声優・新垣樽助さんが収録風景を再現！【オトバンク】書籍ラインナップ数日本一のオーディオブックサービス、制作現場の裏側より公式レポート到着

書籍ラインナップ数日本一を誇る、オーディオブック配信サービス「audiobook.jp」（運営：株式会社オトバンク）。

紙の本、電子書籍に次ぐ「第三の本」として近年普及しつつある「オーディオブック」は、小説やビジネス書、教養書など、プロのナレーターや声優が読み上げたさまざまな本を「耳で楽しむ」のが醍醐味。ですが、「オーディオブックは本を読み上げただけのもの」だと思っていませんか？　実はちょっと違います。

先日、オーディオブック制作見学会が実施され、声優の新垣樽助さんが登壇。講談社刊『宝島』（真藤順丈著）のオーディオブック版の収録風景を再現してくれました。

ここでは、オーディオブックがどう作られているのか、「audiobook.jp」の制作風景とその裏にある想いをお届けしましょう。

▲オーディオブック制作見学会に登壇した声優の新垣樽助さん

「本を読み上げるだけ」じゃない！オーディオブック制作現場のリアル！　公式レポート公開

「audiobook.jp」は2007年のサービス開始（当時の名称は「FeBe」）以来、国内のオーディオブック市場を開拓してきたパイオニア。2018年に「定額聴き放題サービス」を開始したことや、ワイヤレスイヤホンやスマートフォンなどのデバイスが普及したことなどから会員数が急増し、2021年に累計200万人を突破しました。

その「audiobook.jp」のオーディオブック制作は、「本の選定（オーディオブック化する本を選び、出版社に許諾を取る作業）」から始まります。許諾が下りたら、制作スタッフがその本を読み込み、理解をしてから読み手であるナレーターの選定や演出の企画に入ります。

サービス開始当初からオーディオブックの制作を指揮している伊藤誠敏氏によるとほとんどの本は２回読んでから本格的な制作に入ります。

「たとえば小説なら、まず初めに何も考えず“いち読者”として読みます。その後に、キャスティングや効果音など、“オーディオブックとしてどう作るか”を考えながらもう一度読みます」（伊藤）

演出のアイデアが固まったら、次は台本作りです。

本は演劇やアニメの脚本とは違って「地の文」があるため、小説の場合そのまま読み上げるだけだと、どの登場人物のセリフかわかりにくくなることがあります。

また、ビジネス書の場合は図やグラフが入っているケースがあるため、それを「あくまで声で表現する（図やグラフの内容を言語化して読む）」か「図やグラフはPDF化して付録としてつける」か、という判断が必要になります。

「本を音声化する」といっても、収録の現場ではオーディオブックならではの作業や、オーディオブックならではの判断が無数にあるというのが実情のようです。

「作品一つひとつ、ベストの制作方法を探る」オーディオブック制作の裏側！

台本ができたら、いよいよ収録です。

今回の説明会では、声優の新垣樽助さんが登壇。2021年12月20日に発売された『宝島』（真藤順丈著、講談社刊）オーディオブック版の収録風景を再現してくれました。

▲『宝島』より

▲『宝島』のワンシーンを読む新垣さん。『地の文をどう読んだら伝わるか考えましたし、逆に読み手の思いを詰め込みすぎないようにも気を配りました』

第160回直木賞を受賞したことで話題になった『宝島』は、戦後間もない頃の沖縄が舞台ということで、作中に沖縄方言が多々使われています。

そこで「沖縄の言葉がわかって、実力がある方ということで、早いうちから（沖縄出身の）新垣さんに読んでいただきたいと思っていました」（伊藤）

新垣さんも、「親から聞いた話や記憶にある事件も描かれていましたが、当時の状況についてあらためて家族に聞いたり、資料を取り寄せて調べたり」と準備をしてから収録に臨んだそうです。

小説をオーディオブックにする際は、複数の声優を使いラジオドラマ風に仕上げることも多いそうですが、『宝島』は新垣さんが単独で読んでいます。

「アメリカ統治下の沖縄の悲惨な状況を扱った小説なので、あまりエンタメっぽい作り方にすると作品の雰囲気が損なわれると考えました」（伊藤）という判断のもとで始まった収録でしたが、オーディオブック版『宝島』は18時間にもおよぶ大作。

