『宝石商リチャード氏の謎鑑定』OP曲が生まれるまでの物語と宝石の魅力|宝石好きで知られるやなぎなぎさんにインタビュー
反動から生まれた「透明の国」
――カップリングの「透明の国」は色合いがかわって無機質な雰囲気です。“石”は意識されたんです?
なぎ:カップリングはあんまり意識していないんです。カップリングはいつもそのとき書きたいものを書いています。
――では「透明の国」はどんな思いから広げていった曲なんでしょうか。
なぎ:曲を作るときってトラックから作ることが多いんですが、この曲はもう先に詞を書いていたんです。眠れない夜に携帯のメモにポチポチ書いた歌詞でした。
書こうと思ったキッカケが……。昨年ベストを出して(『ベストアルバム –MUSEUM-』『ベストアルバム -LIBRARY-』)、ツアーをやって、いったん落ち着いた時期があったんですね。夏くらいだったと思います。
ツアーでは表題曲をたくさん歌っていたので、自分も曲に引っ張られて明るい気持ちでツアーをやっていたんですが、その反動が大きかったのか、ジェットコースターを下りきったような感じになってしまって。その時に書いたものなんです。
――なるほど、ミステリアスな絵本のような歌詞ですが……。
なぎ:ネガティブなことって童話っぽく歌詞に抽出することが多いんです。それで物語風になっています。
――ネガティブな想いを吐き出すと童話風になる。ある意味すごく健全というか、なぎさんらしいなと感じるんですが、その理由ってなんなのでしょう?
なぎ:昔からのクセかもしれませんね。みんないろいろなストレス解消法があると思うんですが、私にとっては“書く”ことがそれで。ある種健康的かもしれません(笑)。自分のネガティブな気持ちを消化したい、出し切りたいという気持ちがあって。でも直接的な言葉で書くと、あとで自分が見たり聴いたりしたときに、またズンと重い気持ちになってしまうなと。
――確かに明るい曲に引っ張られるように、暗い曲にも引っ張られますよね。
なぎ:そうなんです。自分の言葉でまた傷つかないためにというか(笑)。物語っぽく書きだして、この感情を終わりにしてしまおうという感じです。
――その物語に音をつけていく作業のときは、もう気持ちは切り替えられているんですか?
なぎ:はい。音をつけていく瞬間っていちばん楽しいんですよ。書いた瞬間にそういう(暗い)感情はもう終わっているので、あとはいかに曲にしていくかというか。音にする瞬間ってなんでも楽しいんですけどね(笑)。
――正反対の曲ではあるけど、どちらもなぎさんの心のなかから生まれた、なぎさんらしい曲ですね。
なぎ:そうですね。「宝石の生まれるとき」は自分が元から好きなものから派生したテーマで書いているので、どっちも自分らしさが出ていると思います。私らしいシングルになりました。
毎年恒例コンセプチュアルライブ 今年のテーマはピンク
――毎年恒例の「color palette」が今年は春に開催されます。今年のテーマカラーはピンクですね。
なぎ:color paletteは毎年夏や秋の開催だったんですが、今年は春にcolor paletteをお届けできるということで思い切って、春らしいピンクにしました。来年以降はまた夏~秋の開催になりそうですし、ピンクは春にしかできないカラーだと思うので思い切りました。
年末の『memorandum』は演出や世界観重視のステージだったのですが、次は色がテーマのライブなので、それもふまえて春らしいライブにしようと思っています。春らしいカヴァー曲もきっとやると思いますし、爽やかな雰囲気にできたらなと。
――グッズも楽しみです。
なぎ:毎回色にちなんだものを出しているのでピンクのなにがしかを出せたらいいなと思っています(笑)。今まさに考えているところですね。
――2020年いろいろな動きがありそうですが、今の時点でお話ができることは何かありますでしょうか。
なぎ:4月からはじまる『俺ガイル』のオープニング曲がリリースされる予定です。tokuさん(GARNiDELiA)の主催するトークライブ<Tasty Time at Music Crossing Vol.1>、(2月24日(月・祝)と、Geroくんがプロデュースする音楽フェス<ちゃんげろソニック2020>(5月10日(日)/千葉県 幕張海浜公園Gブロック特設会場)にも出演させていただきます。どちらも楽しみですね。あと、他にもいろいろ進行中です。
――他にも!? 楽しみにしています。ありがとうございました!
[文・逆井マリ]
OPテーマ「宝石の生まれるとき」情報
2020年2月19日(水)発売
価格:1,500円(税抜)
品番:EYCA-12799
<収録曲>
1.宝石の生まれるとき:作詞:やなぎなぎ 作曲・編曲:北川勝利(ROUND TABLE)
2.透明の国:作詞・作曲・編曲 やなぎなぎ
3.宝石の生まれるとき inst.
4.透明の国 inst.
イベント出演情報
toku from GARNiDELiA Presents Special Live <Tasty Time at Music Crossing Vol.1>
GARNiDELiAのコンポーザーとして、作編曲・プロデューサーとして多くアーティストの楽曲で活躍しているtokuと、ゲストアーティストを迎え、人や音楽、時代が”Crossing”する渋谷から発信する、
アコースティックありエレクトリックありのスペシャルアクト。
記念すべき第1回目のゲストボーカルとしてやなぎなぎが出演いたします!!
2020年2月24日(月・祝)
1部 開場:16:00/開演:17:00
2部 開場:18:30/開演:19:30
eplus LIVING ROOM CAFE & DINING
ライブ情報
コンセプチュアルライブ やなぎなぎ「color palette ~2020 Pink~
2020年4月4日(土) 開場:16:30/ 開演:17:00 東京・日テレ らんらんホール
2020年4月25日(土) 開場:16:30/ 開演:17:00 大阪・堂島リバーフォーラム
》詳細は[こちら](http://yanaginagi.net/works/
やなぎなぎ プロフィール
2006年から音楽活動をするアーティスト/ボーカリスト。2009年supercellからオファーを受け「nagi」名義でゲストボーカルを担当。2012年2月にはTVアニメ「あの夏で待ってる」EDテーマ「ビードロ模様」でメジャーソロデビュー。
2013年7月には待望の1stアルバム「エウアル」を発売。現在までに19枚のシングルと4枚のアルバムを発売し、2019年1月19日にベストアルバム -LIBRARY-、-MUSEUM-を2枚同時発売。
11月13日にはカップリング曲を集めたアルバム「memorandum」を発売。アニメに関わらずドラマの挿入歌やゲームの楽曲も手掛けており、TVアニメ「Just Because!」ではアニメの音楽プロデュースも担当。オープニング、エンディングテーマに加え、劇伴も担当している。
数々の楽曲の発売に加え、全国ツアーや企画ライブなどの活動も精力的に行っている。
一度聴いたら忘れられない繊細な声質と、印象的な楽曲の世界観が支持され、活躍の場を広げている。
TVアニメ『宝石商リチャード氏の謎鑑定』作品情報
イントロダクション
正義感の強い大学生・中田正義は、ある夜、酔っ払いに絡まれていた美貌の外国人・リチャードを助ける。彼が宝石商であることを知り、祖母が死ぬまで隠し持っていたいわくつきの指輪の鑑別を依頼した正義。リチャードの鑑別により明らかになったのは、彼女の過去、真実、そして想いだった。
それをきっかけに、正義はリチャードが店主を務める銀座の宝石店「ジュエリー・エトランジェ」でアルバイトとして働くことになる。
エトランジェに日々持ち込まれる様々な“謎”を紐解く中で、少しずつ変化していくリチャードと正義の関係性。しかし2人には、それぞれ誰にも明かすことのない秘密があった―。
~美しき宝石商と正義感溢れる大学生が紡ぐジュエル・ミステリー、開幕~
放送情報
2020年1月9日(木)24時よりTOKYO MX、BS11、AT-X、WOWOWにて放送中
TOKYO MX:1月9日(木)毎週木曜24:00~
BS11:1月9日(木)毎週木曜24:00~
AT-X:1月9日(木)毎週木曜23:30~ ※リピート放送あり
WOWOW:1月15日(水)毎週水曜24:30~ ※第1話は無料放送
※放送時間は都合により変更になる場合がございます
配信情報
配信サイト情報はこちらから https://jeweler-richard.com/onair/
STAFF
原作:辻村七子『宝石商リチャード氏の謎鑑定』(集英社オレンジ文庫)
監督:岩崎太郎
構成/脚本:國澤真理子
キャラクター原案:雪広うたこ
キャラクターデザイン/総作画監督:近藤奈都子
リチャード監修:川添政和
美術:一色美緒
色彩設計:歌川律子
CGプロデューサー:神林憲和
宝石監修:工藤 直一(日本宝石特許鑑定協会)
撮影:塩川智幸
編集:今井大介
音響監督:本山哲
音楽:戸田信子
アニメーション制作:朱夏
OP:「宝石の生まれるとき」やなぎなぎ
ED:「Only for you」 Da-iCE
CAST
リチャード・ラナシンハ・ドヴルピアン:櫻井孝宏
中田正義:内田雄馬
谷本晶子:花澤香菜
下村晴良:井口祐一
ほか