奥井雅美さんの3年ぶりのソロアルバム『11-elevens-』インタビュー｜「陰と陽」など様々な2面性をテーマに、JAMとは違う奥井さんの魅力や二面性を堪能できる１枚！

せつないバラード曲「コトノハ」は奥井さんからのアドバイス？

――「コトノハ」は、昔の恋を思い出す、しっとりした、せつないバラードナンバーで。特に男性には刺さる曲かなと。

奥井：ピアノだけでデモを作って、ボーカルは今、流行りの「THE FIRST TAKE」のように最初から最後まで通して歌って、それを2～3本録った中で一番いいものに決めました。悲しくせつない曲だけど、感情や情熱を込められるようにと思って歌いました。

あとで生の弦楽器を足していただいて、ピアノ1本で歌った時の感情の動きに加えて、より世界が広がった気がします。歌詞は、元カノが結婚したり、幸せに暮らしているのを見て、「あの時、ちゃんと謝ればよかったな」と思っている男の子の歌です。

彼女と別れた後も幸せに生きていたつもりだったけど、今でも好きだということに気付いてしまって。もしあの時に謝れていたら違う未来になっていたかもしれないと後悔していて。言わなければいけないことは、その時のタイミングでちゃんと伝えないなといけないんじゃないの？　と言いたかっただけです(笑)。私、男性目線で書くのが得意で。レコーディングの日に、エンジニアのお兄さんから「僕も今、この状態です」と。やっぱり、みんなあるんだなと思いました(笑)。

影山ヒロノブさん作曲の「21世紀サバイバー」はダンスナンバー！

――「21世紀サバイバー」は影山ヒロノブさん作曲のダンスナンバーですが、今流行りのEDMなどとは違うタイプだなと。歌詞も女性のしなやかさと強さを感じました。

奥井：JAMだったらデジタルなアレンジで圧が出てくる感じかもしれませんが、兄さんが書くけど、JAMとは違う着地点に持っていきたかったんです。兄さんに踊れる曲をお願いしたら「奥井ちゃんが好きなK-POPみたいに素晴らしくは作れないけど、ああいう感じにしたいな」と言っていて。上がってきたデモがシンプルので、アレンジで音を足したり、コーラスや掛け声を重ねたり、自分でちょっとデコレーションしました。

内容は、これからどんどん生きていくのが大変な世の中になっていくかもしれないけど、「頑張って生き抜こうよ」と伝えたくて。またこの曲を作っている時は、既にJAMの映画が完成していたので、映画のタイトルの「GET OVER」も歌詞に入れました。「いつか輝くダイヤモンドになるよ」など女子目線に見えますが、私がみんなへ訴えかけている感じかな。「今一生懸命生きていれば、きっといいことがあるよ」と。

きただにひろしさん作曲の「JUDGEMENT」はロックチューンで来たるべき監視社会への警告も!?

――きただにひろしさん作曲の「JUDGEMENT」は熱いロックチューンです。歌詞は未来への警鐘やメッセージが込めれているような。

奥井：ダニーは2曲作ってくれて、その中の1曲を選びました。アレンジは黒須克彦さんにお願いしましたが、割とダニーのデモに忠実にめっちゃ、いい感じに仕上げてもらいました。曲から浮かんできた世界観は、今監視社会みたいになりつつあるのかな？と感じていて、いつかAIに選別される時代になるんじゃないかとか、SNSとかで他人の悪口を書いている人もいるけど、そのうちすぐに誰が書いたのか分析されて逃げられなくなるかもしれないかなと。『ターミネーター』や『マトリックス』みたいな時代が来るんじゃないかと思って書きました。