力があると思っています。そんな日々を10年以上続けてこられて幸せだと思っているし、これからも続けていきたいと思っています。ここまで旅を続けてこられたのはメンバーと支えてくれているミュージシャン、僕たちの音楽を聴いて、心待ちにしてくれる皆さんのおかげです。ありがとうございます」と語った佐藤。

そして「これからも僕たちの音楽が人生の一部になってくれたらと思っています。最後にこの曲を聴いてください」と伝え、この日最後の曲となった“Outside of Melancholy～憂鬱の向こう側～”へ。疾走感があるバンドサウンドにtowanaさんのエモーショナルな歌声が重なると、サビで見せた観客の大きな腕の振りはツアーのフィナーレを惜しむように大きなうねりを見せた。

これまでの壮大で俯瞰で見た世界を表現してきた作品とは異なる、楽曲を聴くリスナーに寄り添い、地に足をつけた生活感を感じられるアルバム『The Look of Life』を完成させたfhána。今回のツアーを通じて今のfhánaをふぁなみりーと共有したツアーはフィナーレを迎え、2026年の結成15周年に向けてまた新たな1歩を踏み出した。

カメラマン： 笹原清明

fhána 結成14周年記念ライブ「fhána Billboard Live 2025」

＜公演日＞
2025年5月2日(金)
1stステージ 開場 16:30 開演 17:30
2ndステージ 開場 19:30 開演 20:30

＜会場＞
Billboard Live YOKOHAMA
神奈川県横浜市中区北仲通５丁目５７−２ 1F KITANAKA BRICK&WHITE

▼一般販売中
https://www.billboard-live.com/yokohama/show?event_id=ev-20449