村川梨衣さんが新たな魅力を見せた！「村川梨衣 2ndRiELiVE ～梨の季節～」をレポート

2ndアルバム『RiESiNFONiA』を引っさげての村川梨衣さんの2ndライブ《村川梨衣 2ndRiELiVE ～梨の季節～》がパシフィコ横浜で行われました。歌の魅力、パフォーマンスの魅力、トークの魅力などなど、彼女のいろんな魅力が炸裂したライブとなりました。

前回のライブも様々な仕掛けが用意され、“RiEMUSiC”を体現してきた村川さん。今回のライブではどんな姿を見せてくれるのでしょうか？

あっという間の2時間、駆け抜けた2ndライブ

2ndアルバム『RiESiNFONiA』を引っさげての2ndライブではあるが、かねてから、これまでリリースしてきた楽曲すべてで厳正なるりえしょんオーディションを開催し、そこから選ばれた楽曲を披露すると語っていたりえしょん。なので、何が歌われるかは当日ライブが始まるまでまったく予想がつかなかった。

彼女の楽曲は、バイオリンの音色というのが軸として印象的にありつつ、実に幅広いジャンルがある。中でも、キュートな歌声のポップチューンと激しいロック調の楽曲が大きな魅力としてあると個人的に思っているので、今回の2ndライブは、その2つの大きな魅力が余すところなく見られるライブになるのではないかと思っていた。

まずはバンドが入場し「Graceful」のイントロを演奏し始めると、りえしょんが登場。徐々に色づいていくこの曲のように、会場のテンションもどんどん上がっていく。さらに昭和のアイドル歌謡感漂うかわいらしい名曲「水色のFantasy」まで歌い切る。

最初の2曲は『RiESiNFONiA』と同じ並びだったが一転、ロックな世界が広がる。そのきっかけになったのは「レクイエム-Requiem-」だ。1stRiELiVEのときに初披露され、以降ほとんどのイベントで歌っているのではないかというほどの人気曲だけあって、イントロから瞬時に爆発！　サビの〈（堕ちてく）〉、Dメロの〈（共に謳え）〉の大合唱は圧巻で、本当にライブ映えする楽曲だと思う。

最初の3曲でグッと観客の心をつかんだが、MCではいつもの彼女らしいトークを繰り広げる。「今歌った3曲、楽しんでもらえたでしょうか。アルバムの曲でした……ざっくりなんですけど（笑）」と、ものすごくアバウトな曲解説をして場をなごませると、そこからは怒涛のカッコいいモードに突入。

「Re:Emotion」ではファンによってサイリウムで虹が架けられ、そこから「Night terror」「月のIx」と続けて歌っていく。バックバンドにバイオリンが入っているのだが、その良さをより感じる3曲だったと思う。

そしてハンドマイクからヘッドセット姿になった「硝子の扉」「光のイグジット」では、楽曲の世界観に合わせてダンスパフォーマンスを披露する。楽曲の聴かせ方見せ方までこだわっていることが伝わってくる。

先程、2つの大きな魅力と書いたが、ここでもうひとつ、ダンスという魅力も加わったと言えるだろう。確かに『RiESiNFONiA』に収録のこの2曲、特に後者は分かりやすくダンスナンバーだったが、ここまでダンスに振り切ってくるとは想像していなかった。

コーナーを挟み、衣装チェンジしてからの一発目はハイテンションナンバー「恋するパレード」！　衣装の可愛らしさと歌声で、これまでの雰囲気をガラッと変える。かと思ったら、その衣装のまま壮大な「Bright」に突入する。

大きな扇子を持ってのパフォーマンスだったが、この楽曲はファンタジーな世界観なので、武器（扇子）を振るいながら舞っているような、そんなふうにも見えた。

その世界観と地続きのようにも受け取れる「辿りつく物語（せかい）は」では、力強い歌声で聴かせる。CD音源では、より演奏を聴かせるようなミックスになっていたが、ライブでは彼女のボーカルの凄みというのも感じられて、ライブならではの迫力を感じる2曲だったように思う。

コーナーはあったものの、ここまでぶっ続けで踊って歌い続けてきたりえしょん。カッコいいとかわいいを行き来しながらの、まさにジェットコースターのような楽しさだったが、久々のMCで衝撃の告白「なんとラスト２曲になりました！」に、当然大きな「えーー！！」が返ってくる。確かにそのくらい濃厚だったし、一瞬に感じるライブだった。

ただ、ラスト２曲は最高の２曲だからと宣言して歌ったのが「Tiny Tiny」だ。この曲は、彼女がリスペクトする神前暁さんの作・編曲の楽曲。やはり神前さんの曲は無条件で盛り上がれる魔法がある。最高の盛り上がりを見せて、最後はどこか切なさを感じるポップチューン「帰れない場所へ」で締めくくる。

大きな拍手に応えてのアンコールは「Anytime,Anywhere」から。これは1stアルバム『RiEMUSiC』の1曲目だ。彼女のアルバムの1曲目のイントロは秀逸で、その世界にスッといざなってくれるところがある。アンコールで再びりえしょんワールドに入り込むと、MCを挟んで最新シングル「Distance」を披露。TVアニメ『ヒナまつり』のOP楽曲で、こちらもアッパーで盛り上がる曲だ。

曲のアウトロでは「最高！」を連呼して、観客を煽りまくるりえしょん。そして最後は大きくジャンプをして締めた。

いよいよ本当にラストの曲。「みんなもう最後だから。ほんまのほんま、一歩も動けねぇ～ってくらいには力を出し切って……まぁそういう曲でもないんだけど……（会場笑）、最後は自分の力では帰れませーん……いや帰ってはほしいんですけど（会場笑）、そのくらいの気持ちで臨んでいただければと思います！」と彼女らしいMCを挟んで歌ったのは「Baby,My First Kiss」。

MCのロックテンションとは違う、ものすごく可愛いらしいおしゃれポップチューンなのだが、最後はみんな笑顔で＜Baby baby my first kiss,it's you＞と歌って、2ndRiELiVE ～梨の季節～を終えた。

[取材・文/塚越淳一]

セットリスト

1 Graceful
2 水色のFantasy
3 レクイエム-Requiem-
4 Re:Emotion
5 Night terror
6 月のIx
7 硝子の扉
8 光のイグジット
9 恋するパレード
10 Bright
11 辿り着く物語（せかい）は
12 Tiny Tiny
13 帰れない場所へ
En1 Anytime,Anywhere
En2 Distance
En3 Baby,My First Kiss