音楽
優しく美しいバラード 結城アイラ『聖女の魔力は万能です』OPインタビュー

結城アイラ『聖女の魔力は万能です』OP主題歌「Blessing」インタビュー|「誰かを癒す曲になりますように」願いを込めて。エヴァーグリーンな歌声が世界を優しく包み込む

同名のキャラクターが登場! ED主題歌はまだ見ぬ明日に想いを馳せて

――(インタビュー段階では)アニメがもう間もなく放送です。さきほど優しい世界が舞台という話がありましたが、原作も読んでいてとても楽しい作品ですよね。

結城:そうなんです。急に異世界に行ったら普通はパニックになりそうなのに、主人公のセイちゃんは落ち着いて対応していてすごいなと思いました。大人なんですよね。変な嫌味がなく好感が持てる主人公だなって。あと魔物は出てくるけど悪い人は出てこなくて、平和な世界で良いなあと思いながら原作を読ませていただきました。すごく魅力的な作品です。

――セイちゃんと同じく、聖女としてもう一人召喚された愛良(アイラ)ちゃんは、偶然にもアイラさんと同じ名前で!

結城:そうそう!(笑)同じ名前なので「アイラちゃんも素敵なキャラクターで良かった!」って(笑)。異世界に召喚されても前向きに頑張るセイちゃんも魅力的ですが、対照的に突然のことに戸惑っているアイラちゃんの様子は「まだ10代だから突然異世界にきたら当然戸惑うよね」って見守ってあげたくなるんですよね。実はED主題歌は、セイちゃんだけでなくアイラちゃんの気持ちにも寄り沿ったものなんです。

――なるほど、そうなんですね!

結城:(音楽担当の)黒田さんの作られる楽曲がヨーロッパの香りがするような世界観なんです。でも壮大になりすぎず、カルテットやワルツなど、クラシカルなイメージの楽曲が多くて。そうした資料も事前にいただけたので、作品に寄り添うような曲をと思い、バランスを考えながら曲を作っていきました。そうしたこともあって「Blessing」も洋楽っぽいサウンドに。

 

 

誰かを癒すものになりますように

――レコーディングはいかがでしたか?

結城:自分で楽曲を作るとレンジが広くなってしまうんです。低いところから高いところまで声をめいっぱい使ってしまう楽曲を作りがちで(笑)。だから大変でしたね。

――ご自身で作ったのに(笑)。

結城:そう(笑)。自分で書いてると遠慮がないので欲張っちゃうんですよ。誰かに書く時は「この方が歌いやすいかな」って考えてしまうんですけど、自分の曲の場合は「頑張れば出るかな」と(笑)。だから、高音も低音も「このキーを地声で出すのはこれがギリなんじゃないかな」って感じのギリギリのラインです。

――話が少しそれてしまいますが、曲から先に作られていったんですか?

結城:いえ、いつも一緒に作っていく感じなんです。なんとなく歌詞をイメージしながらメロディをあてていくんです。作家の仕事をやってく中で機材が増えて、今自宅の環境が充実していて(笑)。ピアノ(キーボード)、パソコン、マイクが一か所にある状態なんです。だからその場でコーラスも当てていって、形を作りながら曲を作ってる感じですね。

――<不意に 初めて知る高鳴り 海になる>という歌詞がすごく染みるんですが、どんな思いを込められ作られたんでしょうか?

結城:ありがとうございます。この曲は願いを込めた歌なんですよね。自分の打ち込んでる夢に対してだったり、大切な人に幸せになってほしいという願いだったり……。

今まさに新型コロナウイルス感染症で今までにない困難に見舞われていて。古来の人って今までにない困難に出会ったとき、きっと願ったり、祈ったりしていたと思うんです。今作の場合を読んで――祈る対象があることって祝福されるべきことなんじゃないかなと思って。願うことで輝きが見えて、輝きがあるから自分の瞳を輝かせることができるし、希望が生まれるんじゃないかなと思ったんです。

――それこそ聖歌も教会の祈りから生まれているわけですし。

結城:そう。その中に聖女という存在もあって。ゲームやファンタジーの世界の中でも、聖女が祈ることで傷がいえたり、魔法が生まれたりする。そういうことにもつながればなっていました。さらにその歌が誰かを癒すものになれば良いなと。

――現在の状況に当てはめて聴くと歌がグッと身近に感じます。

結城:そうなんですよね。こうした状況にリリースできることも運命的に感じています。今は早く日常が戻りますように、この状況が立ち去りますようにって願うことしかできないですから。

――前回『Leading role』でお話をうかがわせてもらった時は緊急事態宣言の前でこういった状況になるとは思ってなくて。

結城:そうでしたね。「きっと落ち着きますよね」って話をしたことを覚えています。

――でも実際はいまだに落ち着かず苦しい状況が続いています。アイラさんは『Leading role』リリース後、どのように過ごされていたんでしょうか? 

結城:自宅にずっといて「やることがないな」って(苦笑)。『Leading role』の時は、ファンの方に感謝を伝えたい、会いたいって気持ちだったので、全国を回るようなキャンペーンも考えていたんです。

でも「会ってはいけない」という状態になってしまったので最初は沈んでいました。そんな中でも結局音楽をやっていたんです。旦那さんと一緒に「セッションしようか」って。アップするわけではなくて、いろいろな曲をカバーしたり、動画を撮ったりしながら過ごしていました。

結局音楽に救われていて、「ああ、音楽をやるしかないんだ」って。できないことを数えるより、できることを数えたほうがハッピーだなって気づいて、そこからは前向きになりました。どんな形であっても頑張ろうと思って「みんなと会えないなら配信ライブをやらせていただこう」と。

――6月に行う予定だった「結城アイラ Live 2020」は2公演とも中止となってしまいましたが、その代わりに配信ライブを行われていて。

結城:そうなんです。そのライブをやらせていただけたことは自分の中でとても大きくて。音楽で皆さんと繋がれる機会をいただけたことに感謝しようと思いました。

――思いもよらず音楽への愛が深まった期間になったんですね。でも音楽って人と人とコミュニケーションをとるにあたってとても大切なものですよね。

結城:そうですね。それこそきっと音楽が生まれたのもそういうところからで。大切にしたいなと思いました。

 

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