【連載第12回・沖田さん大勝利】『FGO』がもっと楽しくなる!?『Fate』シリーズに関連した様々な用語・ネタを解説！

沖田さん大勝利 とは

沖田さん大勝利とは、『FGO』におけるバトル勝利時に流れる、「沖田さん」こと沖田総司の台詞。この後に「身体は大丈夫です」と続けながら、最後に吐血するのがお約束となっています。

▲沖田さんが吐血するのは、新撰組を代表するエピソードである池田屋事件において、沖田総司が吐血したという説の影響だと思われます。サーヴァントになってからも、スキル「病弱」として、吐血癖が一種の呪いとして沖田さんに付きまとうことになります。（『FGO』ではなかなか優秀な性能のスキルになっていますが）

おそらく大元のネタはライトノベル『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』におけるヒロイン・冬海愛衣の台詞である「愛衣ちゃん大勝利！」。

冬海愛衣は感情が昂ぶると自分の感情を抑えきれなくなり、思っていることをすべて口に出してしまうタイプのキャラクターで、思いを寄せている主人公との仲が進展するような事態が発生すると、喜びのあまりこの台詞を口走ってしまいます。（ちなみにこの冬海愛衣、TVアニメ版のCVは、『FGO』では紫式部も演じる茅野愛衣さんなのですが、キャラクターと名前がまったく同じという縁もあります）

実装された当時は、NPアップスキルが非常に貴重で、自分でスターとNPを溜められる優秀なカード性能を誇る沖田さんは、長らくセイバークラスの最強サーヴァントとして君臨していたため、必然的に聞く機会も多くなります。

これに沖田役の悠木碧さんによる独特な演技も加わって、「沖田さん大勝利」のボイスは、多くのプレイヤーの耳に残り、ネタとして定着していくようになりました。

そうした経緯もあって、水着霊基の清姫に強化素材を使用した際「清姫ちゃん大勝利！」と発言するなど派生ネタが生まれたりしたのですが、「沖田さん大勝利」が再び注目されることになったのが2019年の水着イベントである「見参！ ラスベガス御前試合～水着剣豪七色勝負！」。

というのも、元々沖田さんは経験値先生による漫画『コハエース』のために、武内崇先生が描き下ろしたオリジナルのサーヴァント。

『FGO』のサービス開始前に連載されていた同じ経験値先生のWEB漫画『Fate/ぐだぐだオーダー』では、同じコハエースオジリナルのサーヴァントである織田信長（もといノッブ）とコンビ組んでおり、『FGO』でも『ぐだくだオーダー』とのコラボサーヴァントとして、同タイミングで実装されていました。

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しかしその後、ノッブは2017年の水着イベント『デッドヒート･サマーレース！～夢と希望のイシュタルカップ2017～』で水着霊基、『オール信長総進撃 ぐだぐだファイナル本能寺2019』で魔王信長と、相棒である沖田さんを置き去りに次々と派生の新サーヴァントが登場。

対する沖田さんも、新たにオルタが実装されてはいたのですが、オルタ系のサーヴァントの中でも設定が特殊で、元の沖田さんとは別の存在という色合いがとくに強いサーヴァントだったこともあり、ノッブに比べると不遇の印象を受ける結果になっていました。

▲2019年の正月イベント「閻魔亭繁盛記」では、沖田さんが自ら水着霊基の実装を願うという一幕も。

それが解消されたのが、「見参！ ラスベガス御前試合～水着剣豪七色勝負！」で、念願の水着バージョン（オキタ・J・ソウジ）が実装。多くの沖田さんファンがSNSで「沖田さん大勝利！」の歓喜の声を上げることとなりました。

なお、この毎年恒例となる水着サーヴァントのチョイスは、「武内崇先生枠」（アルトリア、アルトリア［オルタ］、ジャンヌ、沖田）、「ワダアルコ先生枠」（玉藻、ネロ、BB、メルトリリス）、「アルトリア枠」（アルトリア、アルトリア［オルタ］、謎のヒロインX、ルーラーアルトリア）の３つの枠が存在するのが恒例となっており、水着沖田さんは2019年の武内崇先生枠に該当。

まもなく今年の水着サーヴァントも明らかになると思われる頃ですが、この法則が残るとするなら、今年はどのサーヴァントが水着になるのか予想するのも楽しいと思います。

余談ながら、『FGO』や『ぐだぐだオーダー』での活躍が印象深い方も多いと思われる沖田さんですが、太平洋戦争末期に行われた聖杯戦争を描いた『帝都聖杯奇譚』において、セイバークラスのサーヴァントとして召喚されており、ここでの活躍も必見。

『FGO』の第１再臨でも見られる大正ロマンに溢れた着物姿は、幕末を生きた沖田総司のイメージには重ならないと感じた方も多いのではないかと思うのですが、なぜ沖田さんがこの着物を着用していたのかも、『帝都聖杯奇譚』を読むと分かるようになっています。

現在は、経験値先生が『コハエースGO』内で連載していたものを単行本化した『コハエースＧＯ　帝都聖杯奇譚』と、同作を平野稜二先生が完全リメイクしたコミカライズ『帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline』の２つのバージョンが存在するという、『Fate』シリーズの中でも異色の位置付けとなっているのも特徴。

コハエース版では、『月姫』のキャラクターである琥珀やシエルがスターシステムで登場していましたが、リメイク版ではオリジナルキャラクターに変更され、沖田さんも『FGO』や『ぐだぐだオーダー』の時とは印象がかなり異なる、シリアス成分満載の人斬りサーヴァントとしての側面が強く描かれているなど、それぞれに異なる見どころがある作品となっているので、是非合わせてのご一読を。

　
今後も本連載では、『Fate』シリーズに関連した様々なネタの解説を行っていく予定なのでお楽しみに。

［文／米澤崇史］

『Fate』シリーズ用語・ネタ解説

『Fate/Grand Order』概要

タイトル名：Fate/Grand Order（フェイト/グランドオーダー）
ジャンル：FateRPG（フェイトRPG）
iOS/Android にて好評配信中
企画・開発・運営：DELiGHTWORKS Inc.（ディライトワークス株式会社）
製作：TYPE-MOON / FGO PROJECT
価格：基本無料（ゲーム内課金あり）

Fate/Grand Order 公式サイト
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ハッシュタグ：#FGO