新垣さんが「１日５時間の収録を月に７～８回、３カ月かかりました」というように、収録はかなり過酷だったようです。

▲少しの声のブレも見逃さずに、別のテイクを要求。OKテイクをすばやく全体の音にはめこんでいく

収録では、作品世界を最良の形で利用者に届けるために、制作スタッフも声優も一緒に心を砕きます。

「悲しい物語を悲しい調子で読んでもらうのが正解とは限りません。悲しい中に何があるのかは考えますし、あえて明るい調子で読んでもらうこともあります」（伊藤）

「自分も本を読んでいると、行間から想像を膨らませることがよくあります。だから、オーディオブックも、読み手であるこちらが一方的に思いを詰めすぎるのはどうなんだろう、という思いがあったので、聞いてくださる方が想像を膨らませやすいようにあえて声の演技は抑えて、フラットに読むことを意識しました」（新垣さん）

こうした、収録時の演出は作品によって異なるそう。『星の王子様』（サン＝テグジュペリ著）や『モモ』（ミヒャエル・エンデ著）など児童書は読み聞かせ風に、『かがみの孤城』（辻村深月著）や『君の膵臓をたべたい』（住野よる著）はラジオドラマ風に、『一路』（浅田次郎著）では作中の東京弁を表現するために落語家を起用したことも。「こういう作品はこう作る」という定型的な作り方ではなく、一つひとつの作品に最適な制作手法を探っていくのが「audiobook.jp」のスタイルです。

こうして収録されたオーディオブックは、複数回のチェックや音の調整を経て世に出ます。

今回はオーディオブックの制作現場でどんなことが行われているのか、制作の過程にどんな判断や葛藤があるのかをご紹介しました。

「ここ２年程で、新刊書籍をすぐにオーディオブック化する流れが確立しつつあります」（社長・久保田裕也）というように、オーディオブックへの認知の広がりや市場の拡大を日々感じるところではありますが、「オーディオブックが当たり前にある社会」までにはまだまだ道半ば。

これからも、注目作品のオーディオブック化や企業、自治体との協力など、オーディオブックの普及につとめていきます。

声優・新垣樽助さん紹介

『テニスの王子様』の木手永四郎役をはじめ、『Fate/Zero』(11年)の間桐雁夜役や、劇場版『攻殻機動隊 ARISE』シリーズ(13〜14年)のトグサ役などで知られる。

オーディオブックは、『神去なあなあ日常』『トヨトミの野望』『女子大生会計士の事件簿』など多数出演。

本日、配信スタートのこちらのオーディオブック。
新垣が読ませて頂きました。
戦後の沖縄を舞台にした熱い物語。
是非！ https://t.co/yxRTeYVgvF
— 新垣樽助 (@tarusuke_beam) December 20, 2021

オーディオブックとは

オーディオブックとは、ナレーターや声優が本を朗読した「聴く本」です。耳だけで読書を楽しめるため、文字を読むのが難しい方のほか、ランニング中、電車や車での移動時間、家事の最中など生活のあらゆるシーンで「ながら読書」を楽しめます。

audiobook.jp（オーディオブックドットジェイピー）とは

株式会社オトバンクが運営する、日本最大級のオーディオブック配信サービスです。2007年より配信を開始した「FeBe」からリニューアルし、2018年3月よりサービスを開始。オーディオブックのカテゴリー普及に向けてプラットフォームの拡大を目指します。 2021年に累計会員数が200万人を突破。

サービス概要

・サービス名称：「audiobook.jp」
・サイトURL：https://audiobook.jp/
・App Storeページ：https://app.audiobook.jp/ios
・Google Playページ：https://app.audiobook.jp/android
・料金体系：聴き放題プランは、月額880円(税込)。入会から2週間は無料でご利用いただけます。個別購入は作品ごとの購入が可能。（※単行本書籍とおよそ同価格帯（1,200円～1,500円）での配信が中心。

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