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冬アニメ『オリエント』監督・柳沢テツヤ、シリーズ構成・國澤真理子 インタビュー【連載第6回】

つぐみの登場で誤算が発生!? アニメならではの見せ場は? 冬アニメ『オリエント』監督・柳沢テツヤさん、シリーズ構成・國澤真理子さん インタビュー

つぐみの登場で誤算が発生!?

──ここまでの物語を振り返っていただいていかがでしょうか

柳沢:第1話は武蔵の章、第2話は小次郎の章、第3話は旅立ちの章といったように、一つひとつのお話でやることが明確に分かれた作りになっています。全体として、最初はシリアスを多めにいこうと思っていたんですけど、つぐみが出てくると作品の雰囲気が変わってしまって(笑)。

第4話のコンテがあがったタイミングだったと思うんですけど、随分空気が変わったと感じて。それはつぐみというキャラクターが持っているパワーなんだと思います。

國澤:たしかに、つぐみが加わったことで随分と雰囲気は変わりましたよね。

柳沢:3話までは作品の雰囲気を壊さないようにという意識から、ギャグを入れ込むタイミングを慎重に考えていたんですけど、つぐみが出てからは自然にギャグが入ってくるようになりました(笑)。

──つぐみの登場で、武蔵と小次郎の新たな一面を見ることができた気がします。

柳沢:キャラクターが絡むことによってお互いの魅力を引き出し合っていますよね。それはどの作品にも言えることではありますが、今回は僕らが思っていなかったことも起こって面白かったですね。

 

アニメならではの見せ場は武蔵と小次郎の心情

──武蔵と小次郎の関係を描くにあたってのこだわり、または印象に残っているシーンがあれば教えてください。

柳沢:彼らは互いのことを思い合っていますよね。第1話Aパートの終わりに小次郎が武蔵を突っぱねて、一旦別シーンに切り替わりますけど、あれは実は武蔵のことを思っていたからでした。シーンとしては原作にもありましたが、武蔵のことを思っている小次郎と、同じく小次郎のことを思ってる武蔵の姿でAパートを終わらせることで、アニメならではの見せ場として、ふたりの気持ちがシンクロしている様を描きました。武蔵と小次郎の気持ちの動き方と言うのでしょうか。

國澤:私は書いていたのが結構前のことだったので、当時の気持ちは少し曖昧です(笑)。でもアフレコを見て改めて、声優さんは命を吹き込んでくれているんだと実感しました。第1話で武蔵が「『武・士』だ。馬鹿野郎!!」と今まで言えなかった本音をぶちまけ、ボロボロになりながらも鬼に立ち向かっていくシーンは、アフレコで見ていても「うぁ〜!」と込み上げてくるものがあって。このシーンは大好きですね。

武蔵は一見、考えなしに見えるかもしれませんが、本当はすごく空気を読んでいるところがあります。小さい頃から周りの空気を読んでいたからこそ中々言い出せないことがありますが、本当は熱い思いを持っているんです。

それと同時にこの世界は間違っているという思いも持っていて、そんな胸の内をブワッとぶちまけるシーンは見ていて気持ち良かったし、「これだ、これ!」と思いました。まさに命が吹き込まれていると感じたシーンですね。

──物語序盤からアクションシーン満載でしたが、今だから話せる、制作にあたって苦労した点などはありましたか?

柳沢:アニメで動かすには武蔵のツルハシが意外と動かし辛くて、最初はどうしたら良いのかわからなくなりました(笑)。一枚絵で武蔵が大きいツルハシを持っている姿はかっこ良いんですけどね……。

──確かに、主人公のツルハシが武器というのは珍しいですよね。

柳沢:ツルハシは振り下ろして戦いますが、刀と比べると様にならなくて。そうは言ってもかっこ良く描きたかったので、原作の良さを再現するために本当に苦労しました。

國澤:色々と作業を進めていく中で思ったのが、大高先生はとにかく「かっこ良ければOK」と仰っていただいて。なので、とにかくかっこ良さには気をつけましたね(笑)。

 

(C)大高忍・講談社/「オリエント」製作委員会
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