音楽と物語の力を実感した14年――「fhánaの音楽がみんなの生活と共にあったら」の想いを込めて19曲を披露した「fhána 5th Album Tour 2024-2025」東京公演レポート

fhánaが2024年11月に5thアルバム『The Look of Life』をリリース。そのアルバムを引っ提げたツアー「fhána 5th Album Tour 2024-2025」が11月からスタート。年をまたいだ2025年1月13日、東京・HULIC HALLにて千秋楽を迎えた。

ツアーファイナルであり、2025年のライブスタートとなった東京公演の模様をレポート！

疾走感あふれるバンドサウンド“Beautiful Dreamer”からスタート

開演時間を迎えるとアルバム『The Look of Life』の1曲目に収録されている“Introduction（life is coming back）”が流れ、メンバーがステージに登壇。

最後に登場したのはさわやかなスカイブルーの衣装をまとったボーカルのtowana。手を広げて軽く頭を下げると、強烈なギターリフのイントロから1曲目“Beautiful Dreamer”がスタート。疾走感のあるバンドサウンドにのせて、towanaの歌声も力強くツアーファイナルがスタートした。

ブルーの点滅を繰り返すステージの中、towanaが“現在地”を歌い始めると会場もクラップが始まり、会場があっという間に温まっていく。

「『The Look of Life Tour』ファイナル！」というtowanaの弾む声で観客を煽った“Runaway world”（TVアニメ『逃走中 グレートミッション』OP）では、大きなクラップが鳴り響く。サビでtowanaが客席へマイクを向けると、佐藤純一と kevin mitsunagaに負けない観客による「君を守ると決めたらチカラが湧き上がるよ」の大合唱に。ギターの中西（HoneyWorks）によるギターソロでは、kevinも持ち場を離れてステージ狭しと走り回り観客を煽っていた。

新年のあいさつ後には「深夜2時のテンション」の“city dream city”で弾けて会場全員でダンス

リーダーの佐藤純一が最初のMCで「今年もよろしくお願いします」と新年のあいさつ。「ライブで1年が始まるなんて最高ですね」と言う発言に、towanaとkevinもうなずく。

次に歌う“city dream city”の紹介では、kevinが「今までのfhánaにはあまりない振付をしたいなと。皆さんで練習を」とダンスのレクチャーを。

「深夜2時のテンションで作った曲で、ある種やぶれかぶれみたいな」と佐藤が説明した“city dream city”は今までのfhánaにない言葉が繰り広げられるチャレンジングな1曲。
kevinによる直前のレクチャーもさることながら、事前に公式YouTube「fhána Official Channel」でtowanaが踊る振り付けお手本動画が公開されていたこともあって、観客のダンスはバッチリ。左に右にと観客がクラップをしていくと会場に波が起きているような光景に。それを見た佐藤からは「皆さん、振付が上手でした。新年早々いいものが見られました」という感想が語られた。

90年代のシティポップを彷彿とさせる“Matching Error”では照明もスピード感あふれる展開。towanaの表情も打って変わってシリアスに。続く“spiral”は作詞家・林英樹とtowanaの共作。佐藤が歌い始め、ミドルテンポに合わせてtowanaとkevinがツアーグッズとして恒例となったフラッグを観客と一緒に揺らしていた